よしなしことを、日々徒然に……
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 2014年07月15日の読書
2014年07月15日(Tue) 
本日の初読図書:
448860305Xファーストレンズマン (創元推理文庫 603-5)
E.E.スミス 小西 宏
東京創元社 1967-04

by G-Tools
レンズマンシリーズの5巻目にして、銀河パトロール隊の発足を描く前日譚。小西宏さんの旧訳版です。
これまで本編では名前や説明だけが出てきた、最初のレンズマンにして太陽系評議員バージル・サムスや、彼を補佐する公安委員ロデリック・キニスン、そしてその息子や友人達などの、第一世代レンズマンが活躍する時代。
本編では既に絶対的な組織として確立していた、銀河パトロール隊がまだ存在せず、火星・木星・金星の三惑星連合軍や太陽系パトロールが最大規模の軍事組織です。物語のメインは、アリシアからレンズを入手したサムス達が、レンズの着用者を宇宙のあらゆる場所から発掘しつつ、その有効性を世間に周知させるために奔走し、そのために地球 ―― すなわち太陽系組織の中 ―― でもっとも権力を持つ北アメリカ選挙区で、エッドールに支援されているギャングや悪徳政治家を相手に大統領選を争うという、今までに比べると割とスケールが小さめな流れでした。
しかし最初の頃などは、アリシア人とエッドール人とが直接対話していたり、同じくアリシア人がサムス達へレンズを授けたりする中で、ずいぶん哲学的な描写が多く、かなり読み進めるのに難儀いたしました(−ー;)
あと登場人物や惑星がやたら多かったり、しかもそれぞれが愛称やら偽名やらで呼ばれるため、どれが何で誰やら、こんがらがりがちだったのが参りました。
三つの計画が同時進行し、それぞれに同じようなレンズマンや悪役幹部が関わっていて、ほんとにもう、なにがなにやら……(苦笑)

とはいえシリーズお約束の、大船団による宇宙戦闘もばっちりありますし、レンズマンが荒くれ者に身をやつし、敵対サイドにスパイとして潜入し成り上がる展開も 胸・熱★

あと読んでいてワクワクしたのは、これまで慣用表現として多用されてきた「ザブリスカのフォンテマ」が、ついにどんなものか判明した場面ですねvv
他にも地球人(サムス)がリゲル星とパレイン星を訪問した時の模様とか。
特にリゲル人は視覚も聴覚も備えていない = 騒音対策や見た目の調和をまったく考えない街作りをしているなんて、よくもまあ半世紀以上も前に書かれた作品で、そんなところまで作り込まれているものです(嘆息)

そしてサムスが床屋でヒゲを剃られている最中、頬に傷をつけられるというメンターの予言は、TVアニメからレンズマンに入った私としては、読んでいて思わず「おお!」となったりとか。そうか、ここからなのか!!

今回の巻はサムスだけでなく、ロッド・キニスンやその息子、さらにその友人達やサムスの娘ジルなど、様々な人物に焦点が当たっていて、もっぱらキム一人の英雄譚だった本編とは少々趣が違いましたかね。そういう意味でも、今回は外伝的な要素が強かったと思います。

ちなみに私が今まで読んだシリーズ中で一番好きなのは、二作目の「グレー・レンズマン」です。
1930年代に発表された作品で、アメリカ至上主義なところとか、今から考えると笑えるような『未来的』小道具、わかりやすい善と悪の二元論など突っ込みどころは多々ありますが、それでもレンズマンシリーズの素晴らしさは今でもなお色褪せない!
今なら新訳版や Kindle 版も出ているので、未読の方はぜひ、まず「銀河パトロール隊」を手にとって欲しいです。
鉱山紳士ワイルド・ビル・ウィリアムのくだりとか、読んでるだけでわくわくと心が躍るんだぜ?
クリア・エーテル!
No.6011 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
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