よしなしことを、日々徒然に……
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 美しかった……(嘆息)
2014年12月18日(Thr) 
時代劇専門チャンネルでハイビジョン画質での放送が始まったのを機に、丸山明宏主演のTVドラマ版「雪之丞変化」を見始めたのですよ。

B00C74Z18I雪之丞変化DVD-BOX(4枚組)<丸山明宏主演版>
ビクターエンタテインメント 2013-06-26

by G-Tools

そして全13話を、本日ようやく見終わったのですが。
もっと早くに見ておけば良かったと、しみじみ思いました。
実は手元には某ルートで入手した、アナログ放送時代の録画DVDが、かなり前からあったのです。しかしかなりの長丁場なことと、ネットであらすじを見た感じ、改変・オリジナル要素がかなり多いこと。そして丸山さんこと三輪明宏について、勝手に思いこんでいた妙なイメージが邪魔をして、なかなか手を出さずにいたのでした。
だがしかし!
ぶっちゃけ、今まで見た映像化の中では、一番素晴らしい出来でした。
まず、主演の丸山明宏が美しい!



これはアナログ放送版からのキャプチャですが、どうですか、この美しさと儚さ、そしてそれとは裏腹な目力は。まさにこれこそ雪さんです!
1970年の作品ですから、このとき三輪さんは三十代の半ばでしょうか。振り袖をお召しになって化粧を施し、そして何よりも所作がお見事。
けして付け焼き刃ではない、「女性よりも女性らしいたおやかさ」が、動きの端々、指の先にまで余すところなく表現されていました。
……欲を言えば、もう十歳お若ければ言うことは無かったですが、それでも充分におきれいです。それに闇の親分との二役をやるのであれば、やはりこのあたりの年齢がちょうど良かったのでしょう。
闇太郎も、しっかりと男臭くていなせな親分。声の高さまで見事に使い分けていて、見ている間に「特撮使ってるんだ」なんて野暮なことは頭から消えて、普通にそれぞれの演技を楽しむことができました。

次に良かったのが、脚本です。
私がこの作品に求めているのは「天晴れな仇討ちもの」であること、そして「闇太郎との不思議な絆」、「雪之丞がきっかけを作るだけで、互いに食い合い自滅してゆく敵」、「波路との清らかな愛情と別離」なのです。
特に雪さんは直接手を下さないこと、波路とはあくまでプラトニックかつ、雪さんも最終的には波路のことを想って二世を誓いつつ、それでも復讐を続ける切なさなのです。
ここに「仇側は、最後まで雪之丞を疑わない」が入ると、完璧です。
今回の丸山版は、最後の一点をのぞけば、ほぼ全てを網羅していました。
最後の最後は、「仇討ちをした結果、私には何も残らなかった……」と切なく呟いていましたが、それでもその姿がまた実に美しかったので、許容範囲内です。それにちゃんと、闇の親分という得難い友や、お師匠さんの愛情なんかが残ってるじゃないか★

オリジナル改変のうち良かったと感じたのは、軽業お初と門倉平馬のキャラクターに、深みが増していたことでしょうか。
特に最終話における平馬さんの行動は、意表をつかれました。
彼は彼で彼なりに、彼にとっての『正義』にのっとって行動していたんだなあと。

ちなみにこの丸山版は、おおむね二話を1セットとして、オリジナルのゲストキャラを登場させた、サイドストーリーが絡められています。
ほとんどが雪之丞と同じように、土部一派の誰かに恨みを抱き、仇討ちをしようとしているキャラクター。彼らがそれぞれに雪さんへと絡み、その結果として過去の因縁の真相や名前が判らなかった仇の正体が明らかになってゆくのです。
これを是とするか非とするかは、それぞれの好みでしょうね。
……ただ、5〜6話の1セットは、大人の事情により時代劇チャンネルでは放送されず、欠番になっていたのが残念至極でした。 手持ちのアナログ版で見てみたところ、非人がメインのストーリーで、放送禁止用語が他の話にも増して飛び交ってたからなあ(苦笑)
あと時代劇チャンネル版は、例によって何話か上下が切れて録画されてしまったので、せっかくのハイビジョン版も、全話録り揃えることができなかったのがもうひとつ残念(−ー;)

