よしなしことを、日々徒然に……
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 2016年10月08日の読書
2016年10月08日(Sat) 
本日の初読図書:



3月末にうっかり1〜5上の9冊をまとめ買いした、新装版「翼の帰る処」。
4下の半ばまで読んだところで長らく止まっていたのですが、ようやく最終巻の5下が出たので、新刊購入。
そしてンヶ月ぶりに紙書籍読みたい熱が再燃してくれたので、今日は一日読みふけって、なんとか最後までたどり着くことができました。
はあ……何と言うか、感無量です。

これだけ権謀術策渦巻き、帝位争いやら世界を救うために神の助けを借りて云々という壮大なお話を書かれながら、しかし主役が一切戦闘に関わっていないのがむしろ逆にすごいなあとしみじみと(笑)

このお話の特徴として、「情報の統制加減」とでも言えば良いのでしょうか。知らされないことは知らないとか、主役のいない場所で起きていることは、それがどんなに大事だったり主役の大切な人に関わることでも結局は他人事の域を出ないという、そこらへんが一風変わったポイントだと思うのですよ。
ヤエトさんは事前にさんざん手配りしまくっている代わりに、実際の戦闘場面などではたいてい人事不省で倒れていたり、あるいはこの世ならぬ世界に行ってたりするので、事が収まった後に話を聞いて「はあ、そうでしたか」と言うだけなのがたまらん面白いというか。
そのぶんヤエトさんはヤエトさんで、他の人にはとても言葉では説明できないたぐいの経験を、ひとりでくぐり抜けまくっているのですが。

……ああしかし……ううむ。
今回の5上下は、ちょっといろいろ複雑でしたねえ。
最初の方は「うぉぉおお、ついに雛達が兄を乗せて空に!」「もふもふ、もふもふ天国vv」「尚書卿、すっかりあなたも鳥馬鹿ですww」とか「二の君、その笑顔は死亡フラグです!?」とかテンション高く読んでいたのですが……北嶺の人達が「嵐」に巻き込まれたり、あげくに「彼」が最初から「ああ」だったのかと思うとなあ……(−ー;)
なんか、これまで必死になって積み上げてきたあれこれが、こう思い切りちゃぶ台ひっくり返された感じがしてですね。北嶺と皇女の関係とか、預言者のあたりとか特に。
ターンとオルムストの対の神を、ここでそう持ってきたか! というのは唸らせられたんですが。
あと今まではっきりと顔の出てこなかった皇帝の挿絵を、あの場面で出したりとかの演出もすごい。
表紙絵の中で、最終巻だけ二人がはっきり鎖のこちら側にいるという構図も、なんだかいろいろ深読みできそうで。このシリーズはイラストも本当に素敵だったなあと思います。

他にも三の君は結局? とかいきなりキャラ立ちした六の君のその後とかとか。
まあそこらへんは、文字通り浮世に戻った尚書卿が、またいろいろ立ち回るのだと期待して妄想するのが楽しみ方のひとつってことなんでしょうね。
物語は終わっても、彼らの生はこれからも続いていく。ただ我々が知ることができないだけで。
そう強く思える終わりでした。
皇女さまにもいっぱい味方はできたんですし、1巻の頃に比べれば状況はめっちゃ好転してるんですから、きっといろいろあるんだろうなあ……ふふふ。

……このお話は結局のところ、それまで自分にも他人にも執着せずどこかふわふわと浮世離れしていたヤエトが、大切なものを得て、前向きに生きていくことを覚えるお話だったのかなあと思います。
死にたくないと思うことは、けして間違いではない。
そう教えてくれる主君に出会い、そんな彼女を支えるために、病弱な体を引きずって立ち上がる。もういつ死んでもかまわないとは思わずに、未来に希望を抱いて。
そう考えられるようになるお話だったんだと。いわば仙人が還俗しちゃったというか。
でもそれでも、ヤエトさんはいつまでも変わらずヤエトさんなんだろうなあとも思うんですが。

ただ気になるのはジェイ爺なんですが……あの人、ヤエトさん死んじゃったらどうなるんだろう(汗)
アストラみたいに人を超越して彷徨うことになるんじゃないかと思うと、恐ろしくてならんのですが。ヤエトの子孫を守る契約とかしても、いつかどこかで絶対に捻れるだろうし、それ以前に血族を巻き込む契約に振り回されまくったヤエトが、そんなもの受け入れるはずがないしなあ……
No.7849 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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