宮廷鍛冶師の幸せな日常 〜ブラックな職場を追放されたが、隣国で公爵令嬢に溺愛されながらホワイトな生活送ります〜
2021年12月10日(Fri)
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読書記録: ■宮廷鍛冶師の幸せな日常 〜ブラックな職場を追放されたが、隣国で公爵令嬢に溺愛されながらホワイトな生活送ります〜 第一章 https://ncode.syosetu.com/n8836gp/
書籍化・コミカライズ済。ダイジェスト化なしで連載中。 ブラック環境で酷使されていた宮廷鍛冶師が、隣国の公爵家令嬢に偽装婚約を持ちかけられ、ついて行った先で才能を……系。とりあえず一章目まで読了。 この世界観での鍛冶とは、基本魔法で作業を行うもので、その中でも特に大切なのが、武器の中に書き込むプログラムという形のエンチャント。力量が違いすぎると読み取るどころか見ることもできないそれを、コネで宮廷に入った貴族の上司&同僚達が誰も確認できず、ひたすら虐められ、雑用その他全てを押し付けられていたせいで、自己評価最底辺の青年鍛冶師。実際には超一流の鍛冶師であると同時に、自分の肉体にもエンチャントして、魔物と戦ったりもできちゃう超有能。 公爵令嬢の方は、初代が優秀な鍛冶師だった家系なので、鍛冶の腕が良ければ平民でも婚姻OKという立場。そもそも本人は本気の結婚を申し込もうとしていたのに、途中でヘタれて偽装婚約にという流れ。 そこからはモダモダしたり「偽装婚約だから勘違いしちゃ駄目だ」というラブコメ展開になりつつ、基本は「爆発しろ!」みたいな状態で、優しい世界に突入します。 ライバルの婚約者候補が、想定外の面白キャラだったのも良き。 なお元上司は、一章目ラストできっちりザマアされますが……全然反省してないので、何かやらかさないかとちょっと心配になったりとか……
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No.2883
(読書)
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服飾師ルチアはあきらめない 〜今日から始める幸服計画〜
2021年12月05日(Sun)
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読書記録:
「魔導具師ダリヤはうつむかない」のスピンオフ。 前世持ちの親友に、遊び心で五本指靴下の試作を頼まれた下町工房の服飾師志望の少女が、うっかり服飾・商業・冒険者ギルドと王宮が関わる大商談に巻き込まれ、気がつけば魔導服飾工房長に……という流れは本編でも語られているのですが。本編ではさらっと愚痴程度で流されていたその内情が、きっちりしっかり一冊にまとめられています。 時系列的にはいまいちはっきりしませんが、季節は夏だし微風布はまだ出てきていないので、本当に最初の頃のようです。 そして危惧していたような、「ポッと出の庶民少女がいきなり工房長に就任して、服飾ギルド員の陰湿なあれこれが……」という展開はほとんどなく。 卓越した技術と根っからの服飾師としてのあり方で、あっという間に年上の部下たちの心をつかみ、さらに服飾に関して様々な問題を抱えた人たちの相談に乗った結果、お悩み解決と同時に新たな流行を生み出してゆく……そんなルチア無双でしたww 裏地の花エピソードとか、挿絵も込みで素敵過ぎるvv
……前世ありのダリヤよりも、普通に生まれ育ってこれって、ルチアのがよっぽどリアルチートじゃね? みたいな。いやめちゃめちゃ努力した結果だから、チートって表現は失礼なんですけど。 というか、ルチアとダリヤが親友だというのが本当によく判りました。いろんな意味で類友だよこいつら……ただまあルチアのほうがドライで世間擦れしているし、精神的に強いと思いました。それだけに安心して読めます。 このあとフォルト様がやらかすのを除けばですがね……(苦笑)
そもそも今になって積読のこれに手を伸ばしたのは、ネット本編の方の展開が気になったからなんですよ。 ヨナス先生がファーノ工房へ一週間の居候とか聞いたら、それを読む前に活動報告や感想欄で飛び交っている「夕焼けのお兄ちゃん」「早くワイバーンが降ってくればいいのに」といったキーワードをちゃんと知っておきたいじゃないですか?
