よしなしことを、日々徒然に……
※ 2017年以前の記事は こちら になります ※



 今日もわたしは元気ですぅ!!(キレ気味)〜転生悪役令嬢に逆ざまぁされた転生ヒロインは、祝福しか能がなかったので宝石祝福師に転身しました〜
2020年04月10日(Fri) 
読書記録:
■今日もわたしは元気ですぅ!!(キレ気味)〜転生悪役令嬢に逆ざまぁされた転生ヒロインは、祝福しか能がなかったので宝石祝福師に転身しました〜
 https://ncode.syosetu.com/n6463fx/

身勝手な旦那の両親の介護や、DVやらで疲れ果てた挙げ句に首を吊った女性が、乙ゲー世界のヒロインに転生。今世は勝ち組だ! と電波ヒロインになった挙げ句、同じく転生者でまっとうに努力した悪役令嬢のおかげで返り討ちに。学園は退学、どうせ疎遠になるからと寄り付かなかった実家に戻ることもできずに、冒険者登録。
しかし本来ならば、攻略対象者と結ばれることで目覚める強い祝福能力を得ていない彼女は、弱い祝福(一種のバフ)しか使えないので、誰ともパーティーを組んでもらえない。仕方なくギルドの併設食堂でウェイトレスをやっていたところ、続編の攻略対象者が行き倒れているところに遭遇。
獣人種で人間に触れるとアレルギー反応を起こしてしまう彼は、フットワークの軽い隣国の王様。症状を抑える祝石を持っていたのだが、それにかけられていた祝福が切れたので、動けなくなっていたと。
聞けば隣国では彼のような体質の持ち主も多く、また祝石は他に様々な道具で使用されているのだそうで。しかし獣人種で祝福が使えるものはほとんどおらず、『宝石祝福師』は希少職として重宝されているとのこと。
そんなこんなで隣国で国王専属の『祝福師』として働くこととなった元ヒロインだったが、ひとつ大きな懸念があった。
彼女が前世でプレイしていた乙ゲーの続編。そこには前作ヒロインがライバル役として登場するのである。ある意味『エンディングが用意されている悪役令嬢の方がマシ』なのではないかと思うほどに当て馬にされ続け、特にその後の記述もないまま終了する ―― そんな続編の舞台こそが、まさにこの隣国だったのだ。
まさかの続編のライバルルート!? もう大人しくしてるので、ほっといてください! と心から願う彼女をよそに、国王陛下は頻繁に祝福用の石を持ち込んでくるわ、現われた続編のヒロインは、かつての己を彷彿とさせる困ったちゃんだわで ――


悪役令嬢にザマアされ、逆に追放されてしまった元電波ヒロインの更生物語。中編で完結済。
続編ヒロインも電波ちゃんで、それを見て以前の自分の所業を思い出しては、羞恥にのたうち回る主人公が面白いです(笑)
ただ、うーん……いまいち乙ゲーから脱却しきらず、結局は続編の攻略キャラとくっついちゃったのはどうかなあと思わなくもなく。冒険者やってたら王様とエンカウントしちゃうのも、ゲームのご都合主義的な部分は否めないですし。
タイトル通り一介の宝石祝福師として、ゲームと関係ない幸せを目指してくれても良かったなって気がしました。
No.1924 (読書)


 弟が『姫騎士になる』と言い出したら私が王太子になる事になりました。【連載版】
2020年04月02日(Thr) 
読書記録:
■弟が『姫騎士になる』と言い出したら私が王太子になる事になりました。【連載版】
 https://ncode.syosetu.com/n5078fg/

翌年十三歳になる、第一王子セイドリック・スカーレット・ロンディニア。そのへんの貴族令嬢などと比べても文句なく愛らしいと言える容姿をした彼は、ある日のこと力強く宣言した。
「私、姫騎士になります!」「は?」
十六歳の姉、セシル・スカーレット・ロンディニアは、思わず素で聞き返す。
「…………なぜ姫騎士になりたいと思ったのですか?」
「姉様を守りたいからです! 私は昔、姉様に着せてもらった可愛いドレスなどが大好きです! それにかっこよくて強くて姉様を守れるものといったら騎士です! だから姫騎士になるのが、姉様をお守りするのに一番良いと思いました!」
その清々しいまでの純粋な笑顔に、セシルは突っ込みの言葉がすべて封印されてしまった。
仕方なく父王に相談したところ、父もまた同じようになってしまう。そして父は思案した挙げ句にこう提案してきた。
「隣国ザグレに留学の話があっただろう? ちょうどいい、お前たち一緒にザグレに行って来なさい」と。
大陸一の強国であるサグレには、各国の王侯貴族がこぞって留学する学校があった。身分も年齢も関係なく、能力で下級、中級、上級とクラス分けされ、卒業までの二年間を過ごすのである。二年間上級クラスに在籍し続けるのは相当に難しいと聞くが、今年はちょうどザグレの王太子殿下も入学するとあって、大国の次期国王とお近づきになれる機会を求めて、周辺諸国から多数の人間が送り込まれるらしい。
そこへ、セイドリックは女装して姉姫として、セシルは男装して王太子として、通えと言うのである。
「二年間は、自由に楽しい思い出を作りなさい」
父はセシルへとそう告げる。
身分の高い母を持つ異母姉達の陰謀により、セシルは意に染まぬ婚約を強いられていた。会ったこともない、しかし悪い噂しか聞かぬシャゴイン国の王太子へと、嫁がなければならないのだ。しかしザグレへ留学が決まったとなれば、向こうも婚姻を急かしたりはできないだろう。
だから二年の間だけ自由に過ごし、そのあとはあの国の王妃としてしっかりと立派に務めを果たせ、と。
かくして姉と弟は入れ替わり、信頼できる少ない使用人達とともに、期限付きの夢を見るべく旅立った。
しかし各国の王族貴族が集まった学園での生活は、入学式の前から波乱に富んでいて ――


