よしなしことを、日々徒然に……
※ 2017年以前の記事は こちら になります ※



 料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
2024年07月23日(Tue) 
読書記録:
■料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
 https://www.alphapolis.co.jp/novel/746555555/113351266

巻き込まれ召喚された女子大生が、謎スキルしか持ってなくて馬鹿にされ、半ば計画的に追放されつつ立場の良くなかった美青年エルフといっしょに冒険者になって、この世界を楽しむぜ! 的なお話。完結済。
異世界の方には、危機に陥ると異世界人が現れて〜〜という伝承があるようですが、召喚の儀などを行った訳ではないようです。むしろ日本人側の女子高生二人が、自分の意志と力で計画的に異世界へ渡っているのが斬新でした。
No.4030 (読書)


 平安女子の楽しい!生活
2024年07月18日(Thr) 
読書記録:
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

平安女子の楽しい!生活 (岩波ジュニア新書 772) [ 川村 裕子 ]
価格:1,056円(税込、送料無料) (2024/7/18時点)



以前読んだ「平安男子の元気な!生活」と対になった一冊。女子版で、刊行されたのはこちらが先のようです。
内容的には男子版とほぼ同じ。女先生が年少者に語りかける体で、当時の平安貴族女性の生活や風俗などを現代風の言葉に噛み砕いて解説しています。引用している文献や和歌なども全てそのトーンで翻訳されていて、古典らしい言い回しは一切出てきません。
ただし挿絵(図解)などは、表紙と違ってかなり絵巻物に寄せてあり、それでいてすっきりしたタッチのため、細かいところがすごく判りやすいです。インナーである単のほうが、上に重ねる袿より大きく作ってあるから、袖や裾のところがずれて色が重なってるとか、盲点でしたわあ。
豪華な飾り付きの表着の上に軽く羽織る唐衣は、ドレス姿でのファーショールのようなものだとか、プライベート時の室内着は袿までだったりするけど、ちょっときちんとする時はカジュアルジャケットな小袿を重ねるとか、なるほど判りやすいww
寝殿造りの中をバーチャルツアーといった部分も、今までよく判らなかった構造や調度などが詳しく説明されていて興味深かったです。

こちらの引用は、恋愛部分は蜻蛉日記や和泉式部日記、生活部分は更級日記あたりがメインで、宮中での生活や出産に関してあたりは枕草子や紫式部日記もあり。源氏物語も何箇所かはありましたが、創作物(フィクション)よりも日記文学(脚色はあるけど事実の記録)多めだったと思います。
……あと、平安男子〜の方は、書き込みが多すぎて売り物にならないのをサルベージしてきたやつだったんで、てっきりそれも前の持ち主の書き込みだと思ってたんですが。普通にネット購入したこちらを読んで、文中に時々あった薄いグレーのマーカーで「ここ重要」チェックしたようなラインが、最初から印刷されていたものだとようやく気付きました^^;;
確かによーく見たら、ライン終わりのちょっと膨らんでる部分が、全部同じ形してるわ(苦笑)

ところどころで説教臭いと言うか、平安女子もこんなに頑張っていたんだから、みんなも頑張ろうね! とか、文字だけのやり取りは誤解を生みやすくて大変。清少納言だって出した手紙を一文字二文字直したいって書いてるんだから、みんなも友達との関係を壊さないように、メールを出す時はちゃんと読み返そうね! みたいな語りかけが出てくるのがちょっとあれですが……まあまあ、とっつきやすい解説書だと思いました。

……それにしても、大河ドラマ「光る君へ」では、7/18現在まだ和泉式部の配役が発表されてないようなんですが……まさか登場しないなんてことはない、ですよねえ? あんなおもしろエピソードてんこ盛りの人達。居貞親王(のちの三条天皇)もご登場なさったことですし、その同母弟達とのあれこれなんて、絶対ネタとしておいしいじゃないですか〜〜?
No.4024 (読書)


 石投げ令嬢〜婚約破棄してる王子を気絶させたら、王弟殿下が婿入りすることになった〜
2024年07月12日(Fri) 
読書記録:
■石投げ令嬢〜婚約破棄してる王子を気絶させたら、王弟殿下が婿入りすることになった〜
 https://ncode.syosetu.com/n6344hw/

