よしなしことを、日々徒然に……
※ 2017年以前の記事は こちら になります ※



 准教授・高槻彰良の推察EX
2025年08月26日(Tue) 
読書記録:


6巻と7巻の間に位置する番外編集エクストラ
2巻の「学校には何かがいる」直後に起きていて、まだ初々しい尚弥くんと大型犬な高槻先生満載な市松人形に関わる怪異「お人形あそびしましょ」。
はっきりした時系列は不明なるも、尚弥が既に二年生で、犬柄のマグカップを見ながら子供の頃の出来事を思い返す「わんこくんのわんこの話」。
二年の夏休みが空けてしばらく経った頃、難波が尚弥を飲みに誘う「俺の友達の地味メガネくん」。
遊園地のお化け屋敷でまたも無自覚に霊を見てしまった佐々倉から始まる、大人組のあれやこれやな「休日は本棚を買いに」。

の、四章が収録されていました。お人形遊び〜の方も、ラストでは時間が飛んで尚弥が二年生になっているので、やはりこの順番(7巻の前)に読んで正解だったようです。

お人形〜は、一巻だかで話だけ出てきていた、研究室を市松人形で埋めている名物教授が登場してきて、蚤の市で購入した市松人形について動くだの髪が伸びるだのと言った、スタンダードな怪異が関わってきてます。なんというかシリーズ初期の頃の雰囲気に近くて、ちょっと懐かしい感じがしました。
わんこくんの〜は、怪異が一切ない、尚弥の過去話。高槻先生も最後にちょっと登場するだけです。代わりにこれまでちょいちょい触れられていた、「子供の頃に実家で飼っていたゴールデンレトリーバー」についてが出てきました。嘘が歪んで聞こえるようになってしまった尚弥にとって、その存在がどれだけ救いだったのか、この話を読むまでまったく気付いていませんでしたよ。そしてもうね……うちも前に犬を飼っていたので、こういう話は涙腺に来ちゃいます( T ^ T )
俺の友達の〜は、尚弥に積極的に話しかけてきて、尚弥もそれなりに相手をしている、唯一の友人と言って良い難波くん視点。尚弥に告白して玉砕した同級生という、実に驚きの存在が登場し、その友人から「何が不満なのか聞いてこい!」と発破をかけられて飲みに誘うという流れ。普段はほぼほぼ尚弥視点で語られるこのシリーズで、尚弥を他の同級生や難波がどんなふうに見ているかというのが判る、実に番外編らしい番外編でした。っていうか尚弥くん、なんだかんだで人のこと見捨てられないよねえ(しみじみ)
ラストの休日は〜は、大人二人が尚弥には見せない面が出てきました。
尚弥の前では嘘をつかないように気をつけている二人も、お互いのために嘘だと判っている言葉を交わしたり、隠し事をしていたり。特に佐々倉が長野で口にしていた「絶対借りを作りたくない相手」に関しては、ちょっと根本が覆る隠し事でしたよ。いや尚弥にはどこかでちらっと話していた気がするんですが、高槻には内緒にしてたんですね。そりゃまあ、そんな部署があると知ったら、高槻先生、絶対に突撃していきそうだもんなあ。
そして高槻視点が本当に貴重というか……自分の行動がエゴに満ちたものだと自覚したうえで、尚弥をまるで洗脳するかのような形で否応なく巻き込んでしまったことに対して抱く、良心の呵責。その描写でやっと、前巻で尚弥が「俺は絶対忘れない」と約束した時の笑みに、悔やむ色が混ざっていたことが腑に落ちました。
でもね、高槻先生。それこそその心情を全部尚弥にぶちまけても、彼は真っ直ぐな目で「何を今更」って言ってくれると思うよ。選択の余地をゼロから1にしてくれことにすごく感謝しているだろうし、むしろ今では尚弥の方が高槻を巻き込んだとさえ思ってるし。
あと佐々倉さん、あなたはちゃんと、二人を現実に繋ぎ止める楔となってるよ! と背中を叩きたい気持ちでいっぱいです。
そんなこんなでEX(エクストラ)とつきながらも、時系列に沿っていろいろ重要情報が入っていた気がするこの巻は、久しぶりにするするっと一日で読み切ることができました。もし飛ばして読んでいる方がいたら、ぜひ手に取ることをおすすめいたします ΣG(`・ω・´)


……指を怪我してるせいで、ハンドメイドできない分、読書の方に集中できるという怪我の功名(物理)があったりとか(苦笑)
No.4478 (読書)



<< 2025年08月 >>
Sun Mon Tue Wed Thr Fri Sat
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

にほんブログ村 ハンドメイドブログ タティングレースへ
にほんブログ村


 最新の記事
 准教授・高槻彰良の推察..

 リンク
 神崎へメール
 私立杜守図書館
 蔵書リスト

 

   

 ブログ内記事検索:
 
 AND OR  




Back to Home...

[管理用] [TOP]
shiromuku(fs6)DIARY version 2.41