よしなしことを、日々徒然に……
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 SHERLOCK3 二話目 三の兆候
2014年06月01日(Sun) 
SHERLOCKシーズン3の二話目です。
元話は「四人の署名」。そう、ワトソンさんの結婚話です。
とは言え原作では、メアリが事件を依頼しに現れる→ワトソンさん一目惚れ→事件解決後に結婚→221Bから出てゆき開業医に→ライヘンバッハでホームズ死亡を演出→三年間の間にメアリ死亡→ホームズが帰還し同居再開、という流れなのですが、現代版ではむしろ逆。

シャーロック死亡
→失意の二年間にメアリと出逢う
→婚約と同時にシャーロック帰還
→二人が結婚 ←いまここ
→恐らく三話目でメアリが事件に関わる?

と言った感じでしょうか。
シャーロックは帰ってきたからといって、二年前のように221Bでジョンと同居を続けるという形にはならないようです。
最後、一人黙って結婚式場を後にするシャーロックの姿は、原作「四人の署名」のラストで、妻を得たワトソンさんとは裏腹に何も得られないまま、「私は妻を得た。君には何が残る?」と問われて「まだコカインの壜が残っている」と答えるホームズさんのやるせなさに重なってしまいます。

でもまあ、そんな切なさも含みつつ、今回も面白かったです!
個人的にシーズン1も2も二話目は微妙な感じがしていたので、今回はいい意味で裏切られました(嬉)
正直、ジョンの結婚という、二人のコンビに暗雲を落としかねない複雑なエピソードが絡んでいるので、少々心配していたのですよ。しかもうっかり見てしまったネタバレ満載のCMでは、空気読めないシャーロックが結婚式で色々やらかしてしまっていそうで、もうハラハラそわそわ。気分はすっかり保護者でした(苦笑)

まずのっけから、シリアスに事件を追うレストレード。一年以上かけてようやく犯人を追い詰めた! というまさにその時、シャーロックからのヘルプメールの着信。「助けてくれ」「すぐにベーカー街に来てくれ」というメールに、すべてをドノバン巡査部長に任せてすっ飛んで行くレストレード、マジ保護者。完全に面倒見のいい近所のお兄さんと化してます(笑)
やらかすぞ、ああいきなりやらかした……と思っていたら、案の定。
ヘリにパトカーにと緊急要請を出しつつ駆けつけたレストレードを待っていたのは、結婚式のスピーチが書けない。ジョンの笑えるエピソードを教えてくれと訴えるシャーロックvv
いやうん確かにね、相手の状態がわからないから、電話をかけずにメールにするというのは、正しいマナーだよ。でもあなたがいきなり「助けてくれ」なんて言い出したら、そりゃーグレッグも緊急事態だと思うさvv せめてそこは「来てくれ」じゃなくて、最初からメールに用件書いとこうよvv

そんなこんなで、メイン事件になるかと思われた強盗団のお話は、オープニングであっさり終ー了ーー。
あ、サリー・ドノバンが普通に勤め続けているのが明らかになりましたね。アンダーソンとの不倫はどうなったんだろう……?

でもって、本編はいきなりジョンの結婚式の朝から始まります。
ソワソワしているシャーロックに、いろいろと諭すハドソンさん。ジョンが結婚しても何も変わらないと反論しつつ、不安げなシャーロック。
そして結婚式の始まり。
……てっきり結婚式は最初の方だけで、新婚生活を始めたジョンと、それになかなか適応できないシャーロックを描くのかと思ったら、一時間半ずっと結婚式が続いてちょっとびっくりしました。
ベストマン(新郎の付添人代表)を務めるシャーロックが、折々に回想シーンとして結婚式までのあれこれを思い返したり、スピーチで語るという体裁で物語が進んでいきます。

まずはメアリーに横恋慕している男を呼び出して、ぶっとい釘を刺すシャーロック。いきなり何してはりますの、あなた(笑)
相手にも変質者呼ばわりされてますが、いつものごとく「高機能社会不適応者だ」と返しつつ「ジョンのため」に相手を脅迫せっとくしております。
聞き分けの悪いリングボーイ役の少年も呼び出して、交換条件(生首の写真)と引き換えに行儀良く務めることを約束させます。それもこれもジョンのためvv