現地主人公で女装&男装の入れ替わりな学園モノ。ちょっと長めの中編で完結済。
元は最初の一話のみのネタ短編だったものを連載版にしたものらしく、入れ替わりの動機とかが「良いのかそれ」的な部分はありますが、まあそこはそれ。なんかファンタジーな「とりかへばや物語」っぽかったです。
そして女装と男装に入れ替わり、さらには同性愛嗜好者まで登場してきて、なんかもういろいろとカオスなことに(笑)
名前の似ているキャラが多数登場するのも、けっこう混乱の元だったんですが。
とりあえずシルヴァーン殿下……どんまい。あなただけは心底から純粋に被害者だよね……あとランドルフ公爵家子息殿もたいがい気の毒ッス(遠い目)
あ、学園に通う生徒は別に寮生活とかじゃなく、普通に屋敷を借りてそれぞれに暮しているので、異性と同室で生活してドキッ★ 的な展開はありません。貴族学園だからか、着替えるような授業もないみたいですし。
セシルの婚約者であるシャゴイン国の王太子が、清々しいまでの阿呆な馬鹿様なので、そういう意味ではすっきりできました。
No.1904 (読書)


 追放悪役令嬢の旦那様
2020年04月01日(Wed) 
読書記録:
■追放悪役令嬢の旦那様
 https://ncode.syosetu.com/n8287fp/

ユーフラン・ディタリエール・ベイリーは、法を司る法官長という職に就く父を持つ、伯爵家令息だった。6歳で青竜の国アルセジオス王太子アレファルドに引き合わされ、14歳の社交デビューからは『御学友』として共に学園へ通ってきた。
しかし学園生活が終わる頃、王太子は突如「婚約者を替える。あんな女はお前にやる」などと言い出した。冗談かと思われたそれだったが、卒業パーティーの席でアレファルドは、取り巻きである公爵家令息達三人とともに、婚約者で現宰相の娘エラーナ・ルースフェット・フォーサイス公爵令嬢へと高らかに婚約破棄を突きつけたのである。
「この毒婦め! リファナにしてきた度重なる無礼を、俺が知らないとでも思ったか! 貴様の顔を見るのも不快だ! 今日限りで貴様との婚約は破棄させてもらう! リファナへの度重なる悪質な虐めの数々も、しっかりと償わせるからな!」
そう宣言する彼の傍らには、金の髪と目をした、可憐な少女が寄り添っていた。
金色の瞳は、国の守護竜に愛される証。そんな彼女の意向は、全てに対して優先される。たとえ平民の出身であったとしても、王族との結婚すら許されるほどに、『守護竜の愛し子』とは重要な存在なのだ。そんな相手の機嫌を損ねたとあれば、守護竜の怒りによって、国そのものが滅ぼされることすらあるのだから。
その場の誰も彼女に手を差し伸べる事はなく、そこここから「悪役令嬢もおしまいね」といった呟きまで聞こえてくる。
孤立無援の中、やがて突き飛ばされたエラーナ嬢の表情が笑顔に変わり、よろよろと立ち上がった。そして彼女は見事なカーテシーを見せる。
「分かりましたわ。殿下がそこまで仰るなら、わたくしもこの婚約は白紙に戻して頂いて構いません。では、破棄の手続きがありますので本日は失礼致しますわ!」
そう告げて背筋を伸ばし、退場しようとする。しかし ―― その足元がよろめいた。どうやら転んだ際にどこか痛めたらしい。
危ない、と思った時には動いていた。
ユーフランはとっさに腕を差し伸べ、倒れそうになったその身体を支える。
「わ、わたくしに構うと貴方まで立場が悪くなるんじゃありませんの」
「あれ、俺の心配してくれんの〜。やーさしー」
「っ!」
「いいから、ほら。最後まで気張るんだろう?」
そうして彼は、エラーナ嬢を馬車に乗せ、屋敷まで送り届けた。
それから一夜明けて翌朝 ―― 父である伯爵から、ユーフランはとんでもないことを告げられる。
「エラーナ嬢と結婚しろ? 俺が彼女と? はあ?」
なんでも王太子により、エラーナは昨日のうちに学園を、そして今日中に国を出ろと命じられたらしい。すなわち国外追放である。あまりの無体ぶりに父である宰相はカンカンだし、国王陛下も頭を抱えているそうだ。なにしろただ一人の王子であるアレファルドに代わりはいないし、相手が『聖なる輝き』を持つ乙女では、公爵家といえども逆らうことはできない。しかもあの新しい婚約者であるリファナ嬢は、恐ろしいことに取り巻き達 ―― すなわち将来の国王の側近候補である、他の公爵家らの子息まで骨抜きにしているのである。当然彼らの婚約者達もリファナ嬢に対していい印象は持っていないし、そもそもユーフランが知る限りでは、エラーナ嬢がリファナ嬢に対していじめを行っていたという確たる証拠も存在しなかった。
そこで怒り心頭である宰相を宥めるためにも、事の真偽を調査するまでの間、追放処分を受けたエラーナを守る必要があった。しかしその結果いじめが事実であった場合は、守護竜の怒りに触れるためエラーナを庇う余地はなく、切り捨てるほかない。
そんな諸々を加味した結果、昨夜ただ一人エラーナの味方をしたユーフランへと、白羽の矢が立ったという訳である。
国王と宰相の意向とあれば、ベイリー家は逆らうことができない。それにユーフランは長男でこそあったが、能力的には弟であるクールガンに及ばないため、既に跡取りから外されている。そういう意味でも問題はなかった。
「いいよいいよオッケー。さーて、それじゃあ荷物まとめてくるわ〜」
ユーフランはちゃっちゃと準備をすると、おそらく二度と戻ることはないだろう実家を後にした。その足でフォーサイス公爵家へと向かい、カバンひとつだけを持ったエラーナ嬢と合流する。
目指すは隣国、緑竜の国セルジジオス。国境までは馬車で送ってもらえたが、そこから先はユーフランの私物である馬一頭だけが頼りの、野宿の旅。食糧は干し肉、寝床は地面に敷いた毛布のみだ。
幸い、国境を越えてすぐの土地の領主は、ベイリー家の遠縁であった。そこである程度の援助を受けられれば御の字。駄目なら平民に頭を下げ、適当な住み込みの仕事を探して労働するしかない。
公爵令嬢に耐えられる生活だとは思えなかったが、エラーナは思ったほどワガママを言うこともなく、死んだような目をしながらも素直に今後の説明を聞いてくれた。
そしてユーフランはユーフランで……この状況を楽しんでいたりした。
いやぁ、困ったね、これ。人生どうなるか分からないな〜。一生叶わないと思ってた横恋慕が、まさか叶ってしまうとは〜♪ 最高かよ。
王太子とその取り巻き達からは馬車馬のようにこき使われ、ろくに授業すら出席できないほど酷使されまくっていた彼は、それらから開放された上に積年の思いが形だけでも叶ったことで、内心浮かれまくっていたのである ――


