2014年02月02日の読書
2014年02月02日(Sun)
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本日の初読図書: 児童向けジュヴナイル「星からきた探偵」の原作小説。なのであらすじは先日読んだものに準拠です。 そして実はこの話、このブログを始める前にも一度読んでいるんですが、その時は新装版(2002年発行)だったので一応今回(1963年発行旧版)は初読にカウントしようかと。……まあ中身(訳者)は同じなんですけどね(苦笑) 旧版は表紙のイラストがいかにも一昔前の怪奇SFっぽいエイリアンの図でした。書影を紹介できないのが無念です。 そしてその印象とは裏腹に、非常に理知的で大人で友好的な異星人の登場するのが、ハル・クレメントの書く小説の特徴らしいです。そんな解説を読むと他の作品にも手を出してみたくなるけれど、積読が(ry
文章としては、ジュヴナイル版で「デカ」だった異星人が「捕り手」、「ボブ」だった主役の少年が「バブ」になっているのが最初ちょっと違和感を感じさせますかね。あとバブの友人達も数人出てくるのですが、場面によって名字や名前や愛称(複数)など呼び方がかなり入り乱れているせいで、どれがどの子のことか把握しにくいのが難点です。 そのくせジュヴナイル版ではざっくりカットされていた、SF小説の中に推理小説の要素が色濃く入っているテイストがありまして。ホシがいったい誰の体内に潜んでいるのか、ひとつひとつ可能性を潰していく課程がつぶさに書かれているのに、肝心のキャラの見分けがつきにくいせいで、いま一つ話に没入しにくいのが難点かと。 島のお医者様という第三者の協力者を得るエピソードも、ジュヴナイルでは削られていた楽しいポイントですね。十五才の少年では行き届かない部分をフォローしてくれる、理解ある頼もしい大人の専門家。続編「二千億の針」では、このお医者さんの存在が非常な助けになってきてますし。 あと大人向けバージョンの見所は、バブがかなり最後の方まで捕り手への疑いを持ち続けているところでしょうか。素直かつ無鉄砲な少年の心と、年に似合わぬ聡明さを持ち合わせた彼は、途中で「実は捕り手こそが犯罪者であり、自分(バブ)を作り話で言いくるめて、追っ手を『ホシ』と偽っているのではないか」という可能性に気がつくのですよ。 捕り手と交流を深め、お互いに親愛の情を抱きながらも、その心中では捕り手=ホシでは? という疑いを捨てきれない。しかしその疑いを表に出すことはけしてせず、時々さりげない問いかけで捕り手を試しつつ、反証を得るたびにそっと笑みを浮かべる。そんなバブの思慮深さがあるからこそ、たまにやらかす子供っぽいポカのあれこれも、許容することができるのですよ。 翻訳が古すぎるせいか、バブの話し言葉が子供らしくないというレビューも見かけますが、私はこのくらいの方が「聡明な少年」という印象がはっきりして良いと思います。 ……まあ、「キャットウォーク」が「猫道」だったり「シアトル」が「シャートル」だったりとかするのには、違和感を感じなくもありませんが(苦笑) あとたまに、地形描写で東西南北がおかしい気がするのが困りどころですかね。文章だけだと、うまく脳内で地図を描けないんですよ。たとえばどう考えても南東が、北東って書かれてる場所がある気がする……もしかして文中で出てくる地図、北が上じゃないのか?? 新装版には確か島内地図が載ってたと思うんですが……いっそ新装するだけでなく、新しい訳が出てくれないかなあ。古い文章は古い文章で味があるのですけれど、どうせなら判りやすい方でちゃんと内容を把握した後で、ゆっくり味わいを楽しみたいところです。
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No.5542
(読書)
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投稿した画像が小さくて見づらいとの御指摘を受けたので、ちょっとCGIの設定を変えてみました。 テストモデルには、パオちゃんにお出まし願いましょう。
いかがかですかにゃ?
……これ以上大きくすると、うちの環境では画面からはみ出してしまうのですが……
追記: すみません。 写真の表示サイズを変更したら、過去ログすべてに反映されてしまい、以前の記事のレイアウトが崩れてしまったので、元に戻しました。 ううむ、ままならぬものよ……(−ー;)
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No.5544
(電脳)
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2014年02月03日の読書
2014年02月03日(Mon)
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本日の初読図書: 「え、変?普通だよ!!(ムーンライトノベルズ)」〜メテオ http://novel18.syosetu.com/n8070bu/
二十二歳の時、車に轢かれそうな犬を助けて死んでしまった青年は、異世界で魔貴族キオ・ナイン・アルフォードとして生まれ変わった。 この世界の魔族とは、魔法の扱いがもっとも得意な種族である、生れてすぐ生きるために必要な知識を親から転写され、1ヶ月で十五歳程に、2ヶ月で二十〜二十五歳程に成長するという反則ぶりだ。 ところが日本人からの転生者であるキオには非常に困ったことがあった。それは食事だ。魔族にとっての食料とは、魔力そのものにほかならない。そしてその摂取方法とは、『肉体的接触』による他者からの譲渡なのだ。生まれてすぐは両親からのキスで分けてもらえるが、一ヶ月もすればガチでエッチをしなければならない。おまけに魔族には男性しか存在しないのだ。 前世でも女性経験のなかったキオにとって、生まれて一ヶ月で男性と……というのは倫理的なハードルが高すぎた。 幸いにも魔力を豊富に含むルビの実という木の実が存在したため、かろうじて餓死を免れていたキオだったが、その実はかなり高価で、下級貴族であるアルフォード家で購入し続けるのは厳しかった。そこへ持って来て何故か急に値段が高騰し、ついに家族から通常の方法で魔力を摂取するか、家を出るかのどちらかを選べと言われてしまう。 魔力が強ければ美しい、美しければ強い、強ければ出世できる。それが普通のこの世界で、積極的に魔力を得ようともせず、結果的に見た目もそこそこで家の出世にも役立とうとはしないうえ、エンゲル係数ばかりかさむキオにかまけていれば、アルフォート家自体が倒れてしまうだろう。だから家族の判断は間違っていない。そう思ったキオは、素直に家を出ることにした。 幸いにも家から持ちだした衣服(突出した美形の兄のお下がり)が高く売れたおかげで、当座の住処と着るものはなんとかなった。後は食べ物だが……すったもんだのあげくに、なんとか自分の庭でルビの木を育てることに成功し、生き抜く目処は立った。 しかし一人暮らしは寂しい……と思っていたところへ、ある日門の前に怪我をした子犬が落ちているのを見つけた。魔法で傷を直してやると、子犬は四〜五歳ぐらいの獣耳を生やした可愛い男の子に変身する。 「おねぇがい。にいちゃを助けて(≧Д≦)」 前世の頃から動物大好き、モフモフ最高! だったキオは、奴隷としてさらわれたという獣人たちを救うべく、魔貴族の屋敷へと突入して……
えーと……R18指定でBL注意のほのぼのものです。 魔族の設定とかはあれですが、直接的描写はほとんど出てきません。可愛いモノ大好きの主役が、美形の獣人兄弟を引き取って、ふわふわと楽しく暮らしております。 まあ、55話ぐらいから、少しずつ恋愛模様(男同士)が混じってきてるので、要注意ではありますが。 キオが自覚なしにいろいろやらかしては、いつの間にか超絶美形の規格外魔族になっているのは、転生チートの御約束★
あとこの作品はスマホで書かれているらしく、誤字脱字や不要な改行・スペースなどが山ほどあります。予測変換によるものと思われる変な言葉遣い(おっちゃん→おちゃん)なども相当にあるうえ、作者様がそれらはスルーしてほしいとおっしゃっておられるので、読んでいて脳内補正作業がフル活動で必要です。顔文字とかも多用されているので、そういうのが苦手な方は避けられたほうがいいかもですね。
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No.5550
(読書)
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ウイルスバスター2011だったよ……
2014年02月03日(Mon)
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次兄に頼まれてウイルスバスターと Adobe Flash Player のバージョンアップ作業をば。次兄の WindowsXP ノートは我が家で一番古く、スペックも低くってもはや瀕死の状態。作業中にハードディスクから異音が鳴り出すし、IEで情報を探すのにも、リンクをクリックしてから次のページが表示されるまでに、かつての電話回線よりも遅いんじゃないかという激重さでもうヽ(´〜`)/ どうにか作業を終えるのに、二時間ぐらいかかっちゃいましたよ。いやはや。 あと事務所の Win7 から何故か Adobe Reader が消えていたので、そちらもインストールのしなおし。
……しかし Adobe 関係のソフトを入れる時、どさくさ紛れで Google Chrome 入れようとするのはやめてもらえませんかね(−ー;) Google Toolbar とかもそうですが、気付かない内に意図しないソフトをマシンへ入れられてしまうのは、あまり気分がよろしくないものです。
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No.5551
(電脳)
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2014年02月04日の読書
2014年02月04日(Tue)
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本日の初読図書: 綾櫛(あやくし)横町の奥には大妖怪が住んでいて、幽霊や妖怪に関わる悩み事を解決してくれる。そんな噂を耳にした高校生 高幡洸之介は、駄目で元々と思いつつ丑三つ時に細い路地へと足を踏み入れた。 そこで目にしたのは、ひとりでに祭囃子を演奏する楽器と、言葉をしゃべり酒を酌み交わして宴会する動物達の姿という、摩訶不思議な光景で。そんな路地の奥にあった建物には、加納表具店という看板が掛かっていた。 表具店とは、掛け軸や屏風の表装を仕立てる店のことだ。そこの主だと現れたのは、美しい着物姿の女性。環(たまき)と名乗った。 なんでも表具師の仕事には表と裏の二つがあるのだという。表は普通の表装だが、裏の仕事はいっぷう変わっている。様々な思念を宿しすぎた絵は、世に言う心霊現象のようなものを起こすことがあるのだが、その思念を表具を使って封じ込める。あるいは正しい道筋に戻すのだと彼女は告げた。そして環は伝説とも呼ばれる名表具師として、業界では名を馳せているらしい。 洸之介の悩み事とは、まさしく絵に関わることだった。彼は三ヶ月ほど前に日本画家だった父親を病で亡くした。その父が残した数点の絵が、夜になると動き出すのである。真っ暗な部屋で動き回る絵は気味悪く、ここしばらくというもの、残された母子は満足に眠ることもできずにいたのだった。 環から絵に宿る念の話を聞いた洸之介は、父親はそんなにも生に執着し、無念を残して死んでいったのかと暗澹たる思いを感じた。しかし環は鮮やかな手腕で父の残してくれた、優しくも不器用なその真意を明らかにしてくれる。 そうして彼女はこう提案した。 自分に弟子入りし、その手で父親の残した絵の表具を仕立ててみないかと。 そうして洸之介は、加納表具店へと出入りすることになった。 ところがその店に集まる存在は、天狗の王子にイケメンの化け狸、ギャル系女子高生の猫又や雪女といった、人間世界に馴染みすぎるほどに馴染んだ人ならぬモノたちばかり。 洸之介はそんな彼らと共に、様々な絵にまつわる様々な物語と関わりを持ってゆく ――
「人間の話」「天狗の話」「狸の話」「猫又の話」「狐の話」の五話に別れた短編集の形を取りつつ、全体を通してひとつのお話になっています。 基本的には、何らかの思いが宿ったせいで不可思議な現象を起こす絵が存在し、それを掛け軸や屏風という形に表具したり、あるいは壊れた部分を直すことで、その思いを昇華させてやるというのが、大まかな流れです。あまりおどろおどろしい雰囲気はなく、むしろほのぼのとした読後感の温かい感じのストーリー。 それぞれのお話には、それぞれのキャラ達の過去や思い入れを絡めてあったりもして二度美味しいです。 最初は主役の洸之介の物語で始まり、最終話はキーキャラとなる環さんで締める。中の三話は脇キャラ達がメインとなりますが、彼らもみな個性的で、読んでいて楽しいったら。 個人的には「結婚詐欺もできない駄目狸」こと、残念なイケメン樹(いつき)さんが大好きです。人を騙すのが得意な化け狸たちは、現代の世ではもっぱら詐欺師として生計を立てている。特にどんな美形に化けるのもお手の物なので、結婚詐欺は基本中の基本。できて当たり前というその設定がまず面白い。しかし樹は甘いマスクのハンサムなのに、人が良すぎてなかなか相手を騙しきれない。この女性にだって生活がある、お金だって無限ではないと思うと、どうにも「借金があって」とか「事業を興したいけれど資金が足りなくて……」といった決定的な言葉を口にできないのですよ。そうこうしているうちに、女性達の方から「あなたとつき合えて楽しかったわ。良い思い出をありがとう」って振られてしまうというvv でも母性本能をくすぐるせいか、「これで美味しいものでも食べなさい」みたいにお小遣いを渡される上、最後は「夢のような時を過ごさせてくれたお礼よ」っていろいろもらっちゃうらしく、ある意味ではこの上なく良心的なジゴロとして大成功しているのではないかと(笑) あとはカリスマ美容師として名を売っている、河童のジョージさんもイカスとか思う私は、やっぱり面食いなのか……
