よしなしことを、日々徒然に……
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 今日はTVの日
2013年01月06日(Sun) 
録画したまま溜まっていた、相棒の元旦二時間半SPを視聴。
なかなかおもしろかったです。これ同じストーリーを前シーズンでやっていたら、もっとやりきれない暗い後味になっていたんじゃないかと思うんですが、今回は割とライトな仕上がりでした。
カイト君の身軽な言動もさることながら、やっぱり右京さんのスタンスがだいぶ変わってきているように思いますねえ。私はこれぐらいの方が、気軽に見れて嬉しいです。
3月に公開されるという、イタミん主役の劇場版も、なかなか面白そうで。
こっちにはラムネさんと神戸くんも登場するみたいですね。まだ公開されてもいない映画に言うのも何ですが、はやくTVで放送して欲しいものですvv

あと、シーズン1の放送が始まったので、改めて見始めた、藤田まことの剣客商売。今日は三話目「まゆ墨の金ちゃん」を再生。うむ、こちらもおもしろい。今まで小兵衛さんがちっちゃくないと言うだけの理由で敬遠していたのが、じつにもったいなかったです。ふふふふふ、時代劇専門チャンネルで次々といろんなシーズンを放送しているので、全部録画して自家製DVDボックスを作成するのだvv
No.4451 (映像)


 うっかり一日仕事
2012年12月24日(Mon) 
映画『ホビット』を見てみたい。
……けれど気力体力が追いつかない。
特に映像化を見る前に、まずは原作を読み返したいけれど、納戸の奥に埋もれていて掘り出せない。積読も大量に溜まってる。
次善の策で、うっかり前作ロード・オブ・ザ・リングの第一部『旅の仲間』のDVDを再生してみたのが、昨夜遅くだったんですが。
気がついてみたら、『二つの塔』『王の帰還』まで、全部見ちゃってました。しかもSEEで(乾笑)
ちなみにSEEとはスペシャル・エクステンデッド・エディションの略でして、映画公開時に削られたシーンを入れ足して、再編集された特別バージョンです。

B000069L4Kロード・オブ・ザ・リング ― スペシャル・エクステンデッド・エディション [DVD]
J.R.Rトールキン
ポニーキャニオン 2002-12-04

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……ただでさえくそ長かったあの映画が、三〜四時間超とかになってます。それが×三本。もう笑うしかねえってのvv
さすがに夕べは1枚(1時間半ぐらい)で止めて寝ましたが、今日は朝から再生し続け。途中何度か休憩入れたり、風呂や夕食で時間はとりましたが……合計で軽く10時間超? 見ちゃいましたよ、やりきったぜ(超笑顔)
途中で通りかかった両親も思わず合流して、そのまま最後は三人一緒に見終わりました。さすがは指輪の魔力。抗えない。

おかげでここ数日下がり気味だったテンションは、かなり回復しました。
HPは削られた気がしますが、気分は盛り上がった。
エオルの子らよーー! 王の名のもとにーーー!

思い返してみれば、リアルタイムで映画公開されていた頃は、ほんと盛り上がってましたよね。チャットなんて、先行公開の日と本公開の日とSEE発売時に、それぞれ時間合わせて集合してましたもんねえ。それで十人以上集まって、一晩中キーボード叩いてましたっけ。ああ、懐かしい。
……今もホビット見に行ったら、企画チャットとかできるかなあ。そのためには原作を読み返して、集中力も高めて、体調整えつつ水分も控え(笑)て、満を持して望まねばならぬのですが<そこまでしたいのか

でも指輪〜の頃ほどテレビCMを見かけないですけど、出来とかどうなんでしょうね。なんかネットで見た情報によると、原作では登場しなかったレゴラスとか出るらしいし。まあ、指輪〜ではかーなーりー人気担当キャラだったしなあ(苦笑)

あと、以前録画して積んであるレッドクリフ見たさに、まずは原作の三国志を読もうとしているのですが。
まずはネットで評判の良かった、岩波少年少女文庫版全3巻を読もうとして、あっさり挫折 _| ̄|○
高校時代に吉川版全8巻をやっぱり半分でくじけたので、子供向けのシンプルなのを選んだんですが。今度は逆にあんまりシンプルすぎて。エピ削りは少ないらしいかわりに、文章の方が削られすぎ。ひとつの戦いが三行ぐらいで終わることが繰り返され、そのたびにこっちと同盟、むこうと敵対、あちらに逃げたら次はこちらに任官し、と。文章が実に機械的かつ事務的で、なんだかあらすじを読んでいる気分。どうにか上巻の100ページほどは読んでみたんですが、事前知識のほとんどない人間としては、まったくキャラクターが覚えられませんでした。

……もはやマンガかゲームに頼るしかないのか……
No.4419 (映像)


 ホビット 公開間近
2012年12月10日(Mon) 
テレビで初めて「ホビット」の予告編を見ました。
「ロード・オブ・ザ・リング」こと「指輪物語」の前日譚「ホビットの冒険」を原作とした、ビルボ=バギンズの物語。
ああそろそろか、とネットでチェックしてみたら、もう今週公開じゃないですか!!
予告編も何バージョンかあって、見ているだけであの「ロード・オブ・ザ・リング」三部作を見ていた頃の興奮が甦ってきます<かつて「ロード〜」のDVDを見るためにデッキを購入した人間
しかし今回も三部作なんですね。ビルボ役が現代版SHERLOCKでジョンを演っていた人だと聞いて、ますますた・ぎ・る!
ああ、見に行きたい……見に行きたいけど、気力体力時の運(違)及び経済状況その他がそれを阻む……(悔)
せめて年末年始あたりに、指輪三部作のDVD(もちろんSEE版)でも見返そうかしら。原作『ホビットの冒険』も読み返したいし。
ああ、スラパパ(スランドゥイル=レゴラスの父)がどんな扱いになっているのか、楽しみでなりません。今は休止されてしまった某イラストサイトさんで描かれたスラパパがすっごい格好良くて、原作ではあんまり活躍していないのに、すっかりファンになっちゃったんですよね(懐)
レンタルが始まったら、兄にでも借りてきてもらおうかなあ。DVD発売されたら購入もやぶさかではありませんが、どうせならこっちもSEE版(もちろん出るよね?)を買いたいしなあ。
……などと、遅まきながらソワソワしている私なのでした(笑)
No.4389 (映像)


