2015年02月03日の読書
2015年02月03日(Tue)
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本日の初読図書: エンレイズとガルヴォの国境で、両軍は互いを間近にしながらも、もう三週間もの間、膠着状態に陥っていた。その原因は、先の戦闘で偶然捕らえた一人のガルヴォ人捕虜にあるという。その捕虜は高貴な身分であり、総司令官は彼を盾に交渉することで兵の損失を出さずに敵を撤退させるべく、画策しているらしい。 そして総司令は手柄を独り占めにするため、捕虜の身元を味方にすら明らかにせず、ガルヴォ軍との交渉も一手に握っている。だが肝心の交渉は難航しているようで、兵士たちは寒さと敵軍を間近にした緊張とで、士気を下げきっているのが現状である。 シャリース率いる傭兵隊バンダル・アード=ケナードは、司令官の一人フレイヴンに雇われて、この戦場へとやって来た。フレイヴンは堅物だが、平民から叩き上げで司令官に上り詰めただけあって、そう悪い雇い主ではない。しかし他の貴族の司令官たちからは何かと疎まれているようで、副官のデイプレイという貴族の若造なども、あからさまにフレイヴンを軽視しているのが判る。 一方で、国境からエンレイズ側に入った兵站拠点の都市ストリーに、しばらく前から腕の良い医者が住み着いていた。黒髪で腕も人当たりも良い彼 ―― ヴァルベイドは、国王の命令により、二ヶ月ほど前に貴族が殺された事件を調べに潜入していたのである。戦場への兵站を一手に任されていたミラスティンというその貴族は、夜の自室で何者かと対談中に、酌み交わしていたワインに毒を盛られたのだという。 情報を集めるためにストリーで活動していたヴァルベイドは、そこで意外な人物に出会う。平服を身にまとい商家の使用人として働いていたのは、アランデイル ―― バンダル・アード=ケナードの一員で、シャリースの片腕と言っていい男だった。 詳しく話を聞くと、アランデイルは中立国モルダーの少女と間違いを起こしてしまい、バンダルから追放されたのだという。事情が事情だけに、シャリースも庇いきれなかったのだと。 ヴァルベイドはそんなアランデイルに、事件捜査に協力することを持ちかけて……
積読を消化しよう月間突入中。 これまた買ったっきり、二年ちょい放置してました。 こんなことなら、新刊購入せずに、値が下がるまで待っとけば良かった……(遠い目)
表紙の平服着た金髪のイケメンは、誰かと思ったらアランデイルだったんですね。 表紙裏あらすじとか帯では一切触れられていなかったので、本文読むまでは全然判っていませんでした。 アランデイルがバンダルを追放……って、これ絶対シャリースの策略によるヤラセだよなあという気持ちがどうしても消えない私は、果たして下巻で「ああやっぱり」となるのか「ええッマジだったの!?」となるか、どっちなんでしょう…… とりあえずヴァルベイド先生が出てきてくれたのは嬉しかったです。 第一部を読了した時は、もうこの先生との関係はここで終わりかと、非常に残念に思っていたのが嘘のように、さながら第二の主役のごとくシャリースたちとは別の場所で頑張ってますよね、このお人。 今回も一生懸命、間諜として殺人事件の捜査をしつつつ、前線のバンダル・アード=ケナード達の心配もしたりアランデイルの傷心を気遣ったりと、大忙しです。 思い返せば第一巻で、ヴァルベイド先生とシャリースが並んで立っている表紙に、「おおっ、アラゴルンとボロミアのようだ!!」とテンションが上ったのが懐かしいです……あの頃ちょうど、映画ロード・オブ・ザリングに燃えてたからなあ。
物語は前線でのバンダルと依頼主(この依頼には、裏でスターグ青年が何か絡んでるのかな?)、補給都市スドリーで殺人事件の捜査をするヴァルベイドとアランデイル、そしてガルヴォ陣営で暗殺に怯えつつ人質を取り返そうと奮闘する政治家ビジュとその護衛の傭兵隊達、おおまかに三つの舞台が交差して動いています。 この巻のラストでは、それに何やらシャリースにそそのかされたと思しき、バンダル・ルアインの行動が加わってきてます。これはルアインがガルヴォ人捕虜に雇われるのかな……?
ともあれ下巻も既に手元にあって、いっしょに積んであるので、こちらには早いうちに手を付けられそうですvv
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No.6567
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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