ともあれ今回は、一冊で綺麗にまとまっているけれど、全体的に各キャラクター達の背景紹介という感じでさらりと終わっていたのが少々物足りなかったかな。語り手が男子高校生ということで、文章がいかにも「ライト」だったのも★ひとつ減。 洸之介の柔軟さというか、人外のモノを受け入れる器の大きさとかもまだまだ片鱗しか見えていないので、これは続編を楽しみにしたいところです。 どうやら環さん達は、洸之介が年を取ってもちゃんと縁を切らずに付き合いを続けていってくれるようなので、そのあたりは安心して読めるところかと。
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No.5556
(読書)
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2014年02月05日の読書
2014年02月05日(Wed)
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本日の初読図書: 動物の霊しか呼べないうえ、自分では見ることができない(人には見せられる)、霊力1/4な動物専門霊媒師クォートと、前世が犬だったゆえの忠誠心と猫の霊能力で彼を支えてくれる黒猫のハーフちゃんが織りなす、ハートフル霊能コメディ。 クォートの友人で毒舌霊媒師のラクシャスが、ある日目覚めると何故か犬の身体になっていた……「バディ」 漢方のスープを食べたプロデューサーのライミーが、なんだか様子がおかしくって……「ライミー○○する」 ハーフがいなくなっちゃった!? クォートはもちろん大慌てするが……「 Catchi me please 」 周囲の状況や人の感情を増幅してしまう弁護士のシンバさん。彼といっしょにいたクォートは、道端で大怪我をした犬を拾うが、その犬は病院から消えてしまい……「聖痕」 交通事故の現場を見に行った、霊媒師とTVスタッフ一行。その側で作業していたオブジェ作家の頭上には、何故かクォートにしか見えない、石のブロックが浮いていた。事故の犠牲者はその塊に引っかかっているようで……「囚われの君」 仕事で日本へ出張した動物タレントスカウトマンのジョイスさん。そこで出会ったのは、クォートとハーフのツンデレ版??……「ジョイスさんのお土産話」
やあ、もう今回もほんっとに可愛かった!! ラクシャスがハーフちゃんを受け入れるようになったりとか、いつも動じなくって、前向き元気にバイタリティのあるシンバさんだって、過去にはいろいろあったのさ……という「聖痕」前後編ももちろんファンとしては萌えどころなんですが。 しかしこの巻で一番の見所は、やっぱりシンバさんに役目を取られちゃって、すねちゃうハーフちゃんでしょうvv 拗ねる気持ちまで増幅されちゃって、一度は家出しちゃうものの、クォートに何かあったと感じたらすぐに正気に戻るハーフちゃん。そしてハーフのためなら微塵も迷わず階段に身を投げ出すクォート。もう、このラブラブコンビめ《o(>▽<)o》 なによりも拗ねて「ぶーっ」ってなってるハーフちゃんの顔が、ラブリー過ぎる(*´Д`)
R以前の、パイロット版とも言える2冊も持っている私としては、「ライミー○○する」で登場した中華料理店とその主人に、思わず『彼女』の登場か?? とも思ったのですが、そんなことはなく。 当分クォートに春は来そうにないですけれど、このRでは良い男いっぱいなので、このままサザエさん状態で続いていくのも良いのではないかと(クォートには気の毒かもしれませんが/苦笑)。
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No.5557
(読書)
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2014年02月06日の読書
2014年02月06日(Thr)
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本日の初読図書: 今回は270ページほどに10話が収録されているという、短編と言うよりはSS集という感じでした。ただでさえこのシリーズは活字密度が低くって、ページの下半分は白いような文章なので、ますます今昔物語集とかを彷彿とさせられる感じ。 いやでもしっかり面白かったですよ? あまりひねりはなく、短い文章でストレートに語る感じが、いかにも古典っぽくて。 さらに今回収録のお話は、いつものお約束をちょっと外しているものもあって、なんだかファンへ送るサービストラックみたいに思いました。 たとえばそれは、「これで良かったのか」と沈む晴明さんを博雅さんが力づける場面だとか。「ゆくか」といつものように問われて、「いや、ゆ、ゆけぬ」と苦渋の返答をする博雅さんだとか。博雅さんも晴明さんも登場しない、道満主役の番外編ぽいお話だとか、あるいは博雅さんだけが登場して、無自覚に楽聖ぶりを発揮するお話だとか。 タイトルの通り「猴(さる)」が関わる話も多かったですね。虫愛づる姫君 露子姫が登場する「からくり道士」などは、猿を含めたさまざまなからくりや、色とりどりに飛び交う蝶々が見栄えのするお話でした。 そもそもこのシリーズは、映像的な美しさが素晴らしいと思います。 あれだけの短い文章、限られた言葉で、なんて美しい光景を描き出すのかと、いつもうっとりとさせられてしまいます。 降り注ぐ月光がもたらす、蒼く透明な夜の闇。空気さえ色づかせるような、かぐわしい芳香。そして神々をも魅了する、博雅の笛の音。 今回は各話の筋立てがシンプルだけに、いっそうそれらが際立っているように感じられました。
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No.5560
(読書)
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更新情報(2014年02月07日)
2014年02月07日(Fri)
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閲覧室の「寄贈図書」で、ちなつとも様よりのいただき物「最北の魔術師 魔術師と死ニ至ル病」の3章2話目をUPしました。 黒ずくめの二人組が行動を開始(笑) ロウウェンの鬱屈がどんどん溜まっていっているようで、フォローするレイシンの気苦労が忍ばれますvv
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No.5561
(更新)
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えー、いろいろありまして、背中の半ばまであった髪を切りました。 正確には一昨日切ったんですが、自分でやったらガタガタになったので、改めて母に切りそろえてもらいました。 生活する上での取り回しを考えて、一応ぎりぎり結べる長さ。肩に届くかどうかぐらいです。 ふふふふふ、こんなに短くなったのは、中学の時以来だぜ、いえーーー。
寝返り打つときとか、めっちゃ楽です。 シャンプー後に乾かすのも手間いらず。
……これで髪の毛落ちてるって怒られなくなると良いなあ(ぼそ)
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No.5562
(日常)
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2014年02月08日の読書
2014年02月08日(Sat)
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本日の初読図書: 時は享和二年の夏。岡っ引き六蔵の妹で、一膳飯屋「姉妹屋」の看板娘である十六才の少女お初は、南町奉行所の奉行 根岸九郎左衛門鎮衛に呼び出された。気さくなこの御前は世の中の不思議な話を聞き集めては、「耳袋」という書物に書き留めることを楽しみとしている。そしてお初は幼い頃から何故か、人の目には見えぬものを見、聞こえぬ声を聞く不思議な力を持っていたため、御前に気に入られ珍談奇談を集める手伝いをしているのであった。その日もいつものように、深川で起きたという死人憑きの話をしたのだが、その後、御前はお初に一人の人物を引き合わせた。古沢右京之介という与力見習い。お初と同年代の細い身体に腰の大小が重そうに見える、なんとも頼りなげな若侍である。御前はお初に、しばらく彼を預かって町方の探索を共にやって欲しいと告げた。詳しい説明はなかったが、どうも右京之介は奉行所内でも軽んじられているらしく、お初や六蔵と行動することで、もう少し見聞を広めることを期待されているようだった。困惑しつつも右京之介を連れ帰る事になったお初は、その道中でまたも余人の目には映らぬものを幻視する。それは油問屋丸屋の油樽の中に、幼い子供の死骸が沈んでいる光景であった。話を聞いた兄の六蔵はさっそく子供を殺した下手人を捜しにかかる。やがて浮かび上がってきたのは、深川で起きた死人憑きの噂の張本人、一度死んで生き返ったという吉次という男だった。しかし死人憑きについて聞き集めていたお初と右京之介の前で、吉次は突如狂暴化して暴れ出し、取り押さえられたときには、死後何日も経っていると思われる死体になっていた。ひどい目にあったお初に気晴らしをさせようと考えたのか、御前は彼女を着飾らせとある武家屋敷へと連れてゆく。その屋敷の庭は、百年前かの赤穂浪士の主君であった浅野内匠頭が切腹した場であり、その目印として置かれた庭石が、最近になって夜ごと鳴動するという怪異が起きているというのだった。事実、お初と御前の目の前で、確かに岩はぎしぎしと音を立てて震える。そしてお初は岩の傍らに立つ、侍の姿を幻視した。その侍は「りえどの……」と呟いて消える。その名は吉次が死体に戻る前に呼んだものと同じだった。やがて再び子供が殺される事件が起こる。謎を追うお初達は、次第に一連の事件が百年前に起きた赤穂浪士の討ち入りと、深く関わっていることを確信するようになって……
単行本「かまいたち」に2作ほど収録されていた霊験お初の、正式シリーズ第一作です。っていうか、現在のところ二作目までしか出てないようですが。 設定は少々変えられていまして、まず最大の改変は「直兄さんがいない」に尽きるでしょう。 うん……あの人がいると、便利すぎてあっと言う間に話が終わっちゃうし、せっかくの良い男枠は、どうせなら将来恋愛方向にも発展させられそうな相手の方が良いと理解はできるんですが。そんな訳で新しい相方として、算学好きの見習い与力にして眼鏡の優男、古沢右京之介さんのご登場です。 腕っ節はからっきし。ひょろりと頼りなくって穏和かつ気弱な右京之介さんですが、さすがの記憶力と分析力でお初を見事にサポートしてくれます。超常的な能力で手掛かりを得るのがお初なら、それを元に論理を展開させるのが右京之介さん。どんな些細な言葉尻も逃しません。そして荒事関係は、もっぱら六蔵兄さんと下っ引き達が担当。 あとお初の家庭環境にも大きな変化があります。なんとお初ちゃん、捨て子で六蔵兄さんと血の繋がりがないのですよ。だから年もずいぶん離れている、と。 ……あれ、じゃあ直兄さんも恋愛枠として残しとけたんじゃ…… 六蔵兄さんが昔はかなりやんちゃをやらかしていて、パイロット版のように頭の固い四角四面ではないところも地味に変化が大きいですね。お初の異能が大人になってからではなく、子供の頃からちょいちょい現れているため、いきなり変なことを言い出しても受け入れるのが早いですし。 お奉行様とお初達の馴れ初めも異なっていますね。お初が何度か六蔵の捕り物に口を挟んだことで、不審に思ったお奉行様がお初を直々に召しだした結果、すっかり彼女を気に入って、自分が好きな怪奇話を集めるのを手伝わせているといういきさつになっています。 うーん……直兄ファンとしてはちょっと残念、かも(苦笑)
でもって、今回のメインテーマは「忠臣蔵」。 ……実は私、忠臣蔵をちゃんと見たことがありません。小説でもマンガでもドラマでも。ドキュメンタリー番組すらほとんど見ていないので、正直ちゃんとしたお話をほとんど知らなかったりします。 それというのも、「忠臣蔵」というものの存在を知る前の子供の頃から、母に「あれは忠義の話なんかじゃない。どこにも再仕官できなかった要領の悪い能なしの残り物家臣が、食い詰めたあげくまわりからそうせざるをえないように追い込まれて、格好を整えるためにやった茶番劇。吉良こそ良い迷惑だ」と言い聞かされて育ちまして。おかげで今さら純粋な目で見て、素直に喝采することなんてできなくなっちゃったんですよ(しょぼん) そう言ううがった目で見る裏の解釈は、せめてスタンダードな認識を知ってから聞かせて欲しかったッス……>母
まあそんな印象を根底に持っている私からすると、今回のこのお話は、「赤穂浪士討ち入りの裏側を斬新な解釈で!」という衝撃を感じられなかったのがいささか残念でした。 そして幕府や侍の意地といった理不尽によって泥を被る弱者がいるという流れは、同じく宮部さんの作品「幻色江戸ごよみ」の「紅の玉」を思い出させられましたね……己に何の咎もない死人(子供含む)がたくさん出て、世間の歪みに翻弄される人々も多数登場する今回のお話は、読後感が苦く。 救いは右京之介さんの葛藤に解決がついて、将来が明るく開けそうな点ですかね。次の巻で彼がどのように活躍してくれるかに期待したいです。
