よしなしことを、日々徒然に……
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 ソ連版「シャーロック・ホームズとワトソン博士」第二部
2014年04月26日(Sat) 
……を見たのです。後半第二部は完全に「緋色の研究」で1時間です。

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アルトアーツ 2009-07-25

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ようやく感じていた違和感がなんだったのか、解りました。
ソ連版のホームズさんは、ワトソンさんに対してすごく優しいんですよ。あと世間や警察に対して毒を吐く際にも、どこか柔らかくって、本気で言っているように思えない。大人が至らない子供に対し、「仕方ないなあ」って苦笑いしているような感じがするんです。

私の中のホームズさんのイメージは、何かというと退屈してはイライラし、親友のワトソンさんに対してもズケズケとデリカシーのないことを言いまくり。包容力抜群の大人なワトソンさんでもなければ、とても付き合いきれないような性格破綻者です。
ワトソンさんの金時計を見て「お兄さんは飲んだくれのロクデナシ」と言い放ち、警察は無能だと切り捨てる。後にはワトソンさんが書いた文章も、正確さを欠くと本人を前にバッサリとこき下ろす。
……そんな彼が、ごくごくまれ〜〜に見せる不器用な思いやりに、ようやくちょっぴりワトソンさんと読者は報われる。それこそがシャーロック・ホームズではないでしょうか?

ところがソ連版のホームズさんは、多少口こそ悪いものの、普通に空気が読める大人です。
金時計から推理した内容も、最初は口にしないで流してしまおうとし、ワトソンさんに再三促されてからようやく話す。
探偵行為のスリルにドキドキし、夜中に一人で抜けだして捜査に行った結果、犯人に襲われたワトソンさんを、迎えに行って優しく抱きしめながら殴られた頭を撫で撫でしてやる。
現場に残された毒薬の効果を確かめるのにも、ちゃんと警察に分析を依頼し、うっかり落とした丸薬を犬が飲み込んじゃったら、慌てて吐き出させようとする。
なんだよ、良い人じゃん(苦笑)

むしろワトソンさんの方が、なんだか短気でヤンチャな感じがします。外国人の年齢はよく判りませんが、ホームズさんよりだいぶ年下なんじゃないかな……?

しかしそこらへんに気がついて、「この作品はこういうもの」と考える。いわばよくできた同人誌なのだと思えれば、このソ連版は確かに面白いです。
特に「緋色の研究」で、二人の出会いからワトソンさんがホームズ専任の伝記作家になると決心する流れを映像で見られたことは、実に素晴らしいと思いましたvv
殺害現場で歩幅を測ったり、馬車の車輪跡を観察したりという部分が省略されていたのは残念でしたけれど、物語自体はおおむね原作の流れに沿っていましたし。
不満点はひとつですね。なんで犯人の死因を動脈瘤から脳卒中に変えちゃったんでしょう??
動脈瘤を患っている=いつ死ぬかわからない=それ故にあんな無茶な復讐をやり遂げられた、という大きな要素がなくなっています。第二部においては、その点だけが気にかかりました。

あと、ハドソンさんが意外に有能です。
ホームズさん式推理法を何気なく身につけていて、訪れるお客さんを「退役軍人みたいですよ」とか言って案内し、あとからワトソンさんに理由を訊かれて、スラスラと答えちゃう。やるな、ハドソンさん(笑)
No.5781 (映像)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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