王都から遠く離れた弱小領地の男爵令嬢、ミュリエル・ゴンザーラ。
石の民と呼ばれる領民の数は、せいぜい千人。皆が知り合いであり、家族のようなもの。彼らの税金は文字通り血と思え。狩りに矢を使うなどもったいない。落ちてる石を使えば元手もいらない。襲い来る魔物の群れだって投石機ですべて倒し、血も肉も皮も角も余す所なく活用するのだ。
そう育てられたミュリエルも十五歳となり、王都で学園に通うこととなった。
領主である父はミュリエルに言い聞かせる。
「とにかく金持ってる男をつかまえろ」
「金も大事だが、技術はさらに重要だ。医学、法律、測量、土木などの知識を持つ健康な婿をつかまえる。持参金は多いにこしたことはない」
「今年の税収は治水事業できれいさっぱりなくなった。お前の婿の持参金で、城壁を修理できれば、魔物の侵入が防げる。民の命が救えるな」
領地の未来を支える婿を手に入れる。そう決意して王都へと旅立ったミュリエルだったが、なかなかうまくは行かなかった。幸い学友達は協力的だったが、自己紹介で目的をさらっとぶっちゃけ、石で鳥を落としその場でさばいて振る舞った彼女に対し、みな内心ではドン引きである。友人としては付き合えるが、靴も履けない貧乏領地で石を投げる生活はさすがに無理、と。なんとか他のクラスの優良物件を紹介しようとしてくる。
そんな中、出会いの場だからとなけなしのドレスを着てダンスパーティーに参加したミュリエルの耳に、大きな声が聞こえてきた。
「ルイーゼ、そなたとの婚約を破棄する!」
なんだこの茶番はと首を傾げたミュリエルだったが、よく見るとヨアヒム王太子殿下の傍らにいる少女は、なにやら悪い気を放っている。さては魔女か。
父の教えには『上位の者を正しい道に向かせるのも忠臣の役割である』というものがあった。
殿下は魔女のせいで正気を失っている。こんな学生達が見ている中で、痴話喧嘩をするべきではない。
そう思ったミュリエルは、ガラス玉の腕輪をバラし、無造作に指で弾いた。王子と魔女のこめかみに命中させ、意識を刈り取る。会場は騒然となったが、まあこれで良いだろう。
その日も婿を見つけられぬまま会場をあとにしたミュリエルだったが、一部始終を目撃していた者がいて……


書籍化済、コミカライズ予定。文庫5〜6冊分ぐらいで完結済。
本編は7部までありますが、ひとまず1部だけでもいい感じに切りはついています。ノリと勢いで書き進められたらしく、後づけだろう設定があったり途中から雰囲気が変わったりもありますが、それでも最後まで楽しく読めました。
王様が割とあっさり弟の婿入りを許したのも、ああいう理由があれば納得できますしね。
冒頭の婚約破棄(成功してたら恐らく国が傾いていた)の裏側とか、二十年前にあった戦争の敗戦国とか、勝った方の国の王位継承争いとか、エグいところはかなりエグいところを、ミリーやその他の森の子ども達が力技で幸せにしていくのが安心して読めます。
それにしても、1巻表紙絵では優雅に長い髪をなびかせていたTHE王族アルフレッドが、途中でばっさり髪を刈り上げたのにはびっくりしましたわあ。貧乏狩猟民族に馴染むための覚悟だとしても、ちょっと短くして結ぶだけとかじゃないのがすごい。
というかもうね、王弟殿下がスパダリ過ぎますよ。ヒロインとヒーローが完全に逆転していて、荒事担当ヒロインと、それを政治的にしっかりサポートして領地で待つヒーローなんですが、ほんとに健気だし、妻一筋だし。ちょっと息子に嫉妬とかしちゃっても、ちゃんと穏やかに話し合って「うん、私そういうの察するの苦手だから。言ってくれてありがとう」と、受け入れるミリーちゃん男前だし。
なんか作者さまは、妊娠出産時にいろいろありでもしたのか。ミリーちゃんが妊娠してからの話がもうね、多分世の既婚女性たちがうんうんと頷きまくるだろう内容てんこもり。
妊娠して数話で時間が跳んで出産とかならずに、かなり長いあいだ妊娠期間が続いて、その間はいつものように動けない彼女をフォローするべく他キャラが掘り下げられていきます。
特にいいキャラは、やはりパッパですね!
初登場時はただの成金ハゲデブおやじかと思わせて、その為人は読めば読むほど涙が抑えきれませんよ……あんたまさに聖人だよパッパ……・゜・(ノД`)・゜・
最初の友人であるイローナも、成金の娘は結局金でカタ付けるんかーーい! と突っ込みたくもなりましたが、でもちゃんと自覚があって、正規の手順を踏んで行動しているし、元婚約者も幸せになったし、あれはあれで良かったのでしょう。
もともとアルフレッド自身も、過去に不本意な婚約を成立前に阻止していますし、このお話は結局のところ全編通じて「きちんと周囲と話し合って協力し合いましょう」「やりたいことがあれば、筋を通して手順を踏め」という点に尽きるのではないかと。
ごくごく一部の非道を極めた人物以外は、おおむね何らかの形で更生したり幸せな未来を手に入れています。
終盤の方は、さまざまなおとぎ話や童話を身も蓋もないような形でめでたしめでたしにもっていく話も多く。とにかくノンストレスがモットーといった感じでした。
No.4016 (読書)


