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……えーと、予想以上に早く、一週間で修理から帰ってきたスマホですが。 まったく症状に変化がありませんでした(乾笑)<昨夜電波OFFにした途端一気にバッテリーが30%減り、今夕18%の状態から一瞬でシャットダウンした
うんつまり、ハードの問題じゃなくて私の使い方が悪かったんだね。たぶんアプリの相性なんだね。 それならそれで良いよ。こっちでなんとか努力するさ。 でもさ、ならメーカーからの「異状を再現確認した」「ICが破損してた」っつー、あの一文はなんだったんだ? こんなに早く帰ってきて、ほんとにメーカーで確認するだけの時間があったのか? とうっすら疑ってはいたんですが、あれは要するに「なんか修理の依頼があったけど、保証期間内でどのみちかかる料金変わらないし、とりあえず基板まるごと交換しとけば何でも直るだろ」っつー、形式だけの文言だったのか??
……そして帰ってきたスマホを販売店で初期設定してもらっただけで、いつもは月百円もかかってないパケット料が、その日のみで5000円以上発生してるんだが<私の契約は6000円弱までは歩合制 つまり、正味5000円かかった修理が無駄だったと。ああ、そうですか。そうですか。
はあ……さて、どのアプリから検証していくかな……怪しいのはタスクキル系だよなあ……
あとは、ちょっといろいろあって、裏山で穴掘り仕事をする羽目になりました。 次兄は父が余計なことをしたとお冠だし、雨上がりの泥は滑るわ重いわで、運動不足の身にはきつかったです。 まったく……今どきティッシュペーパーですら「溶けないので水に流さないで下さい」って書いてあるのに、混ぜ物だらけの洋紙が、そう簡単に土に還るわけないだろうに(ぶつぶつ)
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No.5326
(日常)
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2013年12月01日の読書
2013年12月01日(Sun)
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本日の初読図書: 「肖像の秘密(近代デジタルライブラリー)」高等探偵協會 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/904893
今回のホームズ翻案は、訳者が「高等探偵協會」となっていて個人名が判りません。著作権はちゃんと切れているらしいのですが。 で、原作は「六つのナポレオン」をベースにしているものの、最初の方には「緋色の研究」の二人の出会いや、「四つの署名」にある懐中時計からワトソン役の兄のことを推理するシーンなどが織り交ぜられています。
ホームズさんは「京都大學出の理學士」で「探偵博士」の緒方緒太郎(をがた をたろう)さん。 ワトソンさんは「日獨戦争帰りの元軍醫」で和田義雄(わだ よしを)さん。 今回はちゃんとそれなりに対等な立場にあり、年齢差もさほどない相棒関係……なのかな?<ちょっと自信がない でもって例の住まいについては、「牛込の神樂坂通りを一寸左に外れた處」にあり、「老つた寡婦さんの持物で一人の孫娘と一人の下婢と都合三人暮し」の二階の「六疊二間」。 ……舞台が日本なのは翻案の醍醐味だからむしろ望む所なんですけど、六畳二間に二人暮らしって、むしろ狭くね? そして大家さんは年寄りなの? ってか孫娘ってナニ?? と、なんだか突っ込みどころがありすぎる(苦笑)
物語はちゃんと和田さんの視点。大正三年の青島(ちんたお)の戦いに徴兵されたことを語るところから始まっています。大正三年ということは、西暦1914年。1880年代あたりがメインの原作よりは、三十年ぐらい遅い計算でしょうか。 「青島攻圍軍に參加」し「即墨(そくぼく)附近の小競合(こぜりあい)で敵の流彈を肩に受け」「それから引起した熱を激しく病んだ」ため、東京へ送還されて駿河台の宿から病院通いをしております。 傷が治ったあとも、故郷には親戚係累もなく「手當金」とやらがだいぶ手元に残っているので、しばらく東京でぶらぶらしようという心づもりだそうで。なんだか原作よりも少々優雅というか、体調や経済的困窮の度合いが少ない印象です。下宿を探すのも、宿屋に毎日ゴロゴロしているのがたまらないから、定まった住処を決めたいという理由からになってますし。 そして緒方さんが同居人を募集している理由もやはり、「二間あつて一人ではやゝ廣過ぎる」とのこと。これ確か、九皐散史さんの「壁上の血書」でもそんな感じでしたよね。なんで「家賃が高いから」という理由じゃいかんのだろう?? そしてスタンフォード改め須藤さんによる緒方さんの人物評はというと、「決して毒の無い、一緒に生活して居ても、君に不愉快を與へるやうな人物ぢや無いと云ふ事は、僕が堅く保證する。」と、「壁上の血書」における「キ印」扱いとは雲泥の差。 っていうか、須藤さんが無責任に適当な事を言っているのか、緒方さんの外面が良かったのか、これは一体どっちなんだろう(笑) ……そもそも、なんで保険会社の社員と理学士が友人だったのかも謎が残る…… まあ少なくともこの緒方さんは、死体を杖で叩いたりはしていないようですが。 また和田さんが和田さんで、「僕も無聊に苦しんで居るのだから、なるだけ變つた人物と同宿することが望ましい。」とか言っちゃって……戦争帰りで傷ついたあげく、静かに療養したがっていたワトソンさんはどこへ消えた(苦笑) しかも実際に緒方さんと顔を合わせた時には、「私はひどく健康を害してゐますから、噪々しいのが何よりも禁物です」とかゆってるし、緒方さんの推理でも「此人の衰弱は一朝の治療では回復が覺束ない」とか見立てられているあたり、ここでいきなり原作通りなのが、なあんか最初の方の文章との違和感を…… さらに和田さんは初対面でいきなり、緒方さんの血液検出薬の実験を褒めちぎっています。「すごいけど、それがなんの役に立つの?」的スタンスだった原作のそっけなさとは、これまた大違い。 あと引っ越し関係といえば、緒方さんが引越し荷物を「荷車に積んで」運び込んだことが、なんだか異様に受けました(笑) へ、変装とかではなしに、素で荷車を引くホームズさん……っっ(悶絶)
