2013年09月09日の読書
2013年09月09日(Mon)
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本日の初読図書: どこにでもいる、平凡なサラリーマンだった青年 落合圭介。彼はたまたま偶然、美術館に入った泥棒と夜道で出くわしたことから、大きくその運命を変えられた。 世界的な大富豪である桐島一族。彼らはプロの窃盗集団としての裏の顔を持っていた。その一人娘である麻里の盗みを目撃した圭介は、現当主である彼女の祖母 真智子によって命を奪われそうになったところを、当の麻里の機転によって救われたのだ。 圭介が生き延びる道はただひとつ、麻里のフィアンセとして、ともにゴッホの絵を盗み出すこと ―― しかしその出会いとプロジェクトは、圭介だけではなく、桐島家そのもののありかたすらも変えていったのである。 それから、三年。 圭介はいまや世界一のシェアを誇るコンピューター会社、IBCの最高経営責任者であり、また著名なフランスのファッションブランド チャネルの筆頭株主 ―― 事実上のボスでもあった。 表の顔は、資産家桐島家の跡取り娘のフィアンセであり、世界中の独身男性の中で、もっとも金を持っているカリスマ青年実業家。 そして裏の顔は、あくまでも合法的手段の枠を踏み出すことなく、しかし大金と優秀なスタッフと卓越した頭脳を駆使することで、目的とするものを手に入れる、知的なゲームを楽しむ男。 そう、欲するのは金でも貴重な美術品でもない。 あくまでもエレガントに、かけた費用は全て回収し、自分達の名前は表に出すことなく目的を達成する。そのためには一見するとまわりくどい手段も取ることもあるが、それこそが楽しいのではないか。 そう、盗みという名のゲームがもたらす、緊張感と興奮を楽しむ。それこそ桐島家の本質であり、立ち戻るべき原点だろうと、圭介は思い出させたのである。 いまはニューヨークに屋敷を構えている圭介と麻里の元へと、IBCの先代CEOであり現在は名誉会長であるジェニファー・クロフォードが訪ねてきた。彼女は年齢の差をこえた圭介の良き友人であるのだが、今回はちょっとした頼みを持ってきていた。 彼女の古い知り合いの息子がメトロポリタン美術館の館長を務めていて、いささかトラブルに巻き込まれているのだという。そしてとりあえず解決への時間を稼ぐために、本人へも知られぬよう、ひっそりと力を貸してやって欲しいと言うのだ。 こころよく引き受けた圭介と麻里は、ひとまず三百万ドルほど寄付をするべく、メトロポリタン美術館へ赴いた。 ところが館内を案内されている最中に、突如警報が鳴り響く。 なんとフェルメールの絵画が盗まれたというのだ。 メトロポリタン美術館は、美術品が所定の場所から動かされると、出入口をすべて閉鎖し客もろとも犯人と美術品を閉じこめる警備体制になっている。圭介と麻里も当然いっしょに足止めされることとなった。 しかし泥棒一家桐島家に連なる者としては、目の前でみすみす絵画を盗まれるなど、プライドが許さない。 かくして圭介達は、屋敷にいるスタッフ達タイガー・チームの面々と無線で連絡を取りながら、独力で犯人と絵画捜索を始めた。だが、じょじょに裏に隠された複雑な事情が明らかになってきて ――
待ちに待ってました! 「召しませMoney!」の3巻目です。 これを読みたいがためだけに、 Kindle アプリをスマホに入れました(笑)
麻里の祖母 真智子に命を狙われながら、必死でゴッホの絵を手に入れようとするうちに、何故かどんどん話が世界規模で大きくなりつつ、平凡なサラリーマンが青年実業家へと華麗な変身を遂げた1巻目。 アメリカのホワイトハウスに飾られたモネの絵に一目惚れし、その元持ち主にコレクションを見せてもらいに行ったら、大統領を石油メジャーとの癒着から救うことを依頼され、すったもんだのあげくに環境法案まで作っちゃいつつ、たくさんの絵画を手に入れられた2巻目。 そして、今回の3巻目vv
話の中では2巻から1年未満、1巻からでも3年しか経っていませんが、現実に執筆されたのはだいぶ間が空いているので、通しで読むとさすがに技術革新の波がちらりほらり(苦笑) もともと『最先端のコンピューター会社の技術を結集』して、夢のような技術で活動していたのが、1〜2巻は『あれ、今なら普通の会社でもなんとかできるんじゃね?』ぐらいになってます。そもそもスマートフォンが登場するの自体、この巻が初めてだし。
とまあ、そんなギャップはありますが。いやあ、相変わらず圭介は圭介だし、麻里は麻里でした♪ そして今回はなんと言っても、真智子お祖母さまと重三郎さんでしょう! 1巻のラストで「監視を続けなさい」と言い、2巻のラストでは「これからも見守りなさい」「監視ではないので?」「そんなことを、いちいち確認しなくてよろしい」とツンデレな歩み寄りを見せてくれたお祖母さまが、ついに!!
