2012年03月30日の読書
2012年03月30日(Fri)
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本日の初読図書: 高校二年生の乃出狗人(のでくぎと)は、一見すると普通のどこにでもいそうな少年だ。しかしそんな彼は県下の高校すべてを束ねる番長として、その名を馳せている。なぜならどんな不良やチンピラに喧嘩を売られても、最終的に立っているのは彼だったからだ。 狗人は「死なない男」だった。大人数でフクロにされようが、刺されようが撃たれようが、平気で起きあがってくる。最終的に疲労困憊し、あるいは恐怖にかられ逃げてゆくのは、常に相手の方。ゆえに平穏無事に過ごしたいと願う狗人だが、その意に反し恐るべき不良として周囲から恐れられていたのである。 ある晩のこと、狗人はコンビニ帰りに偶然殺人現場に出くわした。全身血塗れになりながらナイフをふるい犠牲者を滅多刺しにしていたのは、狗人と変わらぬ年頃の美少女。彼女は呆気にとられた狗人の心臓をも、容赦なく刺し貫いて立ち去った。 そして翌日。いつもと同じくごく普通に登校した狗人のクラスに、転校生がやってきた。清楚なお嬢様風の転校生は、桐崎恭子と名乗る。紛れもなく昨夜の殺人犯であった。驚く狗人と同様、彼女も殺したはずの狗人を見て驚愕しているようで。 昼休みに体育館裏で顔を合わせ、再度の話し合い……もといナイフの洗礼を受けた狗人は、自分が不死身であることを恭子に告げる。すると彼女は顔を輝かせた。そうして狗人の両手を握りしめて叫ぶ。 「すばらしい! 恋人になってくれ!!」 桐崎恭子は、刃物で肉を切ることに快感を覚える天才連続殺人鬼だった。なにも人を殺したい訳ではない。けれど人間は脆く、切ればすぐに死んでしまう。そんな彼女にとっていくら切っても死なない狗人は、初めて出会えた理想の男だったのだ ――
「不死身だけれど、普通の感性を持つ男子高校生」という紹介文に釣られて購入しました。久しぶりに読んだ気がするライトノベルです。 ……うーむ、なんだろう、この読後感は(悩) 以下の感想は微妙なのでたたみます。
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No.3678
(読書)
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2012年03月29日の読書
2012年03月29日(Thr)
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本日の初読図書: 松永誠一郎は長いあいだ肥後の山中で、一人鳥獣達と暮らしてきた。棄て子であったという。赤子の頃、宮本武蔵に拾われ十四歳までに刀法を叩き込まれたが、武蔵の遺言により二十五まで山を出るなと言われ、それに従って生きてきたのだった。孤独の中で己の刀を磨き上げ、ようやく自在を得たその時を待っていたように、山を下りる日が来た。 武蔵は死に際し、二十六になったら江戸吉原の庄司甚右衛門を訊ねよと言い、添書きまで遺していた。その言葉に従って長旅を続けようやく吉原にたどり着いた誠一郎だったが、彼は吉原がどういう場所かも、花魁のなんたるかも知らずにいた。 何も知らぬまま町で甚右衛門の名を出した途端、誠一郎を多数の殺気が取り囲む。そしていぶかしむ彼へ、吉原の創始者である庄司甚右衛門は、十三年も前に死んでいると告げられた。 甚右衛門の息子はこころよく彼を迎えてくれ、そのもとに滞在することとなった。やがて誠一郎の素性 ―― すなわち宮本武蔵の弟子であることが知れると、町中から浴びせられていた殺気は、打って変わった温かいものに変じた。 そして彼の前に姿を現した、謎の老人 幻斎。老人は吉原についてのあらゆることを、教えようと言う。 そうして誠一郎は知らず知らずのうちに、吉原の存亡に関わる事態へと、流されるように巻き込まれていくのであった ――
丸六日かかってようやく読了。 以下、ちょっと辛口につき記事をたたみます。
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No.3677
(読書)
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2012年03月28日の読書
2012年03月28日(Wed)
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本日の初読図書: 「五十番目の側室(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n0956q/
異世界入れ替わり召喚モノ。 三部作のとりあえず一部。 冷徹極まりなく、孤高の王と呼ばれ国民から怖れられている国王の元へ、五十番目の側室として召し上げられる少女エリザベスと、三ヶ月の期間限定で意識交換されたOLみのりの、千夜一夜的物語。
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No.3676