ちなみに二人の服装は、洋装なようです。「背廣服」という言葉が出てきているので。 ……背広着て荷車引いて、六畳二間に住んでる二人か……胸が熱くなるなvv
でもって。 本題である事件に入るのは、21章あるうちのようやく8章目に入ってからです。 そう、「六つのナポレオン」です。 ……これが、近代デジタルライブラリーで表紙をご覧になっていただけたらすぐに判ると思うのですが。なんと壊されるのが『乃木大將』の半身像になってるんですよ(爆笑) ナポレオンが乃木大将!! 当時の世相をたくみに取り込んだ、その翻訳センスに脱帽ですvv
……しかし複数の物語(「緋色〜」と「四つの〜」と「〜ナポレオン」)を一つにまとめた結果、この「乃木大將(六つのナポレオン)」事件が、初めて二人がコンビを組んで捜査にあたるエピソードになってしまっているのですよね。それなのにも関わらず、レストレード警部改め水守探偵が、やけに気安くべらべらと和田さんにまで捜査情報を喋りつつ、意見まで求めているのがなんだか「良いのかそれで」という感覚を覚えたりとか。 そもそも原作初期のレストレードは、かなり態度が悪かったのに…… そんな和田さんはまだ緒方さんの仕事がよく判っていないので、ひたすら後をついてまわっては、感心しているだけなのも残念といえば残念。まあ、最初の事件なのだから、仕方のないことではあるんですがね。 でもせめてラストに「君の活躍を出版しよう!」という、あのワトソンさんの存在意義とも言える、アクティブな意思表示はして欲しかったなあ……
あと物語の最後に、今後出版予定の続編の予告が長々と綴られています。しかしこれらは国会図書館にもなかったり、あるいは原作がホームズさんではないといった点で、私にはほとんど読めそうにありません。けっこう面白そうではあるんですけどね。特に「緋色の研究」が原作らしい『不思議の膏薬』が、近代デジタルライブラリーに収蔵されていないのがとっても残念です。
そして恒例、改変された設定の数々は、まず人物のたぐいが
かつてのワトソンの助手でバーツの病院勤務のスタンフォード → 幼馴染で今は東京で保險會社に務めてゐる須藤(すどう) レストレード警部 → 身丈の低い頭髮の赤い黒瞳がちな男で、東京でも有名な警視廳の名探偵 水守練吉(みづもり れんきち) 殺されたピエトロ・ベヌッチ → 三浦仙吉(みうら せんきち) ケンジントンロードで絵や彫刻を売っているモース・ハドソン → 上野廣小路に繪草紙や石膏像などを賣つてゐる松田淺吉(まつだ あさきち) 同じくケンジントンロードとロウワ・ブリクストン・ロードに住まいと診療所を持つ開業医のバーニコット博士 → 上野山下に本院を、菊屋橋の傍に分院を持つ外科醫の上原操(うえはら みさを) セントラルプレス通信社のホレス・ハーカー氏 → 實業新聞社員の本多半兵衞(ほんだ はんべゑ)氏 ベッポー → 平藏
といった感じ。 完全に日本向けにアレンジされていますね。 地名や店の名前なども、
ハイ・ストリート駅から二軒隣のハーディング兄弟商会 → 日本橋通三丁目の波多野兄弟(はたのけいてい)商會 ステップニーのチャーチ街のゲルダー商会 → 浅草馬道二丁目の三角(みかど)商會 カムデン・ハウス通り → 宗十郎町 イタリア人 → 大阪者 ダクレホテルのコロンナ王子の寝室から盗まれた、ボルジア家の有名な黒真珠 → 帝國ホテルに滞在していたアウレル氏夫人の寝室から紛失した、米國の富豪アウレル家代々の重寶、稀代の黒眞珠
ってな具合です。 他にも「偏執狂( monomania )」が「一事狂(モノメニア)」と表現されていたり、「(護身用に持った)火掻き棒」が「木刀」に、「(ナポレオンの胸像を置いていた)マントルピース」が「(乃木大將の像を飾った)床の間」にと、いかにも日本家屋が舞台っぽいです。 あと「ドンカスターでスタンドが倒れた」という事件が「明治大學の二階が落ちた」となっているのは、実際にそういう出来事が当時あったんでしょうか??
ともあれ、複数の原作をひとつにまとめ、さらに戦争や乃木大將など当時の世相を違和感なく絡み合わせたその手腕は素晴らしいです。これぞ翻案の妙vv この作品は二人の関係も割と原作に近くて、今後の発展が楽しみな感じでした。 このシリーズはまだ『外交の危機』と『斑の蛇』が、デジタルライブラリーに収蔵されているんですよね。そちらもそのうち読もっと♪
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No.5327
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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