そもそも二人の結婚式の準備を、何故当たり前のように手伝っているのだシャーロック(笑)
っていうか、何故221Bで打ち合わせしてるの、ジョンもメアリも。ジョンは既にメアリと同棲してるんでしょ? 自分ちでやれよvv
何故か何週間も前から、式場の模型やブライズメイド(花嫁の介添人)の衣装サンプル、計画書が散らばってる221B。
招待状の返事の整理や、席順の打合せも、何故かメアリとシャーロックがやってます。

メアリがずいぶん頭の切れるキャラだという点も、ここではっきりしますね。招待状の返事について、「ガソリンスタンドで書いたもの」「トイレ横の席」「同感」と言った風に、シャーロックと対等に会話しています。ストーリー終盤でも、シャーロックが脳内から消去してしまった、ショルトー少佐の部屋番号をウェディングドレスで階段駆け上がりながら教えてくれたりと、二人の推理と行動を助ける重要なキャラになってくれているようで嬉しいです。

それにしても打合せに部屋を提供し、慣れない意見を出し、さらにはネットでナプキンの折り方を調べたりと、ジョンのために一生懸命なシャーロックが可愛いったらありません。
そしてジョンはメアリに気遣われてシャーロックと事件捜査に出かけようとし、シャーロックはジョンに頼られ(たと思って)彼を打ち合わせから連れ出しつつ、メアリにもちゃんと断りを入れる。
お互いの死角になる位置から同時に合図するシャーロック&ジョンに、両手でサムズアップを返すメアリがキュートでしたvv

出掛けた先では、ベンチに並んで座ったジョンが、君によって救われたと、慣れない言葉を言ってくれ……ようとした時にはいなくなってるシャーロック。こらこら空気読みなさい ヘ(^ー^;;)

今回のお話では、前回怒りまくっていたジョンが、それを埋め合わせるかのようにシャーロックへと暖かい言葉、友情を確かめる言葉をたくさん送っていましたね。あるいは彼は、自分 → シャーロックへの思いが相手に伝わっていなかったからこそ、シャーロックは「黙って死んだことにしてもジョンはそこまで傷つかない」と考えてあんな行動をとったのでは、と思ったのではないでしょうか。高機能社会不適応者のシャーロックは、言葉にされない感情、暗黙の了解を汲み取ることがとても苦手。だからちゃんと言葉にしなければ判ってくれない。そんな風に思ったのかもしれないなあと感じました。

独身最後の夜に羽目をはずし、二人で酔っ払ってるのも可愛い。もうあれ演技には見えませんよ。ベネさんも、マーティンもすごすぎるvv 観察で浮かび上がってくるテロップに「眠いぃぃぃ」の文字が混ざってるし(爆笑)
モリーにも助言を乞うて、一生懸命(彼なりの)綿密な計画を立てているシャーロック。酒場めぐりにメスシリンダー持ち歩くのも相当ですが、それに付き合うジョンもジョン。でも勝手に強い酒を混ぜて台無しになってるしvv

場面は結婚式に戻って。
スピーチの時のシャーロックの瞳、すっごい綺麗でした。光が透けて琥珀色になっていて。ジョンにベストマンになってくれと打診された時には、逆光なこともあってか、ぽっかり開いた穴のような黒い目だったのに。そしてスピーチ前にマイクロフトと電話しているときは、人形のようなブルーグレイ。他のシーンでは茶色がかってることもありますし、色素の薄い人の瞳というのは、場面場面によってあんなにも変化を見せるんですねえ(しみじみ)

ベストマンの打診といえば、思いもよらぬことを言われてフリーズしてるシャーロックがまた。
うっかり部屋番号を記憶から削除してしまったことといい、ほんとにあなたはコンピューターかvv

そして毎回恒例の精神の迷宮マインドパレス、今回のは最初ちょっと判りにくかったです。法廷? 階段教室?? 普通に関係者を集めての回想シーンかと思ったら、五人相手に同時チャットしている心象風景でしたか。しかも脳内イメージのマイクロフトによるツッコミとか、「あの女」の乱入とか入ってるし。
今までは一人でこもっていたそのパレスの中に、今回はリアルのジョンが一緒にいる。それもシャーロックが以前よりもさらにずっと、ジョンを深いところまで受け入れていることの象徴っぽかったです。

そして導き出される結論。
シャンパングラスが落ちるまでの一瞬で思考が高速回転していく場面は、一話目の二人の出会いシーン、スポイトの先から雫が落ちる間にジョンを観察していた光景を思い出してみたり。

