2014年11月20日の読書
2014年11月20日(Thr)
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本日の初読図書: シリーズ最終巻。 そして1986年に本編マンガ「JOEKR」がWingsに掲載されてから、28年にわたって続いてきた特捜司法官シリーズそのものの、完結作とのことです。 私が本編のマンガを読み始めたのは、既に「少し古い作品」として、本屋さんに単行本が並んでいる頃合いでした。それからしばらくして、ぽつりぽつりと単発で作品が発表され……それでももう、これは未完のまま消えて行くのだろうと思われた頃に、不死鳥のように復活したと思ったら、見事に風呂敷を畳んで完結。ジョーカーとリィンの関係は、もう涙無しには読めないものでしたっけ。 その間にスピンオフ小説として、作中のドラマ「特捜司法官S−A」の主演俳優とスペードエースを軸にした作品が二冊出版され、そちらも読切連作だしこれだけで終わるかと思ったら、タイトルに「新」の文字を加えたものが、全10冊。こちらもきっちりきれいに終わってくれました。 それから間をおかずに連載を始めたのが、この「仮面教師SJ」シリーズ。 これまでの一連の作品から、時間をさかのぼること20年前後。 まだ特捜司法官という制度が確立しきっていない時代で、これまでのように特捜司法官と協力体制を取るでなく、多少非合法ではあるけれどあくまで一般人の立場から事件に関わっていく主人公というスタンスのお話でした。 事件の裏側には特捜司法官が暗躍している『らしい』。けれどそれが誰なのか、事件の詳しい真相はどうだったのか。主役である十蔵は知ることができずにモヤモヤが続けます。そういう意味では、SF要素やアクションよりも、ミステリ的なテイストが強めだったのではないでしょうか。 最後の巻で怒濤のように様々な情報が畳みかけられるのは、この方の作品に良くあることですが、やー、新事実につぐ新事実で、今回も盛りだくさんでした。 ショータの過去や、スナに隠されていた驚くべき秘密。 そしてずっと行方不明の凶悪犯罪者として扱われていた、十蔵の父親の登場とその意外なキャラクター。 笹蔵一族と特捜司法局との、予想もできなかった関係。 そしてそして何よりも驚くべき、ショータの未来と十蔵の父親が現在やっている『仕事』。
まさかこの物語が……十蔵とその父親の行動が、『そこ』へと繋がり、ぐるりと輪が閉じて『JOKER』へ戻ってゆくとは。 まさに唸らせられました。さすが麻城さんです(しみじみ)
……しかしそう考えると、この時点ではジョーカーもサムもクイーンも、まだ生まれていないかちょうど訓練中の『あの子たち』なんだろうなあ。 一応今回の作中ではスペードのクイーンが登場しましたけど、おそらく彼女は『前の』なんでしょう。 ってことは、サムもクイーンもジョーカーも、意外と若い? ってか、外見年齢と実年齢がほぼ同じなのかな。訓練を終えて働き始めたのは早いのかもしれないけど……でもサムさんは、一度も整形してないって言ってたし、やっぱりS−Aの段階で二十代半ばから後半ぐらいなのか。
ともあれ。 最後の最後に書き下ろされた巻末後日談では、女運が悪かったクラクラ先生にも秘密を共有できる彼女ができそうで、そちらもついニマニマしてしまったりとか。ショータが相変わらず元気そうかつ、ちょっと立場が良くなってるみたいで安心したりとか。
……麻城さんの作品は、時に非常に容赦のない展開を見せることがあるので、今回はあらゆる点でほっこりできる終わり方をしてくれて、本当に良かったです。
ああ、でもこれで今度こそ本当に、この世界観ともお別れかあ。 月光界にまつわるお話は、まだ新しい作品を期待できるかしら……?
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No.6379
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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