(読書)
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2012年03月25日の読書
2012年03月25日(Sun)
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本日の再読図書: 思い切りケンカをしたいがために、わざわざ素行の悪い高校を選んで入学したケンカ好き少女 成城隣名。 退屈をもてあまし、普通の学校から転校してきた天才少年 祖師谷大蔵。 そんな二人がタッグを組んだ。まず目指したのは、良い暇つぶしになりそうな生徒会長の座。 大蔵の作戦勝ちでまんまと当選したリンナは、退屈しのぎに華道部を潰そうとしたことで、学園を裏で支配するシンジケートの存在を知る。 これは楽しくなりそうだとさっそく調査を始めた二人だったが、その規模は予想以上に大きくて ――
再読図書です。 小学生の頃、長兄が持っていたのを読んだ記憶がうっすらとあり、このたび読み返したくなって古本をポチッとしてしまいました。 いやあ……意外と覚えているものですね(笑) そして当時は気付けなかったツッコミどころが、いま読むとあちこちと。っていうか、もはやどこもかしこも全てがツッコミどころ(苦笑) 少年向けの微笑ましいお色気とか、ス●バン刑事的バトルとか、いやはや懐かしいったら。 当時はこういうのがおもしろかったんですよねえ(しみじみ)
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No.3672
(読書)
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2012年03月23日の読書
2012年03月23日(Fri)
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本日の初読図書: 昼夜変身FT、シリーズ三作目。 キャラの見分けが難しくなってきました(苦笑) もともとこの方の描かれるお話はキャラ数が多いほうだと思いますけれど、このシリーズはまた……三冊目で既に、主要人物だけでこの表紙に描かれている人数がいるって(汗) しかもそのうち半数が、昼夜で姿が違うし(苦笑) 一番右中段の美人さんは誰かと思いましたよ。シンさんですよね? そしてさらに橘さんとか、謎の黒豹の人とか増えてゆく…… 謎といえば、黒豹の人もそうですが、大雅くんの過去とかミル・プロの陰謀とか、今後の展開が気になる所です。何故か全身傷だらけな、蓮さんの今昔とかも。 今回嬉しかったのは、黄植さんとの歩み寄りでしょうか。いやあ、初登場時から気になっていた好みキャラなので、家族入りしてくれて万々歳ですvv 鉄面皮のまま斗哉のしっぽモフモフとか可愛すぎ。 お父さんトリオもそれぞれ魅力的だし(特に楪父)、新キャラ橘くんは昼も夜も男前だしvv あと体質が変わった点では、衣咲が地味に得してますよね。ちゃっかり耳が普通の形になっているので、これからは昼でも夜でも普通に外出できるんじゃないでしょうか。芸能界ならカラコンとウィッグでーす、で誤魔化せそう。 そして前からちらほら気になっていたモブのGDキャラ、やっぱり意識して遊んでらしたそうで(笑) ちなみに2巻で衣咲が出てたPVのアーティスト、某所のブログを拝見するまであの二人だとは気付いてませんでした。むう、うかつ。 今回1巻から読み返して、改めてグレイとかアレクとか冠とか城ちゃんとか、ちょこちょこは見つけたんですけど、きっとまだまだ見落としてるんだろうなあ。 ……予告編によると、4巻では思いきり厨房のヌシがご登場な模様です(笑)
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No.3670
(読書)
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2012年03月22日の読書
2012年03月22日(Thr)
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本日の初読図書: 湯川先生のシリーズ四作目。 ずっと出ていることすら知らなかったんですけど、最近になって図書館に入荷。二ヶ月ぐらい予約待ちして、ようやく借りられました。 ……唯一ドラマを見た2時間スペシャルが、オリジナルストーリーではなくちゃんと原作付きだったことも初めて知りましたよ。五作収録されているうちの二作(「落下る」、「操縦る」)がドラマのもとでした。こうして読んでみると、かなり忠実な映像化だったんですね。……ツッコミどころだった、窓から飛び出した刃物がピンポイントで釣り糸や木の根を切ったり、湯川先生突然着衣で海に飛び込み20m潜水&証拠発見とかはドラマ独自展開でしたが(苦笑) しかし今作を読むと、「……あれ、湯川先生ってこんな人だったっけ?」と思います。これまでこの手の素人探偵モノにしては、湯川先生も草薙さんも、拍子抜けするほどアクのない普通の人だった気がするんですけど。