 ルパン三世TVスペシャル
2012年11月02日(Fri) 
ルパン三世TVスペシャル「東方見聞録・アナザーページ」を見ました。
ディスクに焼いたらまた積んじゃうこと確定なので、放送開始三十分ほどしてから追っかけ再生(CMを飛ばすため)。
うん、けっこうおもしろかったんじゃないかな?
ルパンは一時期どうにも好みに合わない話が続いて見ずにいたのですけれど、最近また楽しめるようになってきました。
今回はアクションも盛り込みつつ、ストーリーがちゃんとあって、随所に思わず吹き出す部分もありと、なかなかでした。流血人死にを無理苦理に隠そうとしないのも好印象。
ただ個人的に絵柄がちょっと……上手い下手とかは正直よく判らんのですが、なんか今回の作画って妙にコ●ンっぽくなかったですか?? ゲストキャラとか特にそんな感じで、ルパン一味が画面上にいなくてBGMも流れてないと、自分が何を見てるんだか混乱しそうになりました。
ルパンが最初に使ってた眼鏡とかも、明らかにE戸川少年のアイテムですし。

五エ門と次元が女性キャラと絡むのは、まあ個人的にはアリです。ちょっとギャグテイスト高めでしたが、あれぐらいなら許容範囲。五エ門がほとんど剣を使わない代わりに、次元のマグナムが光りました★
……しかしエンディング後の五エ門は、また無茶をしたもので(笑)
中華マフィアの親分さんも良い味出していたし、とっつぁんもそれなりに有能さを見せて活躍。ルパン投獄→脱獄シーンとかおもしろい場面もありました。
あと宝の剣の実物には笑ったなあ。そしてそれだけでは終わらせないところもなかなかだったかと。
うん、これはディスクに焼いて保存決定ですな。
No.4295 (映像)


 意外と面白かった×2
2012年10月11日(Thr) 
神戸くんに替わってから見始めた「相棒」は、シーズン10であまりに鬱話が続いたため、また見なくなっておりました。最初の数話と、あと最終話は見たので、とりあえず神戸くんのこだわりと去った経緯についてはなんとか知ってたんですが。
で、新シーズンはまた新たな相棒が出てくると言うので、とりあえず初回スペシャルを見てみました。
ん……思ったほど悪くない、かも?
CMとか見てた感じでは、「なんか印象薄い人だなあ」と思ってたんですが、けっこういろいろ設定がついてキャラが立ってました(笑)
前回の神戸くんは、プライベートがまったく謎の人でした。
しかし今回はのっけから恋人(推定)と香港旅行するところから始まっています。
おまけに父親は警察の偉いさんで、なんだか坊ちゃんくさい。そのくせ父親とは折り合いが悪いらしく、険悪なやりとりをかましております。 ……ちなみにここで父親が石坂浩二であることに、しばらく気付かなかった……というか、途中で「もしかしてこれ石坂浩二?」と父親に確認した私は、やっぱり人の見分けスキルが壊滅的です _| ̄|○
警官から刑事になったばかりの新人さん。しかし父親は「目障りだから辞めないか」とか言っちゃってるし。そのくせやけに金回りが良さそうなのはなんなのか。
しかも世間知らずの坊ちゃんにしては、恋人のマンションで手料理してるあたり本当によく判らない。子供の頃の教育で絶対音感を身に着けてるとか、謎の特技まで持ってるしvv
そしていきなりブチ切れて犯人(推定)を殴っては右京さんに取り押さえられ → 「もうしませんから離して下さい」と懇願 → 解放 → 再び殴りかかって以下同文とか、ちょおま、ほんとに警察官? 的な(苦笑)
電話の後ろから聞こえてきたわずかな音声で「花の里」を突き止める優秀さと、キレやすいアンバランスさが、なんだか今どきのワカモノっぽいです。
右京さんに相棒指名され、警察辞めて欲しい父親に嬉々として特命係(人材の墓場)に送り込まれたところで、「キャバクラですか。指名なんかすんな」とか言いつつイヤホン&アイマスク装備で寝ちゃうあたり、ほんとマイペースなお兄ちゃんです。
右京さんが「ずっと二人で行動してきたせいでしょうか」と、自らパートナーを求めるようになった変化とか、右京さんとは別の意味で協調性のなさそうなこのキャラの今後といい、なかなか楽しいことになりそうな気がします。

あとキャスティングのイメージが合わないからと食わず嫌いしていた、藤田まことの「剣客商売」も見てみたのですよ。
こっちも、意外と悪くなかったです。たまたま録画したのがあった「陽炎の男」と「約束金二十両」、すなわち第四シリーズの1〜2話と中途半端もいいところな話だったんですけど、三冬が大治郎を意識し始めるあたりという点ではおもしろい部分だったかもしれません。特に「陽炎の男」は、ちょうど先日原作を読み返したばかりでしたしね。
見てみた感じ脚本がかなり原作に忠実だと思います。台詞回しも良い感じ。
ただおはるが大治郎のことを「大治郎様」と呼ぶのがちょっと違和感でしたけど。
あとはやはり小兵衛さんが大きすぎることですね……せめて、せめてもうちょっと背が低かったらなあ……

現在、時代劇チャンネルで放送しているのはシーズン4〜5。いちおう録画しておいて、また1〜3をやってくれるのを待つべきか否か。
そもそも録画したっきり、見ずに積んであるものが山ほどあるからなあ……
No.4234 (映像)


 まだ最終話を見ていないんですが
2012年10月03日(Wed) 
現代版 SHERLOCK に登場するワトソンのブログ。
イギリスでは公式に作成されているという情報を仕入れてはいたのですが、英語読めないし……としょぼんとしていたら、日本語版が公開されているそうでvv

■ジョン・ワトソンのブログ
 http://ameblo.jp/johnwatsonblog/

どうやらすべては訳されていないらしいんですが、それでも嬉しいですね。
コメント欄がなかなか楽しいことになってます(笑)
No.4199 (映像)


 漂流モノが好きなんです
2012年10月01日(Mon) 
先日放送された、映画「ロビンソン・クルーソー」を見てみました。
B000CCGI0Cロビンソン・クルーソー [DVD]
ダニエル・デフォー
クロックワークス 2002-01-25

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恋人を奪われそうになったことから、決闘で友人を殺害してしまった青年ロビンソン・クルーソーは、ほとぼりを冷ますため一年の予定で遠洋航海に出る。しかし船は途中で嵐に遭い難破してしまった。ただ一人生き残ったロビンソンは、船長の飼い犬だったスキッパーとともに、無人島でサバイバル生活を始める。
しかしある日のこと、人喰い人種が生け贄を殺そうとしているのに出くわした。彼らは満月の夜になると島を訪れ、生け贄を捧げているらしい。
生け贄の男を助けたは良いが、言葉が通じず文化も異なるため、なかなか打ち解けることができない。金曜日に助けたことからフライデーと名付けた彼に、己をマスターと呼ばせるロビンソン。宗教の違いなどから幾度もぶつかりながら、じょじょに友情をはぐくんでゆく二人だったが、そんな彼らの生活を、一度は追い払った人喰い人種達が脅かし始め……