婚約破棄された瞬間に前世の記憶を取り戻し、今後の破滅エンド回避を目指す悪役令嬢と、彼女に思いを寄せていた社畜系有能モブキャラとの、結婚から始まるスローライフ(?)な青春物語。書籍化、本編完結済。コミカライズの計画も進行中。思い出したような番外編UPはまだ続くのかな?
ユーフランは、エラーナが記憶している『らのべ』には登場していない存在。エラーナいわく、「作者の御都合主義を成立させるための因子」だとかで、とにかく「こんな物が欲しい」と言われれば大抵のものは速攻で作り上げてくれる、チートにも程がある存在です(笑)
王太子やその取り巻きたちが「きみのために作ったんだ★」とヒロインへプレゼントしていた諸々を、実際に発明したのはすべて彼。まあね、偉い人たちは「こういう物が欲しい」って要望だけ告げて、あとは専門家に丸投げするのがデフォなんでしょうが……ただユーフランはけして専門家ではありません。ただの同級生で御学友……のはずなのに、奴等は身分が下の者など「使ってもらえて感謝しろ」的な認識なので、時間も材料費も全部ユーフラン持ちのタダ働きで、感謝すらされずに搾取されまくりなのがもうね(−ー;)
そして本人は、「自分はその『必要なもの』を思いつく発想がない凡人」と刷り込まれているので、隣国でエラーナその他が大発明だ天才だと大騒ぎするのが理解できず、キョトンとしています。まさに社畜。無自覚チート。
あとベイリー家にもいろいろと秘密があって、ユーフランの異様な高スペックぶりの理由や、『聖なる輝き』についても徐々に明らかにされていきます。
エラーナは、最初は王太子と同じようにユーフランを利用してるんじゃね? いくら何でもワガママや無茶ぶりがひどくね? とか思わなくもなかったんですが、その理由もちゃんと語られます。軽くネタバレると、いわゆる『試し』行為だったんですね。エラーナ側からすれば、一国の上層部によって直々に国外追放を言い渡されたあげく、ほぼ初対面かつ原作にも出てこない謎キャラと交際0日結婚させられた訳ですから、そうそう相手を信用できないのも無理はなく。しかもユーフラン、見た目と言動が胡散臭いチャラ男系なんですもん(苦笑)
ユーフラン自身も自覚していなかった『貴族モード』だったらしいそれは、共に暮らすうちにだんだん軽減されていきますが、無自覚に惚気けるのは変わりませんww
心内語での口癖は「え、俺死ぬの?」。
嫁(仮)が可愛すぎて死にそう。幸せすぎて死にそう。常にそんな感じ。
長年隠し通して拗らせた、主君の婚約者への恋心は伊達じゃないぜ! と言うか、ストーカーの域に達しつつ、本人も「これ引かれね? キモいよね!?」と自覚しているので、新婚さんなのに心臓バックバクさせて手すら握れない状態です。もうね、ようやくお互いに想いを告げあって、まずは恋人からと仕切り直してからも、甘酸っぺえと言うかもだもだするというか……もうお前ら結婚しろ……って、とっくにしてるじゃねえか!? みたいなww
あと、ザマアはあんまりないです。そういう意味での爽快感は少ないかもしれませんが、これからは苦労しろよ自業自得どもめ! 的な感じなので、どちらが大変かと言われれば……的な感じでした。
そして情報伝達の大事さがしみじみと身にしみる……これってヒロインもある程度は被害者なんじゃ……いや今は事情知ってるのに、それでもまだエラーナにあの態度とかはやっぱり引くけど。
つくづく王太子たちがクズだと思いましたです……
No.1902 (読書)


