ヤーンボウルの作り方


……作り方などと称するのもおこがましいですが。
編み物をしている時、コロコロと転がっていきがちな糸玉をホールドしておくのに、
ちょっと便利なやり方です。何が便利って、安くてお手軽。そして作業中の糸玉と作品を、
糸を切ることなく出し入れすることもできます。

正規の品を購入しようとすると、ほとんどが海外製品で万単位しかねない。
そんなヤーンボール、あるいはヤーンホルダー、ヤーンキーパーと呼ばれるものを、
身近な材料で代用してみる小技です。

※写真はクリックすると拡大します。この画面へはブラウザの「戻る」で帰って下さい。



↓ 完成品↓

2017/07/28 追記: 糸ガイド付きバージョン
完成品・バージョン改
糸ガイドについては、↓下に詳しく追記してあります。



2017/09/10 さらに追記: スリットバージョン
完成品・バージョン改2
工作得意な方は、もう直接スリットを空けちゃう方法もありでしょう(苦笑)
詳しくはブログの方で触れています。



※ 旧バージョン ※
完成品
完成品2

参考にさせていただいたのは、↓こちらの記事(※海外サイト)です。

■Fiber Fridays: DIY Yarn Bowl | Pocket Pause
 http://pocketpause.com/fiber-fridays-diy-yarn-bowl/

私の場合はタティングレースで使用していますが、かぎ針編みや棒針編みなどでも、問題ないでしょう。
そして材料……というほどでもありませんが、必要なものは百円ショップで揃えられるか、わざわざ買わなくても家にあるかと(苦笑)


必要なものは、三つだけ。
材料

事務用のダブルクリップと、適当なサイズのタッパー。そしてタッパーと合う大きさのお皿です。
タッパーは、写真のように蓋が立つタイプがおすすめ。お皿は重めかつ底がカーブしているものが使いやすいです。

今回は13cm×16cmに深さ10cmほどのタッパーを使用しました。
レース糸の40g玉を入れるには、このサイズがちょうど良かったので。


作り方……と言うより使い方は、お皿を中に入れて、フチにクリップを留めるだけww





お皿を入れるのは、おもりにするためです。あと内部で糸玉が転がりやすくなるというメリットも。
タッパー単体だと軽すぎて、糸を引っ張った時に移動したり倒れちゃう場合があるんですよね。

それと作業中、この中へ小物(編み針のキャップとか)を入れておくと、紛失防止になるのですが。
その際も底が湾曲したお皿を使用していると、取り出すのが地味に楽です(細かいものはタッパーの隅に入り込んで、なかなか拾えない)。

なのでお皿がガタつくようなら、いっそ底に両面テープなどで留めてしまうのもありかもしれません。


糸をセットする時は、糸玉を中に入れて、引き出した糸をダブルクリップの持ち手に通します。
両方に通したほうが力が分散されて、糸を傷めたりといった負荷が少なくなると思います。





作業中はこんな状態。
蓋はクリップの位置まで閉めておいた方が、邪魔にならないし、ホコリなども防げるかと。





で、肝心の出し入れなのですが。
一見すると、クリップの取っ手に糸玉や編み途中のものをくぐらせるのは不可能です。
実際、シャトルひとつでさえこの通り。まったく話になりません。





しかし、ちゃんと取り出せるのですよ( ̄ー ̄)





ポイントは、目玉クリップでも洗濯バサミでもなく、ダブルクリップを使用したことにあります。
このダブルクリップ、実は取っ手が外せるんです。

持ち手を摘んでぎゅっと内側へ押し込み、隙間から上へ引き出してやればOK。





この通り、分解してしまえば簡単に糸を外すことができます★





今回は判りやすさも兼ねて大きめのダブルクリップを使用しましたけど、本当は小さめのもののほうが、分解する時の力は少なくて済みます(取っ手の針金が細いから)。
細かくて見えないから大きい方が……といったあたりは、個々人のお好みですね(笑)

