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 SHERLOCK3 三話目 最後の誓い
2014年06月08日(Sun) 
くぁぁああああ! 製作者サイドぉぉぉおおお!!
やられました。くっそう、してやられた!! 一話目と二話目のコメディタッチから一転して、シリアスな展開に、見ていて(゜д゜;三;゜д゜)となりっぱなしの一時間半でしたよ!!

そもそも第一話「空の霊柩車」で最初にメアリに会った時の印象、「うそをついている」が、かくも効果的に使われたことがまず素晴らしいです。
記憶力がいいことや頭の回転がすごく速いところなど、一〜二話目を通じてうすうすおかしいと思っていた部分が、パズルのピースがはまるように組み立てられていく点。
忍び込んだマグヌッセンのオフィスで直前に嗅いだ、香水の匂い。「メアリが付けてる」「メアリじゃない、別の人」という会話が、さらにひっくり返るそのスピード感。
そしてわずか三秒間のマインドパレスに、マイクロフトだけではなくモリーとアンダーソンが登場。そして最深部に存在したのは、まさかのジム。相変わらずその存在感がすげえ。彼は未だにシャーロックにとっては過去になっていないのかと思ったら、よもやラストにああくるとは!
……今回はシリーズ三話を通しての、全体の構成の妙が特に冴え渡っていたと思います。


まずはミルヴァートン改めマグヌッセンの、気っ色悪い脅迫の手口をプロローグに物語開始。
しょっぱなからジョンがメアリの知人に頼まれて、麻薬中毒者を迎えに行く → シャーロック発見という、個人的に大好きな「唇のねじれた男」がそのまま使われていました。ジョンがベッドで目覚める時にまた戦場の夢を見ている所から、彼がたった一ヶ月(※ジョンはそれを「ずっと」と表現)シャーロックと会わない間にもう平穏な結婚生活に退屈し、再びスリルに飢え始めているのが表現されています。
中毒者のたまり場で、ナイフを持った相手をあっさり沈めるシーンなど、ちっちゃいくせに元軍人らしくて実に格好いいvv
ここでジョンに殴り倒されてそのまま成り行きでついてきた麻薬中毒者は、その後もやけに出てくると思っていたら、ビリーってあれですか? 原作でたまーにいた給仕のビリーくんなんでしょうか。そしてウィギンズは浮浪児達のリーダーの名前だったっけ。ということは、今回の協力だけではなく、次シーズン以降も彼はちょくちょくご登場するのかな??
「(手を捻った誰かさんは)きっとハイになれるものが欲しかったんだ」というジョンの台詞にシャーロックが返す「そうかもな、ある意味」という台詞もまた、ジョンがドラッグではなくスリルジャンキーなことを揶揄しているのか。

221Bにシャーロックを引きずって帰ったら、マイクロフトと一緒に何故かアンダーソンが家探し中。ずいぶん生き生きしてるな、アンダーソンvv
そして寝室からはまさかの、ドラッグならぬ裸シャツの女性がΣ(゜ロ゜ノ)ノ
前回ブライズメイドを務めていた彼女ジャニーン。なんだかイチャイチャラブラブぶりを見せつけられて、ジョンは唖然呆然。マグヌッセンの話をされても、さっぱり頭に入ってません(苦笑)
まさかシャーロックに彼女が!? と思いきや、実は犯罪捜査のための結婚詐欺だったというオチは、まさしく「犯人は二人」からのエピソードでしたね。ジャニーンはなかなか個性的でナイスなキャラではありましたが、やはりシャーロックに彼女ができるというのは行き過ぎだと思うので、フェイクでホッとしました。それにちゃんと自分をしっかり持った女性で、シャーロックに騙された復讐リベンジをきっちり果たしつつ、一方的な被害者では終わらず颯爽と去っていくあたりが、現代版の良いところですね(スキャンダルを売って儲けたお金で買ったのが、サセックスにある蜂の巣箱がある別荘……まさか老後にシャーロックと同居とか……ないよな……?)。
そしてメアリを光による映像を映した建物に誘い込み、人形(と見せかけたジョン)で騙したのは、「空き家の冒険」の蝋人形からきた演出だったのでしょうか。「芝居がかるのは僕の悪い癖」の台詞は「海軍条約文書」とかからかな?

