よしなしことを、日々徒然に……
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 准教授・高槻彰良の推察 2巻 怪異は狭間に宿る
2022年07月19日(Tue) 
読書記録:


前回、調布の神隠し事件で知り合った子供、大河原智樹の通う小学校から相談が持ち込まれた。なんでも智樹の隣のクラス五年二組で新しい怪談が生まれたのだという。内容は『コックリさんをやったあと、帰ってくれずにロッカーへ住み着いてしまった。勝手に扉が開くことがあり、うっかり近寄ると引きずり込まれて違う世界に連れて行かれる』というもの。子供達はひどく怖がっており、PTAからはお祓いをしたほうがという声も上がっているらしい。智樹経由で高槻のことを知った担任教師の招きにより、高槻と尚弥は調査へ向かった……「第一章 学校には何かがいる」
大学祭で卒業生の女優、藤谷更紗がトークショーを行うことになった。そして高槻はその相手を務めるらしいが、尚弥は特に興味もなかった。しかし数少ない知人から屋台に来てくれと頼まれたり、直前に大風邪を引いて中耳炎を併発までした際、高槻がわざわざ自宅を訪れて病院まで連れて行ってくれたこともあり、渋々ながらも大学まで足を運んだ。そもそも芸能人が話すのを聞くのは苦手だった。彼らの多くは話を盛ったり、作り話を披露して笑いを取ろうとする。それらは彼らなりの努力なのかもしれないが、それでも嘘であることに変わりはなく。飛び交う歪みまくった声は尚弥にとって苦痛でしかないのだ。しかし藤谷更紗が「幽霊を見たことがある」と言い出した時、その声は全く歪んでいなかった。それどころか気がついてみると、周囲を埋め尽くす群衆の会話、そのどれひとつとして歪んで聞こえることはなく……「第二章 スタジオの幽霊」
高槻に持ち込まれた依頼は、両親が新興宗教のようなものにハマってしまったので、調べてもらいたいというものだった。遠足中にバスが転落し、乗員と担任を含めたクラス全員が死亡した中で、四年生の少女一人だけが助かった。その『奇跡の少女』にお参りすると、ご利益があるというのだ。軽く調査してみると、少女は母子家庭の一人っ子らしい。本人や母親が特に宣伝をしているでもなく、口コミで噂が広がっているようだ。母親は来客の対応こそするが、金品を要求したり訪れた者や相談事の記録をつけている様子はない。ただ、話を聞いている。それだけで、いただきものは別に『お布施』などではなく、あくまで気持ちを受け取っているだけなのだ、と。母親の言葉に歪みはなかったし、少女もただ話す客のそばで絵を描いたりと、一人遊びしているだけだった。これは高槻が興味を持つ怪異とは、タイプが違う気がする。そう思った尚弥だったが、何故か高槻はいつもの柔和な笑みを消し、不思議なほど真剣にのめり込んでいて……「第三章 奇跡の子供」

本編2冊目も三章構成。
最後の「奇跡の子供」は、ネット広告でコミカライズの思わせぶり抜粋を見せられていた話だったので、ようやくなんというか、つかえが取れた感じです。
展開的には1巻と同様、どの話もだいたい予想は付く感じで予定調和的なんですが、今回はちらっと「実は本物も混じってた?」「え、それって……」的な、もしかしてという謎が残されたりします。
高槻先生の講義部分も、やっぱり読んでいて面白いです。
そして1巻目では、高槻先生に興味をいだきながらもまだ一歩踏み込みきれなかった尚哉くんが、2章目での耳の不調とそれに伴う不安、すなわち「嘘が判らなくなるとそれはそれで怖い」「耳が普通になったと知ったら、先生は自分から興味を失うのではないか」という実感を経て、自分がもう高槻先生との間に線を引いておけないことを自覚したりとか。
まあ高槻先生の方は、「なんで耳の不調を教えてくれないんだろう?」と、あっさり見抜きつつも首を傾げていて、仮に彼の耳が普通に戻ったとしても、興味を失う気なんかさらさらないんですがww
っていうかもう完全に、一生付き合う運命共同体として認識しているので、逆に尚弥の不安が理解できなくて行き違っちゃうあたり、お前らもうけっこ(ry 

あと、1巻で語られた高槻先生の過去関係が、まだまだ序の口でしかなかったのがもうね。やっぱり引っ張ってたんだなと改めて納得。
高槻先生の幼なじみ、健ちゃんこと佐々倉刑事が本当に良い人過ぎる……・゜・(ノД`)・゜・

あ、それとこれはちょうどいま、積録の中から遺留捜査を見ているせいでしょうが……高槻先生が上川隆也さんでイメージされてしまいます。上川さんというかむしろ糸村さんww
穏やかで、物腰は丁寧なのに、空気読めなくて興味があることには突っ走っちゃう。でも、もつれた謎を解いて人の心を救ってくれる、年齢不詳のワンコ系残念イケメン。ほ〜らピッタリ★ ……せめて上川さんがあと15歳若ければなあ。
ドラマ版ではジャニーズ? の若手さんが演じられたらしいですが、あの手のイケメンは見分けがつかなくってですね……^^;;
No.3207 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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