C.M.B.森羅博物館の事件目録 40巻
2021年06月07日(Mon)
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読書記録:
カンボジアの密林にある、崩れかけたシヴァ神殿。供物とともに病気の子供を一人で寝かせておいたら、一晩で治ったという奇跡が話題となった。学者達は新たな抗生物質が見つかるかもしれないと、崩れた地下空間に入るべく爆破作業を計画。調査団の一員だった森羅と立樹は、それに反対するが……「奇跡の神殿」 一度も殺しを成功させたことがない、マヌケな殺し屋。相手を脅すためにと期限3日、成功報酬200万、失敗報酬3万円で雇われた彼は、密輸業者のボスの部屋へと何度も襲撃をかけては追い払われる。しかし最後の襲撃で標的の部屋にまで到達した彼と護衛が目にしたのは、密室内で刺されているボスの姿で……「五月蠅い殺し屋」 立樹と森羅がリオから帰る飛行機の中で出会ったのは、手に怪我をした大手会社勤務の青年だった。話を聞くと、政治家との取引に使う大事なデータを運搬する出張中に、強盗に襲われたのだという。そして助けてくれた現地の少女と親交を深めるも、今度はその少女ごと同じ強盗に誘拐されてしまった。再度少女が身を張って救ってくれたものの、もう一度会って礼をしたいと告げる彼に、彼女は『イパネマの魚を探して』という言葉を残して姿を消した。必ず彼女を探し出すと決意する青年だったが、森羅の出した結論は……「イパネマの娘」 マルタ共和国に住む森羅の友人ランドは、資産家の大富豪だった。しかし遊びや浮気を繰り返したせいで家族に愛想を尽かされ、今ではどこか無気力に暮らしていた。趣味はボトルシップを作るぐらいだったが、そんな姿は親しい相手にしか見せられないと自嘲する。彼の元を辞した森羅と立樹を、数日後ユーロポールの刑事ビアが訊ねてきた。ランドが森羅達と会った翌日、オフィスで殺されたのだという。その毎週金曜日の午後を、彼は『宝探し』と呼び、紹介状がなかろうが新人だろうが、どんな相手とも面会し投資話に耳を傾けていた。そして気に入れば大金をポンと出す。故に事件の会った日も盛況で、顔なじみのベテランから犯罪者上がりのペテン師まで、様々なバンカー達が詰めかけていて……「ボトルシップ」
今回も4編を収録。一話目が一番、CMBらしい話でしたかね。博物学が絡む、こういう話が好きです。 二話目は鯨崎刑事が相談に来るパターンで、ちょっと森羅と立樹の影が薄かった。犯人はけっこう意外でしたけど(笑) 三話目は加藤さん節炸裂の、心の闇とか無自覚な傲慢さとかが滲み出る感じ。 四話目はロジカルに攻める密室とアリバイ崩しでした。
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No.2593
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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