で、読んだ感想はというと、 「マジでそこは、名前ぐらい聞いておけよぉぉぉおおお!!」 と壁を殴りたい気持ちでいっぱいになりました(笑)
6歳にして「たいした包容力だ」と言わしめるなんて、もはや運命じゃん。むしろだからこそのあの好みなんじゃ? とか思っちゃいますYO! 実は私的にはスライムお姉さんの方が推しだったんですけど、この書籍を読んだらもうネモフィラの少女しかいないですね! 早く気付け、お二人さん〜〜〜ww
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No.2874
(読書)
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紙の書籍を手に取りました。 なんとびっくりすることに、過去ログ確認してみたら今年に入ってから1冊目なんですよ、初読の紙書籍(小説)って。それどころか再読さえもほとんどしていない。 オンライン小説と朗読動画は活用していたといえ、まさか自分がこんなふうになる日が来るとは夢にも思いませんでしたねえ……(遠い目)
昨日ストラップにした蓄光石は、意外に長く光り続けるようです。 起きてる時、手のひらで包んだり机の下の暗がりで確認した時は、すぐに暗くなっちゃうなあとか思ってたんですけどね。スマホにつけた状態で枕元に置いて就寝。明け方5時頃に目を覚ましたら、ほんのりとですが、まだはっきり所在が判る程度には黄色く浮かび上がっていて、ちょっとびっくりしました。 暗がりに目が慣れていて、わずかな光でも気づく状態だったという面もあるんでしょうが。 最近の蓄光素材って優秀なんですねえ(しみじみ) 車の鍵とかにつけておいたら、夜に駐車場で落とした時とか便利かもww
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No.2873
(読書)
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旦那様はどうしようもないですね。
2021年12月02日(Thr)
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読書記録: ■旦那様はどうしようもないですね。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/615705678/125571539
全三話完結済み。
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No.2869
(読書)
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気づいたら、異世界トリップして周りから訳アリ幼女と勘違いされて愛されています
2021年11月30日(Tue)
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読書記録: ■気づいたら、異世界トリップして周りから訳アリ幼女と勘違いされて愛されています〜69 https://www.alphapolis.co.jp/novel/517477343/305570820
ブラック企業勤務のOLが、電車の中で居眠りして気がついたら異世界の危険な森にいた系トリップ。 拾ってくれたのが、平均身長2m超えの獣人騎士団員たちだったので、べつに容姿とか変わっていないのに幼女と勘違いされ、出生率が下がっていて仲間意識の強い獣人たちから無条件の保護対象に。実際、寿命が十倍ぐらい違う(成人が200歳)ようなので、あながち間違いでもないんですが。 そして本人は勘違いされていることに気づいていないので、普通に成人女性として振る舞おうとしていて勘違いがいろいろと加速。 ついでに過去やってきていた日本人が残した文化がいろいろねじ曲がって伝わっていることと、ブラック勤務で睡眠不足&栄養失調&土下座慣れから、虐待された挙げ句に森に捨てられた可哀想な訳あり幼女扱いされてます。 そもそも騎士団員の多くが訳あり過去持ちだし、なんか妙な暗躍する存在とかもいますしで、先は気になりますね……
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No.2866
(読書)