 平安男子の元気な!生活
2024年07月02日(Tue) 
読書記録:
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

平安男子の元気な!生活 (岩波ジュニア新書 930) [ 川村 裕子 ]
価格:1,056円(税込、送料無料) (2024/7/2時点)



千年前の平安貴族男子がどんな生活をしていたのか、その1日や一生を追体験するをコンセプトに書かれた、ジュニア向けの解説本。
内容的には、2021年出版とそこまで古いものではなく、新しい説なども取り入れている模様。文章も、文(ふみ)のやり取りをSNSやLINEに例えていたりなど、まだ時代遅れではありません。
……LINEも、いつ元 Twitter なXみたいに「あの時代はそうだったなあ」ってなるか判りませんけどね(苦笑)
あとは文体が、いかにも『年少者に語りかける優しい女先生』的な感じなのを受け入れられるかが、楽しめるかどうかの分かれ目かもしれません。特に女院様を「ミカドのママ」とか「敦平親王というプリンス」とか光源氏を「光くん」「光パパ」なんて表現しているのが、さすがにちょっとライトすぎる感じはします。
そして例に光源氏が出てくることからもお判りでしょうが、このお話は権記や小右記、枕草子や紫式部日記といった日記文学、栄花物語や大鏡などの史実よりの物語だけではなく、竹取物語や源氏物語などの架空創作物も引用しています。特に後半の方の就職〜恋愛〜結婚のあたりは、光源氏や夕霧(光源氏の息子)を例に上げている部分が多いです。
源氏物語の内容や登場人物名をまったく知らない人だと、架空と現実を同列に並べられたら混乱するんじゃないかなあと思ったり。

逆にありがたかったのは、衣装の説明がすごく判りやすかったこと。
たとえ「インナー=大口袴+単(ひとえ)+袙(あこめ)」とか「トップス=単+袙+下襲(後ろはひきずる)+半臂(はんぴ)」とか、「最後に着る袍(ほう)は、ゴージャス感を演出する特別な上着! タキシードの長いようなもの」なんて書かれ方だったとしても(笑)
いえね、「光る君へ」で、束帯姿のとき背中側で帯にからげてるズルズルが、どういう構造になってるのかずっと疑問だったんですよね……<大抵の解説絵は全部着終えた状態になっている

で、最初の方は藤原行成くんが蔵人頭の頃、まさに現在の大河ドラマのあたりの一日を追う形で始まり、途中からは道長や兼家パパの話や長徳の変についてにも触れつつ、終盤は源氏物語も入り混じりーの。
最終的には「平安時代の男の子達も、優雅に遊んでいただけじゃないんだよ!」「君たちも彼らのように頑張ろうねっ」という形でまとめられています。
そういう意味でもジュニア向けなんだなあと思いました^^;;


追記:
改めて過去ログを見返していたら、これ作者さんが「愛とゴシップの「平安女流日記」」と同じ方ですね。
道理で読みやすいはずですww
No.4006 (読書)


