2016年10月24日の読書
2016年10月24日(Mon)
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本日の初読図書: ■メイドは宰相の夢を見るシリーズ http://ncode.syosetu.com/s7070c/
物心ついた頃から、極めて優秀だった少女ツィオ。 大きめの商会に生まれた彼女は、そのおかげで貴族と同程度の高度な教育を受けさせてもらえたのだが、彼女にとってのそれは、なぜ他人が苦労するのか理解できないほどに簡単だった。算術も文字も歴史も、礼儀もダンスも剣術も何もかも。 しかし七歳になり学校へ通うようになって、彼女は自分には大切なものが足りていないのだと悟った。 周囲の子供たちはみな、将来は自分が国を良いものにするんだ、王さまを守る騎士になるんだ、もっと自分を磨いて良家の殿方に見初められるんだと、それぞれの夢を持ち努力していた。一生懸命何かに打ち込んでいるそんな周囲を見ると、とても羨ましかった。どれだけ能力的に優れていても、自分は欠けていると感じて仕方がなかった。 自分に欠けているもの、それは夢だ。何かを為したいと願う、そんな気持ちだ。どんなにいろんなことができても、それを使って何をしたいのか、その明確なビジョンが自分には描けないのだ、と。 困った彼女は、姉へと相談してみた。 「お姉様、私も何か夢が欲しい」「夢が?」「うん、だって皆持ってるのに私だけもってないの」「う〜ん……、でも、夢って持とうと思って持つものでもないしねぇ……」 考え込んだ姉は、やがてこんなふうに言った。 「ツィオはいろんな事ができるんだから、何かしたくても出来ない人の夢を手伝ってあげたら?」 「きっといつか、その人の夢を、ツィオも一緒に見るようになるわよ」 その考え方は彼女にとって、目の前が一気に晴れるような気持ちになれる、新鮮なものだった。 そうして彼女が選んだ、将来の道は……
読み切り連作、全四話、コメディ系? ほんのり恋愛要素はあるようなないような。 超絶ハイスペックな少女が、お掃除から暗殺までなんでもこなす万能メイドとして、宰相様のもとで日々活躍しています。睡眠? 大切ですので、しっかり六時間寝ておりますよ? 脳の半分づつですが、みたいな。 ちなみに宰相様は苦労性っぽい。宰相様だって相当チートにハイスペック(しかも若くてイケメン独身/たぶん)なのに、メイドさんがあまりにも有能すぎてなんだか背中が煤けてます(笑) でも有能すぎる彼女を疎むでも恐れるでもなく、存分に有効活用もしてあげる、その懐の深さが良いんです。あと、いい意味で理想家。国をより良くするため、私心を持たずたゆまず努力する宰相さんだからこそ、メイドさんも彼の「夢」を叶えることを自分の存在意義に置けた訳ですし。 あとなにげに王様も大物です。普通国のナンバー2がこんな反則技な腹心を飼ってたら、絶対疑心暗鬼で自滅するよ。 そういうドロドロしたところがないのが、安心して読めるところです。
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No.7870
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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