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王太子から婚約破棄され、嫌がらせのようにオジサンと結婚させられました〜結婚したオジサンがカッコいいので満足です!〜
2021年11月23日(Tue)
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読書記録: ■王太子から婚約破棄され、嫌がらせのようにオジサンと結婚させられました〜結婚したオジサンがカッコいいので満足です!〜 130話 カインside https://www.alphapolis.co.jp/novel/789781743/158494693
タイトルが全てなお約束。連載中。 ヒロインポジの男爵令嬢は、計算高くて上昇志向が強いくせに、身分が高いなら遊んで暮らせると思ってるダメダメ。 王太子(カイン)は、そんな彼女に気づき始めるも、そこで選ぶ道がエゴまみれかつ愚かすぎな、どうしようもない馬鹿。 あとオジサン=辺境伯に横恋慕していた領民の娘も、サイコパスかっていう言動でドン引きもの。 で、主役二人は……うーん? 変人×変人で相性はいいのかもしれませんけど、まだ恋愛未満というか、130話も進んでるのに関係は全然というか、コミニュケーション不足が過ぎる気が(苦笑) すれ違ってる訳じゃないですし、お互い言われたことにはきっちりはっきり答えを返すんですけどね……
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No.2857
(読書)
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家族に売られた令嬢は、奉公先で溶けるほど甘やかされてます。
2021年11月06日(Sat)
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読書記録: ■家族に売られた令嬢は、奉公先で溶けるほど甘やかされてます。〜168話 https://kakuyomu.jp/works/16816452220819645215
継母とその連れ子に虐げられつづけた子爵令嬢ミシェル。 18になれば、死んだ母が残してくれていた信託財産を受け取れる。それで家を出て自活することを励みに日々を過ごしていた彼女だったが……その18の誕生日に、彼女は父から告げられる。 「先物取引で失敗して借金ができてしまったんだ。だからお前に働きに出てもらわないと困る」 「そんな……信託財産! 母の遺してくれた信託財産がありましたよね? それを使えば……」 「あんな金、とっくに解約して使ったに決まってるだろ!」 ――希望は脆くも霧散した。 奉公先は、ガスターギュ将軍の家。昨年、隣国との戦争を終わらせた功労者で、庶民の出なのだという。雑兵から腕一本で将軍にまでのし上がった救国の英雄は、牡牛のような巨躯と鬼のような風貌で、敵軍どころか味方まで震え上がらせる存在と噂されている。 そんな恐ろしい相手だが、すでに支度金をもらっている以上、今さらなかったことにはできない。しかも支度金が出たということは、ミシェルへの給料は前払いされた形になり、いくら働いたところで一銭にもならないということだ。 「これは家長の命令ですよ、ミシェル。まさか嫌だなんて言わないわよね? 「あたしは娼館の方が高く売れる言ったのに。お義父様ったらお優しいんだからぁ」 継母と義姉の無情な言葉を背に、ミシェルはその場で着の身着のまま家を追い出されたのだった。 そして将軍家へと歩く途中、橋の上でふと亡き母のことを思い出し立ち止まっていると……いきなり後ろから襟首を掴み上げられた。 相手は大木のような長身に、服の上からでも判る、はちきれんばかりに盛り上がった筋肉を持ち、伸びっぱなしの黒髪とヒゲに、切り傷がいくつもある顔をした、怪物のような恐ろしい男。 凍りついたミシェルを彼は冷めた目で眺め……そうして小さく吐き捨てる。 「ここは水深が浅い。飛び込むなら別の川の方がいい」と。 それが戦場しか知らない無骨で不器用な怪物さんと、栄養失調が祟って子供にしか見えないうえ、奴隷のように働かされていたせいで家事万能かつ自己評価底辺になった親切な小人/rb>さんの出会いで ――
