よしなしことを、日々徒然に……
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 タナスの楽しいダンジョン都市
2018年11月28日(Wed) 
読書記録:
■タナスの楽しいダンジョン都市
 https://www.alphapolis.co.jp/novel/175378781/67163696

十六歳で成人を迎える世界、通常家業を継げない次男三男は、十を過ぎる頃から自分の畑を切り開いたり、他の店や工房に弟子入りして修行をすることで就職先を決めている。
小さな田舎町にある商店の次男として生まれたタナスは、あと数ヶ月で成人を迎える時期になっていた。兄が冒険者になると言って五年前に家を飛び出したため、11歳の時から店の跡取りとして修行をしており、将来は安泰だったのだ。しかしある朝目が覚めると、その人生設計は潰えてしまっていた。
膝を負傷した兄が、家に戻ってきたのである。走ることは難しいが、日常生活に不便はない。だからその兄が家を継ぐのだと。
「悪いな、タナス」
五年前、店の売上を盗んで行ったとは思えない、まるで悪びれない笑顔で兄はそう告げた。
成人目前で、まだ就職先が決まっていないなど、怠け者と称されても仕方がない状態だ。しかもこの歳になってはもう、どこの店でも弟子になど取ってはくれないだろう。
タナスが選べる道は、兄と同じ冒険者になるしかなかった。兄がくれたお下がりの装備 ―― 五年間、買い替えもせずに酷使され続けたボロボロの胸当てとショートソード ―― と、母がこっそり渡してくれたへそくりを手に、タナスはダンジョン都市ウランスを目指す。せめてもの抵抗で、兄がいたのとは別の都市を選んだ。
そうして着いた場所は、彼がそれまで暮らしていた街とは比べ物にならないほどに都会であった。
地元の人から情報を集め、評判の良いギルドを選んで冒険者登録をし ―― やはり成人前の子供達に混じって、新人研修をこなしてゆく。その年齢で新人なんてと笑いものにされることも多かったが、運と事前調査が良かったのか、周囲の人々はいろいろと良くしてくれて……


現地主人公でチートもなんにもない、でも誠実堅実にまっとうに生きていれば、人間そこそこ良いこともあるんだよ、的なのんびりしたお話。ザマアも(ほぼ)ないです。中編で完結済。
こんな目に遭わされたら、普通もう少し腐ったりやさぐれたりしそうですが、主人公のタナスはなんだかんだで陰湿に恨んだりせず、さりとて全く腹を立てない聖人君子でもなく、最後の方にはもう故郷のことなどほとんど忘れて楽しく冒険者生活をエンジョイしております。へそくりを渡してくれた母には、ちゃんと手紙を出したり、お土産を送ったりしている代わり、手のひら返しやがった父と兄は完全スルー。憎まれるより相手にもされない方が、ある意味残酷よねという感じ。
父はどうも言葉が足りなかったのと、その扱いに落ち込んでいるのでまだしも、弟の成功を妬んでる兄は……この兄には、もう少しザマアが欲しかった気も。タナス自身からじゃなく、自業自得な感じでいろいろと。お嫁さん見つからないとか当たり前だろ!? と言うか、こんな兄に嫁がされることになったら、見合い相手が可愛そうだわ! って思っちゃいます。
勝手に店の金持ち出してぜんっぜん悪びれないうえに、膝の怪我があるからなんて青年団にも貢献しないようなやつは、信用できない男として地元商店組合とかでハブられれば良いんや<何も荒事ばかりが貢献方法じゃないんだからさ
No.864 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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