2012年08月15日の読書
2012年08月15日(Wed)
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本日の初読図書: 一話:苦労知らずのお嬢さまあがりだった、貴子ママのパート奮闘記 二話:中学生により万引きが繰り返される、地元書店での捕り物 三話:ノリの見合いに動揺する早苗の葛藤と、親子間のぎくしゃく 四話:嫌がらせにゴミをまき散らす中学生と、平然と不法投棄を行う最近の老人 五話:すたれていた地元の祭りを復興させようとする、シゲの息子のがんばりと過去の追憶 六話:不審火を見回る新たな自警団「偽三匹」の登場と、彼らの引き起こすトラブル 番外編:ある少女の小学生時代、言葉にできなかった初恋の思い出(「植物図鑑」とのクロスオーバー)
私の初・有川作品「三匹のおっさん」の続編です。 思えばあの作品を読んで、図書館にあるこの作者さんの本はかたっぱしから読もうと決めたんでしたっけ。それぐらい楽しく読めた前巻でした。 さて、今回の三匹は……ちょっと影が薄かった、かも? 後書きにいわく、前回でじーばー世代と孫世代をクローズアップしたので、今回は親世代に焦点を当てたとのこと。 ↑のように書き出してみると、三匹もちゃんと活躍してるはずなんですけど、どちらかと言うとそちらよりも貴子さん視点とか康生(シゲの息子)視点とかが印象に残りました。あと芳江(キヨの妻)が初恋の人だったという、偽三匹の一人目線もなかなか興味深く(笑) 今回は前作のような「勧善懲悪、気分壮快、すっきりさっぱり事件解決」というよりも、どこか人間の深層をのぞきこむような心理描写的部分が多かったように思います。 っていうか、パート先で仕事がうまくできず、孤立していく貴子さんの姿が読んでいて辛すぎる( T _ T ) 自営業の父親を「格好悪い」と思っていた、そしていまはそれを悔やんでいる康生の心理も、けっこう共感できたりとかして<うちは卸売業者 キヨの家の家族仲が、すっかり良くなっているのが、嬉しいような物足りないような。祐希ってば、すっかりちょっと口が悪いだけで、氣働きの効く良い子になっちゃってるんだもんなあ。 いや、全体的には相変わらず非常におもしろかったですよ? 祐希と早苗ちゃんも(意外と)堅実に交際を続けつつ、一冊を通じてゆっくりと受験生の日々を送っていたりと微笑ましく。
番外編は、前巻で転校していった早苗ちゃんのクラスメートが、小学生だった頃のお話。しかも初恋のお相手は「植物図鑑」に登場のイツキこと日下部少年。 細かい、細かすぎるよ……最後の最後にかろうじて「ん? 潤子ちゃんってもしかしてあの子??」とうっすら察した程度で、日下部少年にいたっては後書き読むまで誰のことかまったく判りませんでした。ああ、有川さんがまた植物語ってるよ。好きなんだなあと思ってたぐらいで _| ̄|○ ともあれ、潤子ちゃんが前向きに歩き出したと確定したのは良かったです。
前向きといえば、キヨもラストで新たな一歩を踏み出したようで。 「いつか興味を持ってくれた誰かがいた時、いつでも応じられるように」と閉ざしていた門戸を開く、還暦過ぎのおっさん。有川さんの書かれる年輩の方々は、本当にかっこいいと思いますvv
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No.4019
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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