よしなしことを、日々徒然に……
※ 2018年以降の記事は、別ブログの方へUPしています ※
新しいブログへは こちら からどうぞ。



 2015年10月28日の読書
2015年10月28日(Wed) 
本日の初読図書:
4167801779午後からはワニ日和 (文春文庫)
似鳥 鶏
文藝春秋 2012-03-09

by G-Tools
楓ヶ丘動物園から、イリエワニのルディが盗まれた。犯人は「怪盗ソロモン」を名乗り、飼育室のガラスに貼り紙まで残してゆく念の入れようだ。
イリエワニは合法的にも入手可能な、さほど珍しい生き物ではない。盗んでいく手間と危険を考えれば、転売目的よりも、園か飼育員への怨恨ではないかと考えられた。そして1mを超すワニを、他のワニを避けながら持ち出せた点からしても、犯人は動物の扱いに慣れた人物 ―― すなわち職員の誰かだという疑いが濃い。
アフリカ草原ゾーンの主に偶蹄類を受け持つ飼育員 桃本は、たまたま事件当日、出張の担当者の代わりに爬虫類館の代番を務めていた。そんな折りに盗難が起きたとあって、桃本は盗まれたルディのことが気になって仕方がない。いや……飼育員ならば、誰もが心配なはずだった。なにしろ飼育員というものは、二割が「動物好き」と呼べるのだから。ちなみにあとの三割は動物マニアで、残りの五割は動物バカである。
そんな訳で、同僚でミステリ好きの変人 服部が、職員のアリバイ調査をした結果などを興味深く聞いていた桃本だったが、新米飼育員で園の広報担当である七森の様子が、どこかおかしいことに気が付く。
やがて彼女のデスクに放置されていた携帯電話に、ソロモン王の使役する悪魔の名前で着信があったことを目撃してしまう。やはり彼女こそが、怪盗ソロモンなのか。
疑惑にかられ、獣医の鴇先生に相談したその矢先、今度は七森の担当するふれあい広場のケージから、ミニブタ2頭が盗まれて……


動物園が舞台のミステリー。
日常の謎的な短編集かと思って読み始めたら、まるまる一冊でひとつの話だった上に、けっこうヘヴィな話運びでした(汗)
いえ、雰囲気はアットホームなんですけどね。
何故か動物に懐かれまくる、一見凡庸っぽいけど、しっかり地に足つけた頼れる主人公とか、めっさ好みですし。変人の同僚に、どこか主役を意識してるっぽい若手女性飼育員と年上の女獣医とか、曲者の園長さんなどの、掛け合いも非常に微笑ましいんですが。
しかし事件の真相というか裏側というかは、ちょっと茶化せない感じがひしひしと。犯人の過去も、確かに現実はそうだよなあという侘びしさがあり、そして犯人の真の目的がまた(汗)
あと途中で鴇先生が、とある言葉をきっかけにブチ切れてヤクザを叩きのめすのですが……その時の言動が、なんというか心に突き刺さる(遠い目)

ああでも、動物園の裏側とか、ちょっとした動物のうんちくとかは非常に面白かったです。

カタルシスも爽快なトリックもないけれど、かえってそれが物語をリアルに感じさせるようなお話。
続編も出てるっぽいので、また機会があったらそちらにも手を伸ばしたいと思います。
No.7195 (読書)

 
 この記事へのコメント
 
paoまま  2015/10/30/12:19:02
動物モノですか。
動物モノはハッピー、ハッピーなら読みたいのですが、生き物が少しでも辛い目にあうと読んだ事を根こそぎ後悔してしまうので要注意なのであります。

まこっちゃんのご紹介文を読みますと、動物よりも動物に関わる人達が主役っぽいので大丈夫そうでしょうか?

>動物園の裏側とか、ちょっとした動物のうんちくとか
あああー私もそういうのは大好物です!
動物のうんちく読みたいヨ〜

とにかく出てくる動物達が最初から最後までデーンと幸せならば読みたいデス!
 
No.7198
 
神崎真  2015/10/30/20:53:56
……あー……(遠い目)
この歳になると、わざわざフィクションでまで辛い展開を体験したくないのは、よっく判りますです。
そしてままさん、悪いことは言いません。この話を読むのはおすすめしません(ぽん)
具体的な場面は出てこないんですけどね。でも「慰霊碑」というキーワードに嫌な予感を覚えるなら、開かないほうが良いでしょう。

なまじ動物に多大な愛を抱く人達がメインなだけに、その彼らを脅したりするには、動物にターゲットを絞るのが確実、という話運びなので……

> 動物のうんちく

ヤマネとかトビヘビとか、知っている人は知っている、でも知らない人は「何それ??」的な生き物に言及されていると、読んでいて思わずニヤリとしてしまいますvv
思えば子供の頃から、動物番組見るのが大好きでした。小学生の頃の将来の夢は、まさに「動物園の飼育係」でした。
……近場に動物園がないとか、そもそも早起きできないとか、生き物相手には休みもへったくれもないとか、諸々の理由で中学に上がる頃には「夢はしょせん夢よね」とドライにうそぶいていましたが。

ああでも、動物って同じ空間にいるだけで癒やされますよねえ……(しみじみ)
 
No.7199

 この記事へのコメントは以下のフォームからどうぞ
Name
E-Mail
URL
感想
2560文字まで

Pass

 
 この記事のトラックバックURL
https://plant.mints.ne.jp/sfs6_diary/sfs6_diary_tb.cgi/201510287195


No. PASS

<< 2015年10月 >>
Sun Mon Tue Wed Thr Fri Sat
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

サーチ :


 最新の記事
 2015年10月28日の読書

 リンク
 神崎へメール
 私立杜守図書館
 蔵書リスト

 

   

 ブログ内記事検索:
 
 AND OR  


Back to Home...

[管理用] [TOP]
shiromuku(fs6)DIARY version 2.41