それにしても第一の衝撃、二人が忍び込んだ先でマグヌッセンを殺そうとしていた女性が、まさかの『彼女』とは。シーズン最初からどこか怪しい怪しいとは思っていましたが、いきなり三話目も始まったばかりでそう来るとは、思いもしませんでした。原作では脅迫された女性が実力行使するのはラストの方ですしね。クライマックスだろうと予測していた展開をまず最初に持ってくる。見事な意表の突き方でした。
そしてここでシャーロックが撃たれたのにも驚きましたが、その治療でモルヒネを打ったりしてるのが、さすが隙あらば原作小ネタを突っ込んでくる製作陣(笑)

今回はシャーロックの負傷が治る時間が必要だったせいか、物語の中で数ヶ月の時間が経っているようでした。メアリのお腹が終盤ではずいぶん大きくなってきています。シャーロックとジョンが過ごす二度目のクリスマス。しかし間に二年の空白があるのですから、出会って最低でも四年は経っている計算でしょうか。
前回は221Bで過ごしたクリスマスを、今度はシャーロックの実家で。
家族の退院祝いと言いながら、何故かジョン夫妻も招かれているあたりに、シャーロックのジョンヘの不器用な気の許し方が現れているのかなあとか思ってみたり<いやまあ単に、その後すぐアップルドアに乗り込むつもりだったからかもしれませんが

ともあれ、悩んで悩んで苦しんだ揚句に、それでもそのままのメアリを受け入れたジョンの器の大きさに、やっぱりジョンが好きだぁぁあああ! と叫びたくなった私でした。
メアリの行動を知って、「僕の知りあう人間はみんな変質者なのか?」「なんでこうなんだ!」と荒れまくるジョンに、「そうだ」「君が選んだから」と答えるシャーロック。真実は時に痛いと、いい加減学ぼうよ(笑) そうなったらそれはもう、シャーロックでもホームズでもないんだけどさ(苦笑)
……でもやっぱりシャーロックの言う通りなんですよね。現代版のジョンは、そもそもの最初からスリルを求めていた。平和なロンドンに適応できず、心の底で戦場を求めていた。だからこそ彼は出会って間もないシャーロックとの同居を選んだのだし、そのことによってPTSDから急速に回復していった男です。
ならばライヘンバッハ〜で戦場へと導いてくれる友人を失った彼が立ち直るには、やはりその背景にスリルを秘めていたメアリの存在が必要不可欠であり、彼女と恋に落ちたのは必然だったのかもしれません。
そしてそんな彼の心理を丁寧に説明し、自覚させ、ジョンを落ち着かせた上で依頼の席につかせるシャーロック。あの彼が他人に対してここまで心を砕く事には、本当に驚かされますね。
おかげでそんなあれこれを、数ヶ月かけたけれどなんとか噛み砕いて飲み込んで、最終的に何も聞かないままメアリを抱きしめたジョンは男前。
……というより、すでに共依存が入ってるかもしれないけど。現代版のジョンは、健全なようでいて、やっぱり根本が病んでるよなあ。いやそこが良いんですけど! そもそもジョンはシーズン1の第一話でいきなり犯人を***して、しかもそのあと笑って夜食に繰り出してるんだよなあ……なんだろう、この重みの違いは……
メアリのフラッシュメモリを暖炉で燃やしたのは、原典でどさくさ紛れにミルヴァートンの恐喝の種を全部暖炉に放り込んでったところからかな?

で、もって。
いろんなそんなこんながあった結果、それでもジョンがメアリと子供を失わずにすんで、本当に良かったです……その分、ラストの空港のシーンでは、本当に泣きそうになりましたが ><
シャーロック、帰って来たばかりなのにまた行っちゃうのか! しかも今度こそ二度と再会できない旅路へ!! とウルウルしていたので、もう最後のジムにはグッジョブとしか言えません。今までのクリフハンガーの中で、一番嬉しかったよ、正直言って!
マグヌッセンは本当に嫌味でムカつくキャラクター(それだけ俳優さんの演技がすごかったとも言えるかもしれませんが)だったので、どこか愛嬌と確固たる美意識のあるジムの方が、シャーロックのライバルとしては歓迎できます。
やはり敵も魅力的だというのが、面白い作品の条件の一つだと思うのですよ(しみじみ)
マグヌッセンは、見るだけで相手のあれこれを把握したりマインドパレス(中の胸像がヘッドホンつけているのは、221Bの牛の首がヘッドホンつけてるのと対なのか)を持っていたりと、能力的にはシャーロックと等しい鏡像的な存在だったのかもしれません。しかしそれでもやっぱり、私はジムを押したいと思います。