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No.5565
(読書)
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ひゃっほう《o(≧▽≦)o》
2014年02月08日(Sat)
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■SHERLOCK(シャーロック)3 [全3回]|NHK BSプレミアム|NHK 海外ドラマ http://www9.nhk.or.jp/kaigai/sherlock3/
まだ詳細な時間は決まっていないようですが、とりあえずシーズン3の放送決定ばんざーーーい!! できれば、できれば深夜に放送して欲しいッス! 深夜ならデジタル画質で録画できる! っていうか、せめてシーズン2の再放送は地上波でやって欲しかったが……くぅぅう!! でもそれでもいい! ……誰か実費払うから、DVD1枚1話のデジタル画質で録画してくれないかなあ(ぼそ)
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No.5566
(映像)
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歯医者の定期検診だった本日。 事前に念入りに歯を磨いて、久しぶりに歯間フロスも通していきました。あんまり歯ブラシに力を込めすぎると、歯ぐきに傷がついてしまうから、そこのところは気を付けて……と注意した結果。 ついに「良く磨けてるよ」「(半分歯ぐきに埋まっている)親不知もばっちり」「私よりうまいんじゃない」と看護士さんに言わせてやったぜ★ 磨き残しの歯垢を染め出す作業も、あるいは毎回何度も同じこと言われて食傷していた歯の磨き方指導もなし。ほとんど拷問に近い、いつも口の中が血塗れになる歯石取りもソフトに終わって、今までよりも十五分ぐらい早く終わってくれました。 ふふふふふ、勝った!<何と戦っているんだ
いやね……何度も書いていますが、歯医者さんの担当が変わってから、本当に歯医者に行くのが気楽になったんですよ。 前は行くたびに、その態度にまるで馬鹿にされているような気分になるわ、口の中は血だらけでズキズキするわで、半日ぐらい機嫌が悪くなったりしていたものです。 あの人は腕は良かったかも知れないけれど、確実に患者さんを減らしていたのではないかなあとか思ってみたり。 なにしろうちの父なんて、その人に歯石取りされた時に歯本体が欠けたあげく、「お年寄りは歯も弱ってるけんねえ」ですまされたらしいですからね……(−ー;)
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No.5567
(日常)
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2014年02月09日の読書
2014年02月09日(Sun)
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本日の初読図書: 霊験お初のマンガ版、2巻目からは「震える岩」の開始です。 この巻では、お初が庭石の前で浪人の姿を幻視して、さらに死霊が取り憑いた二人目の人間 助五郎が、下っ引きの文吉さんを釜に放り込んで逃げ出したあたりまで収録されています。 割と原作に忠実だった1巻に比べると、相当に改変がありました。 なにしろ直兄さんがちゃんと存在しているので、原作で右京之介さんが担当していた見せ場のいくつかが、しっかり持って行かれてしまっているのですよ(苦笑)<吉次からお初を助けるシーンとか キャラデザイン的には「あんまり美形に描こうとしすぎててちょっと引く」レベルだった1話目からすると、だいぶすっきりした二枚目程度にはなっているんですが。でも(たぶん身分を隠すためなんだろうけど)髷をほどいて髪を下ろしてる=典型的な長髪美形キャラになっている場面とかあるし、完全に女子受け狙いの美形枠vv っていうか御前さまとの会話から察するに、これ完全にお初との恋愛フラグが立ってますよね。まだこのマンガでは出てきていませんが、原作通りにお初が拾い子だったとしたら、血の繋がりがない=直兄の秘めたる恋心が! って感じです。むしろそうじゃないと、ここまでのシスコンぶりはさすがにちょっと…… そしてストーリーにも大幅な違いがありました。 原作では、連続子供殺しと死人憑きという二つのラインに赤穂浪士が絡んできて、それだけで充分に話が複雑かつややこしかったのに、このマンガ版ではさらにもうひとつの復讐劇が平行して存在しています。まだ全三冊のうちの1冊目で細かいところまでは判らないのですが、最初に子供の死体を投げ込まれた油屋さんが、十五年前に商売敵を追い落として破滅させており、その生き残りの子供が成長した美貌の女芸人『手妻使いの京』というキャラが、なにやら意味ありげで怪しげな行動をとっているのです。 陥れられた親の敵を討つ芸人といえば、私は真っ先に『雪之丞変化』を思い出します。あの話はあの話で大好きなのですけれど、このお話の京さんは父親の呪縛に苦しんでいるようで、なかなか胸が痛みます。 しかし……原作では何故あの油屋に子供の死体が投げ込まれたのかという理由付けがいささか弱いので、こう言ったオリジナル展開が入ったのかもしれませんが……これ以上話を広げられると、私ついていけるかしら(汗) 逆に今後ざっくり削られそうなのは、百年前に生き残った『りえ』さんの、曾孫のお内儀さんまわり。だってお初が『震える岩』を見物に行った段階で、気がつくともう膝の上に鎖帷子の断片があったのですもん。これは曾孫のお内儀さんが代々伝えて持っていたはずのものなのに……ああでもそこを削るとなると、お内儀さん夫婦を守るはずの最後の大立ち回りはどうなるんだろう??
ちょっとほっとしたのは、二人目の子供 長坊が殺されるのを阻止できたことでしょうか。ストーリー展開的にはともかくとして、やっぱり罪のない幼子が被害者というのは、読んでいて辛いので。
あ、直兄のことばかり書いてますが、右京之介さんもそれなりに活躍してますよ? 絵になったことで、立ち枯れ胡瓜の眼鏡侍というキャラが文章で読むよりも具体的になっていて面白いですし。暴れる吉次を殴る場面は直兄に持ってかれましたが、代わりに味噌汁をぶっかけてとどめを刺す役目が割り振られました。 そして特に大きいのは、父親の呪縛に囚われているという共通の点で、京さんとの絡みがあります。確かに京さんの凝り固まった心へ言葉を届けられるのは、美形繋がりの直兄よりも、同じような苦しみを知る右京之介さんの方が相応しいと思います。
さて、今後の展開はどうなることやら。ここまでストーリーが異なると、まったく先が読めなくって、不安やら楽しみやら。さて図書館で借りてきてる本と、どっちを先に手に取ろうかしら……
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No.5570
(読書)
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2014年02月10日の読書
2014年02月10日(Mon)
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本日の初読図書: 「不死王の息子(小説家になろう)」〜クリスマス中止のお知らせ http://ncode.syosetu.com/n2023bc/
小学六年生の日高由紀子は、学級崩壊気味のクラスで学級委員をやっていた。面倒見のいい性分がたたって、担任から押し付けられたのである。そんなクラスにある日転校生がやってきた。まだ子供ながら、異国の血を感じさせる白皙の美少年だ。しかし美しい容貌と裏腹なその名前は『山田不死男』。かの不死王の息子だという。 現代社会において、差別は駄目だと初等教育から教えられている。たとえそれが化け物であってもだ。世の中にはけっこう普通に人狼や吸血鬼といった人外が暮らしていて、ちゃんと人権も保証されている。とは言え人が己と異なる存在を、そうそうたやすく受け入れられる訳でもなく、根深い所に差別や偏見は残っているのだが。 ともあれ不死王といえば、紀元前から存在し続ける不老不死の存在である。たとえどんな傷を負ってもすぐに再生し、老いることもなく二千年以上生き続けてきた。かつては神と呼ばれ生贄を捧げられたりもしていたらしいが、今では菜食主義になっているそうだ。 そんな存在の息子である山田少年は、やはり不死身の肉体を持っている。転校してきたその日に校門の前でトレーラーに轢かれた彼は、見ている者に一生のトラウマになるだろうスプラッタを展開したのち、何事もなかったかのように復活した。その後もグラウンドを歩けば転んで突き出た石で頭を割り、体育の授業でサッカーをやれば何故かボールの代わりに生首がゴールする。血が飛び肉片が散る惨状に、周囲の人間は阿鼻叫喚であるが、当の山田少年はのほほんとお気楽に日々を過ごしている。 由紀子は山田少年が肉片状態から血まみれで復活してきた際、うっかり持っていた体操着を投げつけてしまった。身体は再生するが服は戻らない。つまり大変目のやり場に困る状態になっていたため、思わず反射的にやってしまったのだ。よもやそれが己の未来を一変させるきっかけになるとは、夢にも思うことなく。 翌日、駄目にした体操着を弁償するというのを断りきれず、由紀子は山田少年の自宅へと足を運ぶこととなった。立派な洋館に住んでいたのは、山田少年によく似た美貌とお花畑の脳味噌を持つ、天然人外な不死王こと山田父と、同じく山田母。彼らはニコニコと笑顔で由紀子を迎え、息子が友人を連れてきたと大喜びで彼女を夕食に誘った。当然断ろうとした由紀子だったが、献立が大好物のレバ刺しだったことで、ついご相伴に預かってしまう。 レバ刺しは美味しかった。お世辞でなく、今まで食べた肉料理の中で一番美味しいと思った。お代わりまでして食べてしまった由紀子に罪はない。 まさかそのレバーが、不死王その人の肝臓だと、誰が思うだろう。お客さんはもてなさなきゃの一念で、山田親子は最高の食材を振る舞ったらしい。 普段は止め役にまわる山田少年の兄姉達が、たまたま席を外していたのが仇となった。 不死王の血肉を受けたものは、その血族となる。 そう、由紀子もまた不死身の一族の一員となってしまったのである。 そんなこんなで否応なく死亡フラグを立てまくる山田少年と、文字通り一蓮托生になってしまった由紀子だったが……お気楽脳味噌花畑な山田少年とその両親にも、その過去には深刻な事情が絡んでいるようで……
商業出版された「薬屋のひとりごと」を書かれた、日向夏さんの現代ファンタジー。本編完結済で、時おり番外編が投稿されているようです。 えーと……ジャンル的には、ドタバタスプラッタコメディ。恋愛とシリアス成分もありというところでしょうか。 馬鹿馬鹿しい理由で不死者になってしまった委員長タイプ(でもけっこうちゃっかり者)の女の子が、ちょっと目を離すと血まみれ臓物だらけになる問題児を面倒見ているうちに、いろいろ巻き込まれたりほだされたりといった感じです。小学生編・中学生(前後)編・高校生編の四部構成。 由紀子ちゃんが恋愛方面に対して相当に鈍いというか朴念仁なので、天然ぼんやりのくせに好きな子には一直線な山田少年との噛み合ってないやりとりに、周囲の方がやきもきと。
そして文庫五冊分ぐらいある本編を数日かけ読み終えて思った感想は、『結局、山田青年(長男)がすべての元凶じゃん(−ー;)』でした(苦笑) この人が生き神様レベルの博愛主義を展開したあげく、自分が壊れていることに気が付かなかったおかげで茨木は950年苦しんだんですよね。いや彼女のやらかしたことは許されないことだと思いますけど、でも山田青年がもっとしっかりしていれば、お互いにお互いを探しつつも『出会えない』という状況は避けられたはずでしょう。っていうか、それだけ茨木が特別だったくせに、それでもあちこちに子供いるって、どんだけ博愛主義なんだ、山田青年……
まあ、そんないろんな意味で駄目駄目だった彼が、ちゃんと茨木と決着をつけられたのは、山田少年と由紀子ちゃんの存在あってこそなんでしょうが。 ……それにしても、神様レベルの博愛主義から一点集中型のヤンデレにジョブチェンジって、どっちにしても迷惑に変わりないあたり(笑)
あ、文章は非常に読みやすかったです。 たまに『てにをは』がおかしかったりとかしますが、それはまあさておき。読んでいて「えっと、これだれだっけ?」ということがほとんどないのはありがたいです。 なにしろ山田家の家族の呼称なんて、基本的に「山田少年」「山田青年」「山田父」「山田母」「山田姉」「山田兄」「恭太郎」ですしね。 正直なところ地の文で毎回アヒム(山田兄)とかオリガ(山田姉)とか書かれていたら、多分途中でどっちがどっちかわからなくなったと思います。そして本名で書かれる場面になると、とたんに文章の雰囲気がシリアスに変わり、その落差が読む方に飽きを感じさせない、と。 天然一直線な山田夫妻+少年の取り合わせと、不死王・撫子・富士雄のギャップは半端ないです。 ラストがどうなることかとハラハラさせられもしましたけれど、不死王の選んだ道は意外でしたねえ。彼もまた山田青年が山田少年に影響を受けたように、山田父によって少なからぬ変化を遂げたのでしょうか。まあ今後はもう少し『出て』来やすくなるでしょうから、息子たちの苦労は少しは低減される……かも?