懸念していた暴走を始めたかと思われたシャーロックを、やんわり止めようとしたジョンに対し、シャーロックが伝える「バチカンのカメオ」。この合言葉はS2E1「ベルグレービアの醜聞」でも出てきましたね。あの時は具体的な意味が説明されないままでしたが、シーズンをまたいでようやく謎が解けました。その言葉に一瞬で臨戦態勢に入るジョン。やはり彼はいつでもどこででもシャーロックの相棒に他ならない。
メールだけで「何かがある」事を察し、即座に手配を始めるレストレードも素敵。
……しかしスマホでブラインドタッチ、しかも背中越しって、シャーロックのスキル半端ねえな……

階段を駆け上り、ショルトー少佐の部屋の前で大騒ぎする新郎新婦とベストマンvv
ここでスピーチのときあれだけ引っ張っておいて、結局ストーカー密室殺人のオチがないのか! と思っていたら、ちゃんと繋がってくるあたりがお見事。
それって刺された時に被害者は気づかないのかよ!? というツッコミは、衛兵が歩哨していた時の会話で説明されているんでしょうか(ケツの痒みうんぬん)。要するに、少しぐらい痒かったり痛かったりしても、意識しないように訓練されてると?
ただ後から身の回りの品を調べれば、ベルトと服に穴が開いていて血も多少は付着してるんだろうから、具体的な犯行時間はともかく手段ぐらいは、いくらなんでもバレると思うんですけどね……(苦笑)


そして「死ぬべき時が来たなら、死のう。軍人らしく」と自らベルトを外そうとするショルトー少佐を止めたシャーロックの言葉に驚きました。
人の心など判らないと、何度も繰り返し言ってきたシャーロック。
そのシャーロックがいま、あんなにも深く他人の心を考察するとは!

あるいはそれは、すべてジョンを中心にした思考かもしれない。あくまで「ジョンのため」に、「ジョンのためにならないから」とショルトー少佐を説得する。
彼の心の中には、やっぱりジョンしかいないのかもしれない。多くてもせいぜい、ハドソンさんとレストレード、モリーにメアリ止まりかもしれない。
それでもシャーロックは確かに、一歩を踏みだそうとしていると思いました。
マイクロフトには「深入りするな」と釘を差されているけれど。それでもシャーロックは、この結婚を邪魔するでもなく、拗ねるでもなく、懸命に受け入れようとしている。そしてもう少し多くの「自分以外」について目を向けようとしている。
ジョンとメアリによって、彼は確かに「育てられた」のでしょう。

事件は終わり、プレゼントの曲も贈り終えて、シャーロックは黙って一人式場を後にします。
その心中はどんなものなんでしょうね。
二人の間に本当の子供が生まれるのであれば、ますます自分はもうジョンの「子供」ではいられなくなる。自分が愛され育てられていたことを自覚したシャーロックにとって、そのことを祝福するのは難しかったんじゃないでしょうか。

現代版では黙ってジョンを置いて行ったシャーロックは、今度は自分がジョンに置いて行かれる番だと考えて、懸命に我慢しているのかもしれません。
これからのジョンは、自分ではなく妻子を守る男になる。だから自分は一歩引かなければ、と。

……大丈夫だよお兄ちゃん! 弟か妹が生まれたって、お父さんジョンはちゃんとお兄ちゃんの面倒も見てくれるよ〜〜 ><
って言ってあげたくなる表情でした。

まあ、ジョンの感覚としては、子供というより手のかかる弟ぐらいだと思いますが。
むしろジョンと二人まとめて、レストレードの息子っぽいvv

ともあれ。
今のところメアリが想像以上に二人と馴染んでいて、理解ある行動をとってくれているのが救いです。
原作のメアリも、ホームズに誘いを受ける度に、診療をほっぽり出して出かけていく旦那を暖かく見守っていたみたいですし。
次回以降の展開がどうなるのか不安ではありますけれど、不器用な二人をむしろ積極的に取り持ってくれるぐらいの心意気を期待したいところです。

ただなあ、次回でメアリがミルヴァートンの事件に関わってるっぽいのが不安を誘う……まさかいきなり退場ってことは……ないですよね?
やっぱり今シーズンもラストはクリフハンガーなんでしょうか。

なお、今回の話で一番驚いたのは、結局タイトルの意味そこ!? でしたvv
ほんとに、何故に旦那の医者より本人より、いの一番に気付くんだシャーロック……
No.5886 (映像)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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