転生なしトリップなしステータス要素なし、現地女性主人公の虐待・追放から始まる溺愛系。連載中。 トロルとかブラウニーとは、将軍の補佐官を勤めている青年が例えだして、後に庭小人や不死者と増えてゆきます。 どんな人外魔境ww という感じですが、家の中の雰囲気はめっちゃほのぼのしていて、心が温まります。 将軍もミシェルも庭小人も、ちゃんとお互いに影響されあいがながら、それぞれに成長していっているのがまた良いですね。不死者さんは、登場してさほど経っていないうえにお年がお年なので、まだあまり変化は感じないですが。 ……っていうか、戦火で焼け出された子供を10歳にもならないうちに前線に放り込んで、たまたま生き残って功績を上げたからって、ろくに教育もしないで将軍位につけるこの国は大丈夫かと心配になったりします。本人は引退を望んだのに無理やり引き止めて将軍位につけたのに、自分の名前しか読み書きができないって……ヤバくね? いやまあ、リアルの中世ヨーロッパとかは、普通にそんな感じだったのかもしれませんけど。 それにしたって、食事のマナーは公式の会食でもスープボウル持ち上げて一気飲み。謁見時も髪や髭がボサボサのまま、シワだらけの軍服で登城しているのを、誰も咎めなかったのか……まあそんなあたりが、ミシェルと暮らすうちに改善されていくのはお約束かつ素敵なんですが。それも言われたことを鵜呑みにするのではなく「彼女が丁寧に美味しそうに食べているのを見て、人を快・不快にさせる食べ方があると知った」「見た目を整えて、歩く速さを遅くしたら、話しかけられることが増えた」と、ちゃんと自分で一つ一つ確かめながら成長しているのが素晴らしいです。 平和で人間的な生活を知らないだけで、人間性自体は戦場育ちとは思えないほど超絶紳士ですしね! ……むしろ逆に、「なりゆきで関係を結んでなし崩しに責任を取るなんて、相手に失礼なことできるか。ちゃんと順序立てて事を進められる環境があるというのに」という、非常に良識的かつ鋼の自制心をお持ちのおかげで、恋愛方面がさっぱり進んでいないんですがww 主役も進学をやめさせられて女中生活をしていた割に、すごくいろいろなことを知っていて、自己評価以外は常識的なのは……家の仕事をお金関係以外全部と、あとあちこちでバイト的なことをやらされていたせいもあるんでしょうが、一般的な(おそらく一流)メイド3名分の働きをさらっとこなしてます。ある意味どっちもリアルチートww あとタグに「ざまぁ?」とついてますが、168話現在、主人公が出ていったあとの実家に関しては全く触れられていないのがちょっともどかしかったり。
そしてちょっと時間がなくて後で後でと思っていたら、コミカライズ版「詐騎士」60話を読み逃してしまったでござる _| ̄|○ アルファさん、書籍化で消すにしても、せめて一話ぐらいは残しておいてほしいッス…… ・゜・(ノД`)・゜・
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No.2831
(読書)
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C.M.B.森羅博物館の事件目録 43巻
2021年11月04日(Thr)
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読書記録:
イラクのクルド人自治区で見つかった、アッシリア時代の遺跡に招かれた森羅と立樹。現場ではいつものように森羅がいろいろと解説をするが、発掘の手伝いをしている少年ムラトはどうも彼のことが気に食わないらしい。そんななか、発掘現場へと18歳の女性が逃げ込んできた。彼女はもともと両親が亡命したフランスに住んでいたのだが、母親が経済的に行き詰まったことで、イラクの伯父に預けられ育てられてきたのだという。そして半年前から母親と連絡がつかなくなったことで、伯父は彼女に縁談を持ってきた。まだまだ学びたいし、顔も知らない相手と結婚する気はないと主張する彼女だったが、この地方で親の命令に逆らって結婚を拒否することは、家の名を汚したとして名誉殺人の対象ともなる行為で……「気の合わないヤツ」 ニューヨークのアラン&エリー現代美術館で、事件が起きた。地球温暖化を警告するアート作品が燃やされ、学芸員が刺されたのだ。幸い命はとりとめたものの意識は戻らず、犯人は不明なままだ。不思議なことに、唯一の出入り口に設置された監視カメラに侵入者は写っておらず、必ず通らなければならない展示室にいた警備員達も、怪しい人物は目撃していなかった。