嫌われてたはずなのに本読んでたらなんか美形伴侶に溺愛されてます〜執着の騎士団長と言語オタクの俺〜
2021年12月11日(Sat)
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読書記録: ■嫌われてたはずなのに本読んでたらなんか美形伴侶に溺愛されてます〜執着の騎士団長と言語オタクの俺〜 第一王子のその後 https://www.alphapolis.co.jp/novel/220573124/321562113
女性という性別がとある事情で存在しなくなった、中世風異世界が舞台。 兄弟のうち長男とスペアの次男以外は、第二次性徴前に薬を飲んで体内に子宮を作り「ノンノワール」という身体に。そうして男同士で結婚し、子孫を作るのが当たり前の世界。 幼い頃の一目惚れから婚約、そのまま政略結婚した騎士団長エルムートは、成長するにつれ着飾ることにしか興味を持たなくなり、装飾品や華美な服ばかりをねだってくる伴侶に早くも嫌気が差していた。 結婚一ヶ月目のプレゼントを要求され、「オレに好かれたいなら、少しは学を積むと良い」と告げ、分厚い書籍を送ると、伴侶は泣いて自室にこもってしまった。 一方、伯爵令息だったフランソワは、格上の公爵家から縁談を持ち込まれた父に、「よほど美しさを気に入られたのだろう。美しさを絶やすな。兄弟たちの縁談のためにも」と教育されており、身分違いを覆すためにひたすら美を磨いていたという経緯があった。 完全にすれ違った二人だったが、贈られたその書物が状況を一変させる。 それは今では芸術的価値しか認められていない、解読方法が失われた古代語の書籍であった。こんなものを渡されても読めるはずがない。つまりは完全なエルムートの嫌味である。 涙ながらページをめくっているうちに、しかしフランソワには蘇ってくるものがあった。 “いくら時代が変わったとしても、文の構造までは大きくは変わらないはずだ。” “例えば現代語は、英語などの多くのヨーロッパ諸言語と同じく、SVOの構造をしているから……” 頭の中に、膨大な記憶が流れ込んでくる。 日本語英語ドイツ語韓国語イタリア語中国語フランス語アルファベットハングルひらがなカタカナ漢字……エトセトラエトセトラ。 フランソワの前世は ―― ありとあらゆる言語を嬉々として学ぶ、言語オタクであったのである。 前世の記憶を得たフランソワには、目の前の本が宝のように輝いて見え始めた。どうして今までアクセサリーなんかに金を使っていたのだろう、世の中にはこんなにも面白いものがあるというのに! そうして化粧を直すのも忘れ、古文書の解読に没頭し始めた彼は、たった数時間で古代の精霊術の基礎を復活させてしまう。 それが、王家どころか全世界をも巻き込む、重大な出来事への幕開けで……
結婚から始まる恋愛のち世界救済。BLでR18もの。連載中となってますが、本編は完結済みで後日談的番外編が続いています。 あと男性が出産可能という世界観な段階で、読む人はかなり選ぶかと^^;; 基本的に堅物すぎる騎士団長さんは、言葉が足りなすぎなところと、思い込み強くて視野が狭いところがちょっとマイナスとか、最初は思っちゃいました。まあ、前世の記憶を取り戻して性格が変化した伴侶と接することで、言葉足らずや一人で思い込むのは(むしろそこまで行かんでええというほど)改善されていきますけどww フランソワの方は、最初こそ乗っ取りかと思うほど性格が変化しましたが、話が進むにつれてそれまでの性格とか記憶とか価値観もちゃんとこちらの世界のものを保っていて、いい感じに融合していると言うか、同一人物のままですね。 前世についてはあまり語られません。もと大学教授で言語オタク。本が切れると生きていけないコミュ障(上から目線の偉そう系)だったというぐらいでしょうか。おかげで結構イイ性格になってますww いちおう、記憶を取り戻した理由もラストでほのめかされましたし。
そして千年間「女性」というものが存在しなかったおかげで、「性別」という概念そのものがなくなり、古文書の内容を知った王族たちが、「女性とは被差別民族だったのだろう。気の毒に」と評していたり、過去の焚書で情報が失われていたけれど、他国には残っていたとか、そういう描写が時代によって伝承が変遷していくリアルな感じで面白かったです(笑) そして後日談、宰相さんまさかのww これは単純なザマアよりも面白い結末だと思います。よくやった第二王子ww いろんな意味で、みんな幸せになればいいよ!
……それにしても、千年前の王族たちの選択は……苦肉の策だったのかもしれませんけど、普通にひどいですわ……もしもこの世界の千年前に女として転生したら、悪役令嬢なんてレベルではなく詰んでますなあ……
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No.2884
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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