よしなしことを、日々徒然に……
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 SHERLOCK 三話目 大いなるゲーム
2012年07月22日(Sun) 
SHERLOCKのシーズン1最終話「大いなるゲーム」を見ました。
一年ぶりの鑑賞でしたが、やはりラストの衝撃は変わりません。
そして邪魔な広告テロップがないと、物語に集中できるし本当に必要なテロップがちゃんと読めて良いなと、心の底からしみじみ噛みしめてみたり。

最終話は、「ブルース・パーティントン設計書」をベースに、再び原作エッセンスがいっぱいの作りです。
最初に警告しますが、かなり記事が長いのでご注意下さい。
なにしろ一度見終わってから、この感想をまとめるために、シグ3の横でもう一時間半再生し続けていたぐらいですから(^ー^;;)

さて、まずはジョンが一作目の事件を世間に公開しております。
シャーロックがそれを読んで酷評しまくるやりとりは、原作ファンにとってお約束vv 小説として発行するのではなく、ブログ公開というあたりがいかにも現代版らしいですね。そしてそんなところを一話目(カウンセリングシーン)から伏線張っていたのかと、脚本の素晴らしさにうならせられます。
さらに「僕専属のブロガーだろ?」の台詞にうふふvv となってしまう腐った脳味噌の持ち主がここに。

シャーロックが「地動説を知らない」、「無駄な知識はすぐに忘れる努力をする」ネタもしっかり突っ込んでありますね。原作では「収納スペースの限られている、整理されていない屋根裏部屋」にたとえられていた脳味噌の使い方は、現代版ではHDDに。さすがはハイテク機器を駆使する現代っ子です。

そしてそして、事件がなくて退屈だと室内で銃を乱射し、壁に弾痕を刻む行為も、ファンなら見過ごせないポイントでしょう。V.R.(ヴィクトリア女王のイニシャル)ではなくスマイルマークなのが現代(以下略)

息抜きだと出ていったワトソンが、泊まったのはサラのところ。前回であんな目にあったのに、ちゃんと付き合い続けているのね、すごいぞサラ。ワトソンが出ていったあと、ソファで丸まるシャーロックが可愛いvv すねてるのかシャーロック。だから翌日、朝帰りしたジョンを兄と二人でいじり倒してるのか(笑)

ブルース〜に関しては、書類がフラッシュメモリになっている他は、ほぼ原作を踏襲していたと思います。まあ人間関係とかの詳しいところまでは、原作覚えてないんですけどね。ただトリックと話の流れに関しては、おおむね忠実だったと思います。そこにドラマオリジナルの連続人質爆弾事件とモリアーティ暗躍 → 直接対決まで絡めて、一時間半ぎっしりと無駄なく詰まっています。

シャーロック宛の手紙があるからと訪れた警察にて、レストレードと女性警官(サリー)に「本当に地動説を知らないのか?」といじられまくる「変人」が(笑) モリアーティといい、ジョンのブログは読者が多そうです。
……しかしここで天文学の知識が小学生以下だとさんざん笑われながら、事件の終盤では、プラネタリウムで格闘しつつ背後で流れているアナウンスを耳にする → 無意識に超新星の知識をインプット → 贋作絵画の証拠を看破! という流れが彼の優秀さを表現していてお見事。サラの家でジョンの見てたTVが、フェルメールの新作発見ニュースだったりと、本当に無駄がなく練り込まれた脚本だと思います。
そして封筒がボヘミア産で筆跡が女性のものだと鑑定したり、オレンジの種を五粒送りつける秘密結社のうんちくとか、ここにもファンサービスがしっかりと♪

病院で手がかりの靴を調べている最中、自分のポケットに入ってる携帯をジョンに出させるシャーロックに萌え。どちらかというと人に触られるの嫌いそうなタイプなのに、ジョンに対してはむしろ「かまってかまって」状態なんだもん。ジョンが帰ってきたのに気がついてから、壁を銃で撃ち始めるところとかもさあ。そして嫌そうにしながらも、ちゃんと銃を取り上げたり、携帯を出してやるジョン。そんなだからカップル呼ばわりされるんだよ、お前らvv
先にジョンに証拠を調べさせ、その的外れ推理を一度褒めてから落としつつ、得々とうんちくを語るシャーロックもお約束★

しかしここで登場し、いきなりゲイ呼ばわりされた通りすがりキャラが、まさか……とは思いもしませんでした。 それにしても検死官のモリーは、シャーロックにモーションかけたりと、なんであんなに男の趣味が悪いんだろう。爬虫類系が好みなの??

ホームレスのネットワークは、もちろんベーカーストリート・イレギュラーズからでしょう。さすがに現代に浮浪児集団は無理ですからね。あとOPにも使われている血液検査のシーンは、原作第一話「緋色の研究」でやっている、血液の検出実験を彷彿とさせられます。
検死が甘かったり、電子機器とかが最新式の割に警察側でDNA検査とか細かい科学調査技術が行われないあたりは、微妙に原作テイストを残すための苦肉の策でしょうか。
プラネタリウムでホームズがボクシングスタイルをとった時は、思わずおおっと身を乗り出しましたが、あえなく一発KO。弱い、弱すぎるよシャーロック(苦笑)<原作のホームズは拳闘の達人