……とは言え、シャーロックがマグヌッセンを***た事については、最初は正直ショックでした。
あのシャーロックが頭脳戦で負けて、こんな直接的手段に出るなんて! と。
でもよくよく考えてみたら、原作の「犯人は二人」と根本的な流れはいっしょなんですよね。原作でもホームズさんは、法にのっとった手段ではミルヴァートンに対抗できず、忍び込んで文書を盗み出すという反社会的手段をとっている訳で。ならば現代版のシャーロックもまた、正攻法ではどうにもできず、ああいった方法を選んだというのは、原作からそう大きく外れた流れではないはずです。
事前にジョンへ「銃は持ってきた? コートの中?」と確認したこと。「本当にあんたの頭の中だけにしかないんだな」と念を押しつつ、目撃者となるマイクロフト達の到着を待った = 万が一にもジョンに嫌疑がかからないように配慮したということは、シャーロックにとってあの行動は、アップルドアに乗り込む前から幾つか想定していたうちの、ひとつだったのではないかと。
……でも実際にTV画面を見ているときは、きっとマイクロフトと結託して、何かをどうにかしているはずだと信じて拳を握りしめていたので、すごくすごく驚きました。
「僕はヒーローじゃない。高機能社会不適応者だ!」
これまで何度も繰り返してきたこの台詞を、あの場であんなふうに使うとは……

メアリを、ひいてはジョンを守るためにあんな真似をし、そうして駆けつけたマイクロフトの目に子供の頃の姿で映るシャーロックがもう……( T _ T ) そもそもマイクロフトの圧力点ウィークポイントが、「麻薬好きのの弟」ってあたりがまた泣ける。
この現代版の特にシーズン3では、シャーロックは徹頭徹尾ジョンのために行動していました。騙していたことを彼なりに懸命に謝り、ガラでもない結婚式のために走り回り、そうして彼らの未来の為に心肺停止からも蘇って、「何があっても守る」という誓いを果たす。
マシーンだったシャーロックが、人間として生まれ変わっていく。ジョンのもとで改めて子供の時代をやり直している、そんなシーズンだったと思います。

ラストの空港の場面では、笑って別れようとする二人が切なくて切なくて切なくて・゜・(ノД`)・゜・
シャーロックがフルネームを名乗ったシーンで、もう、うわぁあああ、と。
ジョンの未来に、どうにかして自分の欠片を残しておきたいとか思ったんでしょうか。名前なんて記号にすぎないとかうそぶきそうな、あのシャーロックが!
ふたりとも、二度と会えないと判っている。現にまたいつか会おうとは言わない。
それでもいつもの通り、軽口を叩き合う。くっそう、製作者サイドめ、泣かせにかかりやがってっっっ

飛行機が離陸した場面で、ああこんな状態でまた数年放置プレイか……とどんよりしていたので、ジムのファインプレーには快哉を上げてしまいました。
あのタイミング、ジムは狙っていたのか、それともあるいはあれはジムの仕業ではなく、シャーロックの引き止めを狙った『誰か』の起こしたやはりフェイクなのか。
……もしかしたらシーズン4には、今回存在をほのめかされた、謎のもう一人の兄弟ホームズが関わっているのでは……? とかとか、妄想が止まりません。
うわぁん、BBCさん、早く次のシーズンを作って下さい〜〜《o(><)o》


……そう言えばずっと怪しいと思っていたモリーの彼氏は、まさかのあっさり退場でしたね(笑)
絶対何かあると思ったのにvv しかしモリーが強いこと強いこと。シーズン1での翻弄されっぷりが嘘のように、シャーロックにビンタをかますわ、マインドパレスに登場するわ。実に出世したものですvv
アンダーソンもちゃっかりマインドパレスにいるし。
彼は「初期には探偵を嫌っているけれど、ある段階から認めて協力者になる警察官」ポジションだと思うんですよ。ある意味レストレードが最初から好意的な協力者であったぶん、原作の初期の嫌味なレストレードが、アンダーソンというキャラクターの元になったのではとか、考えてみたり。

しかしメアリにその子供に、ハドソンさん、レストレードにモリーにアンダーソン、ひょっとしたらビリーまで加わって、ずいぶんな大所帯になってきましたね。
もともとバディものの元祖とも言われるホームズ作品ですが、SHERLOCKはチームものになっていきつつあるのでしょうか。各キャラは魅力的で確かに面白いのですけれど、それとは別に少々複雑なものも感じてしまうところです。
今シーズンでシャーロックが生まれ変わり、ジムが戻ってきたのですから、次のシーズンはぜひまた初心に返って、「生まれ変わってもやっぱり変人なシャーロック」と「自覚しちゃった一見まともに見えるスリルジャンキーなジョン」でひとつお願いいたします!!>BBCさん
No.5902 (映像)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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