 魔導具師ダリヤはうつむかない 4巻
2020年03月30日(Mon) 
読書記録:


「104.王城向け礼儀作法」〜「144.ダリヤという名の魔導具師」までを収録。
ただし遠征用コンロのプレゼンを最後まで入れるためか、個人的に大好きな「125.大恩と兄への願い」〜「128.赤いサルビアの味」までが飛ばされていました(´・ω・`)
オズヴァルド先生と息子の和解まわりはともかく、グイード兄上とヨナス先生に、ダリヤに受けた恩義を力説して呆れられるあのエピソードは、5巻に収録されてくれることを切に願いたいですっっ
アンケート特典SSは、和解後のグラート隊長とジルドさんが、二十年ぶりに徹夜で呑んだあげくにダリラさん(グラート隊長の奥様でジルドさんの従姉妹)に叱られるお話。ああ、良かったね仲直りできて(ほろり)
そして今回も加筆がいっぱい。
もっぱらグラート隊長とジルドさんの過去や心境の掘り下げがメインでしたが、他にもコンロをまだ導入していない時点での、過酷な魔物討伐部隊の遠征(雨天時)が書き下ろされていて、ヴォルフがどんな思いで遠征用コンロの『営業』を決めたのかが語られています。ヴォルフはかる〜く「執務室で燻しベーコンを焼いただけ」とか言ってましたが、その背景ではちゃんと、営利目的で売り込みしてると悪く受け取られることも覚悟の上での行動だったんだなって。
本当に成長したなあ、ヴォルフ……

あと細かいところですが、「130.友の謝罪」で誤解が解けるきっかけとなった、ワイバーン革の黒コートを再度借りる事になった時の一幕とか、初期ヴォルフが「遠征で怪我しても隠し通すくらい」だったその怪我が、実はドリノをかばって負ったものだったとか。遠征用コンロのプレゼン後の食事会(?)で、グイード兄様が中央棟を空けさせるだけじゃなく、ダリヤの緊張を解くため討伐部隊からの会議参加人数を増やすようグラートに勧めてたり、財務部の方にも頭の柔らかい若手を入れるよう手配したりと、裏で気遣いしてくれてたとか、そういうちまちまとした書き足しもじわじわきます。
遠征用コンロの件が決定する時の、魔物討伐部隊の面々の行動がね、もうね……これは泣く。

そしてジルドさんが本当は騎士になりたかったのに、上層部の意向で財務部に配属されてしまって、卒業時はグラート隊長と泣きながら呑み明かしたとか……そう言うエピソードを読むと、二十年拗れに拗れきってたその仲が改善されて、本当に良かったなって思えます。
最後の挿絵、遠征演習会という名の慰労会で、楽しげな隊員達とダリヤを眺める老いた笑顔が、ものすごく切ないっす…… ・゜・(ノД`)・゜・

巻末書きおろしは、今回もカルロパパで「声渡りの魔導具」関連。
……そうですよね、この魔導具も妖精結晶のメガネと同じぐらいヤバイ代物ですよね(汗)<変装し放題
カルロパパが、過剰なまでにダリヤの才能を隠そうとした理由、そしてヤバイものを作るとヤバイことになるという事実をあえて教えず、真綿にくるむようにして『箱入り』状態にしてまで守ろうとしていた、その心情に至った流れが明らかにされていました。
っていうか、カルロパパ実はダリヤの『秘密』にうすうす気付いていたという、衝撃の事実……っっ
どこまですごい人なんだ、カルロパパ……
ほんと、カルロパパも、まだ名前も出ていない祖父も、亡くなるのが早すぎましたよ……本当なら祖父だってまだ、生きていて全然不思議はない年齢ですよね? この謎の祖父が生きていてくれたら、きっと頼もしい防波堤になってくれていたろうに……でもそのルートに入ると、ヴォルフとの出会いはなくなってしまうんだから、複雑なものです。
No.1899 (読書)


 愛されるまで転生を繰り返す悪役魔女ですが、このたび乙女ゲーのヤンデレ系魔導士を射止めました!
2020年03月26日(Thr) 
読書記録:
■愛されるまで転生を繰り返す悪役魔女ですが、このたび乙女ゲーのヤンデレ系魔導士を射止めました!
 https://ncode.syosetu.com/n2860gb/

