2012年10月21日の読書
2012年10月21日(Sun)
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本日の初読図書: 名探偵金田一耕助のコミックアンソロジー、第二弾。 長尾文子さんのマンガ版に味を占めて、うっかりポチってしまいました。ページ数と値段を考慮した結果、今回はコンビニの廉価版ペーパーバックです。 総ページ数は広告を含めて 416 ページ。 ……六作中三作が前回購入した本と被ってましたけど、まあそれでも300円以下でかなり厚めの単行本1冊分未読作品が読めたので、良しとしましょう。 収録作は以下の通りでした。
長尾 文子 犬神家の一族 200P 影丸 穣也 霧の別荘の惨劇 40P 児嶋 都 蝙蝠と蛞蝓 30P 秋乃 茉莉 傘の中の女 44P 宗 美智子 夢の中の女 52P 高森 夜魚 人面瘡 43P
高森さんの「人面瘡」は、少女マンガとレディスコミックの中間っぽい絵柄で、金田一さんがちと美形すぎましたが、ストーリー的には悪くなかったです。児島さんの「蝙蝠〜」もかなり独特の絵柄と表現でした(ちょっと梅図かずおっぽいかな?)。でもまあ、原作もこんなんっちゃあこんなんだったような(苦笑) ともあれ、どちらも内容的な改変はほとんどなく、実に楽しく読めました。 で、もって。 本命の長尾「犬神家〜」ですが、こちらも期待に違わずというところだったでしょうか。 唯一気になったのは、佐智のダイヤのボタンエピソードが省かれていたぐらい。いやなくてもちゃんと成立する部分ではあるんですが、その存在によって佐智が一回帰宅していたと金田一さんが気付くという、重要なポイントでもあるのになあ、と。それから猿蔵=静馬?という仮説を立てて、周りから引かれるシーンも、金田一さんの思考回路がかいま見えるので削って欲しくなかった部分ではありますか。 ……とはいえ、そんな細かいところぐらいしかいちゃもんをつけられないぐらい、この作品も良い出来でした。 特に松子さんの最期。あの落ち着いた態度ですべてをぬかりなく手配した上で、あくまで毅然と死を選ぶ、あれこそが松子さんなんですよ! 間違っても竹子さん梅子さんに「許してぇぇえ」と土下座したり、父親の幽霊を幻視して錯乱してはいけません<あのドラマとかこのドラマとか 「犬神家〜」最大の見せ場、湖に逆立ちしてる例の死体の意味を、ちゃんと解説されたのも嬉しかったですね。作品によっては、斧で頭をぶち割ったのち、特に理由もなく湖に放り込んだら、たまたまああなったというような、映像的インパクトだけ重視したメディアミックスも存在しますから…… そして珠世さんが銀時計に指紋を取るとか、金田一さんの尻っぱしょりスキー姿、佐兵衛と大弐さんの関係とか、細かいところが押さえられているのも、原作ファンとしては嬉しいところ。 「八つ墓村」より以前にマンガ化された作品らしく、コミカルな表現手法(主に金田一さんの崩れ顔)が多めだったのが、好みの別れるところかもしれません。 ともあれ、今回も良い作品群でございました(合掌)
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No.4253
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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