主役の人は、けっこう有名らしいピアース・ブロスナン。5代目ジェームズ・ボンドとのこと<007は見ていない
1996年制作とそこそこ最近作られた割に、原住民の描写がヒデェです(笑)
これがいけるんなら、ぜひ今の技術でコナン・ドイルの「ロスト・ワールド」を! と思ってしまいました<あれが映像化されないのは、原住民の扱いのせいだと信じてます
内容的には、なんというか『無人島サバイバル』よりも『ロビンソンとフライデーの友情』に主眼が置かれていました。
原作のフライデーは、確かほとんど少年に近く純朴な存在で、命を助けてくれたロビンソンを純真に慕い、ほぼ無条件に近い忠誠と信頼を捧げています。ロビンソンも、あったり前のように奴隷扱いして、上から目線で「文明を教えてやる」あたりが、当時の世相を反映してるんじゃないかと。 このあたりは「十五少年漂流記」の、モコの扱いにも通じますよね。
しかしこちらの映画ではロビンソンの方が折れ、自分の信仰はそのままにフライデーの独自の神を認め、手製のお守りをもらったりしつつ対等な友情を育んでいきます。

「ワタシは奴隷じゃナイ!」
「そうだ、お前は友だちだ」

という二人のやりとりが、原作で白人の傲慢さに食傷した身としてはおもしろかったです。
……人喰い人種とのバトルでは、顔に戦闘化粧を施し、聖書を抱いて祈りを捧げ、銃とナイフを振りかざして戦うロビンソンのミスマッチ感がまたvv

ただラストが……まさかフライデーが*****とは思いませんでした(−ー;)
いやうん、あの展開だとそうならざるを得なかったとは思うんですけどね。でもやっぱりショックでした。ショックと言えば、スキッパーもかなりアレっていうかさ。いやあれがきっかけでフライデーと歩みよれたから、必要な展開だったのか……?
最終的にロビンソンを救助した白人達の所行もイヤンでした。っていうか、よくこれ映画でやったなと。原作が書かれた当時は、本当にこんな感じだったんだろうな……

無人島での食料調達とか、家作ったり畑作ったり狩猟したりといった、サバイバル部分はかなりさらりと流されています。火薬が使っても使ってもなくならないとか、その道具いったいどこから出てきたとか(苦笑)<原作では板一枚削り出すのにも何日もかかっている
ラストも、あの展開でいつの間に日記を持ち出したんだ? とかつっこみどころは各所にありますが。
まあ、それなりにおもしろかったです。
今度また、原作を読み返してみようかな……?
No.4194 (映像)


 SHERLOCK2 二話目 バスカヴィルの犬(ハウンド)
2012年08月05日(Sun) 
ようやくTVが空いている時間と、私が集中している時間が一致して、見ることができました。放送は今夜でもう最終話かと思うと、感慨深いですね……
例によって、一度見ただけの記憶を頼りにしているので、かなりいい加減です。

んー……シーズン1の二話目もそうでしたが、正直微妙、だったかな?
原作ファンをニヤリとさせるテイストは盛りだくさんだったんですけど、ストーリーがいまひとつというか、描写が判りづらいというか。
以下、ちょっと辛口なので、要注意です。

とりあえず、初っぱなから銛を片手に血だらけで登場するシャーロックには度肝を抜かれました。その格好で地下鉄に乗ってきたって(笑) そして血まみれである点にはあんまり動じていないっぽい、ジョンの慣れっぷりが微笑ましいです。
事件はないのか! 今朝片付けたばかりだろう!? という会話はお約束。
タバコを探してスリッパをひっくり返すシャーロックとか、「七パーセントの……」という台詞はファンサービスでしょうvv
……ただ、いくらニコチン切れで苛ついてたからって、ここでハドソンさんに辛辣な口をきくところはマイナスポイントです。前回ではあんなにハドソンさんに対して優しかったのに、またこれ? みたいな。っていうか、さすがに今回は「人の気持ちが判らなくてストレートに言っちゃう、うっかりさん」というより、明らかな悪意が感じられたよ……それとも前回の事件は開始から終結まで一年間ぐらいかかってたみたいだから、その間に起きた事件という設定なんでしょうか。
同様のことは、中盤のジョンに対する台詞にも思いました。「僕に友達はいない」って、あんたシーズン1の二話目で「友達だ」ってジョンを紹介してるじゃん。途中で「僕に友達はいない……一人を除いて」ってフォローを入れてはありましたが、なんだか引っかかりました。
あ、気を遣って謝りまくってるふりして一服盛り、幻影に怯えるジョンをモニター越しに観察しているドSな部分は、別にかまわなかったです。うん、ホームズって元々こういう人だからvv むしろわざわざ手ずからコーヒー淹れてることに、びっくりしたぐらいでしたし。
今回は本当に、なんというかシャーロックのキャラクターにブレが感じられました。自分の見たものが信じられず、己の感覚に疑問を抱くシャーロック。ここまではまだ良い。しかし震えながら「僕は怖い」というあたりがどうも……台詞だけなら有りなんですけどね。震える手を見つめながら、むしろ珍しいもの(恐怖を感じる自分)を発見して喜んでいるというのなら納得できるんですよ。なのにそこで心配するジョンに逆切れして、追い出すのはどうなのかと……

そして結局、真相は薬による幻覚? 幼い頃に見た殺人現場を受け入れられず、心の内で作り上げた架空の魔犬??

正直に言って、私には受け入れがたい展開でした。
『バスカヴィル家の魔犬』は、本物の犬が存在したからこそのカタルシスだったと思うんですよ。霧を割って登場する、燐光を帯びて光る巨大な犬。あの光景こそが、バスカヴィル〜最大のインパクトではないでしょうか。
今回は確かに犬こそ登場したものの、それは噂に便乗した客寄せ用の単なる大型犬。しかも殺すことなく逃がしてしまってそのまま放置って、それは危険すぎるでしょう。

他にもジョンが研究所で犬の幻覚を見た理由が、明らかにされていません。シャーロックがこれだと予測していた砂糖がハズレだったということは、そこに説明できない不可解な点が残ってしまったということ。もともと戦場帰りでカウンセリングを受けていた前歴のあるジョンが、理由もなく幻覚を見るという展開にしてしまっては、彼が回復しきっていない = 探偵譚の記録係としてふさわしくないという結論につながってしまうのではないでしょうか。謎を残したまま良しとするのも、「あり得ない事実をすべて除外すれば、残されたものがどれだけ不条理だとしてもそれが真実」とするシャーロックとしては、どうも消化不良。目撃者が語る証言はすべて真実であるという、推理ものの大前提が崩されてしまっている。これでは論理を重んじるホームズ物ではなく、憑き物落としの京極系メタミステリではありませんか?

