枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ〜!?
2026年01月31日(Sat)
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読書記録: ■枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ〜!? https://kakuyomu.jp/works/822139837215582191
六十まで生きて幸せに生涯を終えた、元日本人のお婆ちゃんが、伯爵家の長女イアナに転生。赤子の頃から達観しすぎていたこともあって、両親からは気味悪がられ、悪魔憑きと呼ばれるように。そして妹ばかりを可愛がられても、前世享年六十歳のおばあちゃんは、普通の幼子のように構ってちゃんではない。一人で大人しく本を読み、文字や計算練習をしたりなどしていたが、その間に家の財政がどんどん傾き始める。使用人を減らしていった結果、家の細々とした雑用をすべて押し付けられても、前世では一般家庭の専業主婦をしていた彼女にとって、掃除や洗濯はそれほど苦でもなく。押し付けられた雑用を鼻歌交じりに片付けていく。両親はますます気味悪がり、そして幼い頃から溺愛されて来た妹ジョルジアナに至っては、あからさまに姉を見下し、使用人か何かと勘違いしているようだった。 それでも前世享年(以下略)は、小さな子供の我儘にいちいち目くじらなんて立てたりしない。反抗期の息子よりはまだましだと楽観視して放置していたのだが。 イアナが二十歳になったころ、見事に斜陽へ突き進むアントネッラ伯爵家を、一瞬で没落させるほどの大問題が起きた。ただでさえ借金がかさんでいるというのに、それでも贅沢品を買い与えられ甘やかされ放題の妹が、既婚者しかも入り婿と不倫をして、相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたのである。 しかしアントネッラ伯爵家に、それを払うほどの蓄えなどない。そこで父伯爵はイアナを呼び出した。いわく、 「ステファーニ公爵にお前が嫁げば、支度金としてまとまった金が入る。それで慰謝料を払うのだ。これは当主である私の決定だ」と。 ちなみにステファーニ公爵は御年六十二歳。三十年前に他界した奥方との間に成人した息子がおり、孫も二人いるため、跡継ぎを作る必要などないはずである。 「この縁談は公爵の息子が持って来た物だ。正確には『どんなことがあっても文句を言わず添い遂げてくれるもの』という募集がかかっていた。嫁ぐならば巨額の支度金を用意するが、違反すれば同じく巨額の違約金を支払わなくてはならないという条件付きだ。おおかた老い先短くなった父親の介護要員が欲しかったのだろう」 これは決定だと命じられたイアナだったが、渡された絵姿を見て、思わず目を見開いていた。 (な、な、なんて素敵な紳士なの!?) 中身がおばあちゃんのイアナにとって、二十歳そこそこの同年代男性などおこちゃまもおこちゃま。頭をよしよししてあげたくはなっても、男性としての魅力などまるで感じない。しかし絵姿に描かれた老紳士は、目じりに浮かんだ皺にほうれい線といった、年を重ねた渋さがある。正直言って、イアナの好みにクリーンヒットであった。 しかも結婚と同時に息子とお嫁さんと孫もゲットできるとあっては、もはやこの事態を引き起こした妹に感謝したいぐらいである。 そうしてトランク一つのみを荷物に、ウキウキしながら公爵家へと向かったイアナだったが、しかし迎えに来た使用人達の様子がどこかおかしい。何やら言葉を濁すのに首を傾げつつ、公爵邸へとたどり着いた彼女を出迎えたのは、素敵なロマンスグレー……ではなく、端麗な面差しをした二十歳ぐらいの青年で ――
前世の影響で枯れ専な伯爵令嬢と、研究馬鹿な息子のせいで若返りの魔法をかけられてしまった元老紳士な公爵様との、縁側で日向ぼっこするような穏やかな結婚生活。ザマアあり。完結済。 主役は環境こそ典型的なドアマットヒロインですが、もともとの精神年齢が高い(両親すら反抗期の子供ぐらいの認識)のと、おおらか過ぎる性格とが相まって、まったく悲壮感がありません(苦笑) まあ、彼女の享年がもう少し若ければ、うまく子供のふりをすることができたのかもしれませんが……それにしたって両親と妹の歪みっぷりを鑑みるに、そうしていたところで遅かれ早かれ結果は変わらなかったんじゃないかと思えます。 公爵様の方は、前妻とも政略ながら穏やかな結婚生活を送っていて、特に後妻を必要と思ってはいなかったんですが。研究熱心すぎて爵位(余計な仕事)を継ぎたくない息子の「父親が若返ってくれれば、自分を飛び越して息子が爵位を継いでくれそう」という思惑+退位後の老いらくの恋でちょっと視野狭窄を起こし「相手に合わせて10歳ほどでいいから若返りたい」と考えた先王陛下のやらかしにより、肉体年齢が大幅に若返り。さすがに責任を感じた息子が伴侶を募集したという流れ。 結果として、外見と中身が奇跡的に釣り合った二人は、実に良い感じのカップルにww そして公爵様は、この結婚で初めて恋愛や嫉妬というものを知ってみたりなど。 実家の家族以外は良い人達揃いで、読んでいてほのぼのできる感じでした^^
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No.4633
(読書)
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| プロフィール |
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神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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