 連載版・勇者な王太子殿下が魔王に呪われましたが私が即座に口付けします 〜報酬に3食とおやつと昼寝付き生活ありだと思う〜
2024年07月01日(Mon) 
読書記録:
■連載版・勇者な王太子殿下が魔王に呪われましたが私が即座に口付けします 〜報酬に3食とおやつと昼寝付き生活ありだと思う〜
 https://ncode.syosetu.com/n2961in/

魔王を封印する大国、ルヴィエラ聖王国。その王太子が、聖剣を継承する旅を終えて帰還した。大陸全土をめぐり、各地の神々に祝福を受けた彼を称えるため、王城では貴族達が揃った宮廷舞踏会が開かれる。
しかし ―― そこへ突如、封印を解いた魔王が現れた。
継承のために聖剣を封印の場から動かしたこと、お披露目のために使い手の手元から離れていたこと。そして何年も国を離れていたために人々が面変りしており、目の前に立った見覚えのない人物が誰であったかと、王太子が一瞬でも思案してしまったこと。
それらの悪条件が重なった結果 ――
「呪った、呪ったぞ忌々しき勇者の末裔め!!」
魔王は地の底から湧き上がるような笑い声をあげながら、勝ち誇り叫んだ。
つい先程まで宴の主役であった、美貌の王太子は見る影もない異形と成り果てている。
「清らかな乙女の口付けにしよう。お前のその姿を見て口付けられる乙女がいるならば、お前たちが歌い上げる『真実の愛』が真にあるならば、まだ呪いは解けるだろうよニンゲン」
魔王は高らかに謳い上げる。
「我が力を取り戻す程にその呪いは強まりお前を蝕む。お前の身を、生命を、精神を――乙女を得るなど間に合うまい。ざまあみろだ忌々しき勇者めその末裔め、そこに這いつくばり世界が沈むのを見ているがいい」
そうして魔王はその場から飛び立った。
あとに残されたのは、目を背けたくなるような姿の化け物と、悲鳴すら上げることも出来ずに硬直する王侯貴族ばかり。
そんな中、一部始終を目撃した田舎育ちの子爵令嬢カナンは、ふと思った。
―― いや、今ならはちゃめちゃにお得では? と。


トリップ・転生要素なしの現地主人公で、完結済。
元々は短編だったものを、中編に焼き直されたもののだそうです。
王太子が呪われた直後にその場にいた令嬢がさくっと呪いを解いてしまい、復活した魔王を倒すまで約十分。
周囲はポカーン、魔王はドカーン。スピーディーさに先代勇者たる国王様すらついていけないところから始まる、結婚式までのゴタゴタ話です(笑)
なお「清らかな乙女」ことカナンちゃんは、王太子さんのことを別段好きではありません。むしろ初対面なので、そういう意味ではニュートラル。ただこの時点で魔王が復活してしまえば、自分の目指せ自堕落生活が台無しになってしまう。国は混乱に陥り、想像もつかないことになってしまう。しかしここで「ちゅっ」とやるだけで取り返しがつく。華々しい功績を持つ完璧王子を取り戻し……そして自分は、『殿下をお救いした清らかな乙女』という立場を得られる! と。
要は冷静に状況をつきつめて、最小限の労力で最大限の利を得るのは今しかないと考えたうえでの、打算的行動。
なおこの国の王族の結婚に、身分とか立場とかはゆるゆるです。
なにしろ歴代のほとんどが、祝福を受ける旅の途中で誰かしら ―― 場合によっては複数人 ―― 引っ掛けてくるため、もはや周囲もそれを前提として動いている状態。むしろ今代の美形王太子さんは意外にも一人で帰ってきたからと未婚の令嬢達が色めき立っていたら、モフモフ系とかではないガチものの異形に変えられて卒倒ものだったところへ、カナン一人が動いた結果の救世だから、周囲は嫉妬するどころか諸手を上げての歓迎ムード。
カナンちゃん自身は、お金の話してくれないかな? とか、お礼は離宮とかで良いのに〜〜とか思っているのに、あれよあれよという間に婚約が成立してしまいます。
そして王子様の方もまた、別にカナンちゃんが自分に惚れてるとか言う痛い誤解はせず、むしろその冷静さや判断力を認めて、国を率いる自分の隣に立って欲しい。あなたの要望には可能な限り沿うようにする、というスパダリぶり。
お互いに本音をぶっちゃけて話し合う、甘さはないけどいい雰囲気です。正しい政略結婚的な?
ところどころで田舎育ちのガサツさが顔を出し、そのことで完璧超人だった王子様がちょっと人間っぽくなっていくのはお約束な?
……というかカナンちゃん、なんだかんだ言ってめっちゃ上に立つ者の器量があると思います。自分が平穏に暮らすためには世界平和が必須だと理解しているし、自分が面倒で嫌だと思っている儀礼とか社交とか根回しと言ったものも、円滑に世間を回すには大事だと理解していて、文句言わずに「任せる!」と適材適所に放り投げる。そして庶民と貴族の両方を知る感性で、王子様相手でもしっかり物申す。
最初の舞踏会で、彼女が居合わせたこと。それこそがまさに「運命」だったのだと思わせられるお話でした。
No.4004 (読書)


 幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
2024年06月28日(Fri) 
読書記録:
■幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
 https://www.alphapolis.co.jp/novel/521856142/230411051

あちこちに負債はあるけれど、伝統のある侯爵家嫡男に嫁いだ、成金上がりの伯爵令嬢13歳。21歳の夫は子供に興味などないと、初夜のその晩ですら同じ屋根の下で平民の愛人と好き放題。
最初は罵倒や威圧に怯えていた彼女も、顔すらろくに合わさぬまま三年近くが過ぎる頃にはすっかり夫への興味も失せ、女主人として家を切り盛りしつつ実家の家業を手伝っていた。
そうして十六歳になった彼女と夜会へ行くべく、久々に顔を合わせた夫は、目を見開き声を荒げた。
「なっ、だ、誰だっ!!?」
どうやらこの夫は、妻の顔もろくに覚えていなかったらしい。
すっかり年頃となり、実家の化粧品や女性向け商品の開発・販売に携わっていた彼女は、ドレスひとつ贈ることのない夫をよそに、自分で選んだセンスの良い衣服を身に着け、手入れの行き届いた身体に品の良いドレスを纏い……絶世の美少女に成長していたのだが。
なお、夫の横にいる愛人は、この数年で覚えた贅沢により、もともと豊満だった体つきがさらにふくよかになっていた。化粧なども派手に厚く塗りたくっているばかりで、女性向け商品に関わる彼女の目には、どうにもいただけない。
そうして夜会会場にたどり着いた彼女は、かつて夫に命じられた通り、すぐにエスコートの手をほどき場を離れた。
『お前のような貧相な子供、隣にいるだけで恥だ』
そう言われたことを忠実に守り、夜会ではいつも壁の花となり、人間観察などするのが常だったのだ。その経験が、流行をいち早く見抜く目を磨いたとも言える。
今日もそうしてひとり過ごしていた彼女へと、今夜は声をかけてくる男性がいて……

旧タイトルは「幼妻の白い結婚」。
書籍化・レンタル化済。私が読んだのも削除前のものです。
現地主人公で、転生要素はなし。婚約破棄ではなく、結婚を合法的になかったことにしちゃう系の溺愛もの。
ザマアはあまりないです。まあそうなるだろうなという常識の範囲内。平民だった愛人がどうなったかについては触れられてませんけど、たぶん先のない夫に見切りをつけて出ていったんじゃないかな? といったところ。
この世界観における「白い結婚」の定義と成立条件がはっきり書かれていなかったので、どう収めるのかと途中でちょっとヤキモキさせられました。
No.4000 (読書)


 田舎者にはよくわかりません〜ぼんやり辺境伯令嬢は、断罪された公爵令息をお持ち帰りする〜
2024年06月25日(Tue) 
読書記録:
■田舎者にはよくわかりません〜ぼんやり辺境伯令嬢は、断罪された公爵令息をお持ち帰りする〜
 https://ncode.syosetu.com/n5599in/