なんか今作ではドラマのキャラクターに近い、変人度が加味されているように思えてなりません。 草薙さんが出世してしまったせいか、現場で行動を共にするのが女性刑事 薫さんになっているところも、印象がドラマに近づいている一因かもしれません。良くも悪くもエンターテイメント度が増したんじゃないでしょうか。 私の中では湯川先生=佐野史郎だったのが、今作では福山さんっぽく感じられちゃうし。 話の内容としては、やはりドラマの元となった「操縦る」が一番おもしろかったです。トリック、動機、犯人の造形、そしてラストシーン。どれも印象深いです。特に魅力的な犯人像というのは、なかなかお目にかかれなくて貴重かと。 「指標す」で湯川先生がダウジングについて示した結論も、科学者らしからず、人間として素敵なものだと思います。 「落下る」は……映像化された時から、なんというか辛かったです。いや本人は判っていて、あえて可能性を示してみせただけなんですけどね。やはり探偵が的外れな推理をするのは、どうにもいたたまれないのです。 「密室る」は、まあ可もなく不可もなく。文章だと、いまひとつホログラムがどういうものか判りにくいのが難点でしたか。 「攪乱す」は、逆恨みって怖いなあというお話。トリックよりも心理的な描写がおもしろい作品でした。こういうのを読むと日常生活を送るのが怖くなりますね。逆恨みされた湯川先生はもちろん、殺された人たちさえも、完全に災難以外の何ものでもない通り魔的無差別だし。 そして民間人に、思いきり命がけの囮捜査させてるんですが……やはりフィクションですねえ(苦笑) 巻末リストによると、ほかにもまだシリーズの作品がある模様。そちらもチェックしておかなければ……
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No.3668
(読書)
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2012年03月17日の読書
2012年03月17日(Sat)
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本日の初読図書: 「テス国物語(小説家になろう)」〜85話 http://ncode.syosetu.com/n4626l/
テス国はザイ領の一角ミーミル村で平和に暮らしていた、十二歳の少女。 しかし村は戦火に襲われ、彼女は村人ともども奴隷商人に売られてしまう。さらに不幸なことに、家を焼かれた際に全身ひどい火傷を負い、視力と声を失ってしまった彼女は、役立たずとして奴隷商からも見放され道ばたにうち捨てられた。 けれど本来ならそのままのたれ死にするはずだったところを、正体不明の少年が拾ってくれた。どうやら貴族らしいその少年は、穏やかな物腰で彼女を扱い、怪我の手当てをして柔らかなベッドに寝かせてくれる。 身元の定かでない少女を側に置くためには理由がいるから、君は僕の奴隷という事にしたいんだ、と告げて。 言葉も話せず目も見えず、文字も書けない少女は、そうしてご主人様の奴隷となった。 ご主人様の名はザイ・テス・ヒ・ロキ。後にテス国の内乱を収め繁栄に導き、三賢王の一人として称えられる少年。 そして奴隷の名はマサキ。ロキの唯一の妻であり王妃となり、銀の聖女や銀の女神と呼ばれる守護対象にして信仰の対象となる少女。 それは異常な執着を自らのモノに抱く狂王と、主人を一心に慕う奴隷の物語である。
本編は一応?完結済。番外の途中で更新停止してます。 ……試しに冒頭をチラ読みしてみたら、うっかり没頭してしまいました(遠い目) えーと、なんというか、非常にアブノーマルなお話です。R−15。それも非常にその、描写は詳しくないんですけど、内容的に汚い・残虐・猟奇・狂気的方向にあります。 基本的に主役視点のため、うっかりのどかな溺愛&成り上がり物だと思いそうになりますが、それは洗脳です。途中で我に返ってこれはヤバイと思いましたが、それでも読み続けてしまいました。洗脳って恐ろしい…… 一応、81話で本編は終わってるそうです。なんか一部に謎が残ってますが(神聖帝国の巫女が何故マサキに執着してるんだろう? もしかしてマコトちゃん??) そして42話までが第一部だそうですから、興味がおありならそこまで読んでみるのも……とか言いつつ、この作品を勧めるのは私の趣味が疑われそうな気がしたりしなかったり(汗) ともあれ、突出して特徴のあるお話であることは確かです。
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No.3665
(読書)
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2012年03月13日の読書
2012年03月13日(Tue)
