よしなしことを、日々徒然に……
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 2014年09月04日の読書
2014年09月04日(Thr) 
本日の初読図書:
「地方騎士ハンスの受難(小説家になろう)」〜準備を整えた男
 http://ncode.syosetu.com/n8184bw/

辺境の街と周囲の村一帯の駐在騎士を努めている男、ハンス・スエラー。
騎士といえば聞えはいいが、国の役人が誰もいないド田舎で、雨漏りを修繕したり、ドブさらいをしたり、力仕事を手伝ったりといったその境遇は、左遷以外の何物でもない。
しかし人生のいろいろなしがらみに疲れていたハンスは、今の生活を大変気に入っていた。
そんなハンスの元へと、ある日村人が血相を変えて駆け込んでくる。
なんでも奇妙な出で立ちをした見慣れぬ男が、市場で生きた魔獣を売ろうとしているのだという。慌てて駆けつけたハンスへ、特大リーゼントの男は笑顔で言った。
「あ、いらっしゃい。イノシシどっすか? めっちゃ新鮮っすよ」
彼の後ろに山積みになっているのは、体長4m、1mはある鋭い牙と角を生やした生き物だった。間違ってもイノシシなどではない。
よくよく話を聞けば、男はヨシダ・ケンイチといい、ニホンなる国に住んでいたのだという。それが気がつけばこの街近くの森の中に放り出されており、帰る方法も判らない。しかたがないのでどうにか食い扶持だけでも稼ごうと、森で狩った『イノシシ』を売ろうとしたらしい。
魔獣など、本来ならば訓練された兵士が束でかかっても一匹相手するのがやっとのはずなのだが、ケンイチには『魔獣使い』というステータスが付いており、簡単に魔獣を狩ったり従えたりできるとのことだった。
ケンイチ自身にはまったく悪気もなく、自分の力で身を立てたいという要望は納得の行くものだ。
かくしてハンスはケンイチに協力し、街近くの山中に魔獣を飼育する牧場を作ることになったのだった。
そして数ヶ月後、今度は別の村人がハンスの元へ駆け込んでくる。
「た、大変だハンスさん! なんか凄い治療師の人が村に来てるんだ!」
本来ならば治癒魔法を使うのに大金を要求するはずの治療師が、いきなり山の中から現れたかと思うと、わずかな食料などを対価に次々と人々を治療しているのだという。黒髪黒目に詰め襟を着たその少年は、ハンスを見るとその場に泣き崩れた。
「本物の騎士の人ですか? やっぱりもうここは日本じゃないんだ。そして、地球でもないんだ……もーだめだぁああ!!」
『ニホン』という単語と黒髪黒目のその容姿に、この少年キョウジもまたケンイチと同郷の人間なのだとハンスは確信した。
さらに数ヶ月後、赤ジャージ姿の少女ミツバが、村に現れたゴブリンとオークを相手に怪力で大暴れしたり。
迷子だという老人コウシロウが、『静岡』という場所へ戻りたいのだと訪ねてきたと思ったら、数ヶ月で青年のように若返ってみたり。
次々と現れる『ニホンジン』達に振り回されながらも、ハンスは彼らがこの世界で暮らして行けるように力を尽くしてやっていた。
そんなある日のこと、王都からただならぬ知らせが届く。
それは隣国の実験部隊が、魔獣の群れを率いてこの街を襲撃してくるという凶報で……

書籍化もされてるトリップFT。連載中。
一章目はすでにダイジェスト化されていますが、裏技を使えば……ゴニョゴニョ
辺境でのお気楽ほのぼのものかと思ったら、途中からはイヤンな貴族間の政治闘争が関わってきたり、隣国から盗賊に扮した特殊部隊が攻めてきたりとシリアスな面も出てきます。でも基本はギャグ(笑)
メイン視点が異世界側からなので、いろいろと『ニホンジン』に関して誤った認識があったりするのが、また楽しいです。
そしてトリップしてきた四人は、それぞれに特殊能力やらリアルスキルやらを持ち合わせています。
中でもやっぱり、コウシロウ老人は一筋縄では行きません。若返ったおかげで見かけは青年、態度は好々爺。凄腕の料理人であり、味噌や醤油なども普通に作っちゃうすごい人なんですが、あらゆる意味で底が知れません。言葉の端々からするに、戦争経験者で、戦後はヤクザを経て海外に高飛びしつつ、凄腕スナイパーとして各地を転戦してきた……的な。
そんな人が『千里眼』なる遠くや壁の向こうや、あるいは上空からの俯瞰図を見ることができるスキルを入手してしまったのだから、もう向かうところ敵なしですvv
あとなにげに最初にトリップしてきた『魔獣使い』のケンイチも、ちゃくちゃくと魔獣ハーレム(本人は自覚なし)を作り上げていたり、ほんとに農業高校でそこまで教わるんか的な畜産技術でもって、魔獣牧場の経営を成功させていったりと、普通のトリップ主人公を一人で努められそうな活躍ぶり。
さらに実は転生者である女性騎士レインも加わって、ハンスさんのまわりの日本人密度半端ありません。
また全員がハンスさんにお世話になっており、その実直な誠実さに、彼のためならいくらでも力を貸すぜ的な好感度。
ある意味この国は、ハンスさんのお陰で救われたのかもしれない……そんなお話です(笑)
……ちなみにハンスさんも、なにげにトップレベルの実力者なので、隠れ有能スキーにもオススメかとvv
No.6191 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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