王都から遠く離れた、国境付近にあるバルゴア領。娯楽の少ない土地で育った辺境伯令嬢シンシアは、読書だけを楽しみにしていた。
流行っているという恋愛小説を取り寄せ、華やかな王都に夢を馳せる。そんな田舎者の彼女にも、社交界デビューの日がやって来た。
母の妹、つまり叔母が嫁いだターチェ伯爵家の世話となり、王都で初めての夜会へ出席する。一番の目的は婿探しである。共にバルゴア領主である父や、その跡取りである兄の補佐をしてくれる存在を見つけたいというのが第一だった。なにしろ兄は、人をまとめたり戦闘は得意とするものの、頭を使うのが少し苦手で。いくら兄嫁がしっかりしていても、さすがに領の未来が不安なのだ。
そんな訳で彼女は、ドキドキしながら王城に上がっていた。要塞や砦と言ったほうがふさわしい領地の屋敷とは異なり、王城はとても豪華かつきらびやかで。
場違いさに緊張していた彼女の耳に届いたのは、ある種、お約束の台詞だった。
「テオドール=ベイリー! 今この場で、お前との婚約を破棄するわ!」
そう、流行りの恋愛小説の中でも、『悪役令嬢もの』で登場するあれである。声を上げたのはこの国の第一王女殿下で、睦まじそうに寄り添っているのは銀の髪をした令息。そして婚約破棄を突きつけられているのは、黒髪の公爵令息で、銀髪の令息の兄であるらしい。
「お前は嫉妬からここにいる弟のクルトを虐待していたそうね!? そのような愚か者はいずれこの国の女王となる私の王配にふさわしくない!」
「兄さん、どうしてこのようなことを……僕はただ兄さんと仲良くしたかっただけなのに」
堂々と浮気しながら、なぜか勝ち誇っている王女殿下と弟令息。あまりに身勝手なその言い分に、事情を知らない部外者の身でも、もやもやとしてくる。
しかし大丈夫。悪役令嬢ものは、ここからの反撃が面白いのだ。そう思って見守っているが、黒髪の令息 ―― テオドールは俯いたまま。やがて小さな声で「……婚約破棄、うけたまわります」とだけ告げた。
え、これって現実? こんなおかしなこと小説の中でしか認められない……というより、小説の中でも認められていないのに、とシンシアは困惑する。
王女が「衛兵、罪人テオドールを捕えよ!」などと叫んでいるが、みな困惑した顔を見合わせるばかりだ。
(小説の中ではこういう時、第二王女か、隣国の王女、ちょっとワイルドな女性辺境伯またはその令嬢とかが、颯爽と現れてテオドール様を助けてくれるのですが……)
誰か早く出てきてください! と思った彼女は、ふと気がつく。己が辺境伯令嬢であることを。
そうして彼女は、一歩を踏み出し ――


読み切り短編から連載化された、ろくでもない婚約者から公衆の面前で婚約破棄を言い渡されたら、素敵なイケメンにその場で婚約を申し込まれ……の、男女逆転版。転生要素なしの現地主人公で完結済。書籍化・コミカライズ進行中。
「社交界の毒婦とよばれる女〜」の続編で、リオの妹シンシアが主役です。
書かれた順は、短編版 →「社交界の毒婦〜」→ 連載版なようですが、読む順は「社交界の〜」→ 連載版 → 短編版がおすすめかと<短編版の方が、後日のそれこれが詳しい
で、シンシアは、明るく朗らかだけど自己評価がちょっと低いと言うか、家族にも周囲にも愛されて育った素直でいい子なのに、ちょいちょい自分を卑下するところがあるなあ。田舎コンプレックスとか、メイドや護衛が自分を守って傷つくのが耐えられないから専属はいらないとか……と思っていたら、ちゃんと理由がありました。
トラウマのあまり、思い出したくもなくて記憶に蓋をしていたと。
あのド直感で動く兄が気付いていなかったのは、ちょっと不思議ですね。原因自体は短い期間の出来事だったようですし、たまたま家を空けてでもいたんでしょうかね? まあ父親が過保護になっていたり、その後のある意味我が儘(専属はいらないとか、特定の客が来た時に出迎えない)を許容していたあたり、なんらかの察するところはあったんでしょうが。
そしてそんな過去があるのに、ひねることなく素直に成長し、ここぞというところで弱者を助けに入れる人間性に育った彼女はすごいと思います。
というか改めて読み返すと、一話時点でシンシアが助けようとしてたのって、好みのイケメンさんよりも、理不尽な命令に振り回されてるお城の衛兵さんの方ですよね……そういう意味ではやっぱり、過去のトラウマが影響していたのか。
そもそもテオドールさんが、彼女好みのイケメンや有能さんじゃなかったらどうなっていたのか(苦笑)
だってこの時点では、事情なんにも知らない初対面状態だったんですもん。
……まあそのあたりは、人を直感で見分けるバルゴア辺境伯の血なのかもしれませんが(笑)
途中でちょっと登場する、「社交界の毒婦」さんの台詞、「ようこそ、この世の楽園へ」が、前作を読んでいるとじわじわきます。あと適切過ぎるその助言もww
結果、テオドールさんはちょっとヤバい方向に覚醒。どん底まで追い詰められてた超有能を拾い上げて、下心もなしにうっかり優しくしちゃったら、そりゃ覚醒もするよねってことで。
それにしても途中のシンシアちゃんが、「あれ、私もしかして物語によくある、ちょっと優しくされて勘違いして、イケメンにまとわりつく痛い女になってる?」と冷静に自己を分析し「恥ずかしぃぃいいい」とのたうち回ってるのが、うん自分を客観視して反省できるのはえらいけど、でも違う、そうじゃない! と声を大にして言いたくなる楽しさでしたww
せっせと外堀を埋めてゆくテオドールさんも、腹黒さがいい感じ^^
バルゴア辺境伯家はこうやって代々有能を拾ってきては、繁栄の一途を辿っていく一家なのかもしれませんww
No.3997 (読書)


