よしなしことを、日々徒然に……
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 2015年03月09日の読書
2015年03月09日(Mon) 
本日の初読図書:
4062645602冷たい密室と博士たち (講談社文庫)
森 博嗣
講談社 1999-03-12

by G-Tools
二週間ほど前の八月十一日。犀川と萌絵は土木工学科の〈極地環境建築センタ〉を訪れていた。極地研で行われている研究に犀川が以前から興味を持っており、友人である喜多助教授を通じて実験を見学させてもらうことになっていたのだ。
マイナス20度の低温実験室内で、宇宙服のような防寒スーツを着用して行われた実験は、多くの学生らに見守られながらほぼ予定通りに終了した。そうして実験終了を祝った、打ち上げの飲み会が始まってしばらく。先に帰ったと思われた学生、服部珠子の遺体が、実験室の隣にある準備室から発見された。さらにその奥にある搬入室で、同じく姿が見えなかった丹羽健二郎の死体も見つかる。二人とも背中をナイフで刺された、他殺体であった。
しかし準備室の非常口には中から鍵がかかっており、外からは決して開けられないようになっている。そしてもうひとつの出入口は実験室に繋がっていて、そこには実験が終了してからずっと、極地研のメンバーと犀川らが陣取っていた。搬入室と外を繋ぐシャッターは午前中のうちに故障しており、開くことができない。
丹羽と服部を殺した犯人は、いったいどうやって逃げ出したのか。いやそれ以前に、実験終了時に低温実験室から出て行ったはずの二人が、どうやって再び内部に入ったのか。
さらに捜査にやってきた警察が建物内部を調べていると、数年前に封鎖された機械室の中から白骨が出てくる。それは二年ほど前に失踪した大学院生、増田潤の死体だった。
それから二週間。犀川も萌絵もそれぞれの仕事と日常に追われていたが、事件のことは常に頭のどこかに存在していた。二人と喜多は、それぞれに得た情報をメールでやりとりし、事件についてディスカッションを重ねる。
やがて萌絵が「ある結論に達した」「今晩確認したいことがある」というメールを犀川に送ってくる。その晩、彼女は極地研内部で何者かに襲われて……

「すべてがFになる」に続く、S&Mシリーズの二作目。図書館に収蔵してくれないかリクエストかけたら、今回は通ってくれましたvv
これもまた、文庫化される前のはる〜か昔に一回だけ読んだ事がありましたが、やっぱり当時は(?_?)だった記憶がおぼろに残ってます。
こう、大学の研究室ごとに専用サーバが用意されていて、それぞれにユーザー登録しておくと、どこにあるパソコンからでもログインしてデーターがいじれるとか、 root 権限持ってる人はすべてのユーザーのデーターを閲覧可能とか、以前読んだ時には西之園の叔父様ばりに意味不明でしたからね……
フロッピーにウィルスを仕込んでおいて、それを挿したらウイルスがメモリに常駐 → メールデータを guest ユーザーがアクセスできるディレクトリにコピーしつつ閲覧権限を解除するように細工する、なんてネットのネの字も知らなかった時代に理解できるかーーーーっっっ(ノ`□´)ノ 彡┻━┻。・;゜・。+

ただお話の内容としては、「F」よりもだいぶスタンダードで馴染みやすいミステリだったと思います。
ひたすら論理を積み重ねるあたりなど、むしろ古典的とも言えるかもしれません。こうこうこうだから、これが可能なのはこの人しか存在しない、と明確に答えが出ています。
そこで「犯人は判ったけれど、動機は理解不能」というあたりが、非常に犀川先生と萌絵ちゃんらしいです。なんというかこの二人、ベクトルは違うけれど、結局はどちらもひたすらに理系人間なんですよね。そして専門馬鹿。特に犀川先生なんて、一見大人なようでいて、実は果てしなく社会不適合者っていうか、さりげ(なくではなく)に常に周囲をディスりまくってるのがナニサマだお前、みたいな(苦笑)

そして犀川先生の推理モード部分で、ちょっとこの前読んだ「ワールド・ティーチャー〜」に出てきた、並列思考マルチタスクを思い出してみたり。
萌絵ちゃんや喜多先生は主観を排して物事を客観的に見るタイプだけれど、犀川先生は物事をあらゆる角度から多面的に見て、それを総合して客観をはじき出す、というような書かれ方をしてまして。その辺りを映像的に表現した結果が、ドラマのアレだったのかあとしみじみと。
あ、私、今回の読書中の脳内再生は、本文と食い違ってると判っていても、ドラマキャスティングで行っております。犀川先生は髭面の綾野剛だし、萌絵ちゃんはセミロングの武井咲、喜多先生も短髪の小澤征悦。いいじゃん、イメージしやすいんだからvv
No.6647 (読書)

 
 この記事へのコメント
 
paoまま  2015/03/10/10:07:04 [HOME]
おおお〜、まこっちゃんこの本まだ読んでないっすー!
買うは買ったけど、今は世界時計をチクタクしてるからね(笑)

いつも思うんですが、まこっちゃんあらすじ紹介が上手いねぇ。
実物よりも2割がた面白そうだじぇ。

これだけ煽られるとソッコーで冷たい密室に行きそうですが、今回は世界時計が面白いのでそんな浮気もせずに落ち着いております。

昔は面白そうな本が有ると、「読み中」の本をガンガン片付けて飛びついていたものです。
年とったら「待て!」が出来るようになりました。
読書時間も昔ほどとれない上に読むスピードだって落ちてます。
目も疲れるしさぁ(ブツブツ)

なのでゆっくり楽しみまーす。
 
No.6648
 
神崎真  2015/03/11/17:55:51
こんばんは、御返事遅くなりまして(^ー^;;)ゞ
ままさんちの記事で、パオちゃんの足元に「世界時計〜」の上巻が写ってて、思わずニヤリとしてしまいましたvv

「冷たい密室〜」は、ドラマで最初に放送した話なんですよ。
やはりこちらも、ドラマで大体の流れを掴んでからだと、よりいっそう判りやすい気がします。原作のほうだと、登場人物の数もかなり多いですし、人間関係と建物の構造を把握するだけでも一苦労です。
しかしキャラクターの内面描写や細かいところは、やはり原作のほうがきっちり書かれているわけで。一粒で二度美味しいとも言えるかも?

> 昔は面白そうな本が有ると、「読み中」の本をガンガン片付けて飛びついていたものです。
> 年とったら「待て!」が出来るようになりました。

そうそう、そうなんですよ。
昔はとにかく早く読みたくて読みたくて、一日で違うシリーズの作品四冊一気読みとかにしてたりしました。
最近は、じっくり一冊を楽しむようになって、たとえ半日で読み終えたとしても、印象深かった場面をもう一度読んでみたりしています。
せっかくの面白い作品、きっちりたっぷり味わい尽くしたいですよね。
 
No.6651

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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