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本日の初読図書: じょじょに年をとり、老いとともに気力を衰えさせてゆく二郎三郎。 いっぽうで十数年に及ぶ二郎三郎との暗闘により、結果として『いくさ人』としての帝王学を叩きこまれた形になった秀忠。 合戦の作法もわきまえず、汚くみみっちい手段で大阪城の秀頼を刺激し続けた秀忠は、ついに二郎三郎による懸命の和平交渉を無にし、決定的ないくさ『大阪夏の陣』を引き起こすことに成功する。 もはや豊臣家を救うことは不可能なのか ―― 一度は無力感にかられながらも、二郎三郎らは最後まであきらめずあがくことを決意する。そして秀忠が二度と再び合戦など起こす気にならぬほど、思い切りふてぶてしく戦い、思い切り未練たらしく、思い切りのたうち回った挙げ句に滅びてくれようと心を定めた。 関ヶ原の頃には八歳だった豊臣秀頼も、もはや二十三歳。救いの手を差し伸べようというのは、むしろ不遜であろう。十五年もの長きにわたり豊臣家の滅びを引き伸ばしてくれた二郎三郎に、島左近は深く感謝し、少しでも借りを返そうと自ら槍を取る。 甲斐の六郎もまた、風魔一族の誇りをかけて、秀忠と柳生忍軍から二郎三郎を守ると誓った。 一六一五年五月八日 大阪城陥落。 豊臣家は淀君、秀頼と共にその歴史を終えた。 そしてその瞬間より、秀忠と二郎三郎らの、最後の死闘が始まるのだった ――
読み終わってしまった…… 読了後、最初の感想がまずそれでした。あまりに面白くて読んでしまうのがもったいなく、充分な時間がとれるまでずっと温存していた最後の一冊。ついに読み終わってしまいました(ため息) いやあ……見事です。これだけの作品を書ききった作者の力量も、影武者二郎三郎の生き様も、なにもかも。 なによりもすごいのは、これだけのエンターテイメント性を持ちながら、後世に伝えられる『史実』には、一切手を加えていないところだと思います。歴史IFものではないんですよ。さりとてそのトンデモ設定は、けして普通の歴史小説とも言えない。 すべてはあくまで『これ故にこう伝えられた』とか『●●にはこう記されている』という形になっていて、作中の『公式記録』はあくまで現代に伝えられるままなんですよね。 何度も書いてますが、地の文びっちり、何ページにもわたって会話がない部分すら随所にありながら、なにこのすさまじい吸引力。これを作家生活わずか六年で没した人が書かれたとは。
読んでいてしっかり歴史の勉強になりつつ、しかし思い返してみると明らかにキャラクター小説でもあり。二郎三郎を始め、周囲を固めるキャラたちの魅力的なことといったら、こたえられません。悪役はあくまで憎たらしく、味方はどこまでも頼もしい。骨太でありながら、ふとしたところに可愛らしさを見せる好漢達には、ほんとに魅せられますvv 主役は五〜七十代、島左近も年齢不祥とかいいつつ白髪混じり。一番若い甲斐の六郎ですら終盤では四十代後半。平均年齢めっちゃ高いのになあ(苦笑) 歴史的な展開が変わらないと判っているだけに、大阪の陣から家康の没年に向かうこの下巻は、読んでいて切なくなってもくるのですが。特に二郎三郎の老いと衰えが見えてくるあたり、本当に本当に悲しいのですが。 ……ううう、幸せな時間(本を開いていた時間)をありがとう(涙)としか言えません。 最後が案外ばっさりと切られていたのが、正直物足りなくもありましたけれど、むしろそれはそれで良かったのかもしれません。 その後の歴史を調べてみると、わずか数代で秀忠の血筋は絶えて、二郎三郎の子孫(紀州徳川)が将軍家を継いでるしな!<ざまあみろ秀忠vv そして結果的には二郎三郎の望んだ三百年の平和が続いた訳だし、現代の『職業・宗教の自由』こそ、彼の築きたかった公界に他ならないわけですし。 良くやったよ、二郎三郎……
ともあれ時代小説を読む方、特に地の文黒くても大丈夫な方には、是非是非! おすすめしたい作品でした。
……そしてまた、一巻目から改めてめくり直す私がいたりとか(笑) しょっぱな関ヶ原のくだりは布陣がちょっと判りにくいですが、↓あたりをチェックしつつ読み返すと、非常に良く頭に入りますvv
■布陣図 http://www.cam.hi-ho.ne.jp/y-t-ueno/newpage112.htm
■関ヶ原布陣 - YouTube http://www.youtube.com/watch?v=97RvBs8tmrA
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No.3661
(読書)
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2012年03月08日の読書
2012年03月08日(Thr)