 枕草子 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
2024年06月14日(Fri) 
読書記録:


二週間以上かかってようやく読み終えられました。
「枕草子」の初心者向け抄訳&解説本です。
前にもちょっと触れた通り、現代語訳はかなり判りやすく、その後に続く解説も「この頃は実際にはこういうことが起きていた時期で、人間関係はこうで……」といった、「枕草子」単体を読んでいてはけして知り得ない、清少納言と中宮定子の苦境や想いが丁寧に説明されています。あと飛ばされた段の中でも、関連するエピソードはある程度解説で触れてくれているのも親切設計でした。
ていうかもうね、まさに「光る君へ」だよ!
たった1年半の、中関白家の栄華。そして続く厳しい時期。その中から美しく輝いていた部分だけを取り出して、愛でるように書き記された文章なのだと思うと、本当に作品の見方が180度変わります。
こういう裏事情を古文の授業で聞きたかった……って、聞いたけど覚えてないだけだったのかな……^^;;
No.3977 (読書)


 え、えへ……?
2024年05月27日(Mon) 
今回は5/23〜25日配送だったのが、2日遅れで届きました。



まあうん、ちょっと早い自分への誕生プレゼントってことで★
色はべっ甲( tortoiseshell )ではなく、 amber(琥珀)となっていました。
……今回もまた、私がポチった時より20円くらい値上がりしてますね……売れると即上げするのがお国柄なのかな……?


話は変わりまして。
初心者向けビギナーズ・クラシックスシリーズの「大鏡」を読み終えて、今度は「枕草子」に着手しているのですよ。まだ最初の数段なのですが、こちらもなかなかに読みやすいです。



現時点で印象に残ったのは、「大進生昌が家に〜」で始まる、家の門が小さいだの、夜這いしていいかと言われていいという女がいるかとか、ボロクソに書かれている段のこと。
前に母から借りた現代語訳を上巻で挫折した時は、仮にも中宮さまがお産で宿を借りてる先の人間を、そこまでけなすなんて清少納言意地悪いなあ……とか、正直思っていたんですが。
このビギナーズ・クラシックス版での解説を読むと、この時期の中宮さまは、まさに現時点での大河のちょっと先。父道隆は亡くなり、兄達は事実上の流罪、実家は火事で焼けて母も亡く……と、本当に頼る人のいない大変な時期。故に実家ではなく成昌のところへ宿下がりしたものの、その生昌は兄の伊周が病床の母に会うべく京へ帰ってきちゃった際に、密告して再度流刑にさせた相手なのだそうで。
そういった裏事情を知ると、そりゃ清少納言も好意的には思えないよな。むしろそんな裏のドロドロを一切書き込まず、ひたすらコントのような笑いものとするだけに留めたというのが、書き手としての彼女なりの腹いせの仕方だったのかもなあと、しみじみさせられました<もはや脳内イメージが完全に、中宮さま最推しのファーストサマーウイカ@同人作家
……ってかそんな裏事情なんて、前に母に借りた現代語訳だけ読んでも、さっぱり理解できませんですよ(苦笑)
いやはや、古典とは奥が深い……

