2014年02月27日の読書
2014年02月27日(Thr)
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本日の初読図書: 「劣化賢者の幻想譚(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n6058bc/
とっくに40を過ぎているはずなのに、未だ20代前半にしか見えない母を持つ大学生 神楽十蔵。 彼は母が虫干ししていた道具(ガラクタ)に触ったせいで、いきなり異世界フェリーアスへと飛ばされてしまった。 え? あれって母さんの作り話じゃなかったの!? 俺は母さんと違って凡庸なんだ。包丁ひとつで熊を倒したり、素手で立木を切り倒したりなんてできないんだよ! できることって言ったら、せいぜいスキル『加速』と、異次元無限倉庫、通称『所持品欄』を受け継いだぐらいなんだ!! ……そんな彼だったが、転移した先で出会った黒い猫耳を持つ美少女トオコ・サヴァンに事情を話して、なんとかフェリーアスについていろいろと教えてもらうことができた。トオコはレベル29の冒険者で、メイン職はサムライ。『黒の舞姫』の二つ名を持つ、将来を嘱望された若手らしい。そんな彼女の紹介で冒険者ギルドへ登録に行った十蔵だったが、現実は非情だった。十蔵に適正のある職は、ろくなものがなかったのだ。悩んだあげくに選んだのは『呪術師』。ギルドの受付員いわく「辺境の村でばあさんが薬師と祈祷師と占い師と呪師を兼ねてやっているアレ」、「攻撃魔法も回復魔法も支援系魔法も覚えるが、それぞれが最底辺クラスの初級呪文までしか使えない」、「良く言えば『ものすごく劣化した賢者』って感じ」とのこと。 それでも十蔵には、数少ないアドバンテージがあった。それは異常なまでのMPの量と、その自動回復スキル。そして通常なら冒険者レベルの数までしか倍掛けできない魔法を、MPが持つ限りいくらでも重ね掛けできるスキルであった。普通ならば、燃費の悪い初級魔法の重ね掛けなどすれば、あっという間にMPが枯渇してしまう。しかし十蔵にはそれを補えるだけのMPがあったのだ。 かくして十蔵は『劣化した賢者』として、異世界での生活を始める。その豊富なMPと現代知識を有効活用しつつ……
先日読んだ「偽クノイチ異界譚」の続編。完結済。 地球へ戻った紫乃さんの、息子が主役のお話です。 ……実を言うと私は世代交代ものが割と苦手だったりするのですけれど、今回のお話はむしろこちら(息子側)のほうが好みでした。作者様がお話を書き慣れてこられたというせいもあるのかな? 所持品も能力も最初から全方向にチートにもほどがあって、やりたい放題だった偽クノイチ〜に比べると、こちらの十蔵くんはもう少し控えめでしたし。 MPが初期状態で10520(※Sランク一流魔術師でも800ぐらい)あり、あと固有スキルに魔力自動回復(1分ごとに最大MPの0.5%)と魔力使用制限解除(MPがある限り魔法の重ね掛けが何重でもできる)という魔力特化型という他は、むしろ全体的に常人よりもスペック低め。地球から持ち込めた物品も、役に立ったのはせいぜい、銀貨11枚(11万円)で売れた磁石ぐらいです。 特に素質のあった職(ジョブ)が、使い勝手が悪い不遇職かヒモやホストというあたりが、面白い感じにバランスがとれていると思うのですよ。やはりいい部分があるなら、それだけ不遇な部分もある。そしてそれを現代知識と工夫で覆していくのが、異世界トリップチートの醍醐味ではないでしょうか!
そんな訳で十蔵は、初級魔法しか使えない不遇職のために、ブロック1個を作る生活魔法を効果距離×10・体積×500の重ねがけをすることで壁を作り出し、防御魔法の代わりにしたりとかしています。ちなみにちゃんとした普通の防御魔法で同等のことを行えばMP50の消費で済むところを、このやり方だと1500以上必要とします。超上級魔法使いが二人いてもまだ足らない量。でも十蔵にとっては30分で自動回復する程度ってのが(笑) 同じように持続時間が長い代わりにMP消費が多く、効果も低いので使えないとされる初級防具強化魔法(24時間、MP30で防御力5%UP)を×100することで、3000MP使って防御力5倍とかvv さらに武器強化も×100して合計6000MP消費しても、まだ余裕が残っている上に2時間もすれば回復してるというvv 朝方宿を出る前に掛けておけば、依頼の目的地に着く頃にはMP満タンに戻っている上に効果も持続中って、やっぱりチートすぎるか(苦笑)
他にも魔道具作成やポーション作りで色々やらかしています。 あと十蔵も母親譲りで猫耳スキーですが、今回は男女カップルなのでまあ普通に読めましたね。 そうそう、途中でシオリ・アルケニー作のローブとか出てきたので、この話の時系列は「アルケニー洋裁店」と同じことが判明しました。 あとこれはネタバレになりますが、ネイルが生き返ってくれたのがけっこう嬉しかったですvv ……しかし長い年月、年老いずに生きることへの苦悩とかが、相変わらず見事にすっ飛ばされているあたりがなんというか(苦笑) まあ、こういうテイストのコメディだと思えば、楽しく読めるかと。
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No.5637
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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