走査線上に浮かび上がった男は、確かな証拠を持ってこいと主張するが……「透明魚」 身体を壊して会社を辞めた青年。最近、ついていないことばかりだとぼやきつつ、歯医者を訪れた彼は、不思議な現象に見舞われる。治療を終え歯医者を出た途端、霧に包まれ、また待合室へと戻っているのだ。同じことが何十回も繰り返され、彼は歯医者から出ることができない。周囲の人物へと現状を訴えてみても、警察を呼ばれて連行され、また待合室へと戻ってしまう。残っているのは、粘菌図鑑などという変わった本を読んでいる少年一人だけだったが……「歯医者」 闇市場の魔女マウの元へと、変わったランプが持ち込まれた。シェード部分の模様が逆さになったそれは、複数の品を寄せ集めて作られた贋作だった。しかしシェード部分に使われているガラスの器は、古代ローマ時代のカメオグラスのようだった。本物ならば10万ポンドはするが、売り主は1万ポンドでと言っている。マウは森羅に鑑定させ本物のお墨付きを得た上で購入しようとするが、今度は売り主が「そんなガラクタを売って、他人様に迷惑を掛けるなと妻に言われた」と、取引の中止を言い出して……「カメオグラス」
今回も短編4つ。しかも殺人事件はひとつもない巻でした。 1話目は人権とか風習とかがアレなやつで、ネタ的には辛いんですけど、お話の読後感はまあまあ。ムラト少年の立ち回りが上手く書かれていて、最後まで「どっちだ!?」とハラハラさせられました。 2話目はアラン&エリーの文字で「おっ!?」と思ったら、出てきたのはエリーさんだけで、燈馬くんは名前だけ。アランに至っては影も形も……でした(苦笑) 内容的にも、ちょっとこのトリックは無理がないか? という感じで、事件よりも「博物館とは」「表現の自由とは」ということへの森羅なりの考えを語るのがメインだと感じました。次の巻でそのあたりがキーになってきそうなので、やはり伏線なのでしょか? 3話目は、ときどきある不思議系なお話。ロジカル系のミステリーにファンタジーやオカルトを混ぜて良いのかと思わなくもないんですが、これはこれで面白いから良いかと。森羅の博物学的知識も役立ってましたし。 4話目はひさびさマウの登場。第三者にここまでまんまとハメられる彼女は珍しいですね。このお話も、次の巻への伏線と言うか、強烈な引きを最後に終わっています。いったいどうなるんだろう……
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No.2827
(読書)
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そうだバックレよう〜奴隷買ったら、前世の常識とか倫理観とかどうでもよくなった〜
2021年11月02日(Tue)
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読書記録: ■そうだバックレよう〜奴隷買ったら、前世の常識とか倫理観とかどうでもよくなった〜 https://www.alphapolis.co.jp/novel/297321484/819551281
元はブラック企業づとめのOLだった、前世の記憶持ち。人生二週目なら楽勝よね、とうっかりやらかしてしまった結果、神童だなんだともてはやされたまでは良かったが、最終的には売り飛ばされるように十歳から王宮づとめ。気づけば8年。今ではすっかりただの人となってしまったのにも関わらず、「子供の頃に人の2倍働けたのなら、今は4倍行けるだろ」と、仕事をガンガン振られた挙げ句、こんなこともできないのかと罵倒を受け続け、気がつけば毎日15時間勤務という、前世も真っ青のブラック生活。 前世での癒やしはラノベやマンガなどの二次元だったが、この世界にはそんなものなど存在しない。二次元がないなら、もう三次元しか! と考えてしまうほど疲れていた彼女は、一ヶ月ぶりに取れた休みに奴隷商へと赴き、訴えていた。 「……すみません。このお店で一番高い奴隷ください……」 8年間、使う時間もなかった給料をつぎ込んで選んだのは、髭も髪も伸び放題の男性奴隷。恥ずかしくて顔も身体もろくに見ることなどできなかったが、声がとても好みだったのだ。 しかも今なら、オプションで彼専用の限定装備一式つき。これを買わない手はない。 この声で、おかえりなさいと行ってらっしゃいを言ってもらえるなら頑張れる。一人増えた食い扶持を稼ぐために、仕事だって頑張れる! と、モチベーションをアップさせた彼女だったが、その奴隷には普通ではない裏事情が付随していて……