そして個人的には山田兄(アヒム)がけっこう好きだったり。 誠実で有能でセンスが良くて金離れもばっちり。スーツが似合うエリートサラリーマンでメガネで苦労性で、そしてちょっと残念な美形(笑) やべえ、ドストライクだvv ああでもオリーブオイルは飲み物じゃないよ……料理として使われるのは確かに嫌いじゃないけれど、でも日本人はうっかり摂り過ぎるとお腹壊すらしいし、やっぱり彼の嗜好にはついていけない……
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No.5579
(読書)
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2014年02月12日の読書
2014年02月12日(Wed)
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本日の初読図書: 「転生したらスライムだった件(小説家になろう)」〜44話 そして町が出来た http://ncode.syosetu.com/n6316bn/
同僚をかばって刺されたおっさんサラリーマンが、気が付くと異世界でスライムに。そして天文学的な偶然から、封印されていた竜と出会い友誼を結んだ彼は、A級モンスターだった竜に名前をつけてもらったことと転生チートが合わさることで、規格外のスライムとなっていた。 しかし本人にはほとんど自覚がなく、生まれた洞窟を出て行った後は、最初に出会ったゴブリンに助けを求められたことで、なかば成り行きで彼らのリーダーとなる。 村を襲ってきた牙狼も配下にし、個別の名前をつけてやることで、部下のモンスターたちはどんどん進化を遂げてゆく。 そうして気がつけば彼らは、森の中でも突出した一大勢力になていて……
タイトルが全てを語っていますか。 本人にほとんど自覚がないままの、規格外スライムによる内政チートものです。部下のモンスターたちの強化され具合&主役への心酔っぷりと、判ってない主役ののほほんぶりの落差が面白いかと。 現在200話超までいってますが、とりあえずキリの良い所まで。
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No.5587
(読書)
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2014年02月13日の読書
2014年02月13日(Thr)
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本日の初読図書: 「窓の記憶〜おっさん英雄記(小説家になろう)」〜ネームドモンスター http://ncode.syosetu.com/n4047bx/
冒険者としては中級どころのおっさん、ジオ・ウルマ(42)。 これといって突出したものも持たず、20年間冒険者を続けてきて、これ以上強くなれることもないだろうと己に見切りをつけた彼は、そろそろ老後の資金も溜まってきたことだしと引退を決める。身の回りの世話をさせるために購入した奴隷は、商人に騙されたせいで余命少ない傷物だったが、そうと知った頃には情も湧いていた。まあそんなこんなも仕方がないさと諦めて、最後の最後にギルドから依頼された新米冒険者達の研修を受け持ったことで、彼の運命は大きく変わる。 新人をかばって谷へ落ちた彼は、気絶から覚めると目の前に不思議な光る『窓』を見つけたのだ。そして不思議な声が脳内に聞こえてくる。 『チュートリアルを開始します』『レッスン1 アイテムの使用と装備について』 声に従い『うぃんど』とやらを操作すると、ヒールポーションが出てきた。さっそく使ってみたところ、崖から落ちたせいで負っていた傷が、骨折も含めてあっという間に完治した。 他にも〔初級ショートソード〕〔初級ショートボウ〕〔無限の矢筒(木の矢)〕〔初級レンジャーアーマーセット〕などが出てくる。自分が持っているよりはるかに程度のいい武器に防具、そしていくら使ってもなくならない矢。 何がなんだか判らないが、モンスターだらけのこの谷から出るのには、この『ちゅうとりある』とやらに従うしかないらしい。 そうしてモンスターを狩りながら進んでいったジオは、谷の最奥でハーピークイーンを倒し、どうにか生きて帰ることができた。しかもハーピークイーンを倒したことで、さらにいくつかのマジックアイテムを得る。その中には半死人さえも復活させるという、エリクサーまであった。さっそく不治の病を患っていた奴隷ユニに使用することで、格安の傷物だった彼女は高級奴隷に戻る。 『NPC〔ユニ〕の好感度がリミットブレイクしました。これ以降〔ユニ〕はパーティキャラクターとして使用出来ます』 そんなこんなで新たな力と様々なアイテムを手に入れたジオは、引退を思いとどまり再び冒険者として生きることを選ぶ。だがそこには、彼も知らない高次の存在の思惑が絡んでいるようで……
「アルケニー洋裁店」の蒼枝さんの別連載。 今度はベテランのおっさんが主役ですvv ちなみに奴隷ユニの役目「身の回りの世話」はそっち系も含むので、苦手な方は要注意(苦笑) でもラブラブなんですよ、この二人。作者さんいわく他にも主役に好意をもつキャラクターは出るかもしれないけれど、ヒロインはユニだけとのことなのでハーレム苦手な方には良いのではないかと。 ジオが見えるようになった『うぃんど』の内容はMMO系っぽいですが、私自身がゲームをほぼやらないので、正直あんまりよくは判ってません。まあそのあたりはフィーリングで。 まだ始まったばかりですが、今のところそこそこのペースで更新されているようなので、今後が楽しみです。
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No.5588
(読書)
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更新情報(2014年02月14日)
2014年02月14日(Fri)
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閲覧室の「その他書架」で、著作権切れテキスト「禿頭組合(コナン・ドイル著、三津木春影 翻案)」の五章目をUPしました。 タバコ三服分の問題ですよ、お嬢さんvv ちゃんと椅子の上で膝を抱えて、背中を丸めているあたりも、ファンとしては外せません。 あとステッキで土間を叩く場面もちゃんとあります。前の歩道じゃないのが、ちょっと残念ですが。 荒事に対して用意するのが、軍用拳銃(リボルバー)ではなく「短銃(ピストル)か仕込杖」ってのも、なんだか無性に笑えます。仕込み杖使うワトソンさんか……ジュード・ロウのワトソンなら似合うかもvv
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No.5592
(更新)
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2014年02月14日の読書
2014年02月14日(Fri)
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本日の初読図書: ……ううむ。 とりあえずこの巻の前半で京の復讐がらみは一段落ついたわけですが。 そこでここでもまた直兄が出張る!? と思ったので、京が「直次さん、あなたのことは大嫌い」って言ってくれて、ちょっと(かなり)嬉しかったです。2巻目の感想でも書いた通り、本当の意味で京を理解できて、なおかつ彼女の(復讐ではなく)ありかたを否定してもいいのは、あのメンバーでは右京ノ介さんだけだと思うのですよね。幼い頃から父親によってその『生』を否定され、押し潰されてきた苦しみは、その場で出た口先の慰め程度ではそうそう消えないんじゃないかと。 ……そもそも私が直兄を好きだったのは、裏方で六蔵をサポートしつつ、ここぞという所で活躍する次男というポジションだったからな訳で。むしろ六蔵のほうが影が薄いっつーか、こうも直次さん活躍しまくりフルスロットルだと、さすがに嫌味が過ぎるというか(−ー;) どれだけ右京ノ介さんの見せ場を取れば気が済むんだ…… もう十年ぐらい前に、あるいは原作を知らずに先にこちらを読んでいたら、素直に「直兄ーーーvv」って黄色い声を上げられたんでしょうか(悩)
ともあれ。 ようやく物語は原作へと戻ってきて、赤穂浪士の討ち入りについての新解釈を経て、現在の『りえ』さんのご登場と相成りました。お内儀さんじゃなく商家の娘さんになっていたのは、やはり若い方が見栄えがするからか。あと助五郎が割とあっさり死んじゃって、死霊が次にまた別のオリジナルキャラに取り憑いています。話の流れからすると、この死霊にも、もっと感情移入できるような方向に展開していくのかな……?
あとお初ちゃんもらわれっ子フラグと、直→初フラグが順調に立っております(笑) 右→初フラグも立っているので、ざっと京→右→初→←←直←植木屋の娘という感じでしょうか。お初ちゃんは、実の兄だと信じ込んでいる割には、ブラコンがすぎると思うよvv さて最終巻までに、果してお初ちゃんは直兄と実の兄妹じゃないと知るのでしょうか。
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No.5595
(読書)
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2014年02月15日の読書
2014年02月15日(Sat)
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本日の初読図書: マンガ版「震える岩」まで読了です。 怒涛の謎解き編だった今回の巻。なんとびっくり、現代の「りえ」さんは百年前のりえさんの生まれ変わりでした。 なのでお寺の先代和尚さんがしてくれるはずだった百年前の因縁話は、前世の記憶を取り戻したりえさんによって語られることに。ふむ、なるほど。生き残りの子孫ではなく、赤の他人に生まれ変わったという設定になっていたからこそ、鎖帷子を代々伝えてくることができず、ああいう形でお初が入手することになったんですな。 確かに寝たきりの和尚さんが又聞きの情報を語るよりも、当事者の美しいお嬢さんが話してくれるほうが、映像的にも強く訴えかけられます。 そしてお初の手からりえさんへと鎖帷子が渡り、そうしてここぞという場面で鎖帷子がりえさんを守ってくれる、と。うむ、破綻はない。 途中に御前様へ事件の内容を報告するという形でまとめが入っているので、これまでの流れも把握しやすかったです。 さらに原作ではいささか弱かった、「なぜ子供の遺体が油樽に投げ込まれなければならなかったのか」、「そもそも何故、あの死霊は子供を殺していったのか」という動機が、だいぶ明確になっていたりとか。
全体的な雰囲気としては、FT風味の時代ミステリーっぽかった原作に比べると、より不思議なテイストが増えていて、ミステリ風味の時代FTという感じでした。そして絵があるぶん、全体的に印象が華やか。
そしてラストが良かったですねえ(しみじみ) 最終的には右京ノ介さんもりえさんも、そして死霊も右京ノ介さんの父親も、すべてが救われました。死霊はただ槍に突かれて退治されるのではなく、りえさんやその他の人々の想いによって浄化されたし、右京ノ介さんと父親はちゃんと話し合って和解でき、父親が出て行く背中に「たまには顔を見せろ」という言葉を贈ってくれました。 そして歪んだ社会に追い詰められ、討ち入りせざるを得ない立場に追いやられた、歴史の被害者であった赤穂浪士達でさえ、少なくともその中の一人は、あの討ち入りに命を賭けるだけの意味を見出していたのだと。 歴史の裏の、そのまた裏に、それでも救いはあったのだという解釈。これは原作でも触れられはしたかもしれませんが、よりいっそう解りやすく描かれていました。 ああ、死霊とりえさんの、平和だった頃の思い出が涙を誘う……
あと燃え落ちる芝居小屋から逃げる場面を、お初が子供の頃、両親が死んだ火事で助かった時のことと対比させたのも憎い構成でしたね。焼け残った所が見える、行く先で火が消える。その場面を入れることで、このマンガではお初と一緒にいたおかげで火事から助かっていた幼き直兄が、お初に命を救われた → 兄としてできることなら何でもしてやる、というちょっと行き過ぎなシスコンにいたった心境に納得がいきます。 さらにようやくはっきり語られました。お初が実はもらわれっ子だった過去! 六蔵兄さんのモノローグでのみでしたが……ふふふ、直兄、秘めた想いも長兄にはばっちりバレてるよ(笑) ってか、「意外な伏兵が出てきた」とか言われてるし、ぼやぼやしてると右京ノ介さんにかっさらわれちゃうぜ? 「ま、どっちに転んでもオレにとっちゃあ弟と妹ってことに変わりはねえ」とか言ってる六蔵兄さんが、実は一番大物なのかもしれません(笑)
さて、そんでもってこの巻でマンガ版はおしまいかと思っていたら、実は続編「天狗風」の方も出ているらしく。ううむ、まだそっちは原作読んでいないのですけれど、直兄さんいるからにはやっぱり改変があるんでしょうねえ。 正直、このマンガ版での直兄は、完璧超人過ぎてちょっと(苦笑) なんかもう4巻目では、もはや髷すらほとんど結ってないよ……植木職人っつーより遊び人ぽいわ、あの外見じゃ……(^ー^;;) まあそれでも、マンガ版だと直×初と京×右に収まって欲しいところではありますが……でも原作が原作だから、やっぱり初×右になるんですかねえ。ううむ、買おうかどうしようか(悩)
