幼な勇者と青年魔術師
2022年05月08日(Sun)
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読書記録: ■幼な勇者と青年魔術師 https://ncode.syosetu.com/n1751w
勇者召喚の魔法陣に現れたのは、ぽっちゃりとした小太りの女の子だった。10歳ほどの少女は怯えて泣きじゃくり、その様子を見た少年は、苛立ったようにそばにいた魔術師へ命じる。 「この失敗作を魔法陣から引きずり出せっ!」 魔術師の青年ジオは、深々とため息をついた。 「私はもう、宮廷魔術師ではないのですがね」 勇者召喚の儀を断った彼は、とっくに首となっていた。 「引きずり出して、どうするつもりですかな?」 「当然、本物の勇者を呼び直すに決まっているだろうっ」 「この子はどうするんですか?」 「知るか、勝手に出てきやがって。俺が求めるのは勇者だぞっ。あんな醜い餓鬼など、どこかに捨ててこいっ」 ……先代の国王はいい人だった。人間嫌いだった青年が、仕えてもいいと思うぐらいには。しかし若くして突然死してしまった先代は、息子の教育を充分に行えなかったようだ。 まったく関係の無い人間をさらって働かせようなんて、ただの誘拐で、他力本願極まれりだ。阿呆か。 そう思った彼は、召喚された『小学4年生』の女の子、吉田真理を連れて、国を出奔した。 それは、世界で最も強大な能力を持った魔術師と、幼い身で勇者として召喚されてしまった少女との、出会い。 そして数年後、この幼な勇者を幼な妻へとクラスチェンジさせた魔術師の物語である ――
拉致召喚で現地人主人公……だけど、実は ―― なお話。7話ほどで完結済。 「針子の乙女」のゼロキさん作品です。 ほぼほぼ第一話ですべてが語られているし予想もできているのですが、まあそれはそれ(笑) 魔術師の青年は、召喚から3年過ぎた時点で35歳。真里ちゃんは13歳。地球では完全に犯罪級の年の差なんですけど、この世界では12歳から婚姻可能かつ、男性は家族を養える甲斐性を持ってから結婚というのが一般的なことで、ちょっとすれ違いが生じたりとか。 それにしても、過去に召喚された静香さんの事情がひどすぎてひどすぎて……でも、拉致召喚ってそういう可能性も充分に考えられるんですよね。この発想はすごいって思いました。 詳しい事情を知らないのに、それをきっちり他の人に説明してくれるロマッドさんマジいい人。脳筋的な書かれ方をしているけれど、作中で一番の常識・良識人だと思いました(しみじみ)
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No.3090
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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