更新情報(2012年12月21日)
2012年12月21日(Fri)
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閲覧室の「その他書架」に、黒岩涙香の著作権切れテキスト「白髪鬼」一〇七話目をUPしました。 これにて1冊364ページ終了です。 あとは来週、全話まとめた青空文庫「風」のhtmlファイルを作成して、一連の作業を終わろうと思います。 現在ではなかなか紙書籍を入手することができず、図書館でもあまり手に取ることができないこの作品。 読みたいと思いながら、見つけることができずにいるかたのお一人にでも、お役に立てるなら、これ以上の幸いはありません。
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No.4414
(更新)
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2012年12月21日の読書
2012年12月21日(Fri)
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本日の初読図書: ファウル家は、数百年にわたって続く伝説的な犯罪一家だった。ゆすり、密輸に強盗といった悪事で財を成し、現在では合法的な経済活動を行うまでになっている。もちろん露見しないと判っていれば、今でもすぐさま犯罪に手を染める、そんな家風だ。 そんなファウル家が家運を傾けたのは、当主アルテミス・ファウル1世が事業に失敗し、沈没する船と共に行方不明になったからだった。ファウル家はそれでもまだ充分に裕福だったが、それでも伝説の犯罪一家という立場からは転落した。1世の妻は精神を病み、暗く閉ざした一室に閉じ籠もっては奇矯な振る舞いを繰り返す。 そこで息子である若干十二歳の少年アルテミス・ファウル2世は、失われた地位を取り戻し、家運を挽回するべく自分独自のやり方で活動を始めた。 手始めに計画したのは、営利誘拐だ。狙う相手は妖精である。 妖精は人間と同じように貴金属が好きで、たんまりと黄金を隠し持っている。それを奪い取ろうというのだ。 まずは人間社会の下町で落ちぶれている、はぐれ妖精スプライトを探し出し、酒を餌に彼らのバイブル『妖精の書』を入手。その翻訳に成功したアルテミスは、妖精の習性を割り出し、彼らが現れるだろう場所へと待ち伏せをかけた。 一方 ―― 妖精達は、様々な魔法と科学技術を駆使して、地球中心近くの地下世界で生活していた。小エルフのホリー・ショートは、そんな地下世界にある地底警察の一員である。その中でもエリートたる偵察隊で、初の女性隊員として試験採用されたのだ。厳しい上司のもと、周囲に舐められながら懸命に働いていた彼女だったが、忙しさに紛れ魔法力の回復を怠り、あわや大失敗をおかしそうになる。なんとか仕事は達成したものの、上司には怒鳴られ、すぐさま魔力回復の儀式を行えと送り出された。 満月の夜、アイルランドの曲がった川のたもとにある、カシの古木の下。 儀式に必要なその場所では、アルテミスとその部下が、虎視眈々と妖精の訪れを待ち構えていた。 アルテミスはまんまとホリーを捕らえ、彼女を取り戻そうとする地底警察に要求を叩きつける。 ここに天才的な少年犯罪者と、ハイテクを操る妖精達との戦いが幕を開けた ――
ハリポタブームに乗って出版されたという、異世界クロスオーバーな児童文学のひとつ。 映画化の話も出てるそうですが、聞いたことあったっけ……? 主役がダークヒーローというあたりが意表をついています。なにしろいきなり、世界を股にかけた営利誘拐を企んでますからね。 十二歳の頭脳担当、カリスマ的魅力を持つ少年犯罪者&特殊訓練を受けたマッチョな従者兼用心棒兼調理人というのは、非常においしいとりあわせです。……っていうか、バトラーの妹いらん(苦笑) 妹よ、お前は本当にこの兄と同じ訓練学校出てるのか。そもそもあんたはいったい『誰』とペアを組んでるの。
話の構成としては、誘拐したアルテミス側と、誘拐された妖精側の視点が半々ぐらいになっていて、当初予想していた以上に妖精側へ感情移入できます。 レプラコン改め地底警察偵察隊の面々、特に司令官のルートが格好いいったら! 最初は頭の固い女性蔑視で嫌味なオヤジと見せかけて、実は部下思いかつ臨機応変を効かせられる敏腕上司だなんて、イカスじゃないですかvv 妖精達が、魔法よりも科学っぽいものを駆使しているのもおもしろいです。 うん、予想の斜め上を行ってくれて、これはこれで楽しめました。エピローグを読んでみるだに、この妖精達とはこの先も関わっていくのかな? 『今後はもうちょっとまともな合法的な事業』をするというのも興味が湧きます。個人的に良い子ちゃんよりも違法よりも、違法と合法の境目を綱渡りしつつ、ギリギリ合法のラインを保つタイプが好きなので。
ちょっと難をあげるなら……児童文学にそこまで求めるのはどうかと思いつつ、いまひとつ掘り下げが甘いというか。頭脳を駆使した裏の読み合いを繰り広げているわりに、いまひとつその前提というか、『言葉の抑止力』がどこまで働くのかとかがよく判りませんでした。そもそも一晩を乗り切られたのはあれだけど、次の晩に再度妖精達が襲来するのは駄目なの?? とか。 それにバトラーが助かったのって、あくまで偶然とホリーの職業意識に基づいた、アルテミス側にとっては想定外の事態よね、とか……
あと本筋には関係ないんですが、原子力とか捕鯨船とかアルテミスの母の扱いとか、微妙なところで微妙にモニョった……子供向け児童文学で日本の捕鯨船の扱いがアレってのが、欧米での認識を現してるのかなあと(−ー;) 別に油だけじゃないよ? 肉も皮もおいしくいただいてるし、骨だって髭だってしっかり有効利用してるんだ。……って言うと、むこうはまた『鯨を食べるだなんて野蛮な!』とか非難するんだろうなあ(ため息)
そうそう、全部のページに装飾のように妖精文字(推定)が書かれていると思ったら、これちゃんと解読できるらしいです。面倒だからやらないけど(笑) ……検索したら、誰かがどこかで対応表UPしててくれないかな?
追記: 『エルフ』の『女性』の『斥候』って、もしかしてガールスカウト!? ということに、読了してあちこちの感想を検索していて初めて気がつきました。 しまった……ッ、もう一回そのイメージで読み返さないと!
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No.4415
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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