H.O.U.N.D の文字にしても、なんで過去の殺人者はそんなロゴの書かれたシャツを着ていたの? プロジェクトで作成した揃いのTシャツ??  in と liberty にしても犬の絵にしても、機密プロジェクトに関わるそんな内容を、安易にTシャツにプリントして着て歩くか?? などなど、ひっかかった点が多かったです。もちろん、私の理解力が足りてない部分もあるのでしょうが……
20年前の犯人の異様な姿が、毒ガス噴霧装置を避けるためにガスマスクをつけていたからだというのも、余所様のレビューを拝見するまで判りませんでした。むしろ正気を失った実験体の一人だと思ってましたよ。
現れた犯人に対して「お前じゃない」と言っているシャーロックの唐突さも(?_?) あれって、ジム(モリアーティ)の幻覚を見たからだったんですね……
何度も繰り返されるヘンリーさんのバッドトリップといい、今回は描写が非常に判りにくかったと思います。
あと最初の「取るに足らない事件」である「光るウサギが消えた」と科学者のステイプルトンが繋がっている点にしても、前話で使われた手法がそのまんまですよね。偶然が重なりすぎで、ステイプルトンという名前だけで両者を関連づけたのだとしたら、シャーロックの推理も短絡だと感じられてしまいます。

……ううむ、どうにも辛口になってしまいます。
原作に思い入れが深い作品だから、つい細かいところが気になってしまうのでしょうか(−ー;)

視点を変えてニヤリとした部分を上げてみると、まず悶えたのは、結果的に一服盛ったとはいえ、前夜怒らせてしまったジョンの機嫌を取るために「君は凡人だけど天才を光らせることができるんだ」的なことを言ってみたり、後を走って追っかけてみたり、手ずからコーヒー淹れたりソースを選んだりしてやる、シャーロックの一生懸命さ。なんだよもう、そんなに暴言吐いたこと後悔してたの? そしてジョンを相手だと、そうやって御機嫌取っちゃうの。やっぱりジョンが唯一無二の特別な存在なのねvv と腐った萌えが炸裂しました。だってしょうがないじゃない、腐女子なんだもん。
そして賭博好きと見抜いた相手に対し、賭をしていると装って情報を聞き出すところとかもなかなか。これは「青い紅玉」からでしたっけ。事前打ち合わせもなんもなしに、いきなり阿吽の呼吸でお芝居する二人がいい感じでしたvv
あと、今回はジョンのお役立ちぶりが半端なかったですね。さりげなーく酒場で伝票の内容をチェックしていたり、関係者から話を聞き出したり。そうか、このためにカウンセラーは女性になったのかvv 今シリーズのジョンは本当に女性関係が多いですよね。確かに「女性は君の担当だ」って台詞、原作にもどこかにありましたよね(笑)
軍施設に潜り込んだ際に、口八丁で相手を騙くらかす様など特に素敵でしたvv しかしジョンは既に退役してるんじゃないの? 見せてた身分証明書みたいなのは何だったんだろう……??
地図を片手に双眼鏡覗いて地理を確認しているシーンといい、前話でシャーロックに絞め技かけてたあたりといい、このシリーズのジョンは軍医というよりも、そのまま『軍人』という雰囲気です。小柄なのにすごくタフガイっぽっくて。そうそう、モールス信号を読み解くシーンも格好良かったです。あれは「ダートムアからランプで信号を送るセルデン」がモチーフでしょうか。しかしあの車の集団は何だったんだろう? 集団デート??
そして犯人の最後も、底なし沼に沈む → 地雷で自滅というのは現代版らしい見事な改変だと思いました。
地名やキャラクター達の名前が、原作に準拠したそれだったあたりも、原作好きとしては、台詞を聞いているだけでワクワクしましたね。人間関係があえて変えてあったのは、原作ファンに対するミスディレクション? 女性キャラが増やされていたのも、現代版ならではでしょう。
そして今回も、ごく自然にゲイカップルからお仲間認定される二人……(笑)

さて、今夜の放送はシーズン2最終話「ライヘンバッハ・ヒーロー」。
やはりまたもクリフハンガーで終わるのでしょうか。予告編によると、シャーロックが逮捕されたりとかする様子。これはレストレードと打ち合わせた上での茶番なのか、それともジム(モリアーティ)による陰謀なのか。どっちにしろジョンは事情を把握できないまま、オロオロさせられることになるんでしょう。
そして高所から飛び降りるシャーロック……ううう、気になる。気になるけれど、また見られるのは何日か先になるんだろうなあ。

あ、ジムと言えば、最後にどこかから釈放されていたのはジムなんでしょうか。顔の見分けがつきませんでした(−ー;)
壁中に SHERLOCK と書きまくっている粘着質なあたりはジムっぽいけど、あの男がそう簡単に当局に捕まるとは思えないしなあ。
それとも前回のベルグレービアの関係で、アイリーンの証言により捕まっていた? その程度の玉とは思えないんですが……まあそのあたりは、次回のお楽しみと言うことで。

追記:
余所様のブログを読んでいて知りましたが、現代版シャーロックは発達障害(?)が公式なんですね。
吹き替えでは「同じ顔ぶれの方がいいんじゃないか。彼は、その……」と言うレストレードに対し、「ああいう性格だから」と訳されていたジョンの台詞、英語では「 Asperger's 」とはっきり断言されているそうで。
だからどうしたという話ではあるんですが、個人的にかなり興味深い設定だったので追記メモしておきます。
No.3978 (映像)


 SHERLOCK2 一話目 ベルグレービアの醜聞
2012年07月23日(Mon) 
シーズン1の放送から一年。
シーズン2が英国で公開されてから半年。

日本での放送を待ちに待ちました。
SHERLOCKのシーズン2。第一話「ベルグレービアの醜聞」です。

今回はまず一度見ただけの記憶が頼りなので、不正確な部分もあるかもしれません。そこは乞うご容赦(苦笑)<TVが空かなくて見直しができない

とりあえず、まずは一言。

ブーラボーーーッッvv

さすが、お見事BBC。今回も期待をはるかに上回るおもしろさでした(スタンディングオベーション)

前シーズンからの強烈なヒキをどう片付けるのかも気がかりながら、より心配だったのは、アイリーン・アドラーの扱いです。
原作では唯一ホームズを完全に出し抜き、かの女性嫌いなホームズをして「あの女性ひと」と呼ばしめたアイリーン。
生半可な造形では、ファンからの猛反発を喰らうこと請け合いです。

予告編や静止画を見る限り、外見は悪くないと思いました。知的で行動力のある、魅力的な女性っぽく見えます。まずキャスティングは合格でしょうか。では、キャラ造形や脚本は……?

