よしなしことを、日々徒然に……
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 異世界倉庫の管理人さん
2018年06月27日(Wed) 
読書記録:
■異世界倉庫の管理人さん
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秋無流(あきなし ながれ)28歳。派遣社員として倉庫業務を努めて8年が経ち、そこそこ仕事はできていたはずなのだが、いっこうに正社員へという話は来ない。それもそのはず。彼が出した成果はすべて他人のものにされており、社員登用の話も全て途中で握り潰されていたのだ。あげく覚えのないクレームを押し付けられた彼は、ついにブチ切れて会社を辞めた。
すっきりとした気持ちで意気揚々と帰宅の途についた彼は……そこで財布を落としていることに気が付く。慌てて銀行に連絡を取ると、口座の残高は152円。つい先ほど全額引き出されたのだと言う。
仕事を辞めて良い気分になっていたら、帰り道に財布を失い貯金も失った。真っ白な頭でそれでも帰ろうとすると……アパートが燃えていた。全焼だった。
天涯孤独の彼には、実家なども存在しない。たったの一日で家と私物と貯金と職、すべてを失ってしまった流は呆然としていた。
そんな彼は、帰り道で手渡されたビラの存在を思い出す。
『異文化交流もできる倉庫の管理人! 住み込み出来る方を募集しております。あなたの経験を活かしませんか?』
倉庫業務の経験ならある。住み込みも可能とある。とりあえずは必要なお金を稼いだら、辞めて違う仕事に移ることだって出来るだろう。とりあえずは職に金に寝床だ!
そう考えた彼は、その足で面接へ向かった。そうして即時採用され、部屋を出たのだが……そこは最初の廊下ではなく、木製の建物……倉庫の中だった。そして目の前にいるのは、明らかに酔っ払っていると思しき男。
夢か? 疲れすぎて夢を見ているのか?
そう思いながらも流は、ひとまず居住部分で眠ることにした。翌日、男 ―― その東倉庫の管理人に、管理人としての職務とあらゆる負債を ―― 金銭的にも周囲への悪評もすべて押し付けられて、逃亡されるとは思いもせずに。
そうして、すべてを失った元世界から、住む所と仕事こそあるものの、億単位の借金と最底辺の悪評がついた異世界へと移動した男の、倉庫管理人生が始まるのであった……


途中に挟まっている別視点を含めると、172話で本編完結済。後日談的番外編が3本ほど。書籍化済ダイジェスト化なし。
頑張った人がちゃんと報われて、好意には好意を返してもらえて、それまで繋いできた何気ない絆のおかげで、本当に辛い時に笑顔で手を差し伸べてもらえる。そんな優しい話運びでほっこりできました。
自分は普通だと思っている主人公が ―― 実際、言語が理解できる能力以外はまったく元の世界のままなのに ―― ブチ切れると最強になると言うか、笑顔で暗雲を背負って、誰も逆らえない迫力を無自覚に出しているのも楽しいです。
いわゆる難聴系というか、向けられる好意や評価を「いやいやそんなはず無い無い」と頑なに認めようとしないのは、元の世界のブラック企業で搾取され、否定され続けた結果の自己評価の低さから。
周囲からちゃんと指摘されて、途中から改善しようと努力を始めてます。
ってか、アース・スターから書籍化される作品って、元ブラック企業勤務で心を病んでる系キャラ多すぎませんかね……(苦笑)
そしてメインヒロインが、ひそかにプッシュしていたキャラになってくれたのは嬉しかったんですけど……最終的には結局ハーレムになっちゃったのが、いささか残念でした。
そこは人狼〜のヴァイトみたいに、1人相手を貫いてほしかったなあ……
No.482 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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