2014年04月04日の読書
2014年04月04日(Fri)
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本日の初読図書: 櫃洗市の大学に、病院に、あるいは街角に、気が付くと現れている机と椅子。市民サーヴィス課臨時出張所と張り紙のされたそこには、丸いフレームの銀縁眼鏡にシャツと黒いネクタイ、そして両手に腕貫をはめた、いかにもお役所的な風貌をした男が座っていた。「日頃のご意見、ご要望、なんでもお聞かせください。個人的なお悩みもお気軽にどうぞ」との言葉に誘われて、様々な人々が椅子へと腰を下ろす。 飲み会帰りのバス停で知人の全裸死体を発見したが、通報直後に死体が消えてしまい、警察からは酔っぱらい扱いされたものの、アパートに戻るとやはりその男が死んでいたことに困惑を覚える男子学生。 間もなく再婚するからと幸福の絶頂にあったはずの母が、何故か原因不明の発作を起こすようになり心を痛めている女子大生。 一度は別れかけた相手と、よりを戻せそうだと浮かれていて、誰かに話しをしたくてたまらない浮気症の男。 定年退職ののち書斎を整理していたところ、二十年も前の古い学生証の束と履修届一覧表を見付けてしまい、首をかしげる元櫃洗大学の事務局長。 公衆トイレで殺害された女流作家は、なぜ直前までいたレストランでなにも食べずに店を出たのか。どうして自らの著書で頭を殴られていたのか、気になってたまらない刑事。 女癖の悪い二人の同僚。そのうちの一人に人数合わせで飲み会に引きずられていった翌日、一人が窃盗で逮捕され、もう一人も別件で警察に捕まった。飲み会での出来事はそのことに関わりがあるのかと、すっきりしない思いを抱える会社員。 展覧会の片付けのバイト中、何故か数が合わないダンボールと絵画。倉庫の奥から出てきたダンボールを前に思案する男子学生と女子大生の前に、再び市民サーヴィス課臨時出張所の机が現れる。 腕貫男は彼らの疑問を聞き、一言二言、言葉を返す。その言葉を受け取った相談者達は、それぞれの道を選んでいって……
日常の謎を追う短編集で、短編7作が微妙に繋がっている……と一言でくくるには、なんだか微妙というか。 お話の雰囲気が割とバラバラというか、どうということもない終わり方もあれば、相当ブラックなものもあり、なんとなく心温まる話もあるしで、これが群像劇というものだろうかと思いました。 なんだかんだで4件も殺人事件が関わってますしね。ほのぼのものを予想していたら、ちょっと意外でした。 あと、地名や人名が難読ばかりで、初登場でフリガナが振ってあっても、二回目以降すぐに判らなくなるのがちょっと困りました。結局は字面で見分ける羽目に(−ー;) あと結末がどうなったのか謎のままの話があるのも、消化不良の一因ですかね。女子大生さんは、最終話で再登場するまでの間に、それでどんなふうに母親を慰めたんだろう??
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No.5731
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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