結論から言えば、個人的にはアリでした。
アブノーマルな意味での職業女王様。いわゆるS系高級娼婦という設定は、原作での知的で上品な女性、「身分さえ相応しければ、立派な王妃になれた」と表現されるアイリーンのアレンジとしては、かなり思い切ったものでしょう。最後は真実の愛に身を捧げ、写真はあくまで保険として持っていった、したたかさと純真さを兼ね備えた彼女のファンにとっては、かなり複雑かもしれません。ホームズとのロマンスを入れたのも、人によっては嫌うかも。彼女はあくまで彼女の愛を胸に抱き、ホームズに完勝して夫と共に旅立つべきだったのかもしれません。
しかしこの作品の彼女は、これはこれでものすごく格好良かった!
まったく、女性キャラがあんなに格好良くていいんでしょうか??

繰り返しますが、とても知的で行動力抜群。
あのシャーロックを相手に頭脳ゲームをしかけ、本気か冗談か判らないモーションすら送るのですが、そのやり方がとてもスマート。知的好奇心を我慢できないシャーロックの、興味をぐいぐい引き寄せていく手腕が素晴らしいですvv

裏にジム(モリアーティ)の示唆があったのはちょっと残念ですが、それでも彼女とシャーロックの丁々発止なやりとりは、もう見ていてたまりません。

さて、記憶を頼りに覚えている部分をあげてみましょう。
まず前シーズンでファンを悶えさせたクリフハンガー。こちらはまさかのモリアーティ(以下ジム)への電話着信により、あっさりと解決してしまいました。あれがアイリーンからの連絡だったのでしょうが、「死ぬ訳にはいかなくなった」って……死ぬ覚悟だったのか、ジム。やはりシャーロックと似たもの同士で、高度に知的な駆け引きを楽しむためなら、命をかけても惜しくないの?? 「(謎を解かせるために)殺す訳にはいかなくなった」なら判るんですが。
ちなみにシャーロックが爆弾に狙いをつける前、ジョンと目を合わせうなずきあっています。ここでジョンは覚悟を決めてるんですよね? 仲間のためなら命すら惜しくない。戦場の刺激を求めているジョンにとっては、ある意味望むところなんでしょうか。

その後の生活は、平和かつ順調なようです。
ジョンのブログが大反響を呼び、取るに足らない依頼が殺到。シャーロックはくだらないとザクザク切り捨てていますが、よもやその中にマイクロフトが関与する国家的陰謀工作の手がかりが含まれているとは、またも無駄のない脚本です。
ジョンのブログ記事に取り上げられている事件も、原作のそれや語られなかった事件をもじったものが使われていて、またもやニヤリとしどころ。「オタクの通訳」は「ギリシャ語通訳」、「アルミの杖の事件」もありましたよね? アルミの松葉杖だったかな?

そしてついに「レベル6以下の事件には足を運ばない」とか言い出して、ジョンにマイク・カメラ付きノートを持たせて現場へ派遣し、自分はシャワーを浴びシーツを巻き付けた状態でPC前にスタンバイするシャーロック。オレ様ぶりにますます磨きがかかっております。
そんな無精をやっていたら、いきなり兄の代理人が現れ「服を着ろ」と言われます。そこで「嫌だ」「ならそのまま連れていく」と言い合いになり、本当にシーツ姿で同行するって……なんでそんなに服着たくないのさ(笑)
いっぽう事件現場から、今度はヘリコプターで拉致られるジョン。
バッキンガム宮殿でシーツ姿のシャーロックと並んで座り、「パンツ履いてる?」「いや」って、ツッコミどころはそこなのか! 灰皿盗みたいって、あんたもずいぶん肝が据わってきたよね。我々にしてみれば、いきなり皇居につれていかれたようなものでしょ? なにどっかりくつろいでるのさ。
しかもシャーロック、しっかり灰皿盗んでるし(笑)

そう言えばこのあたりでシャーロックが推理するときに出たテロップは、あまりにも早すぎて読みとれませんでした。結局深い意味はありませんでしたけど、スロー再生でなんとか確認。

写真を取り戻してくれと依頼されて、アイリーンの住所へ向かう二人。いきなり正面から乗り込みました。 傷を作るための殴り合いに、つい本気を出してしまう(ように見えて、鼻と歯は一応避けてたらしい)ジョンが可愛いvv
原作では暴動に巻き込まれて殴り倒され気絶 → 優しいアイリーンに家へ運び込まれるという筋書きでしたが、ここではジョンと殴り合って顔に傷を作り、強盗にあったから休ませてくれと強引に入り込みましたね。もっともアイリーンには最初っからバレバレ。ブログや新聞で素顔と名前が売れまくっちゃったから……
そうそう、戦闘服だと言ってシャーロックが襟にカラーを入れていたのは、原作で聖職者に変装するときの服装にカラーがあったんでしたっけ??

そしてアイリーンの「戦闘服」が、まさかのオールヌードだったことにびっくり。
バッキンガムでマイクロフトにシーツを踏まれて半ケツになったシャーロックといい、今回は露出度高えな(笑) 予告で見た時はびっくりしたけど、シャーロックの中の人、良い身体してるぜvv
シャーロックもアイリーンも、不思議といやらしさを感じさせない、上品なヌードでございました。なんというか、無機質的? スタイルは抜群なのに、どこか良くできた美術品を見ているような印象が。
シャーロックも特に目をそらす訳でなく、かと言ってガン見するでもなく、ごく普通の物体を観察する風情。しかしその結果が「????」だったあたり、やはり彼も多少は動揺していたのでしょうか。
金庫のナンバー6桁が、アイリーンの3サイズとは。まさかシャーロックがそんなもの目で計測できるとは思わなかったので、素直に意表をつかれました。
金庫を開けた直後のアクションは、三人が三人とも素早く的確に行動していて、これまた目が釘付けです。 でもシャーロックが叫んだ「バチカンのカメオ」の意味が判らない……語られない事件にそんなタイトルがあったような気もするけど、いったいなんで??
あ、隠し金庫の場所を見つけるためにジョンが火事を工作し、とっさの目の動きで看破するという流れは原作通りでしたね。しかしその後、シャーロックをアイリーンが昏倒させたのは、ちょっといただけませんでした。倒れた彼の頬を乗馬鞭で撫でるシーンは非常にセクシーでしたが、この二人はあくまで知的にやりとりして欲しかったので……