能力は高いけれど、姿の醜さゆえに隠れ住むようにしていた魔女。そんな彼女に唯一「愛している」と言ってくれた王子は、単に彼女が作る薬や魔法の道具欲しさに、騙して弄んでいただけだった。
その事実を知った魔女は怒り狂い、王子とその婚約者を呪ったのち、自身も死を選ぶ。
「こうなったら、私を愛してくれる人が見つかるまで転生し続けてやる!」
そうしてはや幾星霜。世界をも越えて生まれ変わり、大公殿下に石油王、そしてアイドルとも恋をして……その誰もが、彼女を本当に愛してはくれなかった。
4度目に生まれ変わった日本で付き合ったのは、劇団員の卵の青年。
「好きだから、仕事しないで毎日連絡が取れるようにするね」と言った男へと、彼女は喜んで小遣いを渡していた。しかしそんな彼が、高級外車に乗った派手な女とキスしているのを目の当たりにし、またも裏切られていたことを知る。
泣きながらその場を走り去った彼女は、見事にすっ転んで頭を打ち、息を引き取った。
そして5度目の転生。今度生まれ変わったのは、最初の人生と同じ世界。なんでもあれから500年ほどが過ぎているらしい。
もう転生にも疲れてきた。もしも今世がダメでも、次のターンに挑む気力はない。
そう思った彼女は、これを最後と決めた人生 ―― メイドインヘル帝国の第一王女、ユウナリュウムとしての暮らしを始める。
容姿は完璧と言っていいほど整っている。長子継承のこの国では、将来の王位も約束されている。きっとよき伴侶に巡り合えるに違いない! と、自身も周囲もそう思っていた。しかし……気がつけば十八になっても婚約者がいない。
もともと凝り性だった彼女は、魔女の頃に魔法を極めたので、今度はちょっと剣でもやってみるかと思いたち……十歳で正騎士レベルの剣術を身に着け、十五歳で騎士団副官に就任。結果、魔法剣士として優秀すぎるがゆえに、並の男が寄り付かなくなってしまったのだ。
そんな彼女が500年前、最初の人生の際に残した数々の呪いや罠を、罪滅ぼしも兼ねて解除して回っていると、心配した父王が無理やり宮廷魔導士達を付けてきた。正直必要ないのだが、彼らも命令には逆らえないようで、気がつくとユウナと騎士団を置き去りにし、自分達だけで強大なアンデッドドラゴンへと挑んでいる。
慌てて助けに向かったユウナは、無事に彼らを助け出すことができた。しかしそのリーダー格である、天才魔道士ディークバルドの様子が、何やらおかしくて……


異世界から、現代日本を経由して再び異世界へ、自力で転生系。乙ゲー要素も少しありますが、あまりストーリーには関わってきません。中編、完結済。
ダメンズばかりを好きになる元魔女が、転生を繰り返した最後に出会ったのは、いろいろあって拗らせている、超ハイスペックなヤンデレ魔導士。
「重すぎる愛の持ち主同士がカップルになると、普通に甘々になる」、さらにグレードアップ版ですww

「きみが会いたいと言うから転移してきたんだ。もっと喜んでくれないの?」
「さっきの一人ごとが聞こえていたの? あぁ、このピアスかしら? それともネックレス?」
「両方」
「すごいわ、どちらかが壊れてもスペアがあるなんて。そんなに私のことを……!」

とか、

「魂を縛る魂魄結界を生み出したから、もし君を捕まえられたら契約してくれる?」
「なんて情熱的なプロポーズ!(うっとり)」

とかいった感じで、もう完全に割れ鍋に綴じ蓋(笑)
っていうか、ハイスペックヤンデレ同士が怖えww<一歩間違えれば軽く世界を滅ぼせるカップル
過去話とかけっこうエグい部分もあるのですが、基本的に脳みそお花畑になっている女性の一人称なので、雰囲気的には非常に明るかったです。


2022/11/21 追記:
消されて再掲&タイトルが微妙に変更になっていたので、再度メモ。

■愛されるまで転生し続ける悪役魔女ですが、乙女ゲームの世界で運命の恋人に出会ったので今度こそ幸せになります
 https://ncode.syosetu.com/n9817gy/
No.1893 (読書)


 魔導具師ダリヤはうつむかない 3巻
2020年03月23日(Mon) 
読書記録:


「77.職人と職人」〜「103.紫の二角獣」まで収録。アンケート特典SSは、在りし日のヴォルフ達4兄弟が、鬼ごっこで泥だらけになって怒られたという、あのエピソード。
さらに今回は、加筆がかなり多かったです。まず初っ端から、新作魔導具の試作がひとつ増えてます。ヴォルフ同席かつカラー口絵付き。これを試し読みサイトで確認できたのが、紙書籍を購入する決め手になったかもしれません。あと目次にあった、WEB版では見覚えのなかった「イボダイの塩焼きと王都七不思議」の文字がww
ぐい呑みを買いに行ったデート(仮)場面などのさりげない書き足しも、ニマニマできて嬉しいですね。
なんとなくヴォルフ → ダリヤのベクトルが、WEB版よりも強めに感じられるのは気のせいかな……?
そして神殿から寄付のお礼として届いた品には爆笑ww 完全に「水虫(からの救い)の女神」が世間に浸透している模様ww

