平安妖異伝 大活字本 下巻
2025年05月08日(Thr)
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読書記録:
未だ年若き中納言 藤原道長と、謎多き楽師の少年がさまざまな怪異を解決してゆく連作短編集。大活字分冊判の下巻です。 収録されているのは「催馬楽を歌う男」「狛麿の鼓」「蛙人」「象太鼓」「春の館」の五編。 巻末解説で「歴史時代小説」と称されているように、ちゃんと歴史の流れに沿いつつ、間をファンタジーで埋めている感じでした。 今回は行成さんも登場して、ついに四納言勢揃いしましたし★ あ、安倍晴明もちらっとだけ出ました。本当にちらっとだけ。 そして上巻ラストでは甥の伊周と次兄道兼がやらかしたなあと思っていたら、この下巻では長兄道隆がほぼずっとやらかしっぱなし。 上巻開始時が990年で、下巻の最後は年が明けてすぐ。まさに中関白家の絶頂期であり、あと数年で坂を転げ落ちるような没落が始まるという、そのドキドキ感と道隆の驕りっぷりがなんともいえません。 この作品の道長は、夢枕陰陽師の博雅さまと同じような感じで、「よいおとこ」なんですよね。人誑しであり、人以外も誑していきます。 この道長が、やがては摂関政治の頂点に立った時、どういう人物になっているのか。その時に真比呂らとの関係はどうなっているのか。想像するとわくわくもし、ハラハラもし。 「光る君へ」のように、あくまで純朴な男のままでいるのか、それとも権力に飲まれ、真比呂らのことなど忘れ去って(記憶から消されて)しまっているのか。 どちらもありえそうで、妄想が広がるのでした。
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No.4358
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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