よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年07月21日の読書
2013年07月21日(Sun) 
本日の初読図書:
4062754754ST警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル (講談社文庫)
今野 敏
講談社 2006-08-12

by G-Tools
インフルエンザで大学病院にかかっていた男性が、容態を急変させて死亡した。遺族は医療ミスを訴えたが、民事裁判では問題なかったとの判決が下りる。しかし遺族はあきらめず、刑事告訴に踏み切った。
STの法医学担当 赤城は、民事裁判でのカンファレンスを受け持っていた。彼は病院側の対応に問題を感じていたのだが、他の医師達や弁護団によってその意見は否定され、裁判は病院側の勝利で終わっていた。だが刑事告訴がなされたことで警察が捜査を行うこととなり、今度は専門知識を持つSTの一員として、再び赤城が事件に関わることになったのだった。
担当となった所轄署の刑事達は、民事で負けた事案など起訴まで持っていけるはずがない、余計な仕事が増えただけだとやる気がない。しかも年下のキャリア警部補ということで、百合根に対しても当たりはきつかった。
しかし赤城は、医者にかかりながらも死亡した患者がいることに、強いこだわりを見せる。「たかがインフルエンザ」などと、病気の種類によって患者を軽視する大病院の体質。それらが引き起こす医療ミスを少しでも減らすためにも、こういった捜査は必要なのだ、と ――
やがて捜査を進めてゆくうちに、問題の大学病院が、かつて赤城が研修を受けた場所だと判明する。
上位者には逆らえない、極端な縦社会である医療の現場。複雑な人間関係の中に隠された、赤城の過去と、医療の現実がじょじょに明かされてゆく……

読む順番間違えて正解だったかもしれない、元対人恐怖症で自分だけ一匹狼だと思っている、周囲からの人望が篤いリーダー気質な赤城左門さんのお話。
むしろ色シリーズはこの巻で〆たほうが良かったんじゃないか? とまで思いました。
それぐらいに、黄の〜に輪をかけてメンバーの過去に踏み込んだ内容。
赤城さんが何故に臨床医を諦め、法医学の道を選んだのか。その辛く苦しかっただろう経緯は、読んでいてこっちまで苦しくなってきました。うん、辛い時って周囲の何気ない悪意のない言葉が、ぐさぐさと突き刺さってくるよね……ふふふ……(遠い目)
そして私は医者が苦手なので、大病院の『病気だけ見て患者を診ない』を強調したこの話は、本当に辛かったです。特に冒頭の被害者が診療を受けてる部分は、いろいろと身につまされすぎて( T _ T )
散々待たせたあげく「夏バテでしょ。しばらく様子見て」と、問診のみで血圧ひとつはからぬまま、薬もなしに放り出されたりとか。
「お腹が『気持ち悪い』なんて症状はありません! 痛いのかそうじゃないのかはっきりして!!」とか言ったあげく、脱水症状起こしてベッドで唸ってる私をほったらかしにして、付き添いの母と三十分以上世間話を繰り広げ、私には点滴も処方箋もなしに帰らせた某医者とか……ろくな思い出がないよ……(恨)

おかげで今後ますます、医者に行くのに腰が引けそうです。

……って、私の医者についての印象はどうでもいいんですが。

このお話の犯人は、本当に病院のありようを憂えて、絶望して、そうして医者として人として越えてはいけない一線を間違えてしまったという、切ない物語ではありました。
しかしこの事件ほど、殺されてしまった被害者が救われないお話もあるまいて……遺された奥さんが、いろんな意味で気の毒すぎます。

でもまあ、終わりは割と爽やかでちょっと救われました。特に赤城さんの台詞が素晴らしいです。
……あと毎度言ってますが「キャップが、あれこれ俺たちのことを詮索する人間だったら、STはもたないだろう」ってな百合根キャップを認める台詞があると、嬉しくなってしまう私でしたvv
No.4967 (読書)


 なつばて?
2013年07月21日(Sun) 
昨日今日と、なんかしんどくて、丸二日かなりグダグダしておりました。

以下は拍手お返事です。
No.4968 (日常)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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