逆方向には、ヴォルフ関連でギルドの女性職員に絡まれるダリヤの描写が、一行で終わらずちゃんとやりとりまで描かれているのも、ヴォルフの呪いに近いアレの厄介さが、よりいっそう実感させられました。
そしてカルロやイヴァーノ、フェルモらの過去や心情についても、かなり掘り下げられています。イヴァーノの見る悪夢とか、具体的に語られるとほんと辛い……
さらにカルロの死に立ち会った時を思い返す、回想がもうね……そのつい1ページ前にガブリエラ夫妻もからんだニヤリとできるエピソードがあっただけに、あっただけに…… ・゜・(ノД`)・゜・

書籍化で一番イメージが変わったと言うか、WEB版では謎の多い部分へスポットが当てられているのが、カルロパパだと思います。巻末描き下ろしSSは、いつもカルロ視点ですし。そしてやっぱりダリヤの母親との別れには、なにか事情があったんじゃないかと……今回の妖精結晶のランタン作成時のエピソードを読んだら、やっぱりそう感じちゃいました。
というか、別れた妻と最愛の娘の幻影を見るために、魔力枯渇とバッドトリップ承知でわざと妖精結晶砕いちゃうパパに、心の闇を感じた……<現代に当てはめるなら、依存性はないけど下手すりゃ死亡もしかねない高額ドラッグをやるようなもの

そして何より読み応えがあったのが、グイード兄上視点の幕間「臆病者の贖罪」!
WEB版では、章の最後にごく短く挟まれていただけの述懐が、当時の回想シーンを含めて詳細に語られていましてですね。
ヴォルフが知らない、あるいは幼すぎて覚えていなかった家族の絆や、裏側で起きていたあれこれがもうね……WEB版ではまだ見ぬ父親も登場してますし。
こんなにいろいろあったのかと思うと、そりゃグイード兄上もトラウマ化したあげくに、弟と関係改善できた途端、超絶過保護にもなるよ! だってお兄様だってこの当時まだ十代半ばの、中高生の年齢ですよね? それでこれはきつ過ぎる……
実は私、ひそかに次男は名前変えて生きてたりしないかな? とか期待してたんですよ。ヴォルフが家に戻った時にはもう死亡扱いになってましたけど、父親も意外と情の深い人みたいですし、もしかしたら……って。それが木っ端微塵に砕けた挙げ句に、予想を上回る勢いでアレだったので……当時既にヨナス先生がいてくれて、本当に、本っ当に良かった……
遠い目をする現在のお兄様と、それを向かいで見守るヨナス先生の挿絵にため息が出ちゃいましたよ( T _ T )

あ、お兄様とヨナス先生のイラストといえば、外見イメージがだいぶ違ってて、最初はちょっと戸惑いました。
髪の長さとか逆だと思ってたよ<お兄様が魔法使いっぽい長髪で、ヨナス先生が戦闘重視の短髪がっしり系かと。年齢もヴォルフより八歳上なら、もうちょい年をとってた方が私好み。
イヴァーノも腹回りを気にしてたり「恰幅が良い」という描写がありますから、ぽっちゃり気味かと思ってたらむしろ痩せ型。購入前にカバーイラストを見て、「この真ん中でビール瓶持ってる細い人、誰?」と思ったのは私だけじゃないと思う。なお左の人は、1巻読むまでマルチェラだと思ってました^^::<こっちはフェルモさんだった
No.1890 (読書)


 萌え絵師への道
2020年03月21日(Sat) 
読書記録:
■萌え絵師への道
 https://ncode.syosetu.com/n5572s/

絵はうまいけれどストーリー作成は苦手な売れない少女漫画家(20代女性)が、有名純文学作家(30代イケメン)の、別名義で出版するライトノベルの挿絵を担当することに。
とにかく緻密に計算し尽くして書く完璧主義な作家さんは、有名萌え絵師達に次々とダメ出しをしており、もう締切的にこれが最後で後がないというところで、直感で絵を描くタイプの主人公と出会い……的な感じのボーイ・ミーツ・ガール? いやどっちもいい年なんですが。
中編、完結済。話数は多めですが一話一話は短いので、さくっと読み終われました。完結済です。
誰ひとり読んでくれなかろうと、とにかく書かなきゃ生きていけない大先生も、面白いと思ってもらえる話を描きたいけど、同時に絵を描いてないと息もできない売れない漫画家は、かなりどっちもどっちの人格破綻者です(苦笑)
こういうのを割れ鍋に綴じ蓋というのか……ww
No.1888 (読書)


 悪食令嬢と狂血公爵〜その魔物、私が美味しくいただきます!〜
2020年03月17日(Tue) 
読書記録:
■悪食令嬢と狂血公爵〜その魔物、私が美味しくいただきます!〜 54 滋養に良さそうなスープ[食材:ベルゲニオン]
 https://ncode.syosetu.com/n9941fv/

