タティングレース 根元が自然な Ring on Ring on Chain
(リング・オン・リング・オン・チェイン)のやり方まとめ



チェインの上側で二段重ねのリングを作成する場合、普通はモックリングを使用するようです。
しかしそのやり方だと、土台になるチェインのカーブが不自然になったり、
2色使いの場合にリングの根元で別の色が覗いてしまったりするのが、少々気になりまして。

そこで以前に覚えた Loop Tatted Ring ( Single Shuttle Split Ring の応用版)を使って、
土台のチェインが自然なカーブを描く、チェイン上の二段重ねリングを作る方法を考えてみました。
……実は普通に使われてる技術だったら非常に恥ずかしい話ですが、一応忘れないようにメモしておきます。


↓ 完成品↓
完成品1

完成品2

例によって、私なりの備忘メモを残しておきます。

※写真はクリックすると拡大します。この画面へはブラウザの「戻る」で帰って下さい。



↑のように、土台のチェインが自然なカーブを保ったままで、その上に二段重ねのリングを作成できる技法。

手順としてはSSSR(シングルシャトル・スプリットリング)の応用で、下のリングを作成途中に左手にかけている糸を長く引き出し、その糸の輪でリングを作成。ほどけないようシャトルをくぐらせてから締め、下のリングの後半を作成、という形になります。

チェインの上に作成するので、シャトルとサブシャトルの2個を使用。
あと空のシャトルかゼムクリップなども用意しておくと便利です。


まずは、メインシャトル(黒糸側)で土台のチェインの半分を作成。




次にサブシャトルの糸を左手にかけて、下側のリングの前半部分を作成していきます。



ここまでは、通常のチェイン上部のリング( Floating Ring )と同じやり方です。
次からは、上のリングをLTRで作成していきます。


まず、長めに引き出した左手にかけていた糸を、再びリングを作成する形で左手にかけます。
下(小指側)から回ってきた糸は、ダブルステッチのきわでつまんで押さえます。




次に余った、左手にかかっていない方の輪を芯糸にして、上側リングを作成していきます。

下の写真は、4目ほどダブルステッチしたところ。
左手にかかっていない方の輪を二つ折りにし、芯糸2本でリングを作成しています。
この時、空のシャトルやゼムクリップなどを輪に引っ掛けて作業すると、やりやすいです。




芯糸側の輪を引っ張りすぎると、作りかけの下側リング後半の輪が縮んでいくので、そちらが小さくなりすぎないよう、要注意です。
※下の輪が小さくなりすぎたら、チェインの根元近くに繋がる方を引っ張れば大きくできます。

上のリングに必要な目数を作成し終えたら、二重の芯糸のうち下のリングに繋がるのとは逆側の糸を引いて、上側リングを仮閉じします。




↓上側のリングを閉じ終えたところ。
先ほどまでシャトルを引っ掛けていた輪が大きくなっています。




このままだと、下側リングの糸を引っ張った時に全部ほどけていってしまうので、それを防止するアンカーとして、芯糸の輪に休めていたサブシャトルを通します。

下側リングの糸の輪を広げ、左手にかけ直すと作業がやりやすいかと。




左手にかけ直した下側リングの糸の輪のうち、中指側を引っ張ると、上側リングの芯糸の輪が小さくなっていきます。
※けっこう力がいります。あと引っ張る向きに注意。




もう少しで締め終わるところ。
左手でつまんでいる小さなリングが、上側のLTRです。



サブシャトルの糸が輪に通っているため、最後まで締めてもほどけていきません。


上のリングの根元から糸の輪が見えなくなったら、休めていたサブシャトルを使って、下側リングの後半を作成していきます




下側のリングを作り終えたところ。




あとは通常通りサブシャトルの糸を左手にかけ、メインシャトルでチェインの続きを作っていけばOK。



これで根元が自然な Ring on Ring on Chain(リング・オン・リング・オン・チェイン)の完成です。
上側のリングのみ、芯糸が2本になっています。


糸の輪をリングの根元に回すのではなく、下のシャトル糸を通すことでほどけ防止アンカーにしているため、SSSRの派生でも、途中でピコ繋ぎすることが可能な仕様となっております。





また、チェインの上に1個だけリングを乗せる場合でも、このやり方を使用すると、シャトル1個+糸玉の形で作成することができます。






以上、いつもながらの個人的備忘メモでした。





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