よしなしことを、日々徒然に……
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 2015年07月06日の読書
2015年07月06日(Mon) 
本日の初読図書:
「公爵様と仲良くなるだけの簡単なお仕事(小説家になろう)」
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貴族とは名ばかりの貧乏子爵プリマロロ家の娘ユードラは、気がつけばすっかり行き遅れてしまっていた。
通常の貴族であれば、遅くとも18歳で婚約、19には結婚しているのが普通だというのに、彼女はすでに22歳。早くから王宮で下働きを続け、早十年が過ぎている。鏡に映る顔は、さながら人生に疲れた三人の子持ち主婦のようだった。
このままではいけないと、今さらながらに思う。家族の為と思って頑張って来たが、これでは働き詰めで何も楽しい事を知らず、箒を握り締めたまま人生の終わりを迎えてしまう、と。
大恋愛をしたいとか、そんなことまでは望まない。それでもせめて、キラキラしたお綺麗な顔の王子様とか、生真面目で融通の聞かない騎士様とかを、木陰から愛でるだけならば許されるだろう。
そう考え、下働きから侍女への配置転換を願い出た彼女に、上司は助かったという顔で人事異動の話を持ち出してきた。
いわく、
・高貴な方にお仕えするお仕事です。
・主な仕事は軽いお世話等。
・秘密厳守。
王宮で働き始める時にも示された、特におかしな就労条件ではない。だが何やら不穏な気配を嗅ぎとったユードラは、この件は断ったほうが良いと判断した。ところが上司は手首を掴み、無理やり契約書類へと署名させてしまう。
かくして彼女が配属されたのは、国内唯一の公爵である、ユースティティア家の屋敷であった。
住み込みで衣食住は保証の上、給料はこれまでの倍以上。あてがわれた部屋は召使い用とはとても思えない、立派な個室。そしてユードラが専属で世話をするお相手は、今年で三十二歳になる公爵家の跡取り息子レグルスだった。現国王の甥でもある彼は、去年開催された御前武道会で準優勝という素晴らしい結果を残したという。しかも王族の皆様は揃いも揃って美形なのだから、きっと毎日目が洗われるような良い思いが出来るのではと、開き直ることにした。
しかし仕事着とは思えない上等な衣服を着せられてレグルスの執務室を訪れたユードラに対し、仕事中だった彼は瞠目した次の瞬間、机の下へと身を隠してしまった。覗きこんでみると、一瞬にして涙目になる。
なんでもレグルス様は、極度の人見知りだということだった。見た目は極上の美丈夫なのにもかかわらず、家族や使用人達にも怯え、人前ではしゃべることも飲食もいっさいしないらしい。世話係となったユードラに対しても、口をきくどころか目すら合わせてくれない始末。
一ヶ月が過ぎてもまるで変わらないその関係に、困り果てたユードラは、まずは手紙という手段で意思疎通を図ることから始めてみようと思い立って……


北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし」を書かれた江本マシメサさんの別作品。主従関係から始まるドタバタラブコメ、完結済。
どうやら世界観を同じくする作品が他にも複数あるようですが、北欧〜とのリンクはないみたいです。たぶん。
ハイスペックなくせに自分にまったく自信がなく、他人どころか家族とさえまともに会話や食事ができない公爵家の跡取りさま。被り物をかぶって筆談でのやりとりができるようになるまですら、数ヶ月を要したというのに、終盤の「え? そうくるの??」展開あたりからの彼は、一生懸命がんばっています。被り物こそ復活しちゃったけど、口数はびっくりするほど増えました。
っていうか、これ、ぜひレグルス視点の番外編が読みたい……(笑)
特に隠密機動局の仕事のため、夫婦設定で帝国(ロシアがモデルなのかな?)に潜入した際の挙動不審ぶりとか、寝ぼけてやらかしちゃったあれこれとか、ユードラはさらーっと「潜入のための役作り」と解釈して流しちゃってますけど、いやいやいや、違うから! 旦那様すでにこの段階でめっちゃ貴女を意識してますから!!
帝都到着後たったの一泊二日で任務達成とか、よっぽ貴女の身を案じたんじゃなきゃ不可能だからっっっ!!

途中で怖気づいたというか、最初は鈍感なふりをして周囲の状況や自身の感情に気付かないようにし、目を背けきれなくなった後は、常識を考えて身を引こうとしたユードラの思考は、読者的にはイラつくかもしれないけれど、ごくまっとうな感性を持つ普通の女性の当たり前の反応だと思いました。
ってか、マリリンさんが後押しするつもりで薦めた本のチョイスが悪いよ、これは(苦笑)
知らない内に外堀を埋められまくって、逃げ道全部ふさがれた彼女は、冷静に考えるとかなりお気の毒。
でもまあ、レグルスさん本人との絆は紛れもなく本物かつ真摯なものなので、結果オーライ的に幸せになれたのは良かったんですけどね。 ある意味これ、周りからヤンデレルートを強制されたっていうか……

……ただこの方の作品は、微妙に文章が荒いのが気になる……誤字脱字変換ミスに単語飛ばしまではまだしも、今回なんてキャラクターの名前まで間違ってるってのがなあ……二つ名『虹の道化師』さんは、結局ジョクラトルさんなのかジョクトラルさんなのか、それともジョラクトルさんなのか。あまりに混在しすぎていて、どれが正解なのか判らないよ……(−ー;)
No.6935 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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