よしなしことを、日々徒然に……
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 2014年03月01日の読書
2014年03月01日(Sat) 
本日の初読図書:
「トリップ・トラック(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n0915bl/

十年以上も務めてきた工務店が倒産して、泉堂史郎(31)は呆然としていた。退職金も出ない状態で代わりにと譲られたのは、型落ちの2トントラック『イスズのエ○フ』。車両後部が観音開きの貨物室になっている、パネルバンだ。おまけとして積みっぱなしの中身も持って行けとの事だったが、建築資材や工具の類など、工務店を首になってしまっては使い道もない。
だが嘆いたところで、どうしようもなかった。しばらくは実家の世話になろうとアパートを引き払い、数少ない家財道具もトラックに積み込んで、史郎は海沿いの道を走りだした。ところがそこで、道に飛び出してきた女の子を避け、トラックごと崖下へダイブしてしまう。
……そうして気が付くと、彼はトラックに乗ったまま見知らぬ草原にいた。そして現れたのは、乗用車ほどもある巨大な三つ目の恐竜と、それと戦う女剣士と女魔法使い。
逃げる恐竜はまっすぐにトラックへと突っ込んでき……そして見事に激突した。
ああああああああ! 俺の退職金がっ!! とうろたえる史郎だったが、何故かトラックはびくともせず、逆に恐竜は脳震盪を起こしたのか動かなくなった。その隙に恐竜へ止めを刺した女剣士と女魔法使い ―― イングリットとジルコニアから話を聞いて、史郎は自分がセツカという異世界にトリップしてしまったことを知る。
いま彼がいるあたりは空間が不安定で、魔法の転送による事故が多発する場所らしい。なので彼女達は史郎がどこか遠い別の大陸から、事故で飛ばされてきたのだろうとあっさり納得した。馬のついていない自走馬車 ―― 2トントラックについても、そういった魔道具は高価ながら一部の貴族などが使用しているそうで、珍しがりながらも普通に受け入れてくれる。
二人を根拠地の街ニナロウへと送りがてら、史郎はいろいろとこの世界について教えてもらった。そして、どうやらこのトラックの移動速度と乗り心地はかなり良いらしいので、運送業でも始めればなんとかやっていけるのではないかと目算を立ててみる。
ところがその道中、野営中にアンデッドに襲われたことで、意外な事実が判明した。なんと2トントラック『イスズのエ○フ』には『妖精(エルフ)のイスズ』が宿っていたのだ。
トラックが世界を渡った際にたまたま位相が重なり、さらにたまたま真名が一致したため存在が安定し、実体を持たないはずの妖精が一体化してしまったのだという。光の妖精の力を宿したトラックは、史郎を主と呼び、ヘッドライトの光だけでアンデッドをあっさりと消滅させてしまった。さらに内燃機関のピストン内で極小の炎系魔法を発生させることで、軽油を必要とせずとも動くことができるようになっていた。イスズ本人は、吸気口から空気と共に取り入れられる魔力(マナ)さえあれば、充分に存在していられるという。
え、それってなんてエコ?
驚くべきことは他にもあった。なんでもこの世界には『ルミニウム真銀』と呼ばれる希少金属が存在していて、その強度はオリハルコン以上。さらには魔力を蓄積する性質まで備えている超魔法金属なのだが、しかしその金属、地球ではごくありふれた存在で……

引き続き「偽クノイチ〜」から始まる一連の作品群のひとつ。完結済です。
これでこの作者さんの書かれている話はコンプリートしましたvv どうやら「窓の記憶〜」以外は、ファリーアスシリーズと銘打たれていないものでも、どこかしらに繋がりがあるようでした。
……とはいえ今回のお話に出てくる異世界は、紫乃さん達が行ったファリーアスとはまた違うようで、魔法の名前とか貨幣価値、ギルドの設定が微妙に異なっています。ではどこで話がリンクしているのかというと、地球側でして。
詳しくはネタバレになるので避けますが、地球に残された史郎の両親の側でも外伝扱いでエピソードがあり、そちらの方でちょこちょことですね。
まあ、それはさておき。
んー……今回は割と判りやすい、物資チートの成り上がりでハーレムエンドでしたかね。
主役の職業が『自走馬車使い(トラックドライバー)』で、魔物の倒し方が2tトラックを運転しながら片っ端から殲滅(ひきころ)すってあたり、なんとも独創的で面白いvv
なにしろトラックは車体がほぼ総アルミ製、すなわち1gで白金貨5枚=50万円もする超魔法金属ルミニウム真銀の塊なので、時速数十キロの体当たりでどんなモンスターもイチコロなのですよ。そして運転している史郎はもちろん同乗者にまで経験値が入るので、レベル上がり放題。故に史郎自身はほとんど戦闘経験を積まないまま、トラックの運転だけでレベルが英雄ランクにまで上がっていきます。
でもって。
力も金も地位も領地も得て、内政パートもあるんですが……領地が繁栄する下地となった『毎年約束された豊作』が、よくある腐葉土とか輪作導入ではなく、エルフによる祝福頼りだというのがちょっと気になりました。遠方との商取引も、1台しかないトラック(内部空間50倍に拡張済)の輸送力頼りだし。
……これってイスズの主である史郎が生きてる間は良いけれど、代替わりしたらとたんに衰退する流れと違うか? 仮にイスズが子孫に代々受け継がれるとしても、それはそれで跡目争いとか権力闘争の原因になりそうだとか、そんなことを思ってしまったり。一応貴族として一領を預かったのなら、未来のことも考えなきゃだと思うんだよ?
そして敵対相手のやってることが相当エグいので、史郎パートのへろーんとした雰囲気に油断していると、ちょっとショックを受けるかもしれません。まあ、一部だけでもナインちゃんとして救われてくれたのは良かったですが。

とかなんとか言いつつも、一気読みするぐらいおもしろかったんですけどね!
元建設会社勤務かつ元建具屋勤務の兄を持つ身としては、アルミサッシで武器防具を作ったり、防寒用の裏地にアルミ蒸着した作業着で剣の斬撃を防いだりとかするのがたまらんです(笑)
作業帽子の裏側にアルミホイル仕込んで兜の代わりとか、それどんな子どもの日やvv
No.5644 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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