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No.5597
(読書)
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2014年02月16日の読書
2014年02月16日(Sun)
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本日の初読図書: 「魔術師になったなら(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n4194bh/ 「魔術師になったなら 続編(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n6118bh/
獣性の強い獣人達が暮らす異世界に召喚された女性が、魔術師目指しながらもいろいろと苦労するお話。ひとまずは完結済。 主役の一人称が多く会話少なめ。しかもネガティブ思考な上に世界観も殺伐しているので、読後感はちょっと微妙…… 軍人上がりのマッチョ紳士なラズノさんとの今後を期待したのですけれど、そんな展開も特になく。 ムーンライトでさらなる続編も公開されているようですが、うーん……
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No.5599
(読書)
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昨日は二時間しか寝ていないのに、うっかり明け方五時まで起きていたら、素で15時まで爆睡してしまいました。一度も目が覚めなかったよ……夢も見なかったし、ああ気持ちよかった。 でも昼夜逆転 _| ̄|○ あれだよなー、そろそろ寝ようと思ったその時に、うっかり前々から聴きたかったラジオドラマがUPされてるの見つけちゃったのが間違いだったよなあ。うっかり全部聴いちゃった上に原作もめくり返しちゃったし。 うん、だっておもしろかったんだもん(しょぼん)
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No.5600
(日常)
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2014年02月17日の読書
2014年02月17日(Mon)
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本日の初読図書: WEBから書籍化作品。粗筋は以前読んだ時に(ry だいたいWEB版の25話あたりまでが収録されていました。 内容的にはいくらか追加・変更が入っています。とりあえず私が気が付いたところだと、鏡の出処が実の祖母の家になっていたりとか、主役(ジロー)がエルフに関する不思議な幼児体験をしているところから、彼がディアナの主人になったのは偶然ではないのでは……? という深読みができる点。 あとWEB版よりジローの蒐集癖が増していて、そのために目利きが元からできたとか、逆にナイフ作成の趣味はなくなっていて、異世界に持ち込んだナイフは単なるコレクションのひとつだったとか。こちら側の世界での生活について、いろいろと書き込みが増えています。 あとは……天職の数も減ってますか。鍛冶師と細工人と料理人がなくなってました。8つはさすがに風呂敷広げすぎてたんでしょうか(苦笑) 固有職『異界の賢者』も『蒐集家』になってるし、ちょっとチート色を薄めた感じですかね? キャラクターとしては、ディアナのツン度がちょっと減ってるかな。刺青について「これは刺青じゃなくて〜〜」と早々に情報の一端を伝えてみたり、ジローに持っていたバングルを譲ったりしてます。まあ、あのバングルは十中八九なんらかの魔道具でしょうが。 一番大きな変更点は、ジローが賭けに乗る前に、ディアナと顔を合わせている点でしょうか。そのことで彼がディアナのお導きの流れに巻き込まれた事実が強調されており、得られるエルフの実物を見もせずいきなり大きすぎる勝負に乗っちゃうWEB版よりもストーリーに納得がいきます。ただそうすると賭けに勝ってからの受け渡しの場で、改めて刺青に引いてる場面が流れ的に微妙な部分はあります。
刺青といえば、挿絵のディアナの刺青が、イメージしていたよりもおとなしめだったのがちょっと残念でした。 ……だって顔を含めた全身に刺青のある、上級者向けのエルフって言うから、もっとあんなのやこんなのを想像していたのに〜〜(−ε− ) この表紙イラストだと普通に可愛いですよね? まあ本文イラストはもうちょっと刺青多めでしたが。 あ、あとマリナの首にもタトゥーが入ってますが、これは奴隷の印っぽいです。本文では『手首』って書いてあったんですけどね……同じ印がディアナとマリナの手首と首、両方に描かれています
イラストの絵柄が萌え絵系(特に胸部分を強調しすぎ)なのがちょっと気になりますけれど、まあ許容範囲ですかね。シェローさんが想像以上にダンディなちょいワル親父だったのと、トバイアスがまさにインテリヤクザだったのでプラマイゼロってことで(笑) ただレベッカさんは、もうちょい大人びてるイメージだったんだけどなあ。三十後半に見えるシェローさんと夫婦に見えるんだし、しっかり傭兵経験もあるんだから若くても二十代半ばか後半ぐらいのはずなのに、このイラストだと童顔の21才なジローと変わらなく見えるよ。
とはいえまあ、総じておもしろかったです。WEB版を読んだ人でも、ちょこちょこと変化が楽しめるでしょうし、作者さんによれば二巻目以降さらにストーリーが変化していくそうなので、そちらも楽しみです。 WEB版の方も、下ろされたりダイジェスト化は(少なくとも今はまだ)されていないので、興味がおありの方は試しに読んでみられるのもありかと。
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No.5603
(読書)
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お江戸の地理はややこしい
2014年02月17日(Mon)
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時代物を読む時に便利そうなサイトを発見したのでメモメモ。
■大江戸絵図 http://onjweb.com/netbakumaz/edomap/edomap.html
江戸の地図を数枚に分けて、PDFでUPして下さっています。 単純な古地図のスキャン画像ではなく、シンプルな線で書かれていて、地名などもテキスト検索できるため非常に読みやすいです。 思わず全ページDLしてひとつのファイルに結合。さらにWEB版と同じように1ページ目の全域画像からクリックで各ページに飛べるように加工してみたりとか。 これはプリントアウトすると、逆に文字が潰れて読みにくくなっちゃうかな……?
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No.5604
(電脳)
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2014年02月19日の読書
2014年02月19日(Wed)
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本日の初読図書: 「変な人とおきつねさま(オンライン小説)」 http://perchtea.web.fc2.com/index.html 女子高生 笠木楓は幼い頃から謎の肩凝りに悩まされていた。シップもマッサージも効かなければ医者に行っても直らない。そんなずっしりとした両肩の重みと倦怠感がずっと続いている。そんな彼女へと、ある日クラスメートの一人が言った。 「あっ。両肩にキツネが乗ってる」 それは変人と名高い、見た目だけは美少年の三科陸。いきなり「蝶々が居た」とテストの中に立ち上がったり「空に手が届きそう」とふらふら窓から空を掴もうと出て行こうとしたりと、奇行の多い人物として名を馳せている人物である。 自他ともに認める常識人の笠木は、当然そんな相手とはお近付きになどなりたくなかった。が、三科はおかまいなしに問いかけてくる。 「餌付けして良い? 明日から油揚げ持ってくるから」 それが彼女と変人の、奇妙な縁の始まりだった。
霊感がある(だけでもない気がするが)せいで不思議ちゃんと化している美少年に、うっかり見込まれたが運の尽き。なんだかんだで相手をしている内にほだされていく、面倒見の良い女の子のお話。 以前にも冒頭を読んでいたのが、完結していたのでまとめて読了。 割とさらっと読めるラブコメです。オカルト要素はあるけれど、特に大事件が起こるわけでもなく。笠木と三科と、三科の幼馴染の南野くんとが、教室でしゃべっているのが基本形。 ときどき三科のヘヴィそうな家庭環境とか出てくるものの、そこらへんは最後まで曖昧なままだったのがちょっと消化不良。番外編で一度ぐらいしっかり語って欲しいところです。
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No.5609
(読書)
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良し悪(わる)し
2014年02月19日(Wed)
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「はてなアンテナ」でチェックしているページが一気に更新されたと思ったら、「小説家になろう」の表示形式が微妙に変わったんですね。 むむむ、行幅とか文字サイズとか背景色を読者側で指定できるようになったのは良いんですが……最上部の『 ホーム 小説情報 感想 レビュー 縦書きで読む[PDF] お気に入り登録済み 』がずっと表示されっぱなしなのがうとおしい。いやまあPCで見る分にはまだいいんですけど、スマホの狭い画面しかも Opera で読んでいる身としては、スクロールしてもついてくる上に本文と変に重なるメニューは実に読みにくい(−ー;) あと一行の文字数が減ってませんか? 個人的にはもうちょっと多いほうが(以下略)
まあ、ブラウザ上で縦書き表示できるようになったのは、一部のユーザーにはありがたい機能かもですね。 ひとつの話で設定したら、なろう全体に反映されるのも便利でいいかと。
2014/02/20 追記: 試行錯誤した結果、IEと Android 用 Opera mobile で設定が調整出来ました。 こちらにUPしておきます。
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No.5610
(電脳)
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「小説家になろう」のレイアウト変更
2014年02月20日(Thr)
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昨日の記事で書いていた、『「小説家になろう」の表示変更に伴い、メニューがスクロールしてもついてきて邪魔』だという件ですが。 ユーザースタイルシートに以下の記述を追加することで、いい感じに解決できました。メニュー自体を消すのではなく、最上部に表示したままの状態にできます。
#novel_header { position: static !important; }
さらに以下の記述を追加することで、一行の文字数(本文表示の横幅)も増やすことができたりとか。
#novel_p { width: 600px !important; }
#novel_a { width: 600px !important; }
#novel_honbun { width: 600px !important; }
#novel_ex { width: 600px !important; }
600px の部分は、お好みで調整しましょう。 またそれぞれのid( #novel_** )については、どれも「小説家になろう」独自のidなので、追記しても余所のサイトでレイアウトが崩れるようなことはないと思われます。 なお Internet Explorer にユーザーCSSを設定する方法については、このへんが判りやすいかと。
■ITmedia エンタープライズ:Windows Tips「自分のスタイルシートを使ってみよう」 http://www.itmedia.co.jp/help/tips/windows/w0635.html
Android の Opera mobile で設定する場合は、こちらをどうぞ(以前 Opera mobile で ruby タグ(フリガナ)を表示する方法を紹介した時の記事です)。
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No.5616
(電脳)
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B級品も悪くない?
