よしなしことを、日々徒然に……
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 2015年10月27日の読書
2015年10月27日(Tue) 
本日の初読図書:
404869118X神様の御用人 (3) (メディアワークス文庫)
浅葉 なつ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-11-21

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大主神社の宮司の娘で、『天眼』を持つ少女 吉田穂乃香は、街を歩いていたところで露天で自作の服を売っている女の子に声をかけられた。「お姉さんなら、特別な眼を持っているから、私のセンスを理解できると思う」、と。そう主張したのは、かつて高天原で神々の着る衣を縫っていたという、天棚機姫神(あめたなばたつひめのかみ)であった。彼女もまたご多分に漏れず力を失いつつあり、最近ではもう、神々から衣服の作成を頼まれることもなくなったという。そこで一念発起し、人の世界で服を売ってみようと、現代の服飾について学び新たな服を作成してみたのだが、やはり誰一人として認めてくれず、不満が溜まっているらしい。穂乃香に連れてこられた姫神に「自分の作る服を受け入れてくれる人の子を探して欲しい」と願われた良彦は、しかし彼女の作った服を見て思わず絶句してしまい……「一柱 天降るデザイナー」
懸賞で当たった温泉旅行を一人(と黄金)で楽しんでいた良彦は、しかし宣之言書に神名が現れたのを見て落胆した。旅行先のすぐ近くにある大三島の、大山祇神(おおやまつみのかみ)の社……の稲の精が、今回の依頼主らしい。神社に向かってみると、斎田のそばに立っていたのはオレンジ色をした農協のナイロンジャンバーを着た、飄々とした雰囲気を持つ男性であった。彼が問題の稲の精霊こと通称「稲本」だという。この土地の祭りでは一人角力という、人と神の使いである稲の精霊が相撲をとり、精霊が勝つことで来年の豊作を願うという神事が存在した。もちろん人間に精霊の姿は見えないが、それでも祭りの際にはきちんと稲本が人に合わせて相撲をとっている。けれどそれは、しょせんやらせ勝負。必ず勝つことが定められた稲本は、負ける悔しさというものが判らない。強くなりたいという、人の子の思いも理解できない。だから自分と相撲の真剣勝負をして負かして欲しいというのが彼の頼みであった。しかし真剣勝負であるからこそ、手を抜くことはできない。人間と精霊、しかも膝を壊した引きこもり上がりの良彦が、まともに勝負したところで勝てるはずもなく。だが稲本が本当に願っているのは、単純に負けることではないようで……「二柱 一人角力」
貴船神社に坐す高※[#「靈」の「巫」に代えて「龍」、第3水準1-94-88]神(たかおかみのかみ)の神から頼まれたのは、「柄杓を探す」ことだった。それは、はるか一千年以上も昔、高※神が貴船に降臨した際、高天原から共をしてきた童子に与えたものだという。人間と子をなし人間となって死んでいった童子の子孫は、貴船神社の筆頭社家として長らく仕えてくれ、柄杓も代々受け継がれてきていた。しかし明治の法改正によって彼らもこの地を去り、今となってはもうどこにいるのかすら判らない。彼らが幸せであるのなら、それで良いのだが、しかし気になるのはあの柄杓のこと。仮にも神宝であるかの柄杓は、清い心を持つ者が手にすればこの上ない甘露を生み出すが、邪な心の人間が持てばただの水を魚の死に絶える毒水と変える。もしも柄杓がまだ子孫のもとでふさわしき扱いを受けているならば良し。しかし物の価値を知らぬ古物商などの手に渡っていれば、なんとか取り戻してくれと。何十年も前に行方不明になったものだけに、その捜索は困難を極めると思われた。頭を抱えて穂乃香に相談を持ちかけていた良彦へと、いきなり絡んできたのは穂乃香と同じ学校の高校生、高岡遙斗。どうやら穂乃香に想いを寄せているらしい彼だったが、絡んできたのはそれだけが原因ではなかった。遙斗は日頃から熱心に貴船神社に参拝し、常々高※神の神に、幼い頃の恩返しをしたいと願っていたのだという。なのにいきなり現れた良彦が、「御用人」というだけの理由で高※神に頼まれごとをされるのはズルいとふてくされていたのだ。彼は亡き祖母から「御用人」について聞かされたことがあり、良彦が貴船神社で「宣之言書」を持っているのを目撃し、彼が御用人であるのを察したとのことだった。話し合いの結果、遙斗も良彦の手伝いをすることになったのだが、やはり捜索は難航し……「三柱 童子の柄杓」
黄金が楽しみにしていたオレンジのシュークリームが、盗み食いされてしまった。食べたのは田道間守命(たじまもりのみこと)という、菓子の神。かつては人間であったが、常世国から不死の妙薬である非時香木実(ときじくのかくのこのみ:現在の橘)を持ち帰ったことで、菓子=当時の果物の神として祀られた存在である。しかし「自分はあくまで果物を持ち帰っただけ。現代の菓子のことなど何も知らないのに、菓子の上達のことなど願われてもいたたまれない」と、社を逃げ出してきたのだという。いっそ、何かひとつでも菓子を作れるようになれば、神として自信を取り戻せるのではないか。そう話がまとまり、彼らはお菓子作りに挑戦する。だが普段料理をしない独身男と神様二人の取り合わせでは、レシピと首っ引きになっても台所が大惨事になるばかり。頼みの綱だった穂乃香も、菓子作りの経験はまったくなく、四人がかりで試行錯誤するはめになるのだが……「四柱 橘の約束」


読んでまず思ったのは、黄金がちょっと優しくなってるvv
最初はいやいや神様のわがままに振りまわされていた良彦が、じょじょに生来のお人好しというか、困っている人(神様)を放っておけない性分を取り戻し始め、自分からアクティブにあれこれと動いています。それを見守っている黄金の、良彦を見る目もまた、変わりつつあり。

> 「たとえ相撲に勝てなくとも、勝負には勝つやも知れん」「あやつは、そういう奴なのだ」

> 「御用を放り出して、逃げるような奴ではないのでな」

本人には面と向かって言わないけれど、良彦のいない所では他の神達に向かってそんなふうに告げてみる。それってなんてツンデレ? もふもふのツンデレって最強じゃないか(笑)

そして良彦が田道間守命を助けるために取った行動の、かっ飛ばしぶりがまた、たまりません。そりゃ黄金も呆れるよ……ある意味、今時の若者だからこそ、恐れげもなくできる行動だなあと思いました(褒め言葉)

そして毎回不思議だ不思議だ言っていた、語り部は何者なのかという疑問なのですが。
鱗の記述さえなければ、黄金でしっくり来るのに……と書いたのは2巻の感想でだったでしょうか。
ところが今回、本文中に「変わったのは姿だけと思っていたが」と大山積神が黄金に対して語りかける場面があったのですよ。
それってつまり、本来の黄金には鱗があったってことでしょうか?
そして良彦が御用人を務める間に、その鱗を取り戻す何かしらの事件が起きると期待しても良いのでしょうか??

さらに、本来御用人を務めるはずだった存在と、黄金の間に何やら穏やかならぬ因縁があるっぽい述懐もあり。
これはまた、続きが気になる〜〜〜(><)
No.7193 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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