よしなしことを、日々徒然に……
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 異世界でのんびり癒し手はじめます〜毒にも薬にもならないから転生したお話
2019年12月18日(Wed) 
読書記録:
■異世界でのんびり癒し手はじめます〜毒にも薬にもならないから転生したお話 〜薬師を動かす
 https://ncode.syosetu.com/n6860dt/

地球という世界は、ある意味で神々の注目の的となっていたらしい。なぜなら地球の神が、世界そのものを見捨ててしまったからだという。
「人間はあと20年もせず、地球という世界をすべて巻き込み滅びるでしょう。それに嫌気がさしたのでしょうね」
女神にそう告げられたのは、帰宅途中の電車で事故に遭った、アラサーのOL翔子とあと二人、似たような年頃の男女の計3人であった。
女神いわく、他の人々 ―― 電車12両分の魂はみな、彼女の世界の魂の原料にしたのだそうだ。管理者のいなくなった地球は、今や神々にとって良い狩場となっており、現在生き残っている者達、すなわち翔子らの家族や友人たちも、いずれ他の神々に狩られていくだろうと。
しかし彼ら3人は、希望すれば自身の管理する剣と魔法の世界で生き直すことができると、女神はそう続けた。何故かと問うた3人に、あっさりと答える。
「あなたがたは、毒にも薬にもならないからです」
膨大なエネルギー量を持つ地球の人々の中でも、彼らは良くも悪くも他に影響を及ぼさなかっただろう存在だから、と。
身勝手な言い分に怒りはあった。悲しみも未練もあった。しかし日々の仕事で疲れ切っていた翔子は、大切な家族すらいなくなるという地球に、戻ろうとも思えなかった。
生き直すのであれば、およそ10歳程度からのスタートになるという。そして転生するにあたり、3つだけ願いを叶えてくれると。
しかし、剣? 戦いたくない。魔法? 戦いたくない。
考えた翔子は、癒やしの力と健康で丈夫な身体、そして自立するまで助けてくれる人をと願う。
そんな彼女につられたように、残る二人もそれぞれ生産に向いている能力を、誰かを守れる魔法の力を、そして健康な身体と自立するまで助けてくれる保護者を望んだ。
そうしてそれぞれバラバラに女神の世界とやらへ降り立った三人だったが……翔子はいきなりピンチに陥っていた。
時間は夜。あたりは森で、しかも吹雪の只中である。そして着ているのはごく普通の村人の服。つまりは薄着。
遠くに、かすかに灯りが見えるような気がしたので、必死にそちらを目指して歩きながら、翔子は女神を心の底から呪った。
だが小さくなった身体はいくらも進まないうちに力尽き、彼女は雪の中に倒れて意識を失ってしまう。
そうして次に目覚めた時には、見知らぬ山小屋のベッドの上で、そばには黒髪と金髪の、二人の青年がいて ――

神様転生系。書籍化、コミカライズ済、ダイジェスト化なし。連載中。
主人公は翔子ことショウ(転生先の人たちがショウコと発音できなかった)ですが、二章目でもうひとりの女性ハル、三章目で男性のリクも出てきます。
最初は一章目のショウ編だけで終わる予定だったようなので、そこまでで読み止めても大丈夫っぽいです。
というか三章目のリク編部分から、書籍版との整合性を取って細々とした部分が変わっているので、続けて読むとちょっとあれ? みたいな気持ちになります。
ショウ編は、とにかく平和というか、優しい世界。寿命が長い(200年ぐらいある)社会で、子供は大切にされるため、身元不明の孤児でもみんながこぞって養い親になりたがり。しかも大切にはされながらも、しっかり自立できるよういろいろ教えてもらえます。
そんな中、最初にハルを拾った黒髪の青年ファルコ(50歳)は、凄腕の魔物狩人でありながら、訳ありの過去を持つトラウマ持ちというお約束。無愛想で一匹狼的な存在だったのが、ハルに執着して養い親の座をもぎ取り、これでもかというほど構い倒して、中身は成人女性なハルに逆に生活の面倒を見てもらいながら、二人でいっしょに成長していくという疑似家族系?
あれ、こう書くとうちの娘のためなら〜と被るな……さすがにファルコはデイルほど駄目駄目じゃないと思うけど(笑)
あとショウは、子供に戻ってのびのび過ごせるようになったことで、疲れなんてさっさと忘れて前向きにビシバシ進むタイプになっちゃいますし。
2章目のショウとハル編は、ちょっと辛い展開が多いです。強い魔法の力を持ったが故に、ハルの周囲の大人が、搾取する方向に舵を切っちゃいましてね……(−ー;)
そして3章目のリク編は、逆にほとんど苦労なくのんびりスローライフを満喫した結果、甘やかされた感がちょいイラッときます。いやこれも周りの大人が問題なんですが。
ショウが落ちた国と違って魔物などほとんどいない地域だったのが、近年急速に魔物が増えてきて怪我人とかも増加しているのに、大人たちが現状を把握できていない。で、困ったらそのつど他の国から助けを呼べばいいや〜とのほほんしていて、その助けとして呼び出されたショウを含む狩人・癒し手・薬師一行が、あまりの他力本願ぶりにブチ切れそうになっているのが最新話あたり。
女神にも思うところがあったり、やらかした結果の失敗とかがありそうですが、一話目以降の登場は今のところなしです。
個人的には、リク編をちゃちゃっと片付けてもらって、レオン(ファルコの相方の金髪・80歳越え?)とその思い人との、じれじれもどかしすれ違い系甘々年の差天然溺愛カップルな番外編あたりを読んでみたかったりww
No.1687 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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