2014年02月20日(Thr)
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ヒカリモノ&工作好きのサガから以前作成してみたものの、あんまり使わないかも……としばらくお蔵に入れていた、金属製のしおりですが。 ふとマンガを読む時に使ってみたら、けっこういい感じかもしれません。 マンガってページをめくる速度が早い上に1冊を読み終えるスピードもすぐなので、いつもの自動で挟まるしおりだと、セットする手間がペイしなかったり、ページがめくりづらかったりするのですね<マンガの場合は版が大きいので、表紙に挟むのではなくいちいち付箋で本体に貼り付ける必要がある
で、もって。 いざ使えるとなると、手持ちが一個では物足りなくなってくるのが本&モノ作り好きの性分(笑) チャームはいくつか手元にありますが、肝心のブックマーク金具がありません。ふむ、また買おうか……でも1本だけだと送料が……とか考えていろいろ通販サイトを見ているうちに、前買った時には質がいまいちっぽくて避けた、訳ありB級品とやらに心惹かれてきました。
これだと、1本あたり送料込167円というお安さです。 確かに写真で見る限り、以前購入したものよりもメッキの質などはよろしくなさそうですが、レビューを見る感じだと評価はそこそこ良いようです。 あと以前購入時にこだわった穴の開いている方向ですが、実際にチャームを取り付けたり使ってみたところ、むしろ穴は横向きに開いているものの方が、本の背表紙を傷めなさそうなことが判明したりとかして。 そんな訳で今回は、このB級品の方を選んでみました。色は手持ちのパーツと合わせつつ、少しぐらい質が悪くても「アンティークっぽい」で済ませられそうな金古美で。
で、もって。 届いた実物は、確かにちょっと歪んでいました。あと穴がニスみたいなので塞がってたりとか。 とはいえ穴の方は、尖ったものでちょっとつつけばOKでしたし、歪みについても机の上で力を入れたらだいたいまっすぐになってくれました。あとは手持ちのパーツと組み合わせて……
どうだ! グリフィンチャームは送料込でだいたい147円として、ナスカンと9ピンとビーズはどれも前に百均でセット購入したありあわせだから……ええと、材料費320円ぐらいですかね。 なんだかんだで、けっこうかかってるか……? いやでもこの手のメタルブックマーカー既成品で買うと、普通に千円超えたりするよな?? ちなみに実際に使ってみた感じは、こう。
ふふふ、けっこうお洒落じゃありませんこと? カーブの角度とか曲がった部分の長さの関係か、存外と本へ挟みやすいです。下手すると前に買った高い方の金具よりも。あとパーツを取り付けるのにナスカンを使用しているので、自家製かんざしと同じように、その日の気分でパーツを交換できます。 ……っていうか、髪切ったおかげで今年はかんざし使えそうにないから、今までに作り溜めたかんざしパーツ、こっちに流用しようかしら(笑) ああしかし、9ピンの丸め方、もっとうまくなりたい……(−ー;)
話は変わりまして。 ネット通販といえば、先週ポチッとした熱帯雨林の古本がまだ届いてくれていません。 あー、もしかしてトラックのコンテナの中に入ったまま、どこかの雪道で立ち往生してるのかも……とか冗談半分に思っていたのですが。良く考えると出荷お知らせメールすらも着ておらず、まるで音沙汰がありません。 おかしいな……と、注文履歴から出品店情報を確認してみました。
住所:山梨県
あー…… 心の底から納得しました(汗) たとえ期限内に品物が届かなくても、これは評価を下げる訳には行きませんな、うん。 どうか早く雪が溶けてくれますように(−人−)ナムナム
そしてここしばらく、またもスパム書き込みが多くてうんざりしております。気がつく端から削除はしているのですが、なかなか追いつけず半日以上放置していることもしばしばで。まったくIPアドレスでアク禁にしてるのに、なんでここの業者は書き込みができるんだ……しかも意味不明のランダムな日本語でくるから、単語ではじくこともできないし。 書き込まれる記事が何故か特定のひとつに集中しているから、いっそその記事そのものを削除してやろうかとも思いましたが、よりによって更新記録、しかもコメントを複数いただいてる記事なんですよ…… とりあえずURLを変更するべく、該当記事の投稿日付を1日ずらしてみました。これで効果があるといいんですけど(ため息) ブログ全体のURLを変更するのは、あちこちから貼っているリンクや、他所様のブログとかに書き込んだ[HOME]からの繋がりが切れてしまうので、できるだけやりたくないのですが……
あとは……細かいところですが以前から気になっていた、無駄に明朝設定+サイズ固定していたCGI類(「覚え書き」、「メールフォーム」、「談話室」)のタイトル表示フォントを、大きめの%指定にして種類指定も解除しました。 18pxというサイズ指定は、画面解像度が800×600だった頃にはかなり大きめの文字サイズだったんですけど、今となっては下手すると標準サイズの本文フォントより小さかったりして。しかもサイズ固定してると、ブラウザ側でも変更が効かなかったりとか、いろいろとですね…… フォント指定なんて、必ずしもそのフォントが見る側全てのマシンに入っている訳ではないと、まだ知らない頃に設定して以来そのまんまでしたからね……<HTMLと違ってCGIは編集が面倒で放置していた ともあれこれで、またひとつ懸案事項が片付いたということで。
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No.5618
(創作)
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更新情報(2014年02月21日)
2014年02月21日(Fri)
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閲覧室の「寄贈図書」で、ちなつとも様よりのいただき物「最北の魔術師 魔術師と死ニ至ル病」の3章3話目をUPしました。 なんだか東洋っぽい呪術の解説が出てきてます。異国風のFTに、こういう東洋系のものが混じってくるのって、なんだかワクワクするのですvv そして物語が前作へと繋がってまいりました。 どこまで話が深刻になっても、行動理念にブレがないロウウェンに乾杯です(笑)
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No.5621
(更新)
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2014年02月22日の読書
2014年02月22日(Sat)
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本日の初読図書: 恐ろしいほどに鮮やかに染まる、朝焼けの空の下。突風とともに娘が消える。 下駄屋の一人娘おあきは、繁盛している料理屋 浅井屋の息子に見初められ、半月後には嫁入りが決まっていた。そんな彼女が家出するとはとうてい思えない。周囲の人々は神隠しだと騒ぎ立てたが、捜査にあたった浅井家と縁続きの定町廻り同心 倉田主水は、摩訶不可思議な現象など頑として認めようとはしなかった。事件が起これば、どういう形であれ下手人を上げる。たとえそれが真相ではなく、弱者に罪を押し付けるというやり方であったとしても、表面上は納得の行く形で片を付ける。そうすれば役人としての名も上がるし、ことを穏便に収めたい事件関係者からの付け届けも懐に入れられるからだと、そう噂されている人物だったのだ。今回も彼の取り調べを受けたおあきの父親は、その責めに耐えかねて、自分が娘を殺したのだと言い残し首をくくってしまったという。 倉田のやりように心を痛めた同心 柏木十三郎から相談を受けて、南町奉行所の御前はお初を召し出した。柏木は幼い頃に自身も神隠しにあった経験があり、この世には不可思議な出来事も存在するのだと身をもって知っていると話した。お初もまた不思議な経験は山ほどしてきているので、柏木の言い分には深くうなずけるものがある。 さっそくお初は右京ノ介とともに、おあきの件について調べ始めた。と、間もなく六蔵の元へとかどわかしがあったと訴えが持ち込まれる。八百屋の娘お律が姿を消し、返して欲しくば千両を払えという投げ文があったのだと。その話を聞いたお初は、燃えるような赤い色を幻視した。詳しく状況を聞くと、彼女はおあきの時と同じように、血のような朝焼けの下で突然のつむじ風にさらわれるようにいなくなったらしい。 お初はお律もまたおあきと同じように、魔性の存在によって神隠しにあったのだと主張した。金を要求する投げ文は、神隠しに便乗したならず者の仕業なのだと力説する。 しかし岡っ引きである以上、六蔵は投げ文を無視することはできない。ひとまず空の千両箱に石を詰めて、指定された金の受け渡し場所へと持ってゆくことになった。丑三つ刻の中之橋のたもと。千両箱はお初が持ち、周囲の暗がりに捕り手が潜む。そうして首尾よく現れた男を取り押さえた一同だったが、そこで思いもよらぬ怪異が起こった。観音さまの姿をした女の魔性が中空に現れて、風の刃で男の首を刈っていったのだ。 「わたしは、わたしの名をかたるようなものを許すわけにはいかない」と…… ますますこの一件に常ならぬ存在が関わっていると確信したお初は、聞きこみを続けるうちに、おあきが失踪前に観音さまが出てくる悪夢を見ていたことを知った。そしてお律はお律で、しばしば誰か別の女に取り憑かれたかのような、異様な振る舞いを見せていたことも突き止める。 あの観音さまを装った女の魔性は、いったい何者なのか。考え込むお初の前へと、答えの一端をもたらす存在が現れる。 「あいつの正体は、女の妄念だ」 疾風とともに若い娘をさらうそいつのことを、彼らの一族は『天狗』と呼ぶのだという。『天狗がやってきて、天狗風で娘をさらっていった』と。 そんなふうにしたり顔でお初へ説明したのは、鉄と名乗る、言葉をしゃべる一匹の猫で……
ちょっと時間かかったものの、どうにか読了。奇しくも猫の日2月22日(にゃんにゃんにゃん)だvv 書影は文庫版ですが、読んだのはハードカバーでした。 ふふふ、足に白足袋を履いたキジトラ猫って、それってどんなパオちゃんvv<パオちゃんの白靴下はカワイすぎると主張したい
……もとい。 途中「日道」という名が出てきたので、え? 日道坊や?? ってことはこのシリーズは「初ものがたり」の十年ぐらい後なの!? とびっくりしましたが、どうやら同名の別人だったようです。別人……だよね? 他にもいろいろ気になったところはあった気がしますが、超上機嫌な『赤鬼』さんこと右京ノ介さんのお父上の豹変っぷりに、全て吹き飛ばされた感が(苦笑) なんだよ、あの「うちの馬鹿息子! ―― が」連呼vv っていうかもう既に、お初は『うちの嫁』扱いだし(笑) 早く口説けと息子の尻を叩いていそうで、前作の深刻ぶりが嘘のようなその関係改善ぶりが微笑ましいったらありません。
そして今回はしゃべる猫というキャラクターの存在のせいもあってか、雰囲気が一気にライトノベル化した感じがありましたかね。 間にマンガ版を挟んだせいで、脳内に思い浮かぶ映像イメージがコミカルになってしまったのも原因かもしれません。……源庵先生が長髪美形な眼鏡青年で脳内再生されるのに、ちょっと困ったりとか。 ああ、あとマンガ版で右京ノ介さんと良い雰囲気? それとも直兄さんとの同族嫌悪から始まる、遠慮のない関係?? とかいろいろ妄想をかきたててくれた京さんは、なんだよ雁太郎親分としっかりデキてるんじゃないですか! 私としては原作の方が好みのキャラクターでしたねえ。ちょっと婀娜っぽくて、侮れない年上の姐さんというイメージで。
相変わらず人間心理をえぐり込むあたりは、さすがの宮部節。 娘の嫁入りを喜びつつも、裏切られたという思いが拭い切れない父親。 姉に対する嫉妬が抑えきれない妹。 美しくさえあれば、すべてがうまくいくと妄執のように信じる叔母と姪。 そして不思議は一切信じず、事件にはすべて納得の行く筋道をつけるべきだと考える同心。
特に倉田主水のキャラクターについては、奥が深かったですね。 最初は単なる頑固で因業な嫌味キャラに思わせておいて、その裏にはあのような事情が隠されていたとは……単純な善悪二元論にとどまらないあたり、見事です。
あと気になったのは……袋物師が材料にいわくつきの小袖を仕入れたせいで怪異が、という展開は以前にもあったなあと、ちょっとネタかぶりを思ったりとか。まあ、これだけ多作の方ですし、それを言ったら赤川●郎とかネタかぶりっぱなし(笑)ですし、これが宮部さんの味だということなんでしょうけど。
鉄は最後にああなりましたが、あれは(文字通り)猫かぶってるだけだと私は信じておりますvv
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No.5624
(読書)
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2014年02月23日の読書
2014年02月23日(Sun)
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本日の初読図書: 「ファンタジー村の釣り師さん(小説家になろう)」〜イカ釣り編 エピローグ http://ncode.syosetu.com/n5114bs/
職業はと問われれば『釣り師』と答える、流れ者の青年イペンサ。 彼は獲物を釣り上げることを至上の楽しみとし、そしてその獲物を美味しくいただくことにあらゆる情熱を注いでいた。彼の手にかかれば、どんな魚もあるいは魔物でも、「フィーッシュ!」の声とともに一本釣りである。 数百キロの獲物を竿釣りするためには、少なくとも筋力強化魔法と自重増加魔法を同時に発動せねばならないし、当然釣具も特注品だ。鯨の魔物の骨から削り出した竿に水竜のひげを特殊加工した糸、釣り針はオリハルコン製と、それだけで軽く城が建つ代物。 それらを使いこなし、伝説級の魔物クラーケンすら釣り上げる彼に対し、人々はこう口を揃える。 「才能の無駄使い」と。 これはできるだけ仕事を他人に押し付け、ひたすら釣りと美味いものを食べることを追求する流れ者の青年が、行く先々で英雄や生き神として讃えられる物語……かもしれない。
竿一本で700Kgクラスのワニを一本釣りするのはまだまだ序の口。領主お抱えのベテラン冒険者が苦戦する巨大な魔物ガニの群れを数秒で全滅させ、太さ1.5メートル体長10メートルはあるドラゴンクラスの巨大ドジョウ型魔物をもあっさりと倒す、でも冒険者ではなくあくまで釣り師であり旅する料理人(笑) しかも商業的な駆け引きにも長けていて、対する人間たちの何歩も先をゆくその手腕は見事としか言いようがありません。もっとも当の本人は仕事嫌いで、釣った獲物をいかに美味しく食べつつ、残った肉を無駄なく処分(人に譲る or 商業ルートに乗せる)かにしか興味はありません。 そのために全国各地に燻製工場やら魚醤工場、さらには国内随一の質を誇る塩田まで作ってしまうというスケールのデカさvv そんな国中の拠点を一年サイクルで巡回しては、「働け」「働け」と言われつついろんなことをやっていくのです。 とは言え第二部「イカ釣り編」では、タイトルのイカ釣りに到達するまでがかなり長く、メインは塩の売買に付随する権謀術数となります。長さもライトノベル1冊くらいはあるし。 かつて放浪中に立ち寄った村が異常に困窮していたので、なりゆきで塩作りを教えて自立させた結果、8年後の現在になって無能領主のせいで塩の値段が高騰してうんたらかんたら。村の存続自体が危険になってきたので、今さら見捨てられずに力を貸すことに ―― という感じです。 要するになんだかんだでお人好しの働き者なんですよね、イペンサ(笑) ただ懐に入れた人間にはかなり甘いけれど、「火事を消すために、水をかけるのではなく家を壊す」と称されるように、やることはかなり無茶苦茶ではた迷惑です。冷静に状況を俯瞰すると、主役のやったことでこれ、かなり深刻な状況に追い込まれた罪のない赤の他人が相当いそう……(汗)
現在は「サンショウウオ釣り編」の途中でなにやら止まっている模様。 まだまだ主役の過去などいろいろ引き出しがありそうなので、いずれ復活してほしいところ。
とりあえず最初の前後編「ドジョウ釣り編」だけでも原稿用紙100枚以上のボリュームがあるので、試しに読んでみるだけでも、けっこうお腹いっぱいになれると思います。
