2017年11月02日の読書
2017年11月02日(Thr)
本日の初読図書: シャーロック・ホームズのパスティーシュ。いわゆるファンフィクションというか、ぶっちゃけ公的な同人誌ww 某ツイッターさんで紹介されているのを見て、調べてみたら図書館にあったのでさっそく借り出して来ました★ どうやら数年前に贋作ホームズを絨毯爆撃した際には、タイトルに「ホームズ」の文字が入っていなかったので、リストから漏れた模様です(ホームズ関連書籍を連続して借りていたら、図書館の人がわざわざキーワード検索したリストのプリントアウトをくれた/笑)。 翻訳者は安定の日暮雅通さん。 シャーロキアンではない私は、「 The game is afoot! 」という言い回しがホームズの決め台詞だということすら、前述の数年前、集中してパスティーシュを読み漁るまでまったく知りませんでした。 というか、この言い回しを「獲物が飛び出した!」と翻訳されているのが、原典・パスティーシュ共に多くの翻訳を手がけていらっしゃる、日暮雅通さんということなのでしょうか? 今回もしっかり、さあここからだって場面でこれが使われています。 私が今まで目を通してきたパスティーシュの中で、印象に残ったものの多くが日暮さんの手になる日本語訳であることを思うと、やっぱり日暮版・原典も読んでみるべきかなあ……地元図書館にはないから、買うしかないんだけど(´・ω・`) で、肝心の内容ですが……めっちゃ面白かったですww 舞台は1910年と、かなり遅い時期の事件です。wiki の年表だとすでに引退してサセックスに引っ越している時期ですが……そのあたりは諸説あるようで。ただ本文でも、「引退を間近にひかえた」「その名声の頂点にあった」とありますから、晩年には近い模様。 ゲストキャラは有名なマジシャン、脱出王ハリー・フーディーニ。 フーディーニの死後、ワトソンさんが彼の妻へ送った手紙が現代になって発見され、同封されていた「公にするつもりはない」「ご主人とともに冒険した時の話」の手稿が改めて出版されたという体裁を取っています。表紙には「故J・H・ワトソン博士/著」とまで書いてある徹底ぶりww 方向性が違うとは言え、やはり天才肌で気が強くて扱いにくい部分のあるフーディーニと、いつもの調子のホームズさんとの間に入って、良い感じに取り持つワトソンさんが実に有能かつ微笑ましくって。 ってか、ホームズさんとはずっと名字でお互いを呼んでるのに、フーディーニとは「ハリー」「ジョン」ってファーストネームで話す仲になって、それを聞いたホームズさんが戸惑ってるのが可愛いとか思ってしまう、この腐った脳がvv あと例によって、国家の安泰に関わる重要文書が紛失 → ワトソンさんが何も説明されないまま調査に行かされる → ホームズさんは先回り → 事情知らないワトソンさんを利用して情報GET! というお約束のパターンなど、原典ファンにはたまりません。その後で、原典ではあまり見られない、腹を立てたワトソンさんと必死になって不器用に弁解するホームズさんまで見られるのだから、もう(>▽<) ってか、弁解が始まる前には許してしまっていつつ、それでもうろたえてるホームズさんの様子が面白いからと、そっぽ向いたままほくそ笑んでるワトソンさんのサドっ気含んだ寛容さがまたww 前半部分は、冤罪によって牢に繋がれたフーディーニ、彼の妻やレストレードやマイクロフトから情報を得つつ事件を探るホームズ&ワトソンという、良い意味で『普通』というか『違和感のない』贋作ホームズといったところです。あ、フーディーニ本人は、あくまで自分はマジシャンで、エクトプラズム化したりはしないと主張する、プロ意識高い職人スタンスです。 ですが後半、フーディーニを脱獄させ、三人で真犯人を追い始めてからのスピード感は、まさにこれぞエンターテイメント! といったところ。 犯人との格闘、撃たれるワトソン、馬車での追跡劇かーらーのーー、飛行機による空中戦ですよ! 特に複葉飛行機のシーンなんてもう、あの犬のアニメにおける神回「ドーバー海峡の大空中戦」を思い出さずにいられようか! もういっそこれ、ガイ・リッチー版で映画化してほしいぐらいです。ラストシーンとかも、あのキャスティングで想像するとめっちゃ笑えるし。 まあ、そんなこんなで、個人的には非常におすすめの一冊でございました。 場所に余裕さえあれば、購入して手元に置いておきたいッスよ。 そうそう、読まれる方は、事前にハリー・フーディーニについて調べておくことをお薦めします。 私は「なんか有名な、自称超能力者のマジシャン?」という適当なイメージしかなくて、母に訊いたら「脱出マジック中に失敗して死んだ人でしょ?」という、世間的にありがちらしい間違った情報を教えられまして。 なので wiki に目を通してから読み始めてみたら、やはりいろいろと小ネタが散りばめられてました。あと写真見たおかげで、脳内映像化イメージもしやすかったですしね。 意外とハンサムでカッコ良いんだな、これが……
No.8636
(読書)
この記事へのコメント
いのやま
2017/11/03/22:34:05
こんばんは。 「ドーバー海峡の大空中戦」 ハドソンさん大活躍どころか大暴れ回ですね。 ずっとおしとやかかつ家庭的な賢夫人だったのに、冒頭でいきなり斧持って塀の上疾走してホームズ&ワトソン唖然視聴者ポカーンのあの回。 主人公コンビ差し置いて爆走した上銃までぶっぱなしてモリアーティが開いた口塞がらなかったという。 宮崎駿というお人はホントにもう(笑)。 …本筋と外れたところへの反応大変申し訳ございません…。
No.8640
神崎真
2017/11/03/22:49:14
こんばんは、いのやまさん。 ハドソンさん斧持って塀の上を疾走 → 爆発するわ! と叫びながら機体を蹴り飛ばすシーンなんて、思い出すだけでハイスピードなあのBGM「ヒュオッ バッバッバッバッ〜 ヒュオッ バッバッバッバッ〜♪」が脳内に流れてきますww たった三十分の中に、これでもかというほど凝縮されたあれやこれやに、もう口開けながらも画面から目が離せない! そんな神回だと思います、あれはww 複葉機の羽上で走り回るホームズさん。飛行中に針金であちこちを補修し、投げつけられる鈎付きロープを蹴り飛ばす。そんな展開にワクワクした人間ほど、この「ロンドンの超能力男」を楽しめると思いますvv ……それにしても、アニメホームズで印象に残ってる回のほとんどが、宮崎駿監督の手によるものなのだと、最近になって知る衝撃の事実。 あのお人は、なんだかんだあっても、やっぱり『天才』なんだなあとしみじみ思う次第です。
No.8642
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プロフィール
神崎 真 (かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。