2015年01月30日の読書
2015年01月30日(Fri)
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本日の初読図書: ソルヴェール国の第三子にして、第一王女レティーツィア。彼女は周囲から“おこぼれ姫”と呼ばれていた。共にそれぞれ優秀な、第一王子フリートヘルムと第二王子グイードの後継者争いを憂えた父王が、内乱を避けるために彼女を次期国王に指名した……つまり、おこぼれで王位を得ることになった姫だというのだ。 おかげで今のところ王子達の対立は小康状態となり、彼らはそれぞれにレティーツィアへ、都合の良い伴侶を押しつけようと画策している。 王立騎士団に所属する騎士デュークは、第一王子の親友であると同時に第二王子の母方の親戚で、立場上中立を守ることを強いられていた。そんな彼の元へと、ある日、美しく着飾ったレティーツィアが訪ねてくる。 「貴方をわたくしの騎士に任命します。ありがたく承ってさっさと頭を下げなさい」 それは間違っても噂に聞く『兄王子の対立に心を痛める、優しく可憐な王女様』の物言いではなかった。 そう、レティーツィアはとある理由から、将来自分が女王になることを、幼い頃から“知って”いたのだ。故に一国の王たるに相応しく、様々なことを学び、己を磨き続けてきていたのである。だが、彼女にはどうしても後手に回っていたことがあった。それが自身の騎士団を作ることである。 ソルヴェール国の王は、建国の騎士王に倣い、十二名の専属騎士を任命するのが決まりごととなっている。しかし現在のところ、優秀な騎士達はみな兄王子達に仕えており、残っているのはまさしく“残り物”でしかなかった。その残り物の中ではお前が一番ましだと言われたデュークは、「おこぼれ姫の愛人と呼ばれるのは願い下げです」とばっさり断りを入れるが、レティーツィアはいっこうにあきらめる様子を見せない。 あの手この手で強気に勧誘してくる王女へ辟易としつつも、彼女が王者として優秀であると認め、また暗殺者に命を狙われていると知ったデュークは、放っておくこともできなくて ――
……かれこれ二年ぐらい、買ったは良いけど積みっぱなしだった一冊。 「謀王」に引き続き、中世ヨーロッパ風の王家ものを読みたい気分で、やっと手を伸ばせました。そしたら予想以上に面白かった(苦笑)<もっと早く読めよ レティーツィアが己の運命を嘆いたり、周囲の環境にくじけたりせずに、自分にできることをやろうと、どこまでも漢前に背筋を伸ばして歩いてゆく、その生き様がかっこいいです。 第一の騎士デュークと安易な恋愛関係に発展せず、互いに軽口を叩き合いながらも主従の一線はきっちり引いているのがまた良いですね。……まあ、こっちは今後、どうなるかは判りませんが(苦笑) アストリッドについては、怪しいな……と思わせておいて、おや、実は? と来て、そこからさらに二転三転するところがまたやりますね(にやり) っていうか、途中で同腹の弟王子が怪しいかも……とか思っていた私は、さすがに深読みしすぎでしたか(^ー^;;)<謀王を読んだばかりで人間不信気味 今回は第一王子さんとだいぶ関係緩和できたっぽいので、次は第二王子とかなあ……などと思いつつ、ちょっと調べてみたら、なんかもう続編が10冊以上出てるっぽい? い、今さら追いかけるのは、ちょっとしんどそうだな……(汗)
そして革命後の獅子王アレクサンドルは、もう『王達の会議の間』に現れることはないんでしょうか。あれはあくまで、ソルヴェール国に属していなければ、使うことはできないのか……全員が同一人物で、互いに相談しあったり心配してたり憧れてたりしてるのかと思うと、ちょっと不思議な感じもしますが。 今回は影が薄かった隻腕王とか失恋王とか、次回以降にもっと出てくれると良いなあ。
内容的にファンタジー要素が入っているところと、視点が定まらずにいろいろなキャラ(今回は主にレティとデューク)を行き来するのが許容できるかどうかが、この作品を楽しめる分かれ目でしょうか。 ともあれ、御都合主義でも何でも、読後感は幸せが一番、と思っている私には、楽しく読めた一冊でしたvv
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No.6552
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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