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No.5625
(読書)
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素早い対応に感謝
2014年02月23日(Sun)
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「小説家になろう」一括ダウンローダーが、早々に新レイアウトに対応してくださいました。
■「小説を読もう!」「小説家になろう!」一括ダウンローダ ver 2.33: 気長に日記 http://w033.seesaa.net/article/389465316.html
開発者の方には本当に感謝感謝です。
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No.5626
(電脳)
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2014年02月24日の読書
2014年02月24日(Mon)
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本日の初読図書: 「偽クノイチ異界譚(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n7892z/
時代劇をこよなく愛する神楽紫乃(21)は、観光用の忍者村でくノ一役のアクターとして働いている。趣味はオンラインゲーム『戦国の野望』。1アカウントで4キャラまでプレイできるので、くノ一・鍛冶師・薬師・陰陽師の4つを作成し、どれもマスターレベルと呼べる程にまで育て上げている。 その日もスマホで戦オンをプレイしていた彼女だったが、突然、画面に吸い込まれるようにして意識を失い、気が付くと見知らぬ森のなかに倒れていた。慌てて状況を確認しようとした目の前に現れたのは、半透明のウィンドウ ―― 宙に浮いているスマホの画面『だけ』。そしてメールが受信される。 『拝啓 神楽様。突然のことでさぞ驚かれているでしょうが、ここはあなたのいた地球、日本ではありません。ファリーアスと呼ばれる、あなたから見れば「異界」です。』 世界の管理者とやらから届いたそのメールによれば、現在その世界ファリーアスは、マナとやらの枯渇によって崩壊の危機に陥っているのだという。マナとは魔力や魔法の元となる、世界にあまねく存在するエネルギー。そして紫乃のいた地球世界では魔法も魔物も存在しないために、逆に過剰なほどにマナが溜まりすぎてこれまた悪影響が起きかけているらしい。 そこで世界の管理者たちは、相談の上で二つの世界を繋ぐことにした。多い方から少ない方へとマナを譲渡しようと考えたのだ。ところがそこで事故が起きた。なんでも世界を繋ぐ接触地点にピンポイントに紫乃がおり、彼女がマナの通り道としてファリーアスに固定されてしまったというのである。 1000年ほども経てば、マナの流れが安定して帰還することができるらしい。幸いというかなんというか、紫乃は流れ込んでくるマナの影響でほぼ不老となっているため、それぐらいの時間はまったく問題ないのだと。 最後に管理者は告げた。 『接触した時使っていたデータデバイス……「すまふぉ」の「戦オン」のデータもなるべく反映しておきましたから! こちらの世界でも生活するに困らないと思うんです! サービスしときました』 たしかに彼女の姿は、プレイしていたゲームキャラ「くノ一」に限りなく近い状態になっていた。どうやら任意で他の3つのキャラクターへも、切り替えることができるようだ。 既に故郷に家族もいないし、どうせ帰れないのであれば前向きに生きていくしかないだろう。そう考えて開き直った紫乃は、たまたま遭遇した魔物に襲われている商人と冒険者の一行を助けた後、彼らからこの世界について詳しい情報を収集した。重症を負って捨てられかけていた雑役奴隷 ―― 愛らしい猫耳としっぽを持つ獣人の少女ネイルを報酬として譲り受け、手持ちの自作ポーション清涼丹・万金丹・再生丹を飲ませて完全な健康体に回復させる。 そうして彼女は冒険者ギルドに新ランク「クノイチ」として登録し、奴隷から開放したネイルを「メイド」として付き従え、自由奔放に異世界ライフを満喫することにしたのである ――
異世界トリップ。チートで完結済。続編あり。 「アルケニー洋裁店」や「窓の記憶〜おっさん英雄記」と世界観が繋がっているかもしれないという噂を効いて、手を出してみました。むしろこちらのほうが先に書かれているので、はっきりとしたことはよく判りませんでしたが…… 作品紹介のとおり、あんまりシリアス成分はなく、のんびりまったりしているお話です。 なにしろ異世界に行った段階で、その世界の伝説レベル(50)をはるかに超えるレベルのキャラ×4(それぞれ60〜87)を所持している上に、ゲーム内で持っていたアイテムもすべて持ち込めているんですよね。ほとんど廃人レベルだったゲーマー故に、物資にも技術にもまったく困っていません(所持品の中に『武家屋敷』があるって……汗)。 おまけにマナの通り道であるがゆえに、使えるMPは事実上無尽蔵。 魔物を倒すことに対する、精神的な抵抗とかもほとんど持っていないのは、あるいは世界の移動時になんらかの強化がされたのかも? という疑問が呈されているぐらいで、そのあたりの葛藤もあっさりとクリア。本編中では人間と戦う表現はないし、本当にゲーム感覚で本人は過ごしています。 エピローグでいきなり駆け足になるのが、ちょっと気になりどころかな? あとは微妙に百合要素があるので、苦手な方は要注意です。まあ、本人はどっちかというと、可愛い猫耳をモフり倒している意識なんですけどね。 時おり挟まる、ネイルSIDEの微妙な病み具合が楽しい……vv
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No.5629
(読書)
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2014年02月25日の読書
2014年02月25日(Tue)
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本日の初読図書: アメーバー状の身体を持つ異星体“捕り手”とバブ・キンネアドが共生生活を始めてから、はや七年が過ぎた。 二人は変わらぬ友情をはぐくんでいたが、しかしその関係にはじょじょに問題を生じ始めていた。バブの肉体機能がバランスを崩しつつあったのだ。免疫がほとんど失われ、血液も凝固しなくなった。さらには前触れもなく脱力感に襲われて動けなくなったり、吐き気や関節の痛みを感じることもあった。それは捕り手にとって地球人が未知の生物であったが故に、長年の共生生活の中で歪みが積み重なってきたためだと思われた。もはや捕り手の持つ知識では、バブを救うことはおぼつかない。そこで彼らは七年前に海底へ墜落した「ホシ」の宇宙船を探し出し、捕り手の同族達と連絡を取ろうと考えた。 七年前の段階では、捕り手はもはや母星と連絡することも、帰還することもできないと思っていた。しかし大学で天文学などを学んだ結果、同族達が自分の後を追ってきて、この惑星へとすでに訪れている可能性は十分にあると結論したのだ。彼らは地球人を新たな共生相手とするべく、現在は水面下で密かに調査に当たっているに違いない。ならばホシの宇宙船の残骸を見つけだせば、そこを監視しているであろう同族達とも接触でき、その中には弱り始めたバブの肉体を治療できるような生化学の専門家もいるであろうと。 折しも大学の卒業を迎えたバブと捕り手は、故郷のエル島へと戻ってきた。そこで捕り手の存在を知る医者と両親に事情を打ち明けて、海底に沈んでいるだろう宇宙船の捜索を始める。さらに協力者として、医者の娘であるジェニーが手を貸してくれた。交代でボートを出しては、金属探知器で調査を続けていた彼らだったが、しかしその途中で幾度も不可解な事故が起きる。あげくバブは心臓を焼き串で貫かれ、捕り手がいなければ死んでいただろう重傷を負った。 果たして調査の邪魔をしているのは何者なのか。その目的は? そして本当にこの方法で、日に日に弱ってゆくバブを救うことは可能なのか? 焦りをつのらせる一同は、それでも少しずつ調査を進めてゆくのだが……
「二十億の針」の続編。やはり以前に一応読んではいますが、今回も旧版なので一応初読にカウントしました。 二巻目ということでか、けっこう詳しい島の地図がついています。 ……前巻を読んだ時にうすうすそうじゃないかとは思っていたのですけれど、やっぱり地図は北が上ではありませんでした(苦笑) 普通「地図にL字型の島を描き込んだ」って書かれていたら、普通は長い辺がまっすぐ北向いてる状態を思い浮かべますよねえ? 実際には45度傾いて、むしろ左の辺が長いVというか、180度回転した「へ」の方向でした。道理で読んでいて東西南北の描写がつじつま合わないはずだよ……
ともあれ、続編です。 作中年月は一気に飛んで、中学生だったバブ少年が大学を卒業して島に帰ってくるところから話が始まりました。作中の時代設定は1940年代で、スキューバー・ダイビングの機材などはまだ開発されたばかりで、なかなか手に入らない最新技術という頃合い。 前作ラストが割とぶったぎりだったので、「この後始末はどうつけたんだろう……?」という素朴な疑問が解けるあたりは嬉しいところ。両親にも全部事情を話して、ちゃんと理解が得られてたんですね。 そんな訳で前巻では協力者がシーバー医師だけでしたけれど、今回はバブの両親に加えてさらに医師の妻と娘、そして友人の妹メイタと六人もの協力者が登場します。かたくなに自分の姿を人前に見せようとしなかった捕り手も、臨機応変にバブの身体から出てきては、水中にもぐったり他の人間の傷を治したりと活躍しています。ボウルの中から偽足を振って合図してみせるところなんて、なんだか微笑ましいったらvv
そして翻訳者さんが変わったせいか、文章はだいぶ読みやすくなったように思いました。横文字をできるだけ廃していた前作よりも融通が利いていて、捕り手など「捕り手」といったふうにフリガナが振られていることもしばしば。宿主も「宿主」と表現されていて、イメージが掴みやすい感じです。 物語がわかりやすいのは、キャラクターが少ないことも一因かもしれませんが。前作のように、見分けにくい同年代の少年達を含む多くの容疑者から、ロジカルに犯人を探そうとするタイプの話運びではなくって、互いに疑心暗鬼……とはちょっと違うか。行き違いや誤解を差し挟みながらも、ひとつの目的に向かって力を合わせて立ち向かう宝探し的な要素が強い感じです。 まあ、途中バブその他が命を狙われている疑惑や、ホシが実は生き延びているのかも疑惑とかも出てくる訳ですが。
前巻の冗長さを考えると、むしろ今作の方が私は好みかもしれません。ページ数も280P程と、長すぎず良い感じ。 最後の謎解きが急展開かつ、ラストがぶった切りなのは前作と同じでちょっと微妙ですが、まあこれはこれで。 捕り手さんが小ビンの内側に一生懸命ガラス切りで文字を刻んでいるところとか、ボートからぶら下げたパイプの中に入って海底探索するところは、前作でシャー芯使って手紙を書くシーンに並ぶ面白場面かと。
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No.5630
(読書)
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「空飛ぶ広報室」、「県庁おもてなし課」、「図書館戦争」、「三匹のおっさん」など、有川作品のメディアミックスが続いている今日この頃。 今度はラジオドラマです。
■旅猫リポート | NHK オーディオドラマ http://www.nhk.or.jp/audio/html_se/se2014006.html
> 旅猫リポート(全10回) > > 一人と一匹の’最後の旅’。有川浩・原作の感動ストーリー > > 3月31日(月)〜4月4日(金) 午後10時45分〜午後11時(1-5回) > 4月7日(月)〜4月11日(金) 午後10時45分〜午後11時(6-10回)
……絶対泣く。 読んだ時のことを思い出しただけでも目がウルウルしてくるこの作品、音声で聞いたら絶対に泣くこと請け合いです( T ^ T ) ううう、でも聞く……録音するよ……くぅぅぅ……ッ
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No.5631
(その他)
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2014年02月26日の読書
2014年02月26日(Wed)
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本日の初読図書: 自宅のマンションに帰宅してドアを開けると、見知らぬ男がくわえタバコに全裸で立っていた。 「お前、誰?」「お前が誰だーーーッ!?」 絶叫した智宏の前で、男は跡形もなく消えてしまう。 新宿署防犯安全課の刑事 石田智宏は、翌日同僚の刑事にブツブツと愚痴っていた。家主に対して誰だはないだろうとか、裸って意味分かんねえ、猥褻物陳列罪だとぼやく彼に、同僚の刑事 犬塚は突っ込みどころはそこじゃないだろうと呆れる。犬塚はいささか霊感を持っており、事件現場などで妙なものを見ることがあるらしいのだが、智宏にはその手の経験などまったくないし、霊のたぐいを信じてもいない。それなのにいきなり目の前で人が消えるという現象に遭って、思うところはないのかと。 しかし『鋼鉄の無神経』と称される智宏は、一瞬だったしとあくまで平然としていた。そしてそんなことなどすぐに忘れてしまったのだが、それも間もなく思い出させられることとなる。 ある事件の証拠品として押収された刀を手にした鑑識職員が、署内で暴れ始めたのだ。目は完全に白目をむき、明らかに正気ではない。取り押さえようと近づいた刑事達はみな強烈な吐き気に襲われ昏倒し、突き出した強化アルミ製の刺又は飴のように捻じ曲がってしまう。 このままでは誰かが斬られる! と思った智宏は、咄嗟に飛び出して刀を白刃取りにしていた。しかし他の誰も近づくことができず、事態は膠着状態になる。 そこへやってきたのが、警視庁に所属する遊撃捜査班のメンバーだった。なんでも超常現象を扱う特別部署ということで、その存在だけは所轄でも噂で語られていたが、あくまで飲み会の席の笑い話に過ぎなかった、そんな部署である。 彼らはあっさりと事態を収容してみせた。が ―― その中にいたメンバーの一人に、智宏は見覚えがあったのだ。そう、つい先日自宅に現れた、全裸のオバケ男である。 「なんで!?」と問うた智宏に、男 ―― 神瀬京介は「さぁー?」と曖昧に首を傾げる。 そして数日後、智宏の元へと異動の辞令が下りた。なんでも副総監じきじきの肝煎りで、警視庁の生活安全部へ配属されるとのことである。なぜ自分などが……と首を傾げつつ出勤した彼を迎えたのは、見覚えのある面子。智宏の配属先は警視庁生活安全部『遊撃捜査班』だったのだ。 個性的過ぎるメンバーに囲まれて、超常現象などまったく信じていない智宏は、困惑しつつも仕事を始めるのだが……
香月さんの作品ということで存在を知り、さすがにこれは図書館に入りそうにないので購入しました(笑) 一言で言い表せば、ドラマ『相棒』のオカルトバージョン?<普段は暇な、警視庁の持て余し部署 あらすじや表紙を読んで思い描いていたお話とは、若干イメージが異なりました。 テンプレとしては、とんでもない部署に放り込まれた純真な新人(表紙右)が、海千山千の曲者達に振り回されつつ右往左往という感じなんでしょうが、意外と主役の腹が座っています。なにしろ『鋼鉄の無神経』vv 智宏は霊感が全くないが故に、霊からの悪影響も受けないため、普通人がアテられて吐くわ倒れるわの悪霊憑きを相手に、ケロッとした顔で立ち回りやら取り調べを行っております。 本庁に移動が決まった時も、「栄転だ!」と早とちりして舞い上がるでなく、「そういうの(出世)にはあんまりこだわりないですが、頑張ります」と地に足ついた落ち着いた反応してるし、まさにタイトル通り「柴犬」のイメージです。一見ちっちゃくて愛らしいけれど、その実態は勇猛かつ信念に忠実な猟犬、みたいな感じ?