社交界デビューしてからはや3年。ついに父の後妻から、「あと一年以内に婚約者を見つけなければ、修道院に行ってもらう!」と宣告された伯爵令嬢メルフィエラには、とある悪評がつきまとっていた。
それは『魔物の生肉をむさぼり食べている』『果実酒の代りに生き血をすすっている』『魔毒に侵されまともではなくなった』『生まれてくる子は魔物になる』といったものだ。おかげで見た目はそう悪くないはずだが、縁談のひとつも舞い込むことはない。まったく失礼な話である。
彼女は生肉など食べない(お腹を壊すから)し、生き血をすすったりもしない(お腹を壊すから)。食べる魔物は、きちんと毒を抜き、下処理をしてから食べている(そうでないと、お腹を壊すから)。
しかし『悪食令嬢』の名は、既に社交界へ広まりきっていた。
さすがに不憫と思ったのか、父親からは「この際そこら辺の一般騎士でもいい。人としてきちんとした男なら、私は喜んで結婚を許可するよ」と、そう言われた。そこで彼女は出会いを求め、王都で開催される秋の遊宴会に参加したのだが。
しかし貴族たちはみな彼女を遠巻きにするばかりで、ひそひそと聞こえてくる噂話も尾鰭のついたひどいものだ。仕方なくもう少し目立たない場所へと移動しようとしたメルフィエラだったが、そこで混乱が生じた。
狂化した魔物の群れが、会場へとなだれ込んできたのである。
あたりは騎士たちの怒号と逃げ惑う人々の悲鳴で、あっという間に地獄絵図と化した。群衆に押しやられ取り残された老夫婦を見つけたメルフィエラは、手を貸そうとそのそばへ駆け寄る。そんな彼女の動きが目についたのか。巨大な牛型の魔獣バックホーンが、彼女達めがけて突っ込んできた。
とっさに両手を広げて立ちふさがった彼女は、次の瞬間、鮮血の雨を浴びる。ただし自分の血ではなく、魔獣の血を、だ。
「はっ……他愛もない」
血溜まりの中に倒れ伏す、頭部を失った魔獣の巨体。その傍らで、全身に返り血を浴びてなお不敵に笑う男が、剣を手に一人悠然と立っていた。
魔力を帯びて煌々と輝くその金眼が、メルフィエラへと止まる。
「どうした、私が怖いか?」
血まみれのその男のことは、世間に疎いメルフィエラでさえ知っていた。ガルブレイス公爵。血を好み、常に血臭を求めて魔獣を屠る変わり者で、残虐非道の血に狂った男と噂されている『狂血公爵』だ。
その姿に金切り声を上げて卒倒する貴婦人が続出し、かろうじて叫びを飲み込んだ者たちは、真っ青な顔で視線を逸らしている。そんな中で、メルフィエラは公爵の口元へと返り血が滴り落ちてゆくのを見て、思わず口を開いてしまった。
「生き血は新鮮ですが、魔毒を含む血を飲むと、発熱や激しい腹痛に見舞われてしまいます。お口をすすがれた方が賢明かと。二週間ほど低温熟成させたうえで毒素を抜き、十分加熱して食せばいけます」
「お前には、この魔獣が食物に見えるというのか」
「はい、もちろんです。食べるからには美味しくいただきたいですから!」
思わず力説した彼女の言葉に、狂血公爵が返した反応は ――


割れ鍋に綴じ蓋というか、変わり者同士で混ぜるな危険の二人が出会ってしまったからには、ブレーキなんのそので突っ走ります的な、婚約から始まるじれじれ甘々な恋物語。現地主人公。タグに「俺の婚約者が 可愛くてツラい/私の婚約者が 格好良くてツラい」が入ってるあたり、察して下さいww
グルメとシリアス要素もありで、連載中。
メルフィエラが魔物を美味しく食べられるよう研究を重ねていることは、本人『趣味』と言いつつも、かなり切実な理由があって、知るほどに切なくなります。そして狂血公爵様も、生まれ持った強すぎる魔力をどうにかして発散しないと命に関わる上に、そこへ政治的なあれこれやら何やらが重なって、国全体の防波堤として魔物の生息域でひたすら剣を振るっているのに、中央の貴族連中からは悪評受けまくりという、これまた悲しい裏事情が。
しかも公爵様、それを自分の役目だと割り切って、ストイックにこなしちゃってるんですよ。見た目も合わせて非常に恐ろしく映るそんな彼のことを、「血も滴るいい男は、何をしても様になる。噂の狂血公爵様はお気遣いのできる紳士だった」と言っちゃえるメルフィエラさんに、そりゃ速攻で婚約を申し込むさ!
なお公爵様、中身はけっこう不器用さんというか、身内限定でヘタレ属性ですww
公爵という身分にではなく、アリスティード・ロジェ・ド・ガルブレイス個人に忠誠を誓ってくれている幼馴染の副官ケイオスさんとか、領地で魔物討伐を共にし同じ釜の飯を食べてる騎士達とか相手には、かなりいろいろ(良い意味で)好き勝手言われまくってる感じww それがまた良いvv
……ケイオスさんには「どこでこんな怪我を」とか言われながら、隠そうとした傷を握りしめられても、かなりぞんざいな手当てのされ方をしても……それが実はケイオスさんによるフレンドリーファイア的なものでだったとは絶対口にしないで、普通に憎まれ口だけ叩いて治療されてるのとか、もうね……ケイオスさんが知ったら、仕方ない状況だったとはいえめっちゃ落ち込むだろうと想像できるだけに、この主従ってやつは……っっ

