よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年08月12日の読書
2013年08月12日(Mon) 
本日の初読図書:
「居酒屋ぼったくり(小説家になろう)」〜掛け違えたボタンの外し方 下
 http://ncode.syosetu.com/s9226a/

下町商店街に暖簾を掛ける居酒屋、その名も「ぼったくり」。
恐ろしげな店名とは裏腹に、その店には多くの常連客がついていた。五年前、事故でそろって逝ってしまった先代夫婦の後を継いで、そろそろ三十の声を聞こうという娘の美音(みね)と、五歳下の妹 馨の姉妹が店を切りまわしている。腕の良かった両親が亡くなったあとも常連の足は遠のかず、昔ながらの父の味を守りながら、どんどん献立に今風のものを加えていく美音に、いつの間にか若い常連も着々と増えていっていた。
気むずかしい職人気質だった父とは異なり、カウンターの中で料理をしながら、美音は客とも気軽に会話をする。昔からの常連客には娘のように、新しい若い客には姉か友人のように。
小さな店なのだから、そんなにお客が入らなくても良い。適当に席が埋まって、残りがいつも二、三席。そんなふうに、来てくれた人がくつろげる空気が望ましい。採算さえ取れれば、妹と二人、何とか生きていける程度に儲かればそれで良いのだ、と。
そんな「ぼったくり」に集まる客達は、もうみながすっかり顔見知りで。たとえ一見さんが来たとしても、すぐに気安く声をかけ、親しく盃を交わし、時には愚痴を聞いてやったりもする。そうして誰もが、美味い料理と酒に舌鼓を打って、笑顔で店を出てゆくのだ。
ある雨の晩のこと。最後の客が帰りそろそろ暖簾をしまおうとした「ぼったくり」に、いっぷう変わった客が訪れた。高そうなスーツをずぶ濡れにしたその男は、こんな下町には全く似合わない、見るからにセレブといった「できる男」の雰囲気を漂わせていた。
しかし冷え切ったその状態で帰らせるのは、あまりにも不憫。仏心が湧いた美音は閉店を少し遅らせて、男の身体が温まるようささやかな酒と肴、雑炊をふるまった。
おそらくは通りすがりにたまたまやってきただけの、一見さん。こんな下町の店になど、二度と足を運ぶことはないだろう。そう思っていた美音だったが……

ほぼ三日掛けてようやく読了!
アットホームな下町人情+ほんのり恋愛も絡んだ日常物語、かな? 本編完結済、番外は今でも随時更新中な模様。
最初うっかり短編数本だと思って読み始めたのに、三ページ目を開いてみたら目次がずらーりと並んでいました(汗)
結局トータルで 1.5MB 近く。文庫にして五冊分ぐらいありましたよ。でも面白かったですvv
天然気味な人の良いヒロインと、限定一名に対してのみヘタレな切れ者エリートサラリーマンの、じれじれ恋愛を挟んだ下町人情もの。途中、エリートサラリーマンの家族側から「水商売の女なぞ……」的妨害が入りますが、それもあっさりというかなんというか、割としたたかに乗りこえて、後半ではむしろ恋人の家族(主に祖母・母・兄嫁)とがっつりスクラムを組んで、恋人をいじり倒していたりします。このヒロイン侮れねえvv
最初は「料理以外については世間知らずな鈍いヒロイン」だと思わせておいて、なんとまあ強いこと。でもそんな彼女も、ここぞと言うときは彼氏の腕の中で泣くんですが。
そして彼氏も彼女の前では肩の力を抜いて、素の自分をさらけ出せる、そんな関係。
甘々ラブラブ馬鹿ッポー好きにはたまりませんなvv

まあ、すべてが目出度し目出度しで回りすぎるとかいった、御都合主義的な部分はありますが、そんなことはどうでも良いのさ。読んでいてほっこりした気持ちになれるのが一番です。
……いろいろと途中、あまりにまっとうな正論を語られすぎて、グサグサ突き刺さってくる部分もあったりするんですが……ははは(^ー^;;)

そして残念無念なのが、出遅れたせいで同世界観と思しき別シリーズが、商業出版の事情で既にWEBから下ろされてしまっていたこと。
くそう、クロスオーバーしてるらしい途中の女子会のネタが判らねえ! うぁああああ、タイトルだけは聞いたことがあったのに、なんで私はもっと早くあれとかこれを保存しておかなかったんだ〜〜〜《o(TT)o》
おのれ出版め、紙書籍の定価が高すぎるわ! おまけに古本の方もなかなか値が下がらねえわ! コンチクショウ〜〜(涙)<やつあたり

ともあれ。
さすが居酒屋が舞台なだけあって、料理やお酒に関する描写のこだわりがまたすごいのです。お腹が空いているときに読んだら、きっと大変なことになるでしょう(苦笑)
主人公達を囲む町の人々や常連さん達も、とても魅力的で。みなさんほとんどが下の名前、しかも居酒屋での知り合いだから漢字が判らずにひらがなとかニックネームでの登場なのに、読んでいくうちにだんだん個性が判ってくるんです。
そしてみんな「ぼったくり」とそこの姉妹が大好き。
もうね、「檜のカウンター」の回なんて、読んでいてニヤケ顔が止まらなくて参りましたよ。いや、つい笑みがこぼれてしまうのは、ほとんど全編ずっとなんですけど!
基本的に上中下の三話ずつでまとまっているので、時間があるときに少しずつでも読んでいけるんじゃないかと。
飲兵衛で食べるの大好きな人には、特にオススメです。
No.5032 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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