よしなしことを、日々徒然に……
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 子豚ちゃんな私は、この世界では超美少女らしいです。
2022年07月25日(Mon) 
読書記録:
■子豚ちゃんな私は、この世界では超美少女らしいです。
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魔物や獣人が存在する世界に転生した少女。前世の詳しい記憶は残っていないが、地球という星で生きていたことは覚えている。
そんな彼女には、とても切実な悩みがあった。
非常に裕福な豪商の家に生まれ、美しく優秀な両親と兄に溺愛され、自身も絶世の美女だと褒めそやされる環境。愛してくれる家族にはとても感謝しているし、恵まれているとも思う。
しかし……この世界における「美しさ」とは、地球のそれと真逆だったのである。
多めの贅肉に、肉に埋れたような細い目。低い鼻に大きな口。真っ白い綺麗な肌と艶のある髪。
鏡の中の自分を見るたび転げ回りそうになるし、美形一家と呼ばれる家族を見ても、豚の群としか思えない。これは体質的なものが大きいらしく、運動してもまったく痩せられなかったし、周囲も「傾国の美姫」である彼女にそれを求めてはいない。
そんな中、成人である十五歳を迎えた彼女は、結婚を考える時期に来ていた。この世界では基本的に日本よりも早熟で、十五歳になった女性に誕生日の贈り物をすることで、男達は自分を結婚相手候補として意識してくれないかとアピールする風習がある。むしろひとつも贈り物をもらえなかったなら、それはかなり切ない状態である。
案の定、彼女の誕生日には、すごい数の贈り物が届いた。部屋が2つ埋まるほどである。この中から気に入った相手を選び、お見合いをしなければならない。
しかし重ねて言うが、この世界基準のイケメンとは、豚なのだ。しかも自分がイケメンだと自信を持っている豚である。生理的にどうしても、受け付けることができない。
とりあえず、「容姿なんてどうでもいいから、能力のある男が好き」と主張し、数名のみ選んでお見合いをセッティングしてもらった。
どんな男性かはわからないけど、イケメンじゃないといいな。
そう思いながら会った男達は、やはり誰もがこの世界基準ではレベルの高いイケメンたちばかりで。
しかし最後の十人目だけは様子が違った。迎えに出た母が、渋い顔でひとり部屋へ戻ってきたのだ。困った表情で彼女が告げた言葉は、
「彼、獣人なのよ。確かにこちらも、手紙で連絡を取った時には人間ですかなんて聞かなかったけれど、普通は自己申告すべきだわ」
だった。
この世界では、獣人は亜人とも呼ばれ、純粋な人間よりも劣ったものとして見られることが多い。法的に差別されている訳ではないし、母も亜人差別などしてはいなかったのだが、やはり娘の旦那候補としては許せないのかもしれない。
そう思いつつも、母をなだめて迎え入れた相手は ―― 短く切った金髪の間から、同色の三角耳を二つ生やし、腰に黄色と黒のしましま尻尾が存在する、虎の獣人であった。しかもその容姿はというと、鋭い切れ長の茶色い瞳に、通った鼻梁、薄い唇。少し浅黒い肌に、引き締まった無駄のない体。身長は190cmを越える、がっしりとした印象を持った ―― 彼女の理想を体現したかのような、地球基準での「イケメン」、この世界基準では「二目と見られない醜い容姿」の獣人で……

具体的な記憶はほとんどなく、一般知識と感性だけを受け継いだ異世界転生・美醜逆転恋愛もの。全17話完結、番外編いくつか。
主役の少女とその他(主に虎獣人側)の視点が交互に語られているので、同じ場面を別視点で見る勘違い要素もあります。
周囲からの印象は、絶世の美少女の弱みを握って言うことを聞かせている性犯罪者とか、醜い男を騙して貢がせている小悪魔少女(しかし正当性を主張すれば十分まかり通る)、と言った感じ。
主役の方は、自分が他人を容姿で区別している、利己的な人間だという自覚があります。この世界基準のイケメンに馴染むことができないというのを、態度に出さない節度は保ちつつも最後まで貫いてます。
そして最終的にはお相手の獣人(騎士団の獣人部隊副隊長という有能)にも「自分の美的感覚は壊滅的に崩壊している」とカミングアウトしているので、獣人さんの方もそれなりに自信を持ってお付き合いできるようになってます。
家族の方は、相変わらず「容姿を気にしない娘(妹)は天使」という誤解が解けないまま、それでも相手のことを「容姿以外は素晴らしいのに、神に慈悲はないのか」と、同情的に見るようにはなっています。
No.3213 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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