ひとつ残念なのは、キャラの年齢や外見にあまり詳しい描写がないこと。
ざっくりな体格と、たまに髪と目の色ぐらい? あとメルフィの髪はくせっ毛のふわふわ。そしてたまに脇キャラが「可憐だ!」って騒いでいる程度。公爵様の髪は灰色らしいですけど、長さや髪質はどうなんだろう……個人的には魔王様っぽい癖のある長髪イメージなんですが、戦闘職だし短くまとめてる方が自然なのかな? でも無精の長髪という説もありだと思うし。
そして年齢も、公爵様はおそらく二十代後半として、メルフィは……いくつなんでしょう? 社交界デビューが十六歳としたら、十九歳ぐらいだと思うのですが、そうすると十七年前の大飢饉のことを、記憶に残してるとは思えませんし。そのあたりは実母から話を聞いただけなんでしょうか? それで実母が飢饉をきっかけに始めた研究で5年後あたりに亡くなったんなら、その当時七歳として計算は合うんですが。
私は文章を読む時、脳内フルカラー映像を動かすタイプなので、そう言うところがけっこう気になるのでした。
No.1884 (読書)


 転生賢者は娘と暮らす。(旧題:おっさん孤児院、娘たちの楽園になる)
2020年03月16日(Mon) 
読書記録:
■転生賢者は娘と暮らす。(旧題:おっさん孤児院、娘たちの楽園になる)
 https://ncode.syosetu.com/n4302es/

書籍化、コミカライズ済、ダイジェスト化なし。完結済。
ブラック企業のサラリーマンが神様(天使)転生して、今度はのんびりスローライフしたいから野菜を育てやすいスキルをと願ったら、もらったのは手塩にかけて育てたものが『なんでも』よく成長するスキル。
さらにモンスターが跋扈するこの世界では、これぐらいないと『のんびり』は暮らせませんと、凄腕冒険者10人分の身体能力や魔力ももらっちゃいました。
で、廃墟になった教会で一人ひっそり過ごそうとしていたら、冒険者養成学校が火竜に襲われ焼け出されたというシスター(15歳)と、寄宿生3名(12歳・8歳・5歳)が転がり込んできて……的なやつです。冒険者養成学校がもともと修道院だったそうで、はい、極端に登場人物の性別に偏りが(苦笑)
で、もふもふやら無詠唱開発やら育成やらいろいろあって、後半は再建された学園へ移動しての学園ものへ。
まあなんだかんだあってもハーレムには行かず、あくまで伴侶は一人であとは娘扱いというのと、完結しているのとがオススメどころです。
No.1882 (読書)


 Magic Paradise ダニー・エルフマン・シリーズ
2020年03月15日(Sun) 
読書記録:


26年前に刊行された絶版漫画。なんとか紙書籍版を入手することができました。
同時期に連載されていた、青年向け猟奇アクション漫画「ミキストリ」のスピンオフと言うか、途中からレギュラーキャラになった小説家ダニー・エルフマンをメインに据えた、ホラー短編集です。共通する登場キャラは彼の妻子のみ。
アクション要素が強かった「ミキストリ」と異なり、運動神経皆無の小説家が主役なせいか、ホラーやサイコ要素の方がメインでした。老境に達したベストセラー作家が、過去を回想しながら「この話は実話である」と執筆をしているところから始まり、書き終えたところで終わるのが様式美。210ページで7話と一話一話は短いのに、読んでも読んでも終わらない感じがして、中身が濃かったと思います。
回想している過去は、ベストセラー作家になりたての二十代後半ぐらい? もあれば、まだデビュー前の教師だった時代や、作家の卵として北欧を放浪していた、もしかしたら「ミキストリ」に初登場する寸前の頃かもというあたりや、果ては小学生の頃のエピソードまであります。
……この人がやたら怪奇現象に巻き込まれる体質だったのは、なにも陽介さんに会って『神(ウイルス)』に感染したからって訳じゃなかったんですね(苦笑) むしろあれは必然だったのかもしれないww
そして意外とヤることもヤッている、自称冴えないおっさん……なんだかんだで一番人生勝ち組なのは、やっぱりこの人なんじゃないだろうか。
ともあれ、面白かったです。

ただひとつ不満を言うなら、終わり方が…… ・゜・(ノД`)・゜・
↑の電子書籍版には「1」って振ってありますけど、これ決定的に続きが無理なやつですやん……
せめて4話目の「 Peeping Danny 」みたいに、ラストを読者の想像に任せてくれる系なら良かったのに、話の中でも著者後書きでもはっきりきっぱり断言されてるんだもんよ……(しくしくしく)
いやでもまあ、あの無茶苦茶な経験をしてきたダニー・エルフマンが、ちゃんと老境に達することができたことのほうが、むしろ奇跡と言うべきなのか……?<スター・システムではなく、「ミキストリ」に登場する彼と同一人物設定らしい
そして1994年に書かれた35年後の時代に、めっちゃ古い形式のワープロ使ってる執筆光景が、判っちゃいるけど笑えちゃいますww
こういうのがあるから、うっかり小説内でキャラが年取った頃の未来を書けないんですよねえ。いっそ数百年後とかの、まったく文明が隔絶した時代設定なら良いんですけど……
No.1881 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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