そしてラスト20%を費やして収録された中編後日談には、回想シーンによる若かりし真智子さんと亡き重三郎お祖父さまによる、45年前のエピソードまでもが入っています。 2巻でもちょっと出てきましたけど、重三郎さん本当に魅力的な人です。そしてこのエピソードを読むことで、いかに真智子お祖母さまが旦那亡きあと大事な孫を育てるため、心を鬼にしてきたのかが感じられて、実にしみじみとなってしまいます( T _ T )
あとはすっかり主役達の祖父代わりになっているコンラッドさん(モネの元持ち主)とその執事が、なにこの爺さん’s 可愛いvv とか、タイガー・チームが、各班のチーフだけでなくその下につく副官レベルまで細々と活躍していたりと、なかなか話に広がりが出てきています。
ただちょっと肩透かしだったのは、最初に組織的な大規模窃盗団が登場したので、「おお、今度はロシア・マフィアとやり合うのか!?」と思ったら、そっちの方はほとんど触れられなかったことでしょうか。本編のほとんどを主役達が美術館の中で過ごしているので、どちらかというと今回は嵐の山荘的な部分がありました。まあ、外とはバリバリに情報をやりとりしてるんですが。 作中時間も、1巻の半年以上、2巻の1週間ちょいに比べると、わずか24時間ですしね。ちょっと話の規模が小さいとは感じられました。
とは言え、ダ・ヴィンチの馬のブロンズ像とか、大富豪になった圭介がそれでも牛丼にこだわるとか、以前に無料で公開されていた読み切りを知っていると、思わずニヤリとできるエピソードも盛りだくさん。
残念ながら、以前に途中まで書かれていた、【ヘレネの涙】ではありませんでしたが、作者さんにもヘレネ〜を含めた続きを書かれる意志はあるようですし、今回のお話もなんというか中休み的な印象もあったので、続きをワクワクしながら待ちたいと思います。 っていうか、続きでロシア・マフィアとやらかしてくれるのかな……?
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No.5106
(読書)
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Kindle @スマホで読書しながら、昼食にパンを食べていたのですよ。 でもって、画面を見ながら水を飲もうとしたら、うっかり咳き込みそうになりまして。 「いかん! このまま吹き出したらスマホがずぶ濡れになる!!」 と反射的にこらえた結果、スマホは無事でしたが、いろんな意味で大惨事になりました(汗) は、鼻から水とパンの欠片が……
とりあえずスマホと、あと横に置いていたシグ3が無事だったので、後悔はしてません(超笑顔)
あと、青空文庫で吉川英治の「三国志」が公開され始めましたね。 ……まだ北方版も読み切っていないので、とても手は出せませんが。 でもいつかは読んでおきたいので、とりあえず保存保存。 MHE Novel Viewer だと、第三・第四水準およびユニコードの漢字が表示できるので、こういうややこしい漢字がいっぱい出てきそうな作品でも、安心して読めるのが心底ありがたいです。
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No.5107
(日常)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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