洒脱なマフィアは素朴な花を愛おしむ
2018年01月22日(Mon)
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読書記録: ■洒脱なマフィアは素朴な花を愛おしむ http://ncode.syosetu.com/n1716cg/
■真面目な刑事は洒脱なマフィアに狙われる https://ncode.syosetu.com/n2816co/
スラム街で生まれた少女は、10歳で母を失い餓死寸前にまで追いつめられた。たった一日の食事代で良いから稼ぎたいと身体を売ろうとし……そこでぶち当たったのは変態性犯罪者。路地裏に引きずり込まれ殺されようとしていた彼女を救ったのは、後に裏社会のトップに立った男だった。 それから8年。無能な領主を追い落とし裏社会からその地を支配するようになった彼のおかげで、スラム街は変わった。未だに貧しい人々は存在しているが、それでも力を合わせて何とか生きていけるような明るさがそこにはあった。 男 ―― クロードは、本当に有能で、若く、美しく、素晴らしい人間なのだ。たとえ裏稼業の人間だと知っていても、彼を慕う者はいくらでもいる。 少女 ―― アイリーンは、クロードの庇護のもと暖かな居場所と充分な食事と教育を与えられ、すくすくと育っていた。ボロボロに痩せ細っていた小さな身体も、いまや立派な女として成長したと、彼女は信じている。 たくさんのものをくれたクロードを、アイリーンはとても大切に思っていた。彼女にとってクロードは、いくら感謝してもしきれない、宝物のようなものだ。だからどうしても、彼に恩を返したい。彼の役に立ちたい。そして叶うものならばいつか、彼の周囲に控える美しい女達のように、彼を支えるひとりとなれたならと夢見ていた。 そんな彼女が選んだのは、クロードが経営する店に勤めることだった。 そこは《黒蝶の翅を休める泉のほとり》。美しい《蝶》が一夜の恋のお相手として、男達に色鮮やかな艶夢を見せる ―― 高級娼館である。どんな客が来ても対応できるよう、身だしなみや礼儀作法を身に着けた《蝶》達は、強制されて身体を売ることはしない。必要な金さえ出せば誰でも利用することの出来る店でありながら、そこにいる女性と一夜を共にすることが出来るかどうかは、あくまで客の努力と彼女達の気分次第。それでも多くの男が会話を楽しみ、あわよくばそれ以上の関係になれることを期待して通い詰める。そこはそんな店であった。 18歳になってすぐ、コネではなく実力で《蝶》となることができたアイリーンであったのだが……
えー……粋でお洒落な紳士系マフィアと、ちょっと天然入った一途な少女の、スレ違いまくりな両片思いと言うか。 ぶっちゃけ保護者を長く続けすぎて、今さらどうやって掌中の珠を口説けば良いのか判らないヘタレ男と、それを生暖かく見守る周囲的なお話です。短編2本。 事情知らずに巻き込まれちゃった、人の良い刑事さんがひたすら気の毒……だけど、それなりに報復もしてるみたいなので、その後どうなってるのかを想像するとニヨニヨしてしまいます(笑)
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No.95
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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