もちろん再びセットする時は、逆の手順で糸を通した取っ手をはめ直してから、またクリップをフチに留めてやれば良い訳です。



そして作業途中で一時中断するだけの際は、わざわざクリップを分解までせずとも、こうやって……





糸を通したままのクリップや、繋がった状態の編みかけ一式ごとタッパーの中に入れて蓋を閉めれば、そのまま片付けられます。
かさばらないしホコリも防げて一石二鳥★
……タティングレースやかぎ針編みはともかく、棒針だとこれはちょっと厳しいか(苦笑)


ともあれ、以上。
ある程度の重さがあって、糸を引っ張っても飛び出たりひっくり返ったりしない。でも移動はさせやすくて、穴にこすれても糸を傷めず、さらに内部が見えやすくかつ、ホコリよけの蓋もあり、作業中のものを取り出したくなった時に、糸を切る必要がないうえにそこらへんにあるもので簡単・安価にできる。
そんな個人的理想を詰め込んだ、DIYヤーンボウルの作り方でした。

 

2017/07/28 追記:


作品の出し入れがより簡単にできる、糸ガイドを追加作成してみました。





材料はダブルクリップと大きめのゼムクリップ、金属対応の接着剤とマスキングテープ。
必要な道具はラジオペンチと、何か細くて丸い棒状のものか、ワイヤーを丸めたりするのに使う丸ヤットコあたり。
どれもやはり百均で購入可能です(笑)





作り方はごくシンプル。
まずはゼムクリップをU字型ひとつぶんだけ残して伸ばします。





伸ばした部分を、丸ヤットコや棒状のものを使用して、コイル状に曲げていきます。
どちら向きの螺旋にするかは、お好みでどうぞ。





形が整ったら、ボンドでダブルクリップに接着。





やっぱりアロンアルファ的な瞬間接着剤がオススメかと。
多少力がかかってもぐらつかないように、しっかり固定します。

ボンドが固まったら、上からマスキングテープを貼って、接着部分を隠せば……




完成★

これを、どうやって使うかというと、



これだけ。
糸を軽く回転させるだけで、シャトルや編み棒がついたままの糸玉+作品を、簡単にセットしたり外したりできます★
先のバージョンのように、いちいち持ち手を分解する必要はありません。


またこれ、本体は単なるクリップですから、当然ただの皿や籠などでも使用可能です。



器にそれなりの重ささえあれば、かなり勢い良く引っ張っても、糸玉が転がっていくのをちゃんと防げました。

この手のクリップは、ピンチやマグネットタイプあたりも考慮に入れると、可愛いキャラクター系やらデコり甲斐のありそうなシンプルタイプなど、様々なデザイン・サイズを見かけます。好みや機能性に合わせて、いろいろなタイプを作れるんじゃないかと。

またスタンドタイプの糸立てをお使いの場合や、籠を足元に置いて作業する方、あるいはミシンで業務用の大きな糸巻きを使用される時なんかも、こういうガイドを糸の角度がちょうど良くなる位置にクリップ留めしておくと、作業しやすくなるかもしれません。

そんな糸誘導パーツ(ヤーンガイド)の作り方、追記でした。




なお、こんな安っぽいもの使えるか! という方には、こういったものが国内でも販売されています。








このくるんとカーブしたスリットの絶妙な形状とか、焼き物や木製という糸を傷めないだろう配慮をしてある素材とか、本当にすごいし使いやすそうだと思うんですが……お値段も相応にすごいんですよねえ……私にはとても手が出せませんです(苦笑)



そうそう、コーン巻きタイプの糸を使用する場合は、こんな方法もあります。





これも百均のカゴと、あとは使わなくなった編み棒と棒針キャップの組み合わせ。
けっこう抵抗なく回転してくれるので、床に置いて良し、高い位置に引っ掛けても良しと、なかなかに便利です♪




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