で、その後はアイリーンからメール攻撃という名のアプローチ。
言葉を放られると(たとえ的外れであっても)オチをつけずにはいられないはずのシャーロックが、無視し続けているあたりに「特別」を指摘するマイクロフト。確かにシャーロックはかーなーり、彼女のことを意識していると思います。この時点では完全に彼女に出し抜かれているんですものね。

そして、運命のメリークリスマス。
221Bでクリスマスパーティーが開かれております。ジョンとハドソンさんは判るけれど、なんでレストレードがいるのさ(苦笑)
あとジョンの隣に座っているのは女性警官のサリーかと思っていたら、違いましたね。でもサラとは違うよね、え、誰? と思っていたら、別のガールフレンドなようで。サラとは別れちゃったんでしょうか。犬を飼っていたのは前の彼女だったと言っていたから、やはり別れて別の恋人を作ったということなんでしょう。やっぱり女たらしか、ジョン(笑)
もっとも今回の彼女にも、今夜限りでまた振られちゃったみたいですが。やはりシャーロックと付き合っている限り、ジョンに彼女はできないのか……サラはそのあたり性根が座ってそうだったから、期待していたのに(ぶつぶつ)

アイリーンの携帯がプレゼントとして届き、シャーロックは彼女の死を予測。見つかった死体をスリーサイズ(?)から「彼女だ」と断言しますけれど……この段階で、シャーロックは本気で騙されてたんでしょうか? ジョンやマイクロフトの目からは、当社比的に悲嘆に暮れているように見えたみたいですけれど(バイオリン曲が「蛍の光」なのはちょっとホロリときました)、常から爪や指の形まで認識している彼のことだから、ここはやはり騙されたふりをしていただけなんでしょうね。だからこそ実は生きていたアイリーンに、(またも)さらわれたジョンの後をつけていったんでしょう。
……気を遣っていたジョンの、無駄な空回りぶりが哀れだ……

ハドソンさんが人質にされた場面は、ドキドキしてしまいました。彼女は全ホームズ関連作品において、揺るぎない「聖域」だと思っていたのです。二人が外でどれだけ危険で犯罪すれすれの冒険を行ってきても、下宿へ戻ってくれば、そこでは彼女の温かい笑顔が待っている、と信じていたので。
そんな彼女が暴漢に引きずられていくシーンは、見ていて胸がつぶれそうでした。
しかしそんな視聴者の心配などはねのけて、しっかりアイリーンの携帯を守り抜いていたハドソンさんは素敵すぎます。畜生、このシリーズはどのキャラもどのキャラもイカしてるったらないぜ!
あとハドソンさんを救うシーンで、シャーロックが見せた怒りと気遣いに感動しました。あんなに他人に対して冷淡だったシャーロックが、今回随所で見せた「人間らしさ」に、シーズン1からの成長がありありと現れているように思えます。助かったハドソンさんの肩を抱いて笑い、またクリスマスに傷つけてしまったモリーに対しては「ごめん」と頭を下げて謝罪のキス。ハドソンさんに無礼な口をきいたマイクロフトに対し、ジョンと同時に非難の声を上げるその様子など、ジョンだけを唯一無二とするのではなく、不器用ながらも少しずつ情緒を育てつつあるようなシャーロックが、実に微笑ましく、また喜ばしいです。
……今回はその成長途中の不安定さにつけ込まれてしまった感もあって、マイクロフトに責められているシーンではちょっといたたまれなかったんですけどね。でも最後はちゃんと決めてくれた!

ちょっとこの後の事件の流れは、正直よく判らなかったのですが。
命を狙われている、携帯を返してくれと、221Bに転がり込んでくるアイリーン。命を狙われているのは、携帯の中にある暗号情報のせいだと言ってシャーロックに見せる。この時の駆け引きも楽しかったですね。偽の携帯を渡しパスワードを入れさせるシャーロックと、偽物と気付いてフェイクのパスワードを入れるアイリーン。どちらも一歩も譲ってませんvv
わずか数秒で暗号を解読 → その結果をアイリーンがどこかへメール → 情報が漏れたと頭を抱えるマイクロフト、というこのあたりの流れが判らなくって……アイリーンは誰に対して何の情報を流したのか。マイクロフトはそもそも何を工作していたのか。
ただ言えることは、シャーロックは知的パズルを解く楽しみに熱中するあまり、その結果がもたらす事態を予測することを失念し、英国政府に不利益をもたらしてしまったという訳なんですね?
そこで、女の色香に惑わされたと弟をなじるマイクロフトが辛いです。アイリーンも「私が本気であなたを好きだと思ってたの?」とか言うし。もう画面のこちらでいたたまれないったら。

しかし、ここでもBBCはやってくれた!

シャーロックが携帯のパスワードを解いて見せたときは、思わず叫んでしまいましたよ。
このところ何度も「 SHERLOCK 」と入力し、ようやくスペルを覚えた今日この頃。そして何度も表示された、パスワード入力画面「I AM ____ LOCKED 」。この二つが、まさかあんな形で結びつくとは!!
もうもう、背筋がゾクゾクいたしました。
やはり最後はシャーロックの勝利だ! と快哉を叫びましたともvv

しかもそこで終わらないところが、またこのシリーズの素晴らしいところ。
アイリーンは証人保護プログラムによってアメリカへ渡り、名前も変えて二度と会うことはないだろうと言われ、ああ原作でも旅立ったもんな……と思っていたら、まさかの実は殺されている発言。
今度は偽装ではない。自分を出し抜けるのはシャーロックぐらいだろうが、関与は認められないと締めて、あとはジョンへと託すマイクロフト。真相を話すかどうかを迷いつつ資料を見せるジョンに、シャーロックは携帯をくれと手を差し出します。ここは報酬にただ一枚の写真を望み、事件の記念として保管する原作ホームズを彷彿とさせられますね。
そしてジョンが出ていったあと、記念となる携帯をしまいながら回想するシャーロック。
アイリーンから最後に届いた「さようなら」のメール。
それは彼女が首を落とされる寸前に送った、今生の別れとなる言葉だった……と思わせておいて、メール送信した直後に彼女がイタズラで設定した「あっはぁん」の専用着信音が。顔を上げると、剣をかざしているのはシャーロック! すかさず身を翻して、周囲にいるテロリスト達へと飛びかかり ――