そんな本日の作業BGMはこちら。

■枕草子(清少納言) - YouTube
 https://www.youtube.com/playlist?list=
PLQGvQ0fIAJ5T52yxWLTnss9dq_Nxnc0-f

影響受けすぎだろ私ww
古文を理解できる訳ではありませんが、現代語訳のイメージがうっすら残っているので、ところどころ「あ、あんな感じの場面のところだよな」ってなります。そしてもの柔らかな語り口が心地よく。
世間のきれいなものや興味を惹かれるもの、あるいはちょっとむかついたことなどを、あのききょうさんがせっせと書き記しては、中宮さまにお見せしているのを想像しながら聴いていると、なんだかほっこりしてくるのでした。
No.3956 (読書)


 ビジネスヤンキー、初恋を知らず
2024年05月27日(Mon) 
読書記録:
■ビジネスヤンキー、初恋を知らず
 https://www.alphapolis.co.jp/novel/17703539/281766130

「カリスマ主婦の息子、異世界で王様を餌付けする。」や「聖女の兄は傭兵王の腕の中。」の織緒こんさん作品。さくっと全3話で完結済のBL作品ですが、R18はなし。
無駄に美形すぎて痴漢や変質者の被害にあいまくるため、それを回避するためにピアスやカラコンで武装しているガワだけヤンキー、中身はシングルマザーの母親を助け、まだ幼い妹達を養うためにブラックな深夜バイトで働く高校3年生。お相手は深夜シフト時に訪れた、真面目そうなサラリーマン。
主役が苦労しすぎているのを、さらっと助けるサラリーマンさん、おっとなーーーww
と言うか、この人もこの人で女難が犯罪者レベルで怖いッス(汗)
主役に武装の仕方を教えてくれた金髪美人さん(サラリーマンさんの従兄弟)のお話も、読んでみたいところです。
No.3955 (読書)


[1][2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50]

<< 2024年07月 >>
Sun Mon Tue Wed Thr Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

にほんブログ村 ハンドメイドブログ タティングレースへ
にほんブログ村


 最新の記事
 料理スキルで完璧な料理..
 平安女子の楽しい!生活
 石投げ令嬢〜婚約破棄し..
 平安男子の元気な!生活
 連載版・勇者な王太子殿..
 幼妻は、白い結婚を解消..
 田舎者にはよくわかりま..
 枕草子 ビギナーズ・ク..
 え、えへ……?
 ビジネスヤンキー、初恋..

 最新のコメント
 Min さま、ようこそいら..
 by 神崎真
 at 2024/07/23 16:54:57
 新しいマジックスクエア..
 by Min
 at 2024/07/23 13:44:07
 私も地方在住で、試しに..
 by 神崎真
 at 2024/07/18 20:57:22
 DMCパールコットン12番..
 by ちゃんちゃん
 at 2024/07/18 19:08:14
 keropi さん、こんばん..
 by 神崎真
 at 2024/07/12 22:42:48
 フリーパターン、楽しみ..
 by keropi
 at 2024/07/12 20:16:51
 今日もセルフレジに翻弄..
 by 神崎真
 at 2024/06/21 17:15:07
 あぁ…前に書かれていま..
 by keropi
 at 2024/06/19 22:00:34

 カテゴリー一覧
 更新(136)
  タティング フリーパターン(9)
  タティング 技法(5)
 創作(1180)
  タティングレース(1004)
  小説(42)
 読書(500)
 電脳(162)
 映像(104)
 日常(382)
 その他(11)

 最新のトラックバック

 リンク
 神崎へメール
 私立杜守図書館
 蔵書リスト

 

   

 ブログ内記事検索:
 
 AND OR  




 

Back to Home...

[管理用] [TOP]
shiromuku(fs6)DIARY version 2.41