よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年12月03日の読書
2013年12月03日(Tue) 
本日の初読図書:
4198611262連城訣〈1〉菊花散る窓
金 庸 岡崎 由美
徳間書店 2000-01

by G-Tools
えー、ちょっとあらすじをまとめにくいので、ざっくり一言で表現するならば、「中国武侠版モンテ・クリスト伯」です。
時代設定がいつなのか、どうもよく判らんのですが……三国時代よりは後、なのかな? そんな昔の中国を舞台に、善良だけが取り柄の木訥でちょっと愚鈍な青年が、妬まれ、陥れられ、濡れ衣を着せられ、恋人を奪われたあげくに投獄される。そして牢屋内で出会った相手と友誼を結び、秘術を伝授されて二人で脱獄するも、師兄と慕ったその相手にはあえなく先立たれ……で、たぶん2巻目から復讐に入るんだと思います。

『モンテ・クリスト伯』大好きな私としては、途中までは楽しく読んでいたのですよ。
しかしなんというか、こう……あまりにも狄雲(主役)が気の毒すぎてもう(−ー;)
エドモンは、まだ潔白を信じてくれている人達が何人もいた。恋人(メルセデス)は獄死したという知らせを聞くまで、何年も待っていてくれた。土牢に繋がれて塗炭の苦しみを味わいもしたけれど、肉体的な拷問はそんなに受けなかった。そして脱獄した後は、有能な水夫や富豪として、周囲からそれなりの尊敬を受け、高みへと駆け上がることができました。
しかるにこの狄雲は……( T _ T )
恋人にも等しかった幼馴染み(戚芳)からは軽蔑の眼差しを向けられ、敬愛する師匠からは見捨てられ、よってたかって殴られ蹴られはもう普通。捕縛時に右手の指は全て切断された上に、肩胛骨に穴開けて鎖を通して繋がれてるんですよ(怖)
なんでもそれをされると、どんな武術を修めた豪傑でも、身体に力が入らなくなり、無力と化してしまうのだそうですが……生きたまま肩胛骨に穴って(ガクブル)

そして脱獄してからも、相変わらずあまり頭が良くなく口下手なこともあって、誤解につぐ誤解を受けまくり。さらなる濡れ衣を着せられて『正義』を自称する『侠客』達に追い回されます。そんな苦しい中でも、なんとか助けてやろうとしている少女(水笙)にさえ、肉体目当てにいやらしいことをする色情狂だと勘違いされて侮蔑され続け。

そんな彼を唯一助けてくれたのが、淫僧・邪僧と呼ばれるチベットの血刀僧なのですが……この人が本当に悪い人なんですよ。通りすがりの花嫁行列を、嫁が美人だったら略奪しようと遮ったあげく、あんまり可愛くなかったからとその鼻を切り落とし、花婿はついでに殺しちゃうような正真正銘の悪人です。狄雲を殺そうとした弟子が返り討ちにあったとはつゆ知らぬそのお師匠が、着るものがないから仕方なくその弟子の法衣を剥いで着ていた狄雲を孫弟子だと勘違い。役人に追われていたところを「見所があるな」と助けてくれるのですよ。
しかしそのお師匠さえも、この巻の最後では狄雲を殺そうと考えているあたり。雪崩で雪山に閉じこめられてしまったので、食べる物がなくなったら殺して食べてしまおう。せめて順番を最後にしてやれば申し訳も立つだろう、って……狄雲、不憫という言葉では言い尽くせないぐらい不憫すぎる…… ・゜・(ノД`)・゜・

狄雲がへこたれない……いや逆にへこたれきって達観してしまったというか、「今さら一つや二つ濡れ衣が増えたところでどうだというんだ」というスタンスでいるから、まだなんとか読めていますが。
モンテ〜と違って、獄中で頭脳を鍛えられた訳でもなく、伝授された武術の奥義や宝の在処を示す暗号も不完全なままで、いったいこの先、彼が血刀僧として堕落する以外の道があるのかどうか、不安でしょうがないですよ。
これはもう、2巻(完結編)でよほどのカタルシスがないと、読んでいて下がったテンションが持ち直せそうにないです。

ああでも、さっさと狄雲見捨てた戚芳と寄りを戻すのだけは止めて欲しいなあ。なんか一応助けてはくれたっぽいけど、それでも自分の幸せは捨てないっぽいし。メルセデスだって、わきまえてみずから身を引いたからこそ良かった訳で。
どうせなら水笙との誤解が解けてくれた方が、まだしもです。
……たとえそれが服装見て血刀僧だと思っただけで、問答無用で自分の使用人の命の恩人である狄雲を、鞭で殴り倒したあげくに足の骨折るような自称『任侠』だとしてもね!<ほんとにろくな目にあっていないよ狄雲……
No.5328 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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