最狂公爵閣下のお気に入り
2021年07月10日(Sat)
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読書記録: ■最狂公爵閣下のお気に入り 〜第五十八話 https://www.alphapolis.co.jp/novel/73149723/449491726
「お姉さんなんだから、我慢しなさい」 両親からそう言い続けられて11年。伯爵令嬢のセレスティナは、一歳しか違わない妹ジーナばかりが可愛がられることに鬱屈した思いを抱いていた。いつもは妹のついででまとめてお茶を濁されてしまう誕生会も、祖母の口添えでやっと開いてもらえたと思えば、招待客からいただいた誕生プレゼントを妹が欲しいと言い出し、母がまたいつものように口にする。 「それはジーナにあげなさい。それくらい何ですか。そんな我が儘な子に育てた覚えはありませんよ」と。 一年に一度の特別な日、特別に贈られたものを、なぜ妹に譲らなければならないのか。 泣きそうになった彼女を救ってくれたのは、招待客の一人、シリウス・オルモード公爵だった。 「そのプレゼントは、ブランジット卿が彼女に与えたものだ。姉だから妹だから、という言い分はおかしいのでは? むしろそういった我が儘を押し通せば、ねだれば何でも思い通りになると思ってしまうぞ? 教育という意味なら逆効果だ」 長い白銀の髪をしモノクルをつけた公爵は、二十代前半ぐらいだろうか。端正な面差しと威風堂々としたその佇まいは、さながら裁きを下す天使のような趣をまとっている。 結果、泣きわめき始めた妹と母は会場から出され、セレスティナは初めて「妹が泣いたのに自分が咎められない」という経験をすることができた。 後に公爵が腕の良い魔工技師で、今回はたまたま祖母の義眼を調整するために屋敷を訪れ、そのついでに誕生会へ顔を出してくれたのだと知ったセレスティナは、己も魔工学に興味を持った。女が勉強するということに、家族も親戚もいい顔をしない。それでも図書館に通い詰めて一年。12歳の誕生日まであと数ヶ月という頃になって、セレスティナは図書館でオルモード公爵と再会した。 挨拶を交わすと、公爵はセレスティナが持っていた魔工学の本に興味を示す。 「……これの内容を理解出来る?」と、いくつか質問をされたので張り切って答えていると、公爵はセレスティナをテストしたいと言い出した。 「魔力量と知能、それと、そう……君が今まで学んだ魔工学に関するテストだ。君のご両親に話を通しておく。近日中に必ず行くので、心しておくように」 戸惑いながらも、公爵様が自分の屋敷を訪れてくれると知り、セレスティナは心を躍らせる。 その時の彼女はまだ、かの公爵が最狂公爵の異名を持つ周囲から恐れられる存在であることも、かつてドラゴンと結婚し半竜の子供達を持つ、バツイチの身内馬鹿であることも知らず ――
家族に虐げられていた子供が、才能を見いだされて有力者に引き取られて、そのまま年の差溺愛まっしぐら系。連載中。 「骸骨殿下の婚約者」と同じ作者さんのお話です。 主役の父は劣等感こじらせた毒親、母は自覚なしの愚か者、妹はサイコパス、みたいな感じでしょうか。 そしてシリウスさんは、ドラゴンの王をもしばき回せる膨大な魔力を持ち、いくつもの斬新な魔道具を開発しているリアルチート。ただ性格はかなり破綻していて、身内や友人以外には一切容赦がありません。そして身内でも恋敵になるとあれば、ためらいなく排除にかかる、そんな人ww 本文内でも他キャラに突っ込まれていますが、場面場面で紳士から狂人にまで性格が変わりまくってます^^;; でも身内には優しいんですよ(大事なことなので2度ry ただまあ……あれだ。主役は現地主人公なので、正真正銘の12歳。そして公爵様は膨大な魔力のおかげでちょっと老化が遅いようですけど、実年齢は31歳。主役とほぼ同い年の子供がいるバツイチ。 やはり本文内で突っ込まれてますが、幼女趣味注意ですね(苦笑) いちおう公爵様は、最初告白したセレスティナに対して「きみは子供だ。その気持ちはいずれ変わるものだ」とか大人の対応してましたけど、自分の思いを自覚してからはがっちり囲い込みモード。 「成人するまで手出しなんかするか!」「束縛したいけれど、彼女の可能性を潰すのは本意ではないから、籠の鳥にはしない」といった感じでまだ理性は残していますが、セレスティナを傷つける……どころか、名前で呼んだり営業スマイル向ける店員さんにまで嫉妬ムーブばりばりですww あとは……たぶんこれ、のちのち浮気して出ていった前妻が押しかけてきそうな気配が。種族(ドラゴン)的感性の差というか、長命種故に精神はまだ幼かった結果の身勝手さですれ違った前妻なので、なんかややこしいことになりそうな予感がひしひしと。 ……まあ、セレスティナの公爵様最優先スキルもなんだかんだでけっこう大概なので、大丈夫かな(苦笑)
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No.2640
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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