「やらかした兄のせいで平民年上騎士隊長と〜」と同作者さんのお話。 タイトルだけ見ると大人向けR18に見えますが、そういう展開は一切なく、最後までせいぜい頬や髪へのキス止まりな恋愛もの。後日談含めて完結済。 ステラちゃん(主役)の行動はかなり軽率で、一歩間違えばどころか、かなりの高確率でバッドエンドまっしぐらだったんでしょうが、まあそれだけ追い詰められていたということで。 むしろそっちこそ「よりによってなんでその方法選んだ!?」な、いきあたりばったり感満載の事情持ちエリアスさん(奴隷)と奇跡的に噛み合った結果、化学反応を起こしていい方向に向かってます。 最後の方ちょっと駆け足で、拾い落としたっぽい伏線(なぜステラの魔力量がちょっと増えていたのか)などもありますが、まあ、甘々ハッピーエンド、双方向にちょっと束縛気味だがそれもよし! という感じ。 エリアスを入手したことで精神的な安定を得た主人公が、結局は自力でブラック環境を拒絶し、横恋慕お姫様も撃退してしまうのが良きです。本人自覚ないけど、やっぱり前世持ち&過酷な環境で培われたスキルは半端じゃねえッス。 偶然手に入れた男に溺愛され守られるのではなく、ちゃんと自分でカタをつけてしまうあたり、いろいろ下準備してたエリアスさん、ちょっと形無しww
……ただブラック職場&クソ上司・同僚描写がけっこう多く、読んでて辛い気持ちになるのは否めないので、苦手な方は要注意。ザマアはありますが、正直ちょっと物足りないぐらいでしたよ……特に自分の正当性を疑わないで他人を否定する無自覚傲慢お姫様と、彼女をまったく諌めないその従者には、もっときっちり報いがほしかったッス……
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No.2823
(読書)
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記憶を失った令嬢は、冷酷と噂される公爵様に拾われる。 他一編
2021年10月30日(Sat)
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読書記録: ■記憶を失った令嬢は、冷酷と噂される公爵様に拾われる。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/615705678/41557724
伯爵令嬢の双子の姉妹、リリスとハンナ。 愛されるワガママ妹と、ないがしろにされる地味だが優秀な姉。 お約束通り、姉の婚約者を欲しがった妹に毒を盛られ森へ放置されたリリスは、目を覚ますとある貴族の邸に保護されていた。先日の戦争で、捕虜をその家族もろとも皆殺しにしたと噂される、アンディ・ホリード公爵である。 記憶を失っていた彼女を、公爵はたまたま見つけただけで、見捨てたら寝覚めが悪いだの面倒だのと言いながら、追い出したりなどせず、行き届いた世話をしてくれる。そんな彼が、実は口が悪いだけでとても優しいのだと気づいた彼女は、この生活がずっと続けばいいのにと思い始めた。しかし一ヶ月が過ぎる頃、妹と元婚約者の結婚式を見たことで記憶が戻ってしまい ――
全19話でさくっと完結済。 ああテンプレ、と思っていたら、元婚約者がけっこう意外なタイプでしたww この人にはもうちょっと頑張って、話を盛り上げてほしかったなあとか思ってみたり。
■婚約者の私よりも自称病弱な幼馴染みの方が大切なのですか? https://www.alphapolis.co.jp/novel/615705678/496556865
同作者さんの全5話完結作品。 婚約者を愛しているのに、横恋慕してきてる性悪幼馴染の嘘に振りまわされていた男は気の毒かもしれませんが、それでもこの終わり方はちょっともにょりますねえ……
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No.2820
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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