そしてこれは、細かいところなのですが。
私が雪之丞を思い浮かべるとき、まず出てくるのが「鬘下地に野郎帽子。雪持ちの寒牡丹の振袖をまとった、たおやかな女姿の俳優わざおぎ」といった表現です。
この中の「野郎帽子」と言うもの。初めて読んだ当時は何のことかよく判らなくて、辞書で調べました。すると女形が額に乗せる、頭巾のようなもののことだそうで。



この簪で止めてある、紫色の布のこと。
前髪を落としている成人男性が、剃った月代を隠して女装するためのものらしいです。
ちょっと検索してみると、この時代には公衆良俗を乱すとして、男女が同じ舞台に上がることを禁じられ、さらに若衆(成人前=前髪を剃っていない少年)歌舞伎すら禁止となったため、女形でもちゃんと月代を剃っていたとのこと。
つまりこの野郎帽子の下には、剃り上げた額があるはずなのです
しかし……



美しい……(うっとり)……んだけど、野郎帽子の下から覗く、前髪の存在が気になる(苦笑)
雪さん、寝る前とかは野郎帽子を取って髷もシンプルに結い直していて、そこでも普通に総髪なんですよ。
いやまあ、寝る時にも白塗りの化粧をしたまんまなことを思えば、実に些細なツッコミどころなんですけどね。ははは。
野郎帽子のない雪さんは、もう雪さんではないですし!

……単にキャプチャを乗せて、丸山雪之丞の美しさを知らしめたかっただけだったり(てへ)

さて、久しぶりに原作を読み返そうかなっ。
なお原作は、青空文庫で無料公開されています。

■図書カード:雪之丞変化
 http://www.aozora.gr.jp/cards/000310/card1911.html
No.6443 (映像)

 
 この記事へのコメント
 
paoまま  2014/12/19/11:35:30
おおまこっちゃん、個人的に萌える話ししてくれて有難う〜

いつ頃から美輪明宏になったんかね?
最初「丸山明宏って誰?美輪さんに見えるんじゃけど」
って思っちゃったよん。
美輪さんって今は人を超越したモノになってるけど、若い頃は本当に綺麗ですよね。

自分の旦那さんや彼氏に美輪さんがちょっかい出したら・・・
どう対処して良いか分からんでしょうねぇ。
唖然とするよ。

時代劇チャンネルは面白そうですね〜
時代劇好きの私には堪らんデス。

ウチの両親BSで「長七郎江戸日記」などを楽しく見ているらしい。
段々年取ってくると、こういうのが安心して見ていられるのよねー(私もじゃが)

時代劇チャンネル・・・
かなり魅力的です!
 
No.6444
 
神崎真  2014/12/19/21:38:31
おや、ままさんは美輪さんがお好きなんですか?<萌える
人を超越したモノって(笑)
いや確かに、あの方はなんというか、男でも女でもなく「美輪さん」という独自の存在のように思えますがvv
Wikipedia によると、ちょうどこのドラマを公開した翌年あたりに、姓名判断とかの関係で美輪姓に改名なされたそうです。
このドラマはもう40年以上前の作品ですけれど、この頃の美輪さんは、本当にお綺麗ですねえ(しみじみ)
上にも書いていますが、顔形だけではなく、所作が実に繊細でお美しいのですよ。指先一本一本の動きまで、まさに必見の価値有りです。

> 時代劇チャンネルは面白そうですね〜
良いですよ〜、このチャンネル。
名作的なものをCMなしで、しかも定期的に何度も放送してくれてるんです。剣客商売と鬼平犯科帳や必殺仕事人なんて、いったい何度ループしてることやら(笑)

そして昔の時代劇の、勧善懲悪でお約束な展開ってのは、見ていて安心できますよねえ。
正義は必ず勝つ! ご都合主義でも何でも、ラストはめでたしめでたしってのが大好きです。
 
No.6445

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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