そしてもっと意外なキャラクターだったのが全裸男の京介さん(表紙左)。 見るからにガサツで横柄で曲者チックな見た目ですが、これが実に繊細で甘えん坊で末っ子気質。 妖アパの千晶も大概でしたけど、彼はまだ生徒たちに対してはきちんと『大人』でしたよね。まあ終わり頃とか、夕士相手だと完全に気ィ抜いてましたが(苦笑) しかし京介さんは一巻目からかっ飛ばしてくれます。むしろ主役は京介さん。京介さん総受けという勢いです<あながち比喩表現でもない
……ううむ、ちょっと話運びが急展開すぎるというか、正直言うと作者さんのお遊びが入り過ぎかなあと思わなくもなかったかな。1巻目では智宏くんが遊撃捜査班に馴染むまでにしておいて、各キャラの掘り下げは二巻目以降からに回しても良かったんじゃないですかねえ。いきなりどんどん濃いキャラクターが登場しまくって、他の香月作品を読んでいない人は置いてけぼりになるんじゃないかと心配してしまったり。 ちなみに、長谷のおやっさん(妖アパ)と雅弥の父親(魔法の塔)が、がっつりしっかり挿絵入りで出てきます。 そっかあ、長谷のおやっさんもマチャミのお父さんも、こっちの世界に知り合いいたんだなあと、びっくりするというか納得するというか……うん、子供たち世代が叶う訳ねえやとしみじみ思ったり。 ただこの話だけ読むと、長谷パパは粋というより札びら撒いてる成金にしか見えない気がするし、マチャミ父もまだ変人の域を出ない気がするので、やはりもうちょっと順を追ってゆっくり登場させてほしかったというのが正直なところです。城島さんの恋人ネタとかもね……いささか詰め込み過ぎかと。 事件の内容も、児童書という縛りが消えたせいか、いつも以上に凄惨で救いのない展開が多く、タイトルや表紙のイメージを裏切っています。ライトなBLコメディを期待して手に取ると、いささかショックを受けるかもしれません。 ……つまるところ、この話から香月作品に入るのはあんまりオススメできませんかね。少なくとも「妖怪アパートの幽雅な日常」と「僕とおじいちゃんと魔法の塔」あたりは読んでからがいいんじゃないかと。
ともあれ。 超常的なすごい力を持っていても、それで物事すべてが解決するわけではない。大切なのも基本的なのも、すべては人と人との繋がりだという、香月作品の基本スタンスは変わっていません。そこの部分は安心して読めるところです。
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No.5634
(読書)
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2014年02月27日の読書
2014年02月27日(Thr)
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本日の初読図書: 「劣化賢者の幻想譚(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n6058bc/
とっくに40を過ぎているはずなのに、未だ20代前半にしか見えない母を持つ大学生 神楽十蔵。 彼は母が虫干ししていた道具(ガラクタ)に触ったせいで、いきなり異世界フェリーアスへと飛ばされてしまった。 え? あれって母さんの作り話じゃなかったの!? 俺は母さんと違って凡庸なんだ。包丁ひとつで熊を倒したり、素手で立木を切り倒したりなんてできないんだよ! できることって言ったら、せいぜいスキル『加速』と、異次元無限倉庫、通称『所持品欄』を受け継いだぐらいなんだ!! ……そんな彼だったが、転移した先で出会った黒い猫耳を持つ美少女トオコ・サヴァンに事情を話して、なんとかフェリーアスについていろいろと教えてもらうことができた。トオコはレベル29の冒険者で、メイン職はサムライ。『黒の舞姫』の二つ名を持つ、将来を嘱望された若手らしい。そんな彼女の紹介で冒険者ギルドへ登録に行った十蔵だったが、現実は非情だった。十蔵に適正のある職は、ろくなものがなかったのだ。悩んだあげくに選んだのは『呪術師』。ギルドの受付員いわく「辺境の村でばあさんが薬師と祈祷師と占い師と呪師を兼ねてやっているアレ」、「攻撃魔法も回復魔法も支援系魔法も覚えるが、それぞれが最底辺クラスの初級呪文までしか使えない」、「良く言えば『ものすごく劣化した賢者』って感じ」とのこと。 それでも十蔵には、数少ないアドバンテージがあった。それは異常なまでのMPの量と、その自動回復スキル。そして通常なら冒険者レベルの数までしか倍掛けできない魔法を、MPが持つ限りいくらでも重ね掛けできるスキルであった。普通ならば、燃費の悪い初級魔法の重ね掛けなどすれば、あっという間にMPが枯渇してしまう。しかし十蔵にはそれを補えるだけのMPがあったのだ。 かくして十蔵は『劣化した賢者』として、異世界での生活を始める。その豊富なMPと現代知識を有効活用しつつ……
先日読んだ「偽クノイチ異界譚」の続編。完結済。 地球へ戻った紫乃さんの、息子が主役のお話です。 ……実を言うと私は世代交代ものが割と苦手だったりするのですけれど、今回のお話はむしろこちら(息子側)のほうが好みでした。作者様がお話を書き慣れてこられたというせいもあるのかな? 所持品も能力も最初から全方向にチートにもほどがあって、やりたい放題だった偽クノイチ〜に比べると、こちらの十蔵くんはもう少し控えめでしたし。 MPが初期状態で10520(※Sランク一流魔術師でも800ぐらい)あり、あと固有スキルに魔力自動回復(1分ごとに最大MPの0.5%)と魔力使用制限解除(MPがある限り魔法の重ね掛けが何重でもできる)という魔力特化型という他は、むしろ全体的に常人よりもスペック低め。地球から持ち込めた物品も、役に立ったのはせいぜい、銀貨11枚(11万円)で売れた磁石ぐらいです。 特に素質のあった職(ジョブ)が、使い勝手が悪い不遇職かヒモやホストというあたりが、面白い感じにバランスがとれていると思うのですよ。やはりいい部分があるなら、それだけ不遇な部分もある。そしてそれを現代知識と工夫で覆していくのが、異世界トリップチートの醍醐味ではないでしょうか!
そんな訳で十蔵は、初級魔法しか使えない不遇職のために、ブロック1個を作る生活魔法を効果距離×10・体積×500の重ねがけをすることで壁を作り出し、防御魔法の代わりにしたりとかしています。ちなみにちゃんとした普通の防御魔法で同等のことを行えばMP50の消費で済むところを、このやり方だと1500以上必要とします。超上級魔法使いが二人いてもまだ足らない量。でも十蔵にとっては30分で自動回復する程度ってのが(笑) 同じように持続時間が長い代わりにMP消費が多く、効果も低いので使えないとされる初級防具強化魔法(24時間、MP30で防御力5%UP)を×100することで、3000MP使って防御力5倍とかvv さらに武器強化も×100して合計6000MP消費しても、まだ余裕が残っている上に2時間もすれば回復してるというvv 朝方宿を出る前に掛けておけば、依頼の目的地に着く頃にはMP満タンに戻っている上に効果も持続中って、やっぱりチートすぎるか(苦笑)
他にも魔道具作成やポーション作りで色々やらかしています。 あと十蔵も母親譲りで猫耳スキーですが、今回は男女カップルなのでまあ普通に読めましたね。 そうそう、途中でシオリ・アルケニー作のローブとか出てきたので、この話の時系列は「アルケニー洋裁店」と同じことが判明しました。 あとこれはネタバレになりますが、ネイルが生き返ってくれたのがけっこう嬉しかったですvv ……しかし長い年月、年老いずに生きることへの苦悩とかが、相変わらず見事にすっ飛ばされているあたりがなんというか(苦笑) まあ、こういうテイストのコメディだと思えば、楽しく読めるかと。
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No.5637
(読書)
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更新情報(2014年02月28日)
2014年02月28日(Fri)
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閲覧室の「その他書架」で、著作権切れテキスト「禿頭組合(コナン・ドイル著、三津木春影 翻案)」の六章目をUPしました。 残りは一話。クライマックス前の緊張が感じられます♪ ……しかし上泉博士の話口調が、どうも一定しないのが気になるなあ……(苦笑)
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No.5638
(更新)
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2014年02月28日の読書
2014年02月28日(Fri)
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本日の初読図書: 「仮面勇者の放浪譚(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n0719bs/
轟轟(とどろき ごう)は、現代日本の某県に在住の平凡な44才の男であった。元々の体格の良さに加えてプロレス観戦好きなことから身体を鍛え、198センチ98キロという肉体こそ持っていたが、しょせんは筋トレとプロテインによる見せかけだけの筋肉。内面は親から受け継いだ農地で農業を営む、ごく温和な性格にすぎない。 そんな彼にはプロレス観戦の他に、もうひとつの趣味があった。マスク集めである。もともとはこれもプロレスが切欠だったのだが、今では能面からホビーマスクまであらゆるものに手を出している。地元であった祭りの夜にも、轟はうっかり屋台のお面を全種類大人買いしてしまっていた。そして、さて買ったは良いがどこに飾ろうか……と思案していた彼の目に写ったのは、地面に落ちた綺麗な手鏡。漆塗りのそこそこ高価らしいそれに、落とし物として届けようかと手を伸ばし ―― そうして気が付いた時には彼は、グリーン・ロードと呼ばれる大陸の一都市、迷宮都市ミトラの街角に立っていた。そう、まごうことなき異世界というやつである。 幸いにも日本語は通じたので、生来の頑健な肉体とこの世界に来てから手に入れた特殊能力で、彼は日雇い労働者として生きることにした。 轟がこの世界の職業斡旋所――ギルドで得た職は、運搬者(ポーター)と仮面使い(ペルソナマスター)。 そして固有スキル……仮面一体化。 装備した仮面の能力を得るというこのスキルは、何故か轟が地球から持ち込んだお面類と非常に相性が良かった。なにしろハッ○リ君のマスクを着ければ忍法が実際に使える様になり、ドラ○もんのお面を着けると4次元ポケットを使える様になるという具合。 さらに称号:仮面の勇者(正体を隠している間、全ステータス+30%)が加わることで、彼の能力はとんでもないことになっていた。 これはとある理由から地球と非常に近しくなっている異世界ファリーアスで、地球からトリップした幾人かの人間のうちの一人が紡ぎだす、正体不明の仮面勇者の物語である……
「偽クノイチ〜」から始まる一連の物語のひとつ。今回は短編です。 轟さんが拾おうとした手鏡は、「劣化賢者〜」でチトセちゃんが使っていた『界渡りの鏡』とのこと。ただこの鏡はチトセちゃん以外が使うと時間も場所もきちんと設定できないそうなので、轟さんがファリーアスのどの時代に飛ばされたのかは謎ですね。手鏡以外についてはまったく他の話とリンクしていないので、これだけでも独立して読めると思います。短編ですから、気軽にさらっといけますし。 ……ラストの戦いは、想像するとちょっとアレですが……198センチ98キロで44才の魔法●女って……勇者互助組合〜のあの人よりも気の毒かもしれん(笑)
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No.5641
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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