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本日の初読図書: 熊本は天草灘のただなか。本土からは高速船で一時間はかかる絶海にある孤島 壱里島。 これといった名産品があるわけでなく、町の財政は火の車。若い者はどんどん島を出てゆき、過疎化は進む一方。 そんな寂れつつもありふれた島に、サラリーマン宮口翔一は仕事で訪れることになった。勤めていた会社から早期退職を勧められていた彼は、辞表を出そうとした寸前、常務から特命を言い渡されたのだ。壱里島出身の栖本常務は、島の物産館で売られているという「おもしろたわし」なる物を翔一に見せ、その正体と製造法について調査してこいと命じる。なんでも一見、単なるアクリルたわしにしか見えないそれは、社の研究室でも分析不可能な、現代科学ではとうてい作り得ないような特性を持ち合わせているのだという。 さっそく島を訪れた翔一だったが、のどかで人なつこい島の人々や豊かな自然に、不思議な懐かしさのようなものを感じた。こんな居心地の良い島ならば、ゆっくり旅行気分で滞在しても良いかもしれない。そんなふうに思いつつ、たわしを物産館に持ち込んだ老女 五棚スエに会いに行くと、そこで彼は不思議な女性「たわ」と出会った。どこか人間離れした美しさを持つ彼女は、謎めいた言動で翔一を惑わす。 そして翔一は島の人々と交流するうちに、まるでなにかに導かれるようにして、寂れる一方の島の再生へと力を貸すこととなってゆく ――
表紙を開いたところにあった、「こんなに心地よい こんなに懐かしい 物語があっただろうか ―― 」というコピーに惹かれて手に取りました。なんとなく、癒してもらえそうな気がしたんです。 その期待は、裏切られなかったかな? 島の寂れぶりを憂いて核廃棄物処理施設を島に誘致しようとする町長と、それに反対しつつも、具体的な代替振興案を出せないでいる島民達。そんなシビアな状況から、夢のように奇跡のように救われていく島。 そのきっかけとなる翔一青年は、しかし何故自分がそんなにもこの島にのめり込むのか、まったく判らないでいます。判らないままに、まるで夢の中のようにおぼろな記憶に導かれ、行き着くその先は…… なんというか、全編通じて狐に化かされたような感じでした。あ、この話は完全にファンタジーものです。念のため。 展開的には「良いのかそれで」と思う部分も随所にありましたが……まあ御都合主義でもなんでも、読後に幸せな気持ちになれるならそれで良いんです。ええ。
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No.3653
(読書)
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2012年02月29日の読書
2012年02月29日(Wed)
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本日の初読図書: 全十巻で完結済み児童文学のメディアミックス。 表紙絵や登場人物紹介をネットで見たときは、「ちょっとみんな線が細くてスタイリッシュすぎるなあ」と思って買わずにいたのですけれど。机の中から存在を忘れていた図書カードが出てきたので、あぶく銭だしと購入に踏み切りました。 んー、中身の絵は思ったより違和感少なかった、かな? とりあえず、長谷だけは綺麗系でも許します(笑) あと画家はがっちりしてて良かったかな。ただ龍さんがなあ……むー、どう表現すればいいのか。もうちょっと年齢不詳っぽいイメージというか、得体の知れない怖さも感じさせてほしいというか。詩人ももっとヘンな顔してると思ってました。あ、骨董屋さんの胡散臭さはバッチリvv しかし佐藤さんと山田さんが幽霊になってたのはなんでだろう?? まり子さんにクリにるりるりに加えてあの二人もじゃあ、幽霊ばっかりになっちゃうのに。 内容的にはかなり原作に忠実。重要なキーワードや細かいところがきっちり押さえられているし、いい感じだと思います。ただやっぱり小説に比べると、いまひとつ訴えかけてくる絶対量が少ないと思ってしまうのは、私が活字スキーだからなのか。 あと夕士くんのキャラが微妙に軽いというか……うーむ(悩) 私としてはアパートの妖怪にびっくりしつつ「どうする?(出ていく?)」と訊かれて、「とりあえず飯を食います」と答える性根の座って地に足着いたところが好きだったんですけど…… まあともあれ。1巻目は、夕士入居から馴染むまで→田代の怪我を引き受け異能目覚めの兆し→クリの母親襲来ときて、夏休みの終わりに竹中がアパートへ押しかけてきたところまで収録されていました。小説だとちょうど1巻の三分の二ぐらいかな? 個人的にこのシリーズは原作2巻目(もしくは千晶先生登場後)からが好きなので、このペースだと楽しめるようになるのはもうちょっと先ですかね。カラー口絵に千晶先生のデザインが載っているので、ちゃんとそこまで連載してくれるのだと安心しています。案外、千晶先生の登場は早くなるかも(笑) あと購入したけどまだチェックしていないという方は、是非表紙カバーをはずしてみて下さい。ものすごく長谷くんらしい長谷くんが見られますvv
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No.3640
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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