とりかえ・ばや 12〜13巻(終)
2026年01月20日(Tue)
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読書記録:
一気に読み切ったぜ全13巻! いやあ、面白かったです。 序盤のオリジナル展開を回収するように、ファンタジー要素がちょっと強めになりましたが、そこはそれ。 人間関係に関しては、だいぶ現代の価値観に寄せられた少女漫画テイストにアレンジしてあって、前半の石蕗関連のドロドロはちょっときつかったですけど、入れ替わって以降はいろいろと楽しかったです。 ……原作古典の方は、むしろ入れ替わってからの展開が、ちょっとアレでしたからねえ、特に男連中の多情さとか、それでいて女性には我慢を求めるところとか。 それに姉弟の仲というか絆の強さも原作古典よりずっと良くて、ここぞというところで二人話し合って、互いに互いの背中を押していくのがたまりませんでした。
そんな12〜13巻は、梅壺の女御にまで入れ替わり疑惑を囁かれて、不正を許せない立場にある主上としての苦悩さえなければ、さらっと収まるところに収まるのに、なまじ生真面目すぎるほど真面目な主上だからこそこんがらがってゆく状態。 まあ、他の女御達が影薄すぎるほどに眼中にないと言うか、読者からしても「他に何人いるんだっけ?」「これ誰?」となりそうになるほど、政略結婚で義務的な間柄なことは、確かに気の毒ではあるんですけどね…… でも人間とっさの時に本性が出るというところで、自分も体調悪いのに沙羅が蛇に噛まれたのをさっと手当てして、しかもちゃんと手当てだけで済ます主上の思いに、政略関係ではどうやっても叶わないんだろうなあと。 そして本当に久々登場の石蕗、相変わらずから回ってるけど、結果的に睡蓮の助けにはなっているからまあ(苦笑) 最後に引導渡される部分も、やっとという感じで溜飲が下がりましたしねww っていうか、「おれの沙羅双樹は〜」って、沙羅がお前のものだったことなんざ一度もねえよっての。 ただ四の姫とその娘達がフェードアウトしちゃったのがちょっと残念……この時空では幸せになってくれていることを願いたいです。
一方で式部卿宮は終盤すっかり株を上げて、弓弦親王もなんとか致命的なことにはならなくて良かったです。梅壺様含めた右大臣側も、それなりに良いことありましたし。 そして突然登場した……と思ったら、実は前からちらほら顔見せしていた幻覚は、なんというかいろんな意味で気の毒なキャラだった気が……背景は描かれたにせよ、読者に感情移入されるには本格的な出番が遅く、幼い頃からたった一人に尽くすよう洗脳教育されたも同然で、正に銀覚の捨て駒でしかなかった感が。 っていうかこの境遇ってある意味、1巻で天狗(人買い)にさらわれた睡蓮の、あり得るべき未来でもあったんじゃないかなあと。もし沙羅の活躍がなかったら、睡蓮もまた幻覚のようになりかねなかったのではと思うとですね……
そしてそして、 ここにきて再びの、男装沙羅キターーーーー! もともと弟君との描き分けはありましたけれど、ちょっと前の場面で身長差が出てきたなあと思っていたところにこれですよ! 他の人は気付かなくても、一目で見分けちゃう主上がもうね! 一緒に仕事してるのに、まだ気付いてない石蕗と(ry っていうか、主上がはっきり入れ替わりを確信したうえで、どちらがどちらの格好をしていようと中身が彼らである限り尊い宝だと認めてくれたのが、もう原作古典を超えたハッピーエンドですよぉぉぉおおお!! しかも最終的な呼び名が「尼そぎの女御」と、短髪が公に認められるとか、最高かよ! 正にこれぞ多様性ってやつですかねぇぇぇええ ・゜・(ノД`)・゜・ <原作古典では結局最後まで入れ替わりを知らないままだし、髪は秘薬使って短期間で伸ばす
あとは、最終的にはやっぱり、とりかへばや物語の作者は、実は弟君でした展開でしたね。ありがとうございました^^ 何度も書いていますが、吉野の宮の娘達をカットして女東宮にスライドさせたことで、弟君と女東宮の関係がすごく王道かつ純粋なものになっているのが、現代の感覚としてはすごく受け入れやすかったです。 原典の方だと、女性陣って結局誰も精神面では、幸せになっていない気がするんですもん……子供達も養子縁組とかで、どれが誰だか訳判らなくなってますし。
追記: 原作古典のストーリーを意外と忘れているので、改めてフリーのものを検索して、ちまちまと照らし合わせてみたり。
■ようこのとりかへばや物語 http://inuiyouko.web.fc2.com/
こちらの翻訳も、なかなか判りやすい解説が入っています。
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No.4620
(読書)
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| プロフィール |
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神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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