すぐに助けられたはずのお婆さんを、捜査を引き延ばしたことで結果的に死なせてしまったこと、爆発に多くの人が巻き込まれた点について、シャーロックはどう思っていたのでしょう。 実際、目の見えない老人を、何時間も極限状態に放置するのはどうかと思うんだ……トラウマが残ったり心臓麻痺とか起こしたらどうするんだ。
爆発で電話が切れてからの凍りついたような無表情と、ニュースを最後まで見ずに切ってしまうあたりに、彼が受けただろう衝撃の強さ深さを感じるのは、個人的な欲目でしょうか。一見傍若無人なようでいて、心の底の根っこの部分では、原作のホームズも現代版のシャーロックもとても優しく人間的だと思うのですが。
次の子供を助けた時、「頼む、早く保護してやれ」と言わずもがなの指示を警察に出していたり、モリアーティとの対決で「人が死んでる」と口にしているあたりに、彼の隠された悔恨がかいま見えているのではないか、と。モリアーティにも「僕には心がない」「いやある」と評価されているし。
……ある意味ジョンの方が、人の命がどうのと口には出すけれど、ひと通り嘆き悲しんだ後は、さっぱり忘れてしまうタイプなんじゃないかなあ、なんて思ってしまいます。

水死体からいきなり「フェルメールの絵は贋作だ!」と思考をすっ飛ばせ、理解しない警察に「見るだけで観察しないからだ!」と切れるシャーロック。しかしジョンに「判った判った、落ち着けよ。シャーロック、説明してくれ」と言われただけで素直に話し出す、そのツンデレぶりがたまらないvv
きっとこんなふうに素直に推理を聞いて賞賛してくれる人に、彼は今まで飢えてたんだろうなあ。推理結果を話すと、怒られたり気味悪がられるばかりだったから。

自室でTVのバラエティ(?)に文句を付けるシャーロックと、その横でPCをポチポチ一本指入力しているジョン。お前らいちいち可愛いんだよ。同じ部屋でそれぞれ別のことをしつつ、前触れなく会話を交わすとか萌えるってのvv しかしジョンの一本指と比べて、シャーロックのタイプ速度はすごすぎる。いくら英語は漢字変換の必要がないからってさあ……

そしてあらゆる意味で最大物議を醸した、かのクライマックス。
プールサイドでジョンが現れたときは、私もご多分に漏れず「まさかジョンがモリアーティ一味!?」と、一瞬とはいえしっかり脚本家に踊らされました。
っていうか、誘拐され過ぎだろう、ジョン。一話目のマイクロフト込みで、毎回誰かに拉致されてるぞ。
しかしそこはさすがに、心の底で刺激(戦場)を求めてやまない「病みワトソン」。それまでのすすり泣き怯えていた人質とは異なり、爆弾を巻かれて銃で狙われながらも、至極冷静で落ち着いているところに惚れ直します。台詞が棒読みじゃないし。モリアーティの隙をついてすかさず羽交い締めにかかるところなど、さすが元軍人。
……その割にペット呼ばわりされているあたり……確かにジョンの中の人は、何故か小動物的雰囲気があるように感じられますが。周囲に比べて背が低いせいでしょうか……それでも170センチぐらいはあるそうなのに……

そして一度立ち去ったと見せかけて、戻ってくるモリアーティ。
いったん助かったと思い緊張を解いてしまった二人(&視聴者)は、びっくり仰天でしたね。ちなみにここでシャーロックが、しどろもどろで照れまくってる風情は非常に愛らしかったです。下敷きは「三人のガリデブ」でしょうか。
あとジョン、いくらシャーロックを和ませてやりたかったからって、そこで飛ばすジョークが何故にゲイネタ(笑) もうこのシリーズは本当にゲイネタまみれで、BBCは視聴者になにを求めているのやら……

モリアーティの目的は、やはり最初からシャーロックの確実な抹殺だったんじゃないでしょうか。一度立ち去ってみせたのは、あくまで意図的な演出だとでも考えなければ、あれだけ手間暇かけて彼を誘き出した理由がなくなってしまいますもの。肝心のメモリはプールに捨てちゃったし、あれだけ人の命を容赦なく使い捨てる男が、忠告するためだけにあそこまでの事件は起こさないだろうし。
しかしここでワンシーズンが終わり!? と、去年の放送時には叫んじゃいましたよ。なにかの間違いかと、何度も録画を巻き戻したぐらいで。初めて「クリフハンガー」という用語の意味を知ったのが、去年のこの放送によってでした。

ああ、この続きはどうなってるんだろう??
爆弾・プールとそろった段階では、はぎ取った爆弾は水の中に捨てるんだとばかり思っていたのに、無造作にプールサイドへ放り出したと思ったら、銃で狙うなんて……いったいどんな展開になるの? マイクロフト達が駆けつけてくる? それともモリアーティが言葉通りの気まぐれを発揮し、実は爆弾がフェイクで撃っても何も起こらない。モリアーティは再び笑いながら退場、とか?
リアルタイムではTVがふさがっているので、今晩は見られません。うっかりネタバレを見ちゃわないように気をつけなければ……


あとは、あちこちの感想を見ていて、特にツボにはまったサイトさんをメモメモ。
シーズン2を見終わったら、またチェックしに行こうvv

■21世紀探偵
 http://sherlock221b.blog.fc2.com/

このドラマのためだけに立ち上げられたブログ。
ドラマ感想もキャラ考察も原作との比較も、とにかく、あらゆる情報が詰まっています。

■解除反応
 http://abreaction.blog26.fc2.com/

こちらはシャーロックの人物分析がおもしろいです。
台詞(場面)の引用もたくさんあって、見た直後だとなお楽しめるかと。
No.3916 (映像)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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