果たしてこのシーンは現実の回想なのか、それともシャーロックの心の中で作られた「こうであったら良かった」という想像に過ぎないのか。
私は前者であると信じています。
アイリーンがテロリストに首を落とされたと、その情報はジョンの口から伝えられてはいません。なのにそれをシャーロックが知っているのは、彼が実際にその場にいたからだと考えるのが自然です。何よりシャーロックは、「IFもしも」を想像するなんて無駄な行為に、脳味噌を無駄遣いなどしないと思うのです。 あえてその「無駄」をさせるのが、アイリーンの「特別」たる所以と言ってしまえばそれまでなんですが……

では、マイクロフトはその事を知っていたのか。
自分を出し抜けるのは弟だけだと断言。しかし弟の関与は認められないとも言っている。この言葉は、よく考えると対立してないんですよね。「工作した形跡は見られない」イコール「出し抜かれた」イコール「弟にしかできない」という回答を導き出しているのかもしれません。
あくまで可能性の問題ですけれどね。
でもマイクロフトの発言とシャーロックの回想が二つそろうと、やはりアイリーンはどこかで生き延びていると、そう思いたいです。

……そしてまたも、一人空回りな気遣いをさせられるジョンが哀れなり(苦笑)

あれ……記憶に頼って覚えてることだけ書き留めたはずなのに、昨日より記事が長いぞ……?

追記:
コメントに書こうかと思ったのですが、禁止ワードが含まれるので本文に追記。
アイリーンの生死について、おもしろい考察を見つけました。
ホームズ・アイリーン・マイクロフトの三者について、しっかり踏み込みつつも好意的な意見が非常に好みです。
私もこの説を支持したい! むしろこうであって欲しいと思うので、見失わないようにメモしておきます。
こんなに踏み込んだ考察ができる人って、すごいなあ……(しみじみ)

■名探偵は女王様の夢を観たのか(BBC「シャーロック:ベルグレービアの醜聞」ネタバレ) - wHite_caKe
 http://d.hatena.ne.jp/white_cake/20120723/1343055749
No.3921 (映像)


 SHERLOCK 三話目 大いなるゲーム
2012年07月22日(Sun) 
SHERLOCKのシーズン1最終話「大いなるゲーム」を見ました。
一年ぶりの鑑賞でしたが、やはりラストの衝撃は変わりません。
そして邪魔な広告テロップがないと、物語に集中できるし本当に必要なテロップがちゃんと読めて良いなと、心の底からしみじみ噛みしめてみたり。

最終話は、「ブルース・パーティントン設計書」をベースに、再び原作エッセンスがいっぱいの作りです。
最初に警告しますが、かなり記事が長いのでご注意下さい。
なにしろ一度見終わってから、この感想をまとめるために、シグ3の横でもう一時間半再生し続けていたぐらいですから(^ー^;;)

さて、まずはジョンが一作目の事件を世間に公開しております。
シャーロックがそれを読んで酷評しまくるやりとりは、原作ファンにとってお約束vv 小説として発行するのではなく、ブログ公開というあたりがいかにも現代版らしいですね。そしてそんなところを一話目(カウンセリングシーン)から伏線張っていたのかと、脚本の素晴らしさにうならせられます。
さらに「僕専属のブロガーだろ?」の台詞にうふふvv となってしまう腐った脳味噌の持ち主がここに。

シャーロックが「地動説を知らない」、「無駄な知識はすぐに忘れる努力をする」ネタもしっかり突っ込んでありますね。原作では「収納スペースの限られている、整理されていない屋根裏部屋」にたとえられていた脳味噌の使い方は、現代版ではHDDに。さすがはハイテク機器を駆使する現代っ子です。

そしてそして、事件がなくて退屈だと室内で銃を乱射し、壁に弾痕を刻む行為も、ファンなら見過ごせないポイントでしょう。V.R.(ヴィクトリア女王のイニシャル)ではなくスマイルマークなのが現代(以下略)

息抜きだと出ていったワトソンが、泊まったのはサラのところ。前回であんな目にあったのに、ちゃんと付き合い続けているのね、すごいぞサラ。ワトソンが出ていったあと、ソファで丸まるシャーロックが可愛いvv すねてるのかシャーロック。だから翌日、朝帰りしたジョンを兄と二人でいじり倒してるのか(笑)

ブルース〜に関しては、書類がフラッシュメモリになっている他は、ほぼ原作を踏襲していたと思います。まあ人間関係とかの詳しいところまでは、原作覚えてないんですけどね。ただトリックと話の流れに関しては、おおむね忠実だったと思います。そこにドラマオリジナルの連続人質爆弾事件とモリアーティ暗躍 → 直接対決まで絡めて、一時間半ぎっしりと無駄なく詰まっています。

シャーロック宛の手紙があるからと訪れた警察にて、レストレードと女性警官(サリー)に「本当に地動説を知らないのか?」といじられまくる「変人」が(笑) モリアーティといい、ジョンのブログは読者が多そうです。
……しかしここで天文学の知識が小学生以下だとさんざん笑われながら、事件の終盤では、プラネタリウムで格闘しつつ背後で流れているアナウンスを耳にする → 無意識に超新星の知識をインプット → 贋作絵画の証拠を看破! という流れが彼の優秀さを表現していてお見事。サラの家でジョンの見てたTVが、フェルメールの新作発見ニュースだったりと、本当に無駄がなく練り込まれた脚本だと思います。
そして封筒がボヘミア産で筆跡が女性のものだと鑑定したり、オレンジの種を五粒送りつける秘密結社のうんちくとか、ここにもファンサービスがしっかりと♪

病院で手がかりの靴を調べている最中、自分のポケットに入ってる携帯をジョンに出させるシャーロックに萌え。どちらかというと人に触られるの嫌いそうなタイプなのに、ジョンに対してはむしろ「かまってかまって」状態なんだもん。ジョンが帰ってきたのに気がついてから、壁を銃で撃ち始めるところとかもさあ。そして嫌そうにしながらも、ちゃんと銃を取り上げたり、携帯を出してやるジョン。そんなだからカップル呼ばわりされるんだよ、お前らvv
先にジョンに証拠を調べさせ、その的外れ推理を一度褒めてから落としつつ、得々とうんちくを語るシャーロックもお約束★

しかしここで登場し、いきなりゲイ呼ばわりされた通りすがりキャラが、まさか……とは思いもしませんでした。 それにしても検死官のモリーは、シャーロックにモーションかけたりと、なんであんなに男の趣味が悪いんだろう。爬虫類系が好みなの??

ホームレスのネットワークは、もちろんベーカーストリート・イレギュラーズからでしょう。さすがに現代に浮浪児集団は無理ですからね。あとOPにも使われている血液検査のシーンは、原作第一話「緋色の研究」でやっている、血液の検出実験を彷彿とさせられます。
検死が甘かったり、電子機器とかが最新式の割に警察側でDNA検査とか細かい科学調査技術が行われないあたりは、微妙に原作テイストを残すための苦肉の策でしょうか。
プラネタリウムでホームズがボクシングスタイルをとった時は、思わずおおっと身を乗り出しましたが、あえなく一発KO。弱い、弱すぎるよシャーロック(苦笑)<原作のホームズは拳闘の達人

すぐに助けられたはずのお婆さんを、捜査を引き延ばしたことで結果的に死なせてしまったこと、爆発に多くの人が巻き込まれた点について、シャーロックはどう思っていたのでしょう。 実際、目の見えない老人を、何時間も極限状態に放置するのはどうかと思うんだ……トラウマが残ったり心臓麻痺とか起こしたらどうするんだ。
爆発で電話が切れてからの凍りついたような無表情と、ニュースを最後まで見ずに切ってしまうあたりに、彼が受けただろう衝撃の強さ深さを感じるのは、個人的な欲目でしょうか。一見傍若無人なようでいて、心の底の根っこの部分では、原作のホームズも現代版のシャーロックもとても優しく人間的だと思うのですが。
次の子供を助けた時、「頼む、早く保護してやれ」と言わずもがなの指示を警察に出していたり、モリアーティとの対決で「人が死んでる」と口にしているあたりに、彼の隠された悔恨がかいま見えているのではないか、と。モリアーティにも「僕には心がない」「いやある」と評価されているし。
……ある意味ジョンの方が、人の命がどうのと口には出すけれど、ひと通り嘆き悲しんだ後は、さっぱり忘れてしまうタイプなんじゃないかなあ、なんて思ってしまいます。

水死体からいきなり「フェルメールの絵は贋作だ!」と思考をすっ飛ばせ、理解しない警察に「見るだけで観察しないからだ!」と切れるシャーロック。しかしジョンに「判った判った、落ち着けよ。シャーロック、説明してくれ」と言われただけで素直に話し出す、そのツンデレぶりがたまらないvv
きっとこんなふうに素直に推理を聞いて賞賛してくれる人に、彼は今まで飢えてたんだろうなあ。推理結果を話すと、怒られたり気味悪がられるばかりだったから。

自室でTVのバラエティ(?)に文句を付けるシャーロックと、その横でPCをポチポチ一本指入力しているジョン。お前らいちいち可愛いんだよ。同じ部屋でそれぞれ別のことをしつつ、前触れなく会話を交わすとか萌えるってのvv しかしジョンの一本指と比べて、シャーロックのタイプ速度はすごすぎる。いくら英語は漢字変換の必要がないからってさあ……

そしてあらゆる意味で最大物議を醸した、かのクライマックス。
プールサイドでジョンが現れたときは、私もご多分に漏れず「まさかジョンがモリアーティ一味!?」と、一瞬とはいえしっかり脚本家に踊らされました。
っていうか、誘拐され過ぎだろう、ジョン。一話目のマイクロフト込みで、毎回誰かに拉致されてるぞ。
しかしそこはさすがに、心の底で刺激(戦場)を求めてやまない「病みワトソン」。それまでのすすり泣き怯えていた人質とは異なり、爆弾を巻かれて銃で狙われながらも、至極冷静で落ち着いているところに惚れ直します。台詞が棒読みじゃないし。モリアーティの隙をついてすかさず羽交い締めにかかるところなど、さすが元軍人。
……その割にペット呼ばわりされているあたり……確かにジョンの中の人は、何故か小動物的雰囲気があるように感じられますが。周囲に比べて背が低いせいでしょうか……それでも170センチぐらいはあるそうなのに……

そして一度立ち去ったと見せかけて、戻ってくるモリアーティ。
いったん助かったと思い緊張を解いてしまった二人(&視聴者)は、びっくり仰天でしたね。ちなみにここでシャーロックが、しどろもどろで照れまくってる風情は非常に愛らしかったです。下敷きは「三人のガリデブ」でしょうか。
あとジョン、いくらシャーロックを和ませてやりたかったからって、そこで飛ばすジョークが何故にゲイネタ(笑) もうこのシリーズは本当にゲイネタまみれで、BBCは視聴者になにを求めているのやら……

モリアーティの目的は、やはり最初からシャーロックの確実な抹殺だったんじゃないでしょうか。一度立ち去ってみせたのは、あくまで意図的な演出だとでも考えなければ、あれだけ手間暇かけて彼を誘き出した理由がなくなってしまいますもの。肝心のメモリはプールに捨てちゃったし、あれだけ人の命を容赦なく使い捨てる男が、忠告するためだけにあそこまでの事件は起こさないだろうし。
しかしここでワンシーズンが終わり!? と、去年の放送時には叫んじゃいましたよ。なにかの間違いかと、何度も録画を巻き戻したぐらいで。初めて「クリフハンガー」という用語の意味を知ったのが、去年のこの放送によってでした。

ああ、この続きはどうなってるんだろう??
爆弾・プールとそろった段階では、はぎ取った爆弾は水の中に捨てるんだとばかり思っていたのに、無造作にプールサイドへ放り出したと思ったら、銃で狙うなんて……いったいどんな展開になるの? マイクロフト達が駆けつけてくる? それともモリアーティが言葉通りの気まぐれを発揮し、実は爆弾がフェイクで撃っても何も起こらない。モリアーティは再び笑いながら退場、とか?
リアルタイムではTVがふさがっているので、今晩は見られません。うっかりネタバレを見ちゃわないように気をつけなければ……


あとは、あちこちの感想を見ていて、特にツボにはまったサイトさんをメモメモ。
シーズン2を見終わったら、またチェックしに行こうvv

■21世紀探偵
 http://sherlock221b.blog.fc2.com/

このドラマのためだけに立ち上げられたブログ。
ドラマ感想もキャラ考察も原作との比較も、とにかく、あらゆる情報が詰まっています。

■解除反応
 http://abreaction.blog26.fc2.com/

こちらはシャーロックの人物分析がおもしろいです。
台詞(場面)の引用もたくさんあって、見